気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

感想(女性向けライトノベル)

『聖女様のオマケ』と呼ばれたけど、わたしはオマケではないようです。

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恋愛感情での“好き”はまだ芽吹いてないけれど、もう少しでそれが芽吹く予感はある。

「この世界に来てからわたしに『大丈夫か』って訊いてくれたのは、ディザーク殿下だけだったから」

 

主人公の少女、篠山沙耶は普通の女子高生……だった。

しかし、クラスメイトの少女・香月優菜と一緒に日直の仕事をしていたところ、異世界に召喚されてしまって。

優菜の方は、異世界の人々が召喚術を使ってでも異世界から招き入れたかった人材「聖女」として祭り上げられたものの……魔力を感じられなかった沙耶は、あまりにも適当な扱いを受けることになって。

侍女は新人が一人、監視役の護衛に就いた騎士もやる気はなく、食事もロクなものを与えられない。

 

そんな折、他国の要人がやって来るという噂を沙耶は聞いて。

王国ではこれからもロクな扱いは受けないだろうから、どうにか接触して連れ出してもらおうと画策。

彼女の想定とは違う形にはなったものの、接触には成功。

帝国の皇弟ディザークは、元より巻き込まれた少女の事も聞きつけており、さらに彼の国で「黒髪であること」は重要視される要素だったので、状況によっては保護することも考えていたこともあって、亡命は成功するわけです。

 

まぁただ連れ出すのは王国側との交渉が難航する可能性もあったため、ディザークの婚約者として迎え入れることになって。

さらに、実は沙耶にも魔力はあった……どころか、優菜以上の才能が秘められていたことが帝国に移ってから判明。彼女もまた聖女としての素質があるとされて、教育を受けることになって。

帝国ではディザークの婚約者候補たちからの嫌がらせがあったり。逃した聖女を惜しんだ王子がちょっかいを出してきたり。トラブルもまぁまぁありましたが。

沙耶を大事にしてくれるディザークと良い関係を気付いていけたのは良かったですね。



ライブラリアン 本が読めるだけのスキルは無能ですか!?

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「本とはすなわち英知の結晶。役立て方は無数にもございましょう。貴方が貴方のできることをするように、私は私のライブラリアンの私にできることをするのみですわ」

 

スキル至上主義の国に生まれた令嬢テルミス。

彼女は、自分にだけ読める本を出す「ライブラリアン」というスキルを発現して。家族はそれでも彼女を愛してくれていましたが……。

貴族社会において、ライブラリアンは不遇扱いを受けていて就学も出来ないだろうし、仕事するにも結婚するにも、良い縁には恵まれないだろうと言われてしまうようなものだった。

 

しかしテルミスは、前世の記憶を取り戻したことや、自分の成長に合わせて読める本の増えていくライブラリアンというスキルとしっかり向き合っていって。

女性だから正式な料理人としては働けないけど、夢を諦められずにいたサリーを専属に迎えてプリンを作成してみたり、色々と新しいことに打ち込んでいったわけです。

貴族として良い縁組に期待できない、いつか貴族籍を外れて平民になるかもしれない、ということで自分である程度の事が出来るように奮闘もして。

その一方で孤児院への訪問なんかもして、出来ることはしっかりしてるんですよね。子供たちにも慕われていましたし。

 

しかし、そうやってテルミスが奮闘して少しずつ立場を確かなものにしてくのかと思いきや。

誘拐犯に拉致されかけたり、辛くも生還はできたものの危機が完全に去ったわけではないので、隣国へ逃げ延びることになってしまったり。

後半はかなり激動でしたねぇ。テルミス一人での逃避行ではなく、頼れる先達がいるのは良かったですけど。道中で、また別のトラブルと遭遇してたのには笑ってしまった。引きが強い。



引きこもり箱入令嬢の結婚

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《君を《箱のまま》認めてもらうために、君は君のままチカラを振るってもらいたいんだ》

《『箱のまま』で良いのですか?》

《もちろん。『箱のまま』でいてこそ君だと、思っているからな》

 

1巻が「婚約」だったところ、今回は「結婚」に至るまで。

モカは第二王子サイフォンの婚約者であるわけですが、対人関係に難がある「箱入り令嬢」。サイフォンも面白い事大好きな、変わり種と思われている部分があって。

一方で第一王子フラスコは粗暴な部分があると言われていたり、近ごろかねてより決まっていた婚約を独断で破棄して、新たな令嬢を婚約者に迎えた経緯があって。

今は引退してしているものの、現国王の叔父でもあるニコラス翁が社交の場に出てきて、「どちらの王子にも、現状では認めがたい部分がある」と言われてしまって。

 

