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「脚本家の都合なんぞ知った事か」
ゲームシナリオが始まったことで、魔王軍の活動が活発化。
ヴェルナー達の住む王国でも魔族が蠢き、ヴェリーザ砦を敵に奪われてしまう事態が起きたわけですが。
シナリオを知っているヴェルナーとしてはある程度は予定調和。1巻で起きたスタンピードでは死ぬハズだったキャラが生き残ったりしてて、それを知ってからはより良い選択肢を模索してもいるんですけどね。
砦陥落と言うイベントが起きたことで、王都襲撃も起きるだろうしそれで生き残るために、効率を重視している面もありますが。目線が未来に向いているので、現時点での功績に頓着してない素振りになって、それが逆に他のキャラからの評価につながっているのが面白い。
勇者パーティーの仲間になるキャラがストーリー上で約束されたタイミング外でも加入してくれたり、先述の死ぬハズだったキャラの生存だったり、シナリオは確かにあるけどそれを超越する事も出来るんですよね。
一方で、ヴェルナー自身がそうであるように、ゲーム世界が現実になったことで、描かれていなかった村や国、様々な貴族などの存在も出てきた訳で……。
隣国が魔族によって滅ぼされ、大量の難民が流入することが予想されるため対処する必要が生じる、とか中々に頭痛いですよね……。そんな中でも叶う範囲で対処しようとする王国上層部は結構信用できる。
まぁヴェルナーに言わせると脳筋世界な部分もあって。1巻で散々な物言いしてきやがったタイロン氏が、文官系であるはずのヴェルナーの方が功績を上げている現状に不満を抱いて、指示に従ってはいるものの力押ししようとする面も見えるのが心配でならない。
妹のミーナが、ヴェルナーを評価してるのを見るに柔軟性がたりないのでは、と思えてならない。
今回の難民移送のエピソードもWEB時代から加筆されていて、ボリュームアップしていたの良かったですね。
王太子や将爵がヴェルナーの事を認めていて、見守る構えなのとかが現時点で示されているのも良い。
それ以外だとゲーム的仕様である「魔物を倒すと稀に宝箱を落とす」現状に対する分析とかもなかなか興味深かったですね。
エピローグでついにリリーの挿絵が見られたのは嬉しかったですねぇ。これからも面白さを維持して進んでくれる良作なので、是非とも3巻を読ませてほしいところです。

