気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

その他

魔王と勇者の戦いの裏で2

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「今 余裕がある部隊なんて存在していないだろう

 ならできる者がやるだけだ」

 

騎士団が壊滅し、王太子殿下も死んでしまう。

そんなゲーム序盤に待ち構えている一大イベントの渦中に飛び込む羽目になったヴェルナー。

敵の仕掛けを見破って、最悪の状況を回避することこそ出来たようですが。

王太子に直言をしたことで見込まれて、年齢も経験も上で家格にしてもよくて同格の相手の指揮を執る羽目になって、内心で冷や汗書いてるヴェルナーが好きです。

 

ゲーム知識があることも影響して、前提条件が違うため他の騎士と意思疎通がうまく測れないシーンもありましたが……むしろ王家への忠誠心の表れと受け取られて評価上がってるからヨシ。

マゼルがボスを倒すまでの時間稼ぎをするだけのつもりでしたからね、ヴェルナー。

なんだかんだ与えられた枠内で限界いっぱいまで奮戦してはいましたが。

左翼側、ミーナが受けたヴェルナーからの助言を基に、この世界にはなかった盾を用いた戦型を即座に適応してみせたフュルスト家の騎士も見事ですよねぇ……。コミカライズで絵が付くと壮観でした。

 

そしてコミカライズ独自シーンで、マゼル達の探索サイドの戦闘シーンも盛り込んでくれてたのは個人的に嬉しかったですねぇ。

いや裏でこんなの動いてて、それを打倒したって言うんだからゲーム主人公なだけはありますよねマゼル。

スタンピードに勝利した後気絶してしまったヴェルナーですが、起床した後は事後処理でできることに手を出してる当たり、貴族としてしっかりしてるわぁ……。

 

巻末SSは「王都学園の小騒動」。

ヴェルナーは療養と事後処理もあって、スタンピード後は学園休んでましたが。

体力のあるマゼルは平民だったこともあり、普通に顔を出したみたいです。そして、噂が広まっていたこともあって、色々とお声がけをいただいて困惑することになった……という一幕を描いたSSですね。

ヴェルナー視点だと見えないエピソードなので、こういうの好きです。

クプルムの花嫁4

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「……ん――修とあたしが覚えてればそれでいっかなって」

 

巻頭収録の「第二十三話 ギャルと出会い」がツボでしたねぇ。

タイトル通り引っ越してきたしいなが、妖怪銅叩きと出会ったときのエピソード。

友人の妹が祭りで踊るのを見て、自分も踊った気がすると言ったら友人から否定されて……。

修が来た時に飛びついてるしいなが可愛かったですよね、この話。

お祭りで踊るために練習していたけど当日寝込んでしまって。その夜、体調が治ってから修と一緒にこじんまりと踊ったのが印象に残っていた、というのがとても良い幼馴染エピソードだと思いました。

 

銅器が好きすぎて夢中になっちゃう修と、そんな彼の事が大事なしいなはやっぱりいいコンビですよねぇ。

妖怪銅叩きすぎて独特のムーブばっかりしてますけど、しいなや祖母がしっかりツッコミ入れてくれてるのが良いですねー。

しいなも番頭見習いとして頑張ってるみたいですけど、まだまだ甘いみたいだし。

お互いの関係という意味では大分完成しているけれど、職人と番頭としては成長の余地が多いというのが好きです。

 

少しずつ成長していくことで、また2人の距離感も変化していきますし。

しいなの為に旅行しようと考えた修に対し、まだ銅器関連の勉強だなと思ってしまうしいなとかも微笑ましい。4巻も堪能しました。

野生のラスボスが現れた! 黒翼の覇王2

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「其方が正しいと思う道を進めばいい ……少なくとも余の知るメグレズとはそういう男だった それに余は負けたとはいえあの戦いを恥じても悔いてもおらぬ」

 

