気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

感想(ライトノベル)

母をたずねて、異世界に4~実はこっちが故郷らしいので、再会した家族と幸せになります~

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「父上と母上を驚かせてやる。協力してくれるよな、スイ」

「ああ、もちろん。僕らの……この戦いで、きみは家族を幸せにするんだ」

 

ミントと言う娘も出来て、異世界に馴染みつつあるスイ。

そんな彼がいつものようにシデラの街を訪問したら、母やカレンとも知り合いである第三王子ノアップと婚約者パルケルが襲来して。

王子と言う立場ではあるけど、冒険者としての活動もしてるとかで。フレンドリーに接してくる御仁ではありましたが。その割に王族らしい、振る舞いもしてるちぐはぐさがあった。

 

王族とは言え、貴族との関係を無視できるわけでもなく。

柵の中でそれでも足掻こうとしていたノアップをスイが認めて。この世界でも通じる美味と言う武器で相手の横っ面叩きに行ったのは痛快でした。

 

そうやって日々の問題を乗り越えて、穏やかな暮らしをしていた中……可愛い娘であるミントが倒れて。

突如、属性相克に陥ってしまったミントを助けるために、スイたち一家は奔走することに。

とは言え、『魔女』が複数人揃っても属性相克をなんとかするのは容易なことではなくて……かつてそれを成し遂げたスイに望みが託されることに。

そしてスイは、今まで思い出せなかった記憶を取り戻し、ミントを救った上で幼なじみと向き合うことになったわけですが……一言、良かったですね。

魔王討伐から半世紀、今度は名もなき旅をします。

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「スイ、また」

 

見送ったのは俺一人、約束したのも俺。

 

50年前、魔王討伐の旅に同行した剣聖スイルーンことスイ。

魔王討伐できるのは女神の啓示を受けた勇者のみ。……しかし、50年前は魔王を討伐することが出来ず、勇者が魔王を封じることで「討伐」を果たした模様。

スイはそれを認められず、魔王討伐の褒賞として女神から与えられる「願いを叶える権利」を「勇者を救うこと」に使おうとした。

しかし、討伐直後にその願いを叶える事は出来ず……50年後の未来にその願いを叶える機会を与えられることになって。

 

もう子も孫もいる年になっていたスイですが、老いた体も全盛期にまで若返り、「再び道を辿れ」という啓示に従ってかつての魔王討伐の際に辿った旅路をなぞるように旅を始める事に。

かつても旅をしてはいたけれど、当時は魔王が居たことで魔物という脅威があったため、穏やかになった世界を旅するのは初めてで。

 

静かな一人旅をするつもりだったみたいですけど。

かつての仲間である神官がついてきたり。同じく旅の仲間である魔女の弟子と、スイを慕う孫が転移の術を使って会いに来たり。

聖獣に懐かれたり……特殊な魔物と遭遇したりと話題に事欠かない旅を送ることになっていますねぇ。

スイの望みは女神にも直接叶えられるものではなく、あくまで機会を与えられただけなんですが、果たしてこの旅の結末がどうなるのか。楽しみですね。


フロスト・クラック~連続狙撃犯人の推理~

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「あなたは、私に電話をしてきた。そして、私が知らなった事件のことを伝え、その推理を求めてきた。なぜです?」

 

地の文がなく、キャラの会話のみで形成された『対話体小説』。

……という定義があるって話があとがきでされてました。へー、初耳の用語だぁ~。

 

閑話休題。

海外で暮らす男のもとに若い警官からかかってきた電話。

男は分け合って日本を離れており……警官がかけてきた番号を知る日本人は一人だけのはずで、掛けて来た警官はその人ではなかった。

いったいどうしたことかと思えば、本来の番号を知っていたハズの人物は職務中に死亡し……遺品整理をしていた後輩警官が、男に電話をかけて来たとか。

 

そこから若い警官は、いま日本で起きている『連続狙撃事件』についての話を始める事に。

先輩が遺していた怪しい番号に掛けて、機密を漏らすほど捜査が行き詰っている難事件。

けれど男は、捜査情報と言うある程度まとめ上げられたとはいえ、現場状況とかも伝聞でしか分からない状況で、犯人像を的確に見抜いていったのはお見事。

そして若き警官がその情報をもとに犯人を捕まえました、めでたしめでたし。いやぁ安楽椅子探偵ってやつかな、凄いですね……では終わらないんですよね。

 

そもそも何故、殉職した警官の手帳に男の連絡先が記されていたのか。

男が日本を離れ海外で暮らしている上、海外での知己に「日本でなにが起きようと自分には伝えないでくれ」と情報を遮断していた理由。

若き警官が、危ない橋を渡って機密情報を男に流したその真意……などが明かされていくわけです。少しずつ情報が増えていく中で見え方が変わっていくのは結構面白かったですね。

