気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

感想(女性向けライトノベル)

彼女と彼の関係~平凡な早川さんと平凡な三浦くんの非凡な関係~

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「へへっ……今ならそんないい子の早川さんを、彼女にできますよ!」

「――なら」

(略)

「よろしくお願いします」

 

主人公の三浦拓海くんが男友達と「誰でもいいから彼女がほしい」と他愛ない話をしていたところ、早川夏帆さんが「私でもいい?」と声をかけてきて。

その場では解決せずに後日となったんですが……有言実行で履歴書書いてくる早川さんは微妙にズレてますけど、不思議な可愛さがある。

お相手となる三浦くんも「まじで面接じゃん…」と言いつつ、それを粗雑には扱わずしっかりと受け取ってるし、真面目な子ですよね。

 

特別な理由があったのではなく、男女交際というものに興味があったという一点で、それまで知らなかった男子に声をかける行動力はすごい。

とは言え今まで知らなかったのも確かなので、お試し期間としてひと月ほど時間を取ってみることになるわけですが。

 

……なんか初対面の時から、妙に波長があってるからお試しと言わず付き合ってしまえばいいのに、と外野から好き勝手言っちゃう。まぁ、勢いだけで決めない真面目さも個人的には好印象ではあるんですけどね。

可愛らしく好感の持てる2人の青春模様を垣間見れる、良い始まりのラブコメ。

それぞれの視点が交互に入っていて、内心とかも分かるので理解度高いし、読みやすい作品です。

三浦君と早川さんの友達も接点が出来て、時にからかったりもしてきますが。誤解からすれ違った時とか背中押してくれるところもあって、友情が篤くて良かったですね。



私の名はマルカ 嘘つき貴族を成敗したら、公爵令息からの溺愛が始まりました?

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私の名はマルカ。母様と父様からもらったこの名前を誇りに、自分の人生を生きていく。

 

平民の孤児として育ったマルカ。

父の記憶はかすかにしかないが、母は昔領主様のお屋敷で働いていた経験もあったとかで多くを教わって、大切な思い出として抱えてきた。

善良な領主の下で運営されていた孤児院で勉強もさせてもらえた彼女は、15になった時に義務である魔力測定に参加。

そこで基準以上の魔力が測定されたため、貴族も通う学院に進学する必要が出てきて。これは魔力の制御を学ぶ必要があるとか。

 

進学が決定したタイミングで、マルカを家に迎えたいと申し出たのがレイナード伯爵。

善意であればよかったんですが……彼は「実はマルカは自分の娘である」という偽りを唱えた上で、彼女を駒として動かし王太子を誘惑しようと画策します。

敬愛してる父母の思い出を汚されたことでマルカは内心怒りを覚えますが、引き取られて味方がいない状態でむやみに逆らわない選択ができるあたりは偉い。

 

表向きは愛想笑いして、内心で毒はいてますけどね。厄介なことに巻き込まれてるけど、それはそれとして学院での勉強を楽しんでるマルカは、当人はそこまで自覚してないうちに魔法の扱いにかなり習熟していって。

マルカのことを面白く思わない相手からの嫌がらせがあっても、それで自分の身の安全を確保してたりするので強い。

 

レイナード伯爵たちの目論見を察知したときに、その情報を王家に流して、それからも協力することで彼女は功労者として認められ、伯爵家の悪事は裁かれたわけです。

めでたしめでたし……というのが1章。もともとこのあたりまでを短編として描いて、人気出たから連載にした作品だったはずですね。

 

伯爵家ではろくに世話もされていなかったけれど、差し押さえられたことで家なき子になったマルカは、この問題で縁が出来た王太子の婚約者クリスティナの実家にお世話になることに。

それがサブタイトルにもある、公爵令息の実家でもあって。調査のために近づいてマルカに興味をもった子息が、彼女にアピールを続ける中でマルカも意識していく王道の展開ではありますね。

マルカの両親の調査をしようって話があったけどその結果は描かれてないし、細かいところで引っ掛かりは覚えますが、マルカが結構好きなキャラ造形してるので楽しく読みました。

Free Life Fantasy Online~人外姫様、始めました~

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『お姉ちゃん今どこー?』

「お姉ちゃん今カタコンベ」

 

WEB既読。『Free Life Fantasy Online』というゲームのβテストで開催された大会で妹が入賞し、VR機材とセットを入手して。

それを譲り受けた姉の琴音が主人公となり、同じゲームをプレイすることになる話ですね。

 