暴走していた十二星天の一人アリエスを叩きのめし、主の帰還を認めさせたルファス。

かつて最初に仲間にしたアリエスが、改めて配下を集める旅でも初めに同行することになる展開は熱い。

……存在感の薄いディーナ相手に、「驚きました! あそこから移動できたんですね!」とか言って、コントみたいなやり取りしてるところは笑えた。

 

原作でも散々な扱い受けてる敵キャラ七曜のマルスが、格好つけて長文台詞喋ってるところを、五月蠅いとシンプルに殴り飛ばすコマがやっぱり面白いですね。

いやあれは確かに五月蠅いよ……。

かつて自分を裏切った英雄の一人とも再会したルファスでしたが……彼は異世界ゲーマーな自分と違い、この世界で生きている存在だと突きつけられることになってもいました。

 

召喚されたときから、ゲーマーな彼が丁寧にしゃべろうとしても覇王フィルターかかって、威圧感のある物言いになってましたが。

こんな状況でも『ルファス』として適切な言葉かけられるのは便利ですねー。

その助言を受けてメグレズも、かつて夢みていたころの自分を多少なり取り戻せたみたいですし。

 

次なる目標は、覇王ルファスを慕う人々が作り上げた「黒翼の王墓」という場所を守っている十二星天リーブラの回収。

現在の人類は結構追い込まれていて、ルファスの墓に残された覇王時代の装備は喉から手が出るほど欲しい。だから、ルファスが使わないものだけでも残しておいてほしいとお願いされてましたが。

 

……実際、武器を求めて挑んだ戦力が何度もリーブラに蹴散らされてもいるみたいですし、随分な窮地だったんだなぁという感じがある。

王墓の警備としてルファス謹製のゴーレムが配備されていて、主ルファスには手を出してこないけど、忘れ去られてるディーナが追われてるのはいつものノリですね。

リーブラとの再会と合流までパパっと解決してテンポよく進んでました。

小さな絵でしたけど光り物によわくてそわそわしてるルファスの姿みられたのも微笑ましくて良し。



野生のラスボスが現れた! 黒翼の覇王1

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「よくぞ余が居ない間ここを守り続けてくれた」

「勿体なきお言葉です!」

 

同名作品のコミカライズ。

『エクスゲート・オンライン』という異世界ミズガルズを舞台としたオンライン・ゲームにハマっていた主人公。

プレイヤーが国を立ち上げられるし、国家間で戦争を行うことも出来るシステムがあり……ルファスというキャラクターを作り上げた主人公は、存分にそのシステムを活用し、一度は全勢力を支配下に置くまでになった。

 

しかし一強状態はゲームとしては面白くないため、他のプレイヤー達と結託して覇王ルファス討伐というプレイヤーイベントを開催したり、存分に楽しんでいたようですが。

ある時ログイン画面で不思議な演出を目撃し……気付けばルファスの姿で異世界ミズガルズに降り立っていた。

異世界においても覇王になったルファスは、仲間の裏切りに会い封印され……未来において勇者召喚を試みた国家が、誤ってその封印を解いてしまった結果みたいです。

 

ラスボスじみた存在を解き放ってしまったことに、勇者召喚しようとした人々は震えてましたが……。

肉体はルファスでも、中身はゲーマー主人公なので、覇王としてふるまうつもりはないとだけいい捨てて世界に飛び出すことになります。

そしてかつての拠点で参謀として作ったキャラ、ディーナと再会を果たして、彼女から現代の情報をもらいつつ、以前の配下を集めるべく動き始めるという展開。

説明が多く感じる部分もありますが、ルファスの強さや分かりやすいノリも健在なので、良いコミカライズだとは思います。

ヒロイン? 聖女? いいえ、オールワークスメイドです(誇)! @COMIC3

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「メイドたるもの ご主人様を守るのは当然の嗜みです♪」

 

ゲームヒロインであるはずのメロディが、何も知らずルトルバーグ邸へと戻ったころ夜会会場では危険なイベントが発生していて。

魔王に体を乗っ取られ、封印解放のために動いている青年ビュークの凶行。

正史であれば既に忘れられていた銀の対策武器や魔法を開発しているあたり、転生チート組の王太子たちも出来る範囲で手は打っていたようですけど。

 