関係を認めてもらうためにも、手を打ちたいところではあった訳ですけど。

フラスコの指示派閥は、サイフォンを排除しようと暴走しかけている過激派が居たり。フラスコの新しい婚約者コンティーナ嬢が怪しい動きを見せていたりして。

一方、婚約披露の際にも『箱』のままでその姿を現したモカにあやかって、平民たちの中では空前の「箱」ブームが始まって、彼女の箱をモチーフにした資材運搬用の箱が作られていたり、箱まで食べられる箱入りクッキーとかいろんなグッズが作られていたり、たくましい市民の姿見られたのは楽しかったですね。

 

お忍び調査に出向いた先で、同じくお忍びで動いていたフラスコと鉢合わせて、城で見ているのとは違う姿を見ることになって、フラスコとサイフォンの間にあった溝も今回の騒動を通して埋まっていったのは良かったですね。

モカ、自分の魔法を最大限活用した情報収集をして、情報屋としての顔まで持っていたとかで、箱入りという面白令嬢ではありますけどスペック高いんですよねぇ。

なんだかんだで最終的には裏で動いていた連中を排除した上で、自分の資質を認めてもらうことも出来たので良かった。



引きこもり箱入令嬢の婚約

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「逆に、チカラを……善きに使えば……きっと、それを上回る善きチカラに、助けてもらえる……時が、あります、よ」

 

幼少期に行われる魔性式で、一人一種の魔法を授かる世界。

父が宰相を務めるドリップス家の令嬢、モカ。彼女は幼少期から優秀で、幼いながらに父に連れられて社交の場でしっかりと振舞える子であった。

……しかし、だからこそ早い段階から、父に笑顔で近づきながらも裏では「目障りな奴だ」とこぼすような大人の醜さを見ることになってしまったり。

魔性式の場では身分を表に出さず振舞うべし、というルールを破った伯爵家令嬢の嫌がらせを受ける羽目になってしまって。

 

対人コミュニケーションが怖くなってしまった彼女が得たのは、『箱』の魔法であった、と。

箱の中に快適な居住スペースのある『箱』を創り出せたり。小型の『箱』に防犯カメラや盗聴器のような機能を持たせた魔法などを開発して、箱の中に引きこもりながらも、研鑽を怠ってはいなかったようですけど。

他人と会うのは怖いけれど、若者の成人を祝う会には参加しないわけにもいかず……『箱』のまま乗り込んでいったのは愉快でしたけど。

「宰相の娘は箱入り」というのは社交界では知られた話だったみたいですけど、物理で箱に入ってるって言うのは流石に予想外だったでしょうねぇ……。

 

そんな変わった見た目ながら、箱の中に取り込んで食事もできるし、毒が入っていたら分析もできる。

魔性式の際にモカを助けてくれた第二王子サイフォンは、モカの『箱』を面白がったのもあって、彼女との婚約について話を進めることになって。

モカも幼少期の縁で惹かれていた部分もあったので、モカの母が社交に不安の残るモカの婚約に懸念があるため、モカの意志を尊重しつつも反対の姿勢を示したり。

それを面白がらない令嬢たちによって横槍を入れられたりもしてましたが……。

王子に踏み込んで素顔を見せてみたり、能力を示してみたりもして。まだまだ人の前に出るのは苦手ながらも、変化していってるの良かったですね。

末王女の輿入れ~その陰で嵌められ、使い捨てられた王女の影武者の少女が自分の幸せを掴むまで~

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「君は過去にそれに見合うだけの努力と苦労をしてきたんだ。今が幸せ過ぎると思うなら、過去の分を今取り返しているのだと思って受け取っておけばいい」

 

ギフトという特殊能力を人々が持っている世界。

概ね十歳前後に自覚することが多いが、早く覚醒することもある。足が速くなるとか、遠くまでよく見えるみたいに、ギフトかどうかパッと分かりにくい者から、自然を操るような特殊能力を持つものまでさまざまなようですが。

 

作中で重要になるのは、主人公である孤児の少女メアリーと、彼女と一緒に働くことになったララのギフトだけですね。

メアリーは直接触れた人物の髪色と髪質に自分の髪を変化させられる。ララは他人の顔を一時的に変化させることができる。

……その能力を組み合わせることで、彼女達は第三王女であるレオノーラの影武者を務めることが求められることになるわけです。

普段は王女付きの侍女として働きつつ、いざという時には身代わりになるように求められていた。なのでメアリーは所作も王女に似るように厳しい指導を受けていたし、必要な知識も与えられていた。