会話だけということもあって、かなりテンポよく話が進んでサクッと読めて良かった。

放課後の迷宮冒険者 日本と異世界を行き来できるようになった僕はレベルアップに勤しみます6

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「自分のできることをやる。やり続ける。僕はそれで大丈夫なんだと思う。すごいことをしてる人は確かに眩しいけれど、それに目を眩ませてはいけないんだ」

 

相変わらず師匠に過酷なトレーニングを課されたり、異世界でダンジョンに潜ったり、現実世界でヒーローやってる友人に連れまわされたりしているアキラ。

師匠、なんか訳ありなのが明らかな人前に出るのもままならない御仁ではありますが。食事が必要という人間らしさはあって。

隙を見て店から食料を頂いているとか。ちゃんと代金は置いていくみたいですけどねぇ。

 

アキラ、あちこちで地球由来の食材で餌付けしてたけど、師匠にも甘いものが通じてるのはちょっと微笑ましかった。

師匠、裁縫や編み物が趣味だったりするみたいですし。振る舞いや学識もあるからアキラの予想するとおり「いいところ出身のお嬢様」っぽいのは分かるんですが。いったいそれがどうしてあんな実力を得ていたり、変な状態に陥っているのやら。

師匠の趣味の産物で作った『歩行者ウサギ』のぬいぐるみがウサギ愛好家の方々に熱烈歓迎されて、一瞬で売れてたのは笑った。

 

地球の方ではヒーローやってる幼馴染から、急遽ヒーローの傍にいる着ぐるみの「中の人」の代役として駆り出されることになったりもして。

……イレギュラーな状況が重なった中で、怪人と鉢合わせてる当たり相変わらず引きが強い。

迷宮の方では、アキラがひいきにしているポーションマイスターのラメルさんがダンジョンに素材採取に行きたがった結果、アキラが同行することになったりしたりして。

いつも通り振舞っていたように見えましたが……読者目線だと、ある程度ダンジョンに馴染んでからのアキラしかしらないんですよね。

エピローグで、かつて彼が倒したとだけサラッと触れられていた『黒曜牙』の名前が出て来ていたり。途中のエピソードで受付嬢のアシュレイさんが、アキラの在り方を心配していたり。7巻でたら、アキラの抱えているそういった闇に踏み込む話になるんですかね。



二度目はタの付く自由業 逆行した社畜は、チートな装備&知識持ち越しで万能のアウトローになる

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「差し当たっては……目指すか。『最強の探索者』ってやつを」

 

ダンジョンが現れ、そこからポーションなどと言った特殊なアイテムも出てくることがあり……多くの人が探索者として乗り込んでいった。

ダンジョン内部でモンスターを討伐すると、職業が発現。スキルなども使えるようになり、レベルアップで強化されていくようですけど。

戦闘に活かせる剣士や魔法使いなどさまざまある中で、不遇な扱いを受けていたのが商人系の職業だった。

 

商人系の職業が最初に使えるようになるスキルが『アイテムボックス』で……。ダンジョン内部の資源を多く運べるのは有用だけど、現実世界でも違法なアレコレも運べるという事が危険視されたり。

レベルアップで習得できる鑑定も個人情報抜けることが問題視されて、対策装備が作られているし。アイテムボックス代わりに使える道具も開発されたりしたりもして。

そもそもの問題としてステータス補正も弱いせいで、商人系統は不遇を託つことに。

 

主人公の松尾篤史は、そんな世界でユニークな職業『旅人』を発現した青年。

アイテムボックスのような空間系だけど、より規模の大きい『ルーム』というスキルを扱う事が出来て。それを素直に報告した結果、ギルドに囲われて社畜ライフを送ることになった。

……という不遇の記憶を、職業発現の瞬間に取り戻したときから物語が始まります。

更にルームの中に保管していた貴重なアイテムも残っていたことで、彼は一周目の囲われる未来を回避するために動くことを決意。

不遇な扱いを受ける商人系統になったという報告をして自由を手に入れた彼は、同じような目に合わないようにするため自身を鍛えつつ、燻っている組織に自分を売り込んで社会的な地位も獲得して。

一周目で得た知識とアイテムを活かして、問題を抱えている少女を味方に引き込んだりして今のところは順調な歩み出しをしてる感じがしますね。

いずれAランクになるだろう企業で役職を得たとは言え、まだBランクですし権力的な意味では上がいる状況ではあるので、まだまだ油断できない部分はありますが。

おっさん異世界で最強になる~物理特化の覚醒者~

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「私はソウシさまとずっと一緒に居ます。他のパーティになんて行きません」