さすがに魔王には及ばず、蹴散らされるのみかと思いきや。

最初に切られたルシアナはなぜか負傷しておらず……逆に彼女を斬りつけた魔王の剣の方にヒビが入り始めて。

それはメロディがルシアナのドレスに、聖女の力を全力で用いた魔法をかけていたから、という事件現場にいないのに多大な影響与えててなかなか愉快。

 

会場に居ない聖女の力の残滓を振り払えず、いったいどんな願いが込められているのか探った魔王がメイド狂いメロディの願いでさらに混乱させられたりしてるのもあって、一気にコメディ色強くなるんですよねぇ。ちょっと前までわりとシリアスしてたはずなのに。

 

かろうじて逃げた魔王は、死にかけていた犬を新たな依り代にして。

その状態でルシアナの秘密を探りに行ったところで、メロディと鉢合わせてしまうんだから運がないというか。

……まぁ、メイド狂いのメロディが聖女の力に目覚めていたからこそ、魔王に憎しみをもって対峙する形にならず平穏無事に終わったのは、何が幸いするかわからないものですが。

 

転生令嬢のアンネマリーが、ゲームとは違う形で登場したルシアナに同じ転生者ではないかと疑いを向けてきたりしたものの空振り。

自分たちが改善のために打ってきた手の一つである定期馬車によって、運命が変わった可能性に気が付いて今後を憂いていましたが……。シナリオ崩壊してる原因全部、裏でメイド満喫してるメロディのせいだよ……。

地の文で思いっきり突っ込まれてるの笑っちゃった。

 


悪役令嬢レベル99

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「チッ 怪我をしても知らないからな」

(お前の生死は私の繊細さにかかっているんだが……)

 

カドカワBOOKSより刊行されてる作品のコミカライズ。

乙女ゲームの悪役令嬢ユミエラ・ドルネクスに転生した主人公。復活した魔王にヒロインと攻略対象たちが協力して挑むタイプのゲームで、ユミエラは運営の遊び心的に追加された最強の裏ボスであった。

 

かつて猛威を振るった魔王が黒髪だったという伝承から不吉だと言われており、ユミエラもまた侍女から遠巻きにされていた。

しかし、転生したユミエラは「裏ボスになれるスペックがあるのは最高なのでは?」ととてもポジティブに、悪役令嬢ルートを回避しつつ自身のスペックを向上させていくチャレンジを始めます。

身を守るアイテムではなく経験値アップアイテムを持ち、魔物を呼び寄せる笛も最大限活用してダンジョンを周回するという、この世界の人からすると狂気の沙汰とも呼ぶべきレベリングによって、ユミエラは裏ボスらしいレベル99のという最強の座を勝ち取るわけですが。

 

生まれてきてから顔も見たことがない両親からの命によって、学院に通わされることになった時、レベル99というのが周囲にもバレて。

忌まれる黒髪の少女がそんな実力を持っているはずがない、と嫌がらせを受けることになるのですが。

やたら睨んでくるヒロインや、彼女に絆された攻略対象がやたら絡んできて鬱陶しいんですよねぇ……ユミエラは受け流してますけど。

面倒ごとお断り精神の彼女は、最悪実力に任せて他国に逃げればいいやとか考えてるし、絡んでくる生徒はレベル低いしで、歯牙にもかけてないというのが正解かもしれない。

 

ゲーマーみたいな思考で、ユミエラ・ドルネクスという裏ボスを満喫している彼女がおおむね楽しそうなのが良いですね。

彼女の実力を利用しようとする貴族が接触してきたり、贈り物を送ってきたりしているようですが。ユミエラにつけられた侍女のリタが、とても良い菓子が送られてきたから良いお茶もそろえないとですね! ってウキウキでそろえてたらしい小ネタが地味に笑えて好き。

オシバナ!