初期作成の種族もかなりバリエーションがあり、それぞれに特徴があるのですが……マニアックな人向けの人外種族なんかも選択することができて。

スライムとかも選べるけど、普通に動けるようになるまでがそもそも難しい。様々なデメリットが存在する分、成長が早くて進化することで能力変化することもあるそうで。

主人公は人外種族に惹かれて、ゾンビでスタート。

 

種族スタートでカタコンベから開始。同族判定でこちらから攻撃しなければゾンビたちは敵対しないというのを活用して、マッピングをしていたら隠し部屋を発見。

そこでレアアイテムを見つけて、ユニーク種族に進化することができて。

ゾンビ由来ながら人の見た目を手に入れて街に向かって、NPCやプレイヤーとの交流をしていくことになる、と。

主人公視点で淡々と攻略しつつ、少しずつ進んでいく感じですね。

 

はじまりの町の四方にボスがいて、流通が途絶えてる関係でプレイヤーたちは素材に四苦八苦しながら生産したり攻略を進めたりしている模様。

アナスタシア、ソロでモンスター狩ってそこで得た素材で「料理」スキル伸ばしたりしてて、割と自由に楽しんでますねぇ。

 

高度なAIを積んだNPCとの交流があって、横暴なプレイヤーは出禁にするべきかどうかみたいな話を聞いたり、現地の食材の調理法について奥様方から情報を得たり、地味にいい仕事をしてるんですよねー。

まだ四方のボスがどこも倒されてないのもあって、世界が狭いですけどここから広がっていくと面白くなってくるんですよね。……WEBの更新が滞りがちなのが難ではありますが。

私の推しが今日も最高に尊いので、全力で幸せにする!

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「違うよ! 自分のお金で!! メア様に貢ぎたい!! 優秀なATMでありたい!!」

「何を言ってるかほとんどわからないけれど、自分の力でメアリクス様にプレゼントがしたいということかしら?」

「そうです! その通り!!」

 

前世でハマっていた乙女ゲーム世界に転生した主人公。

とはいってもヒロインやシナリオに関係するメインキャラではなく、この世界に生きる一回の平民の調薬師リゼとして、ではあったんですが。

今世の父は早くに亡くなってしまったものの、母から深く愛されて育ったようです。母親も夫に深く愛されて幸せに生きたようですね。

 

しかしもともと体が弱かったために、冬を越せずに亡くなってしまって。

母の薬屋を次いで立派に努めつつ、お金をためて学院に通うことを目標に日々を生きていた。魔法がある世界だけど、魔法薬学はあまり発展してないジャンルだから研究したいと理想を抱いていたり、割と真っ当な薬師なんですよね、リゼ。

 

……ところで話は変わるんですが、彼女は前世で推しを推すためならば金を惜しまないタイプのオタクだったそうで。

そんな彼女がたまたま倒れ伏している最推しの少年を見つけたらどうするか、なんて決まってますよね。

放置すれば裏社会に囚われてしまう。そこから救われるシナリオではあるとわかっていたけれど……推しを放っておくことなんてできなかった。

 

この世界で忌み嫌われている黒髪、ということで警戒心の強い最推し――メア君でしたが。

リゼが彼を大切に庇護して、愛でて、好きだと伝えていくことで彼女に執着することになるわけです。

でも、リゼの「好き」は間違いなく本心でありつつ、推しを見守りたいという気持ちが強くて。自分が拾い上げてシナリオが変わってしまってはいるけど、メアが幸せになるならゲームヒロインとの恋でも応援できるというスタンスは、厄介オタク過ぎて笑ってしまう。

 

でも、セーブ&ロードとかしてルート分岐を確かめられるゲームならともかく、現実世界でそう簡単に心変わりとかするはずもない、というか。

一度は放逐されたが、故合って実家に連れ戻されることになったメアが交渉によってリゼを婚約者として確保してるのに、なお受け入れていないあたり諦めが悪いというか。

推しを見守りたいという気持ちが強すぎて、何重にもフィルターかかってるんだものな……。

 

進学したゲーム舞台の学校で、うっかり仲良くなった少女がゲームヒロインで。

ヒロインは転生者ではなかったし、ゲームとは違う科に属していたりするし、そもそもリゼがメアを保護したことで、もう別シナリオと化してるんだから早く詰みの状態だと理解すればいいのにと見守る構えに入ってましたが。

他の転生者とバッタリ会ったことで、しっかり気付けたのは良し。

拾ったら最後まで面倒見ないとダメですよ? 