 

とはいえ平和な国ではあったので、影武者業務が必要な事はさっぱりなかったみたいですけど。

ある時、王女が出席する必要があるお茶会の時に、レオノーラが体調を崩してしまって……メアリーが代わりに出席することに。そしてそれを上手く務めてしまったことで、レオノーラは調子にのって「王女の行うべき業務」のほとんどをメアリーに放り投げるようになって。

 

王の定めた婚約者との会合もメアリーに放り投げて、自分は理想の恋を追い求めていた。メアリーには婚約者の粗を探して破談に持ち込むように提案したりしているし、本当に好き勝手生きていますねぇ、レオノーラ。

最終的にレオノーラは、恋が暴走して自分の影武者であるメアリーを嵌めてまで自分の理想を追い求めたわけですが。過ぎたものに手を伸ばそうとした末路が待っているのでまぁ……。

メアリーを影武者に仕立て上げる流れを知っている貴族も居たのに、レオノーラを止められなかったのは上層部大丈夫かと思う部分はありますが。まぁ最終的にメアリー達が幸せそうだから良いか……。

聖女に嘘は通じない

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「商人なら、一度かわした契約を反古にしてはいけませんよね」

にぃっと笑うクロエ。

「はい、その通りです」

 

辺境の教会に努める神官見習いの少女クロエ。

彼女はろくでなしな父に仕込まれたこともあって、賭け事にめっぽう強かった。

かつて『幸運の聖女』と呼ばれた人物が、交渉術とカードによる賭けで辺境の土地を他国から無血で奪い取ったという逸話があるため、神職だからといって賭けが禁止されるようなこともなく。

むしろ勝ち続けるクロエの事を『豪運の聖女』なんて呼ぶ人まで出てくることになって。

 

そんな噂を聞きつけた、ビルツ伯爵家の息子で聖騎士を務めるエラルドが現れて。

この国では神から与えられた祝福……ギフトと呼ばれる能力を持った人物が時折現れ、教会はそういう人を神子として祭り上げたりもしていたようです。

クロエが賭けに強いのは、カードの配置を覚えられる記憶力とか嘘を見抜く眼力とかの技術であって祝福ではないそうですけど。

その彼女の技術を認めて、エラルドは彼女を雇いたいと言いはじめて。

 

曰く2年前の神子選抜試験において、有力候補が死亡する事件が起きたとか。停止していた選抜が再開する運びになり、当時の人員も揃っているので事件について調査をしてほしいという事で、クロエを神子候補としてエラルドがねじ込んだとか。

名門貴族家の令嬢ながら、高慢な振る舞いを見せるヴィオレット。

絶世の美貌を持つがそれゆえにトラブルに見舞われがちなサロメ。

お洒落に関することには特に饒舌になる令嬢ゾエ。

死んだチーロと同じような、動物と心通わす祝福を持つモニカ。

 

個性的な令嬢の中に放り込まれたクロエ。エラルド達の考えもあって、いくつかの事情を伏せられていたりもしたのは、おいおいって思う場面もありましたが。

それでもしっかりと調査をして真相に迫っていったのは良かったです。

クロエの父、賭け事くらいでしか稼げず母にも逃げられるようなろくでなしだったそうですが。それでもクロエに春を売らせるようなことはせず、賭けだろうと金を稼いで、彼女を育てることはした。

ろくでなしではあったけど、クソ親父と蔑視するほどではなかった。愚かだとは思ったけど、それ以外に生き方を知らなかったことも理解している、というクロエとクロエの父の関係が結構好きでした。

選択肢を増やすために出来ることをしようとして。その為の手段として、結局クロエも父と同じ「賭け」という手段しか思いつかない、というあたりも似た者親子というか。持ってる手札は結局似てたというか。

聖女候補として入り込んで、なんだかんだ認められていたクロエの事が好きになれたので、楽しく読めました。

万能メイドと公爵様の楽しい日々

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「良いですか、あまりエレーヌ様を恐れて、顔色を窺わないようにしてください。使用人たるもの、ご主人様の要求に迅速に対応べく一挙手一投足に目を光らせるのは当然ですが、だからと言ってビクビクする必要はありません。毅然とした態度で、粛々と業務をこなしましょう!」

 