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「でも いつも応援してくれて褒めてくれて

 私が何かしたら喜んでくれて

 そんな喜んでくれる姿を見て こちらも心が温かくなるのは

 悪い関係では無いじゃない?」

 

とある高校で「王子様」と呼ばれている少女、押田紗和。

見目も良い文武両道な彼女は、多くの同性から慕われていて……あちこちの部活に応援として参加したりもしてるみたいですが、その活躍を応援するファンクラブのようなメンバーもいる状態だった。

とは言え、同世代の女子ほとんどが沙和に夢中なせいで、逆に男子生徒からの評判は悪かったみたいです。

 

そんな中で唯一周囲の目を気にせず、ファン活動に専念していた男子が太田君。

ファン活動してればワンチャンとか言う邪な考えも持たず、ただ沙和の活躍に一喜一憂する「推し活」を堪能しているだけのオタクだったわけですが。

ファンの中で黒一点である彼のことが気に入らない沙和の友人・茉莉花は「後々厄介になるかも」とか言ってますが……沙和自身は悪い印象を持っていなかった。

それどころか、友人との会話を通じて実は彼の事が好きなのでは? と気づいてしまって……。

 

距離を縮めたい王子様と、推し活こじらせオタク君が中心にいるラブコメですね。

茉莉花にも秘めた思いがあり、太田君に釘さしたりもするし。太田君は推し活動に軸を置きすぎてるきらいはあるし。

途中から登場する生徒会副会長の八王子くんも、青春こじらせてる感はありますが。

そういう儘ならぬ思いもまた青春の一幕だよなぁ、と微笑ましくなりますなー。

どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。1

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「俺なら自分が死んだことを喜ぶ奴など呪ってやるが

 彼女が善き魔女であることを祈るんだな」

 

王都の外れにある森の奥深く。湖に囲まれた小島に、魔女のロゼは住んでいる。

魔女は特殊な素材を用いることで「魔女の秘薬」を作ることができるのだが……秘薬はどうしても高価になってしまうし、特殊な効力をもった薬を欲しがるのは訳ありの身分を隠したい人ばかり。

ある日彼女の下にやってきたのも、ハリージュという王宮勤めのエリート騎士で……過去の出来事から、ロゼもひそかに思いを寄せていた。

 

しかし彼が求めた薬は「惚れ薬」で……。自分の失恋を悟ったロゼは少しでも引き渡しを遅らせようと、情報を小出しにしていくのですが。

それはつまりそれだけハリージュとの接点が増えるということでもあって。

母を早くになくし祖母に育てられ、その祖母も亡くなってからは古い付き合いの商人ティエンくらいしか深い付き合いの人いなかったんでしょうね。

好きだからこそ感情が制御できないでいるのも相まって、ロゼはハリージュに隠しておきたかったことや、見られたくなかったものを見られてしまうわけですが。

 

秘密を知った時に騎士として他言しないと誓ってくれるハリージュが格好良かったですねぇ。

ロゼが彼の名前を知り、惚れることになった一因にしたって彼の誇り高さを感じるものでしたし。

一般市民が知らないからこそ「魔女」を恐れているというのも、わからないではないですけど。ロゼの小動物みたいな姿をみていると、何言ってくれてるんだという気持ちにもなる。

フシノカミ~辺境から始める文明再生記~4

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――だからなんとかしなくてはならない

そうだ 抱くべきは絶望ではなく まず決意の火種であるべきだった

 

1518話を収録。

熊がやってきたと知らせがあり、村人は教会へと逃げ込むことに。

アッシュも本来であればマイカと一緒にそこへ行くべきなのですが……アッシュ君の聡明な頭は、現状の問題にすぐに気が付いて。

 

熊に対処できるクライン村長や、狩猟経験のあるバンやジキルが各々の事情で村を離れている。ということは今熊に対抗できる手段を持っているのは、バンから教えを受けている自分だけだ、と。

そこで一度自宅へ戻り、狩猟用の道具を回収してから教会へ向かったわけですが……途中でバッチリ熊と遭遇してしまうあたりが、アッシュ君の引きの強さというべきか。

 