歴史に残る悪女になるぞ 悪役令嬢になるほど王子の溺愛は加速するようです!

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「ご立派な貴女の理想論は、利益を得られなければ実現しないのよ。相手に尽くすのは貴女の勝手だけどそれを国単位で考えるのは愚かですわ」

 

乙女ゲームでよくある「いい子ちゃんなヒロイン」が嫌いだった主人公。

彼女は、ヒロインに毒を吐いてくる悪役令嬢の方に共感していたから、生まれ変わったら悪役令嬢になりたいと思っていた。

そして念願かなってプレイ経験のあるゲームの悪役令嬢アリシア・ウィリアムズに転生した主人公は、彼女の目指す「悪役」になるために奮闘を始めます。

 

それまではわがまま盛りで甘やかしすぎたと思われていた少女が、突如として剣を習いたいと体を鍛えはじめ、姿を消したと思ったら10時間以上図書館にこもって勉強している。

自分を磨くことに余念がなく、不足していると思えば夜に剣を振ることだってした。

その努力は王の耳にまで届いて、試すかのように国の現状についてどう思うか問われたりするイベントなども発生。

 

他にも要所要所で、自身の有能さを(当人はあまり自覚してませんが)アピールしてきた結果、13歳になった時にアリシアはある任務を任されることになります。

ゲームでいうところのヒロインを監視して、彼女が聖女らしいかを確かめる。そのためには「悪役」じみた振る舞いもしなくてはならないだろう、ということでしたが。

悪役令嬢を目指すアリシアがそれ聞いたら断るはずないんだよなぁ……。かなりノリノリで聖女と対峙してましたが……。

いや、確かにこれは甘ったるくて嫌な類の理想論だわ。叶えばどれだけ素晴らしいでしょう。でも、そんな理想がかなわないからこそ、現実的に対処しなくてはならないわけで。

ヒロインに絆されて兄もあちらに着いてるし、そんなお花畑のなにがいいんですかみたいな気分にはなる。

アリシアがどんな状況でも彼女の夢に向かって努力する姿は、筋が通ってて好きでしたが。外部への出力方法等には課題が残るよなぁって読み口。

ぼんくら陰陽師の鬼嫁 七

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「まもりと、いのりちゃんは、せりさまがげんきで、わらってくれるのが、いちばんいいです。きっと、あるじさまも」

 

北御門が呪われるという前回の一件はなんとか乗り切ったものの……近頃、芹は体調が思わしくなかった。

そもそも彼女に北御門への呪詛が効かなかったのは、別の呪詛が掛かっていたからだ、という可能性が出て来て。

ただの体調不良だ、という現実逃避も出来ず。皇臥は災いを受け流す役割を持つ式神・青龍を起こすことにして。

 

一体誰に芹は呪われているのか。

彼女自身からすると交友関係も狭いし、呪われるほどの出来事には思い当たらなかった。

友人から悪い噂が流れてないだろうかとか情報収集に取りかかったりもしますが……どうにも状況は上手く運ばず。

皇臥は式神作成に関しては才能があるはずなのに、青龍への呪詛回避も機能しなかったりと、どれだけ凄い呪詛を受けているのかとハラハラする事になったんですが。

 

芹の友人が入院する事態にまでなったことで、見落としていた可能性に気付き、そこからは早かったですね。

今回の一件に関しては概ねハッピーエンドと言っていい終わり方だったとは思うんですが……最後の一文が不穏なんですよねぇ。

病院に怪しい動きをしてる人が居たり、ある式神にも不調の気配が見えたりしましたし。芹と皇臥の関係はかなり良好に見えますが、他の問題が山積だなぁ。頑張って乗り越えて欲しいものです。

ルべリア王国物語2~従弟の尻拭いをさせられる羽目になった~

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「さっきの言葉……嬉しく思う」

「え?」

「ちゃんと覚えておく。君の言葉も」

 

エリナとアルヴィスの距離が近づいていく中で、建国祭が開催されることとなって。

王太子となったアルヴィスが女神との契約を交わしたことは他国にも知られており、それによって例年とは違う賓客がやってくることに。

帝国の皇太子に連れられたアルヴィスとは違う神から祝福を貰った令嬢、宗教国家スーベニア聖国の女王、友好国ではあるが何やら企んでいる隣国マラーナの王子と王女。

 