「え? ああ、もちろん俺としてもその方がありがたいよ。大丈夫、フレイニルが嫌と言うまで一緒にいるから」

「嫌なんて一生言いません。だからずっと一緒です」

 

社畜リーマンだったソウシ。

彼は気が付いたら異世界で目覚め……そこでは、特殊なスキルに目覚めた覚醒者と呼ばれる人々は、ギルドに加入し冒険者として活動する義務を負うとか。

なにも分からないまま呆然としていたソウシにギルドの事教えてくれた人が「どこぞの村から『覚醒』して追い出されたんじゃろ」的なことを言ってたり。貴族であっても家を出る必要があったりするみたいですから、覚醒者の義務はかなり重く……一方で厄介な物でもある模様。

 

多くは1525歳の間で覚醒するなかで、アラフォーリーマンだったソウシが覚醒したのは稀有な事例で。

この世界の常識に疎いし、年齢差もあったりしてソウシはソロで活動を開始。

彼なりに安全マージンをとりつつもダンジョンに挑み続けて。メインはソロではあれど、他の冒険者と多少の交流をしながら自分を鍛え、実績を積み上げていくことに。

ソウシは最初の拠点であったトルソンの町近くである程度鍛えて、別の町に移ることにして。そこでもトレーニングとダンジョン探索を続け、上を目指す「冒険者らしい冒険者」としての活動を続けていたわけですが。

 

そこでソウシは明らかに出自が良さそうで……しかし、覚醒した為に冒険者になっただろう少女フレイニルと遭遇。

困っていた彼女を助けるためにパーティを組んで、フレイニルを鍛えていったら妙に懐かれてしまって。……懐かれた通り越して軽く依存に踏み込んでそうですけど。

異世界でいつまでも一人きりなのもソウシにとっても良くないし、縁が出来るのは悪いことでは……ないんじゃないかなぁ。多分。



他校の氷姫を助けたら、お友達から始める事になりました2

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「俺は、凪と幸せになりたい」

 

恋心を自覚したものの、家族も大事で……父から勧められた縁談に心を殺して臨もうとした凪。

しかしそんな一方的な別れは受け入れられないと、蒼太は彼女の家に乗り込んで。

あくまで養父母と凪の間ですれ違いがあっただけで、娘を大事に想っているのは間違いなくて。凪が本当に大切に想っている相手と傍に居られるように、縁談を取りやめることになって……はれて無事に2人は恋人関係となったわけです。

 

一度は別れようとした想い人と一緒に居られることに凪の氷は完全に解けた……というかデレデレになってるの可愛かったですね。「大好きです」って、ハッキリ口にできるようになってましたし。

 

縁談については、元々凪の養父のライバル企業からの拙速な申し出だったため、何だかんだなんとかなりそうだ、と言うのはまぁ……良かったですけど。

凪が蒼太に抱き着いている場面を微笑ましく養母が見守っているシーンは笑えた。

そして凪の好意が確かなこともあって、蒼太は凪の婚約者として認められることになって。

 

蒼太の部屋の合鍵を貰ったり。凪の学校に蒼太が迎えにいって関係を周知したり存分にイチャイチャしてるんですが。

凪の心にはそれでも、一度信頼を裏切って関係を終わらせようとした負い目があって。夢見も悪くなるくらいでしたけど……そんな彼女を、蒼太も彼の両親も受け入れてくれて、心配事が解消されたのは何よりでした。

他校の氷姫を助けたら、お友達から始める事になりました

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「海以君に。貴方に出会ってから、おかしいんです。気が付けばこの仮面が勝手に剝がれている。顔が綻んでしまう」

(略)

「だから、距離を取ろうとしてしまいました。……貴方を信じると言っておきながら。申し訳ありません」

 

他校に通っているけれど、その美貌から存在が知られている少女・東雲凪。

誰に告白されようとバッサリ切り捨てるし、常に表情を変えず距離を詰めようとすると無視されるため『氷姫』というあだ名が付けられているほど。

主人公の男子高校生、海以蒼太は彼女と同じ電車で通学をしていた。その美貌で目を引いて、存在だけは察知していたけれど、別にお近づきになりたいわけではないし。テレビで見るアイドルとかみたいに生きる世界が違う存在として、敢えて声を掛けようとは思っていなかった。

 

しかし……ある日、彼女が痴漢されているのを目撃してしまって、声をあげることにして。

翌日、電車で出会った凪の方からお礼を言うために近付いてきたことで、交流が始まることに。

痴漢にあったことで少し男性も、電車に乗るのも怖くなってしまったという彼女は……頼れる同性の友人も他に信頼できる人もいないから、と蒼太に電車で傍にいて欲しいと頼んできて。