害獣と遭遇しても慌てず、避難場所である教会との距離を測り、対処を選ぶあたり覚悟が決まってて強い。

「ここは私の村だ」と決意表明するシーン、読書会によって本に希望を見出したアッシュが、「ほんの12ページ目に過ぎない夢物語」と語るノスキュラ村での出来事が、本の見開きで表現されているのがとても好きです。

 

まだ成長途中のアッシュは、熊に辛勝するのですが。毒を使って弱らせて、一度死んで前世の知識を持っているがゆえに「死の恐怖に抗える」という自身の強みを押し付けて、討ち取ったのですから流石です。

 

そのうえで負傷して寝込むというのが、この作品の儘ならなさを描いているというか。

ノスキュラ村の一般村人たちが、アッシュの出血を見て狼狽えたり、もう助からないかも……と思ってしまうのが、この世界の文明レベルなんですよね。

マイカもまた、自分の想い人が失われてしまうかもと一度は立ち止まってしまうわけですけど、アッシュの教えを胸に他の人に協力してもらいながら彼を救おうとするのが熱い。

 

アッシュがノスキュラ村に与えた影響は大きいですが、あくまで辺境の寒村に過ぎないこの場所では、彼の目的である「古代文明のような快適な生活の再現」という夢には不足してるものも多くて。

そんな彼に「都市に留学できる機会」なんてものを与えたら、そりゃ飛びつきますよねぇ。

まぁ肝心の領都の外観は彼の期待に届かないものでしたけど。不足してるなら変えていけばいいと奮起してる彼を見てると、やってくれそうな気がしてくる。

 

巻末の書下ろしSSは「シェバの灯」。アッシュを見送った後のシェバの視点で、息子を心配してる母に対して、父ダビドは信頼が厚いというか。

酔っぱらってぶつかって以降のダビドは本当にアッシュを理解してくれるようになりましたよね……。まぁ理屈でいえばダビドの言う通り、アッシュ本人は問題ないですけど。それでも心配になる気持ちまで止まるわけではないですよねぇ……。

描きおろし漫画はこのSSに影響された黒杞先生が、この後のエピソードを描いたものらしくて、こういう試みは面白くて好きです。

転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint1

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「私は妹にそんな騎士道を教えた覚えはない…」

「私も教わった記憶がないわ 兄さんはずっと私を無視していたもの」

 

騎士の家系に生まれたが、剣術の才能がなかったフィーア。

それでもなお騎士になりたいという彼女は、魔石を取ってくるという成人の儀をさせてもらえることになったわけですが。

姉はフィーアの実力と彼女のことを思って止めに来るけど、父と兄は興味なさそうなんだよなぁ……家庭環境が伺われる。

 

まぁ実際、黒竜なんて伝説級の魔物に遭遇してしまったからとはいえ死に瀕したわけですし、心配も正しくはあったんですが。

怪我した竜を心配して回復薬を与えたが、現代の回復薬無理やり回復力を高めるもので激痛が走るため暴れた竜に噛まれた、っていうのは避けようがないか……。

でもそれで死にかけたことで、前世で大聖女として活動していた記憶を取り戻し、回復魔法その他を扱えるようになったことで、彼女の世界は開かれるわけです。

 

……とはいえ前世でもその能力を駆使して、魔王封印に貢献したのに同行した王子たちに裏切られ、魔王の側近によって責め苦を味あわされたという辛い経験をしていたわけで。

だからこそ今世では聖女にならないように、魔王の側近に存在がばれないようにしようと考えるわけですけど。

根が明るく軽いというか。自身の持つ魔力が現代では桁違いだと指摘を受けながら、それを用いた強化魔法とか普通に使って注目集めてるし、大丈夫だろうかと心配になる。

でも、今に至るまでの間のどこかで歪んでしまった聖女の姿を見て涙を流したり、聖女として真剣であった彼女だからこそ、その在り方を正してほしいという気持ちも若干あるのですが。

……前世の最期が最期だから無理強いもできないんだよなぁ。でも、今世の聖女の腑抜けっぷりを見ると、もどかしさが募る。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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