
それも人生。
それこそ人生。
否定していいものではない――少なくとも、簡単に否定していいものではない。
うたい文句は『100%突然書かれた小説です』。
作者が、「作中でだいぶ時間過ぎているし、ちょっと確認してみようか」と本当に突然書いたため、ファイナルシーズンの間に入り込んできた作品。
もう一年前の話で、その後に出た終物語が上中下の三部構成になったりと、西尾さんは本当に自由ですよね・・・と言うほかない。
阿良々木暦が怪異と出会ってから過ごしてきた12か月の物語。
色んなキャラクターたちと「道」について考察する文章が入って、物語。
当たり前にあるものにありがたみは感じられないと断じる羽川。
神原は、常に走っているから「コース」のようなものと感じ、けれど「道には、逃げ道だってある」とドロップアウトについて語っていたり。
まぁ、それぞれの個性が出ていて中々面白い問答だとは思いましたが。
こよみストーン。
4月。羽川と学校で発見したあやしげな祠(?)について考察する話。
こよみフラワー。
5月。戦場ヶ原が見かけた、「屋上に置かれた花」の謎についての話。
こよみサンド。
6月。八九寺が見た、砂場に浮かぶ鬼の顔について調べる話。
こよみウォーター。
7月。神原の魔窟となった部屋を掃除し、昔、神原の父親が見たという不思議について聞く話。
こよみウインド。
8月。自宅を訪れた撫子と、詐欺師の手法についてを論じる話。
こよみツリー。
9月。妹、火燐の通う道場で見つかった「今まで誰も気がつかなかった木」の問題を解決する話。
こよみティー。
10月。妹、月火が解決した「八人目の部員」騒動のオチを考え騙されてもらう話。
こよみマウンテン。
11月。忍野扇と北白蛇神社を訪れ、会話したり、道なき道の先に神社がある理由を考える話。
こよみトーラス。
12月。忍と室内で平和的にドーナツを隠して遊ぶ話。何やってんだお前ら。
こよみシード。
1月。余接と探し物をする話。探し物をすることで、探させないようにするっていうのは逆説っていうか皮肉というか。
こよみナッシング。
2月。余弦と戦い特訓したり、余接との関係を聞こうとしたりする話。最後には余弦が失踪するわけですが・・・この辺から日常かと思いきやシリアスに移ってくるんですよね。
こよみデッド。
3月。臥煙と出会い、攻撃される話。容赦ないよ、あの人。さて、容赦ない人はいったい何をしたかったのか。何を引き起こしたのか。ずいぶんと気になる終わり方してますが。
終物語もそのうち読もうかなー。入手するところから始めないといけないんですけども。