帝国の皇太子も研究者気質で、熱が入るとちょっと反応に困る部分はありますが。綺麗な顔が好きだと言い、腹芸も出来ない契約者のテルミナを上手くあやしつつ、直球でアルヴィスと向き合ってくれるところはポイント高いかなー。

……他の2組が、色々と厄介な話を持ってきてくれたから相対的に評価が向上している部分はある。

 

特にマラーナの方は、アルヴィスに怪しいもの盛ろうとして来たり、勘違いした言動が多いので頭が痛いというか。

前王太子と仲良くなれたんじゃないですかね、とか言いたくなるな。

でも、そうやってちょっかいを出して来た相手が居たから、アルヴィスがエレナを庇いに行くイベント発生したり、率先して動いてしまうアルヴィスに「王は人を動かすのが役目」と先達から諭されたりして、彼も改めて王太子と言う立場を受け入れて、覚悟決まったようなので良かった。

ルベリア王国物語1~従弟の尻拭いをさせられる羽目になった~

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「アルヴィス、でん――」

「殿下は要らない」

「……アル、ヴィス様」

 

WEB、途中まで読んでるんですよね。一回切り良いところまで読んだあと、結構更新されてたハズなのでぼちぼち読もうかなぁ。

王弟の子、公爵家次男として生まれたアルヴィスは、近衛隊の一隊士として王城に務めていた。しかしある日突然王に呼び出され……。

身分の低い令嬢に誑かされた王太子がパーティーで公爵令嬢との婚約破棄を宣言し、それによって生じた混乱の責任を取らせるため廃嫡する事になったという話を聞かされます。

婚約者であったエリナ嬢に瑕疵はないため、王太子妃という立場は保証されなくてはならない。そこで、次代の王太子としてのお鉢が回ってきたのがアルヴィスだった、と。

 

サブタイトルで「尻拭いをさせられる羽目になった」と書いてある通り、婚約破棄モノの後始末を付けることになった人物を描いた話ですね。

王太子を唆した令嬢はこの世界の知識を持った転生者だし、攻略対象の男子に粉かけまくったせいで、あちこち飛び火したりと王家への信頼は揺らいでしまったようで。

アルヴィスは、これまで守る側だった立ち位置が守る側になった上、想像もしていなかった王太子としての重荷を背負わされることになって、困惑するばかり。

それでも責任感の強い正確なのもあって、王太子としての役割を全うしようとする辺り偉いんですが……。彼と親しい人達が、色々と背負い過ぎている彼の事を心配するのも分かるなぁ、と言ったところ。

 

エリナ嬢も、前王太子との婚約破棄があった直後の婚約と言う事で、最初は距離を測りかねていたようですが。

それでも、前と同じ失敗はしたくないと。政略前提の婚約ではあるけれど、その中で想いを育んでいきたいと思ってくれたのは良かったですね。

アルヴィスも不足があるためどうしても公務優先になってしまうけど、それでもエリナを大切にしようとする気持ちはあるみたいなので、幸せになってほしいものですが。

女神からの祝福貰ってしまったのが、面倒事のタネになりそうな予感しかしないのが困りもの。

弱気MAX令嬢なのに、辣腕婚約者様の賭けに乗ってしまった

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「少々予言よりも早いか? しかしいよいよ舞台も役者も調った。ピア、私がポッと出の男爵令嬢風情に惑わされる男かどうか、高みの見物をしていればいい」

 

乙女ゲームの悪役令嬢ピアに転生した主人公。

ゲーム自体はヒロイン1人に攻略対象の男子5人が居るみたいですが、メインで1人を攻略しても残り4人はヒロインに心酔してるため、それぞれの婚約者を振った上で国外通報するエンドになるっていう、いっそ清々しさすら感じそうな逆ハーレムモノだそうで。

主人公は、ゲーム本編開始前の幼少期にそれらの記憶を取り戻したんですが……前世の彼女もまた、恋人に手ひどく振られた傷心の女性で。

 

再び愛した相手に振られるなんて耐えられない、と婚約を破棄してもらいたいと相手に申し出ることに。

でもそんな明け透けな物言いに婚約者のルーファスは撃ち抜かれ、どうしてそんなことを言い出したのか追求してくることに。

結局隠しきれずに主人公は事情を打ち明けて、彼女の前世知識は神々に刷り込まれた予言として婚約者に理解されることになります。

 