主人公のリリカは5歳で両親を亡くし……近所に住んでいた、昔王宮で働いていた経験のあるヘレンに引き取られ、英才教育を受けることに。

そして立派な使用人になったリリカの最初の職場が、アシュベル王国第四王子ウィルジアの屋敷であった。

 

兄三人に比べると見劣りする部分があり、当人の興味も歴史の書物に向いており……歴史編纂家としての道を歩むことにしたウィルジア。

王家の血が将来の火種にならないよう、王位継承権を捨てた上で公爵家を建てたそうですが。それを良いことに当人が仕事に没頭しまくって、容姿は良いのに髪もボサボサにしてるし、人を傍に置きたがらないしで、屋敷に使用人を1人しか置かなかったとか。

そのせいで激務であり……入れ替わりが激しかったとかなんとか。

掃除洗濯料理というウィルジアが活きるのに必要な雑事をやってくれればよかった、とかそれ普通に無茶ぶりなんだよなぁ。

 

ウィルジアの母が使用人への注文が激しく、そっちはそっちで入れ替わりが激しいし、そのせいで色々と必要な情報が断絶したりしているようですけど。

ウィルジアも、彼の母も別に性格的に悪い人だったりはしないんですけど、王族の視野というか。使用人の事とか見えてないのが王族だなぁ……とは思いました。世間一般の常識に疎い。

でも、そんなウィルジアや彼の母エレーヌの要求に応えられるだけの能力をかつてのヘレンだったり、リリカが持っているからエレーヌの物差しを歪めた説はある。

 

一人で屋敷全体を綺麗にしたり、プロ顔負けの料理を作ったり、なんだったら木を切り倒して日照の調整をしたりはしないのよ普通は。料理は料理人、草木関連は庭師とかを雇うべきなのでは……?

まぁ、リリカの役職的にはメイドにあたるんでしょうけど彼女の師匠の教えが「使用人ならこれぐらいできて当たり前なんだ」なので全てを包括して指導してるってことなんでしょうけど。

しかも初期のリリカ、文字が読めないからこれらは全部暗記してるってことでしたし。スペックがバグっておられる。

万能メイドと、不器用な部分のある公爵様の交流は見ていて面白かったです。

悪食令嬢と狂血公爵2 ~その魔物、私が美味しくいただきます!~

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「簡単に命を賭したりしないでください。公爵様がお強いことは分かっています。でも、私と一緒に生きる意味を考えてくださると、そう仰ってくださいましたではありませんか」

 

魔物を討伐する役目を与えられた名跡、ガルブレイス公爵。

国の為に命を賭すと誓約している身であり、17年前の厄災の年においては先代がその役割を全うしたとかなんとか。

そして当代であるアリスティードもまた、結婚するつもりがなかったそうで……つまるところ、基本的に男所帯だったというか。

 

いや騎士の家族として女性陣が居ますし、女性騎士も登用しているみたいですが。

公爵夫人を迎えるのは本当に久しぶりの事だそうで。アリスティードの側近であるところのケイオスも「仲睦まじく閣下を支えて欲しいけれど、公爵夫人としての教育……?」と頭を悩ませるほど。

まぁ、だからこそ型にはまらずメルフィエラらしく、交流していくことが出来たともいえるので良し!

 

メルフィエラの故郷とは違って精霊信仰が浸透しているわけではないガルブレイス。

公爵様たちも困難に際して魔物を食べた経験持ちもあるそうですし、その配下の騎士達も忌避感がなさそう……というか。

メルフィエラの世話役として最初につけられた女性騎士で構成されたブランシュ隊の若手、リリアンが臆せず彼女に「魔物を食べるのは本当か」と聞いて。

それで実践してみたりすることになって、美味しい果実を食べることに成功したりもしてました。

 

ガルブレイスに来る際に魔物の襲撃があって、メルフィエラが彼女の成果物である曇水晶や、古代魔術の知識を使った攻撃用の道具を作って、アリスティードが使った結果、かなりの規模の一撃をお見舞いすることが出来たりしてましたし。

彼女の存在は、ガルブレイスに結構良い影響を与えてくれそうだなぁと思っていましたが。

そんなタイミングで、初代の侯爵が約定を交わしたという天狼が狂化しかけているなんて大騒動が起きて。メルフィエラが居なかったら解決できなかったでしょうし、良い巡り合わせでしたね……。

悪食令嬢と狂血公爵1 ~その魔物、私が美味しくいただきます!~

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「お前であれば大丈夫だ。メルフィ、お前への球根は、きちんと貴族のしきたりに則って行われている。陛下もご承知の上で、この婚約は成立した」

