![]()
「今は痛くありませんから、泣かなくていいですよ――ジェラルド」
オルタでの冬を超え、春を迎えたアビゲイルたち。
魔物のボスたちとの交流も相変わらず続いていて。ボスたちがアビゲイルからの褒美目当てで茶番をしているのを見抜いて、釘を刺しに行ってる当たりジェラルドも大分慣れて来てますね……。
序列を大事にして頑張って振舞ってる姿、本当に微笑ましくて良いですよね、アビゲイル。ドリューウェットの人々との交流風景はいつ見て和む。
久しぶりに王都に言って魔導列車に乗り込んでみたり、楽しい日々ばかりだったら良いんですけどねぇ。
他国からの使節、ソーヤリー卿がまたいろいろと情報を持ってきて。
第二陣でやってくるメンバーは彼と思想が違うということで、どちらかというとソーヤリー卿は融通を図ってくれている方で、情報も有用ではあるんですが……。
それはそれとして他国の事情にこっち巻き込まんでくれ、という気持ちはある。
ソーヤ国の文化である影武者。本体側であるユエン王子はスペアであるソーヤリー卿に対して、言いなりになるべきという考えを持ってるそうで。
……ジェラルドも似てるので無理難題吹っ掛けてくるかも、とか言われて、そうなんですか情報ありがとうとはならん。
鉢合わせしないように、という建前でドミニク王子とジェラルドとアビゲイルを自国に招こうとしてきたりしますしね。
ドミニクを動かすために魔導列車の技術と、ソーヤ国の防衛壁の相互技術提携とか、王族が引っかかりそうなネタを用意してくるあたり強かでもあるし。
まぁでも交渉が通じる相手だから、頭が軽くてこれまで国から出された事がなっていうユエン王子よりは大分マシなんですけど……。
海を超えられるようになったのは、公式には百八十年前くらいらしいですけど。
それ以前にソーヤ国に漂着のような形で流れ着いた記録もあったそうで……。ドミニク王子が別件で調べていたところ、シンの一族の初代はウォーレイ出身だったそうで。
しかしその初代が「ウォーレイとは関わるな」と言い残していたって言うんだから不穏。実際ユエン王子が面倒くさそうなのは本当でしたけど、アビゲイルの非凡さを察していたソーヤリー卿には相談したい事があったみたいですしね。
……そこでアビゲイルは、ある過去と対面することになったわけですし。当人が全く気にしていないのだけが救いか。