ルーファスはそんな未来が訪れないように万全の策を講じるから、それが果たされた暁には婚約しようという賭けを持ち掛けてきます。

前世で研究者をしていて、今世も知を重んじる家系に生まれたピアの興味を引く題材を餌にしっかり賭けに乗せたルーファスはお見事。まぁこれはピアが割とチョロイってのもありますけど。

 

貴族的な謀略はさっぱり苦手な彼女は多くの人々を魅了します。前世の知識を基にした研究――地質学的な学問はこの世界では発展しておらず、先進的って事でかなりの価値を認められて、ピアは博士として認められる功績を挙げたりもしてるんですが。

その辺り本人は自分の好きなことをやり続けてるだけで、あまり意識してない感じ。

 

年月が経ち婚約者との関係も良好だったけれど、ゲームヒロインが学院に入学してきた事で、他の攻略対象達の様子がどんどん変わっていって。

元々不安定な面があるピアでしたが、ヒロインを目撃したりすると更に不安が加速して。そんな彼女を守ろうとルーファスが手を尽くして、ゲームヒロインの策略にはまらずにピアへの愛を貫いてくれたのは良かった。

 

まぁピア第一主義だったのもありますけど、彼なりに他の人も救える範囲では救っていて、国王へも意見を上奏していたそうですし、その上で暴走した輩が出たのはもう致し方ないのではって感じ。

 

「私は約束を果たしただろう?」って、ゲームヒロインが婚約破棄するイベントシーンを、ピアたちが眺めるところがプロローグなので、結末は分かっていて安心して読める作品ですね。キャラの口調があちこち説明くさいとかはありますが、その辺りは好みかなぁ。私はちょっと苦手。

異世界転生して生産スキルのカンスト目指します!

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「今の今まで諦めていなかったじゃないか。それが一回の賭けに負けたくらいで全てを諦める? そんなのジンらしくないよ。苦笑を浮かべながら、世間話のように喋りながら、最後まで足掻いてみようよ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

ゲームが趣味の主人公は、その中でも特に生産要素のあるゲームを愛好していた。

その日も会社の後輩に飲み会に誘われたものの、スキルレベリングが佳境だったために帰宅する事にして……車道に缶を投げる馬鹿どもが居たせいで事故って死亡。

しばらくその魂は現世に留まり、自分の葬式で泣いてくれる人々を見守った後、昇天するのかと思いきや……。

 

気がついたらゲームの中で見かけたような服を着た少年の姿で、見覚えのない草原に一人佇んでいた。

育った姿でスタートしたものの、この世界の常識とか何も分からない状況で。魔獣とかも居る世界のようですから、何か間違いがあったら「草原スタートだけど死んじゃいました」とかになりそうでしたが。

たまたまその道を通った集団に保護されて。おまけにそれが、彼が前世で打ち込んでいた生産に特化したクランのリーダーであった。

 

記憶喪失だという体裁にして接触したら、上手く保護してもらって念願の鍛冶なども教えてもらえることになった。

さらに転生した主人公は特殊なスキルも保有しており、その効果で特異な現象を巻き起こしたりもします。ただ、そのスキルには良い縁に恵まれるって効果もあるので、トントン拍子に話が進んでく理由付けされてるのは良し。

 

しかし、英雄の器。前回の同一スキル保持者の意識が残っている上、効果にも影響を及ぼしているとかかなり変なスキルですよね……。

前々回と前回保持者の間でも「なんでそんなスキルにしたんだ」ってズレが生じてるし、それは今回も同様だし。前々回の能力が今回継承者に当たっていたら歓喜したんじゃなかろうか。

 

生産型にも戦闘型にも時代によって切り替わる万能型と言えば聞こえはいいですけど、自分の求めたスキルを使えるわけじゃないし、何とも言えない微妙さを感じる。

例えば戦争中にこのスキルを持っていた人間が、敵を蹴散らすとか、負傷者を癒すとか戦争に生きる能力を欲したとして。次の継承者の時には戦争が終わってたりしたら、そのスキルって本来の願いとは違った形でしか運用できないわけですし。

この歪さにも理由があると良いですけどねー。作中ならではの理屈が通ってると、嬉しいなーって思うタイプの読者なので。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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