「短期間の間にそこまで……アリスティード様、私は果報者でございます」

「俺自身も驚いているのだ。誰かと婚姻を結ぶつもりなどなかったはずが、お前と出会った途端に覆ってしまったのだからな」

 

魔力をその身に宿し人に害を為す存在、魔獣が存在する世界。

北方にあるマーシャルレイド伯爵領の娘、メルフィエラは魔物を食べる研究をしていることで「悪食令嬢」と呼ばれ社交の場では浮いた存在だった。

マーシャルレイド伯爵領が精霊信仰を国教とするティールブリング広国と接していて、伯爵領にも精霊信仰が広まっているのも、向かい風ではありましたが。

さらには伯爵の後妻との折り合いも悪く……彼女は、一年以内に婚約者を見つけなければ修道院に入れると脅されることに。

 

それを避けようと社交の場に出たメルフィエラでしたが。

会場に魔物の襲撃があり……魔物との戦いを生業とするため狂血公爵と呼ばれるアリスティード・ロジェ・ド・ガルブレイス公爵に助けられることになって。

彼は魔物と戦い続ける領地のトップであることや、窮地に魔物を食べる経験も持ち合わせていたため、メルフィエラの事を忌避したりはしなかった。

……まぁ魔物、適切な処理をしないと内包した魔力でお腹を下すらしいですけど。

メルフィエラはその「適切な処置」について、母の研究を継いである程度形にすることに成功していた。で、処置した魔物料理は美味しいそうですよ。

 

彼女の行いに興味を持ったガルブレイス公爵は……色々あって、彼女に求婚することに。

なぜ精霊信仰の根付いた土地でメルフィエラが魔物を食べるための研究をしていたのか。

それは十七年前に起きた大干ばつからの大飢饉で、飢えた民を救うためにメルフィエラの母が始めたという背景があって。今もなお続けているだけの想いと抱えているものがあって。……美味しいもの食べたい、という個人的な思いも入ってる気はしますが。積み上げてきたものがあるのも間違いないですからね。

アリスティードはそうした事情を汲んで、彼女を尊重して受け入れてくれる構えなのが良かったですね。



隠れ星は心を繋いで~婚約を破棄した後の、美味しいご飯と恋のお話~

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「そう、ね……きっとこれが恋なんだわ」

(略)

「恋する人って、みんなこの苦しみを抱えているのね」

「苦しいけれどそれ以上に素敵なものよ。全てが輝いて見えるもの」

 

王家にも商品を卸す有力な商家ブルーム家の次女アリシア。

彼女自身は商人ではなく、国王直轄の図書館で働く司書であるようですけど。同僚にも恵まれ、家族仲も良好で平穏な日々を過ごしていた。

そんな中唯一と言ってよい懸念点が、家同士の話し合いで決まった婚約者であるトストマン子爵家の長男フェリックスとの婚約関係であった。

 

アリシアの方は含むところはなく良い関係を築けていたと思っていたものの……フェリックスは、貴族は貴族と付き合うべきという価値観の持ち主で。

フリッチェ男爵家の令嬢キーラと真実の愛を見つけた、と婚約関係を解消しようと言い放ってくることになって。

まぁその前から社交界で噂になっていて、アリシアの耳にまで入ってくるほどの状況だったわけで。フェリックスとキーラと対峙した時に、一筆書かせてるのは強かだなぁと思いました。

そう言われてあっさり一筆書いた2人が阿呆すぎるという話でもありますが。

 

そもそも婚約時の条件に「アリシアを唯一とし、尊重し誠実であること」を盛り込んでいたのに浮気してくるし。

この契約もどちらかと言えばトストマン家の方が利が大きかったというか。ブルーム家の援助を必要としていた側だったようですけど、長男がそれを理解してなかったのはなぁ……。あまりにも阿呆すぎて、完全に終わった話なのにいつまでもその縁に縋って度々登場してくるフェリックスには辟易しましたが。

 

婚約破棄によって傷ついたアリシアを心配してくれる友人に恵まれたのは、何よりでしたねぇ。

同僚のウェンディにも良い縁がやってきたようですし。この騒動をきっかけに、アリシアも「うまくやれると思っていた婚約関係」ではなく、自分の内から湧き出る確かな恋をすることが出来たわけですし。

阿呆と繰り返しエンカウントするのはアレでしたけど、主人公たちが幸せになっていく過程はとても良かったです。その盛り上げ役としては100点の仕事をしていた、とフェリックス君達を評価しても良い。



プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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