蒼太も一度は「俺だって怖がっている『男』の括りなんだから」と危うさを指摘はしてましたが。凪が「蒼太を信じる、という賭けをする」と覚悟決めていたことで受け入れることに。

 

その日から蒼太にとって彼女は『氷姫』ではなく、東雲凪という少女に変わったわけです。

凪の恐怖心克服のため、蒼太と会話をするようになって。氷姫の氷は少しずつ溶けていき……学校でも、女友達が出来たりすることになるわけです。

同じ学校の女子と言うこともあって羽山さんとは結構親しくなってましたけど……それでも、一番最初の友達は蒼太が良いと「友達」呼びしなかった凪の意固地さというか変な真面目さ、なんかちょっと笑っちゃった。

羽山さん、凪の相談に乗って「めっちゃ恋してるじゃん」とか指摘してくるし、蒼太の友人からの牽制が入ってきた時とか、喧嘩売ってきたなら買ってやろうとか背中押してくるし、結構良いサポートしてくれてましたね。

 

凪は割と早い段階で恋心を自覚してたし、蒼太も柔らかくなっていく彼女の態度にどんどんほだされて行ったわけですけど。

凪、幼少期に養父に聞いた「人に弱みを見せるな」という教えを続けてきた結果『氷姫』になってしまった経緯があって……。変に真面目だから、変な噛み合い方すると、変な方向に転がってしまうんですよねぇ……。

心はハッキリ定まっているのに距離を取ろうとする凪と、友人に背中を押されてからでしたが、距離を詰めるために動ける蒼太くんが良かったですね。

七つの魔剣が支配する15

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「……成り得ぬでしょう。たかだか一年で、人がこのようには」

(略)

「あなたの足元だ。それで漸く」

 

校長を筆頭に頼もしい戦力が不在の中で、異端との戦いに臨むキンバリー。

ファーカーが教師として潜入した上で目指した、キンバリーの迷宮の奥にあるもの。双杖ならあるいは成し得たかもしれない偉業について。

そういった真実が明らかになってくれたり、新たな魔剣がお披露目されたりと面白いシーンは多数ありましたけど。

 

敵も周到に準備して仕掛けてきているだけあって、かなり追い込まれていて。

そんな中でも抗い続けているオリバー達をはじめとした生徒たちの奮闘が、輝いて見えました。

卒業生のティム先輩が最寄りの町で奮闘し、自身の体質を生かした上で敵に迫っていたのは熱かったし。

エンリコダミーから悪魔の誘いを持ってこられていたピートが、一度は断った上で代案があるならそれに乗ったり……いざ一歩踏み出したらノリノリだったりするのとか面白かったですけどね。

 

ただ……どうしたって、犠牲は出るんですよねぇ。

最善としては無血開城を目指していたファーカー、対立が明確になってからも犠牲が少なくなるように立ち回ってはいて。そんな彼の思考を読み切って、罠に誘導したミリガンはお見事ですけど。

そこに戦力を割いた関係で、敵の鍵屋とリタ達4年生の後輩組が対峙する羽目になってしまったりとかもしましたし。

 

苛烈な戦場の中でオリバーやロッシが、傷を負いつつも調子を上げて格上に食らいついていったのも良かった。

最終局面で殿を務めたオリバー達の負担を肩代わりした彼を思うと、どうしようもなく悲しいですけど、少しでも多くが生き延びてくれたのは良かったと思います。

……それとは別に、今回校長先生を筆頭にキンバリーの魔人たちの実力を垣間見る事が出来たわけですけど、オリバーの復讐のためにはアレを蹴散らさないといけないの……無理では? って強さで、これまで引っ張っただけの事はあるなぁ、とも思いました。

悪役貴族として必要なそれ3

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「あの時、光の剣聖は既に死んでいた。私は介錯したにすぎない」

「とどめをさしたことに罪悪感はないというのかしら?」

「ない。それに謝るというならそれは死んでいった光の剣聖への侮辱だ」

 

アブソリュートがスイロク王国への援軍から帰還。

国王陛下はヴィラン・アークとは信頼関係にあるみたいですし、アブソリュートに「罪を被せてしまったこと」を非公式の場所とは言え当人に直接謝罪してくれたりと、しっかりと遇しているように見せています。

原作知識を持っているとはいえアブソリュートが暗躍している教会を討伐する許可を得に行ったことと、今回の騒動でスイロク王国の闇の世界にもアーク家の手が伸びることで、力をつけることに王として危機感を持っているのも確かで……いざという時に、制止できるようにスパイを潜り込ませているっぽいのは、まぁ王としては正しい。

 

また、アブソリュートとの縁談が持ち上がったこともある王女、ハニエル・ライナナも曲者で……。

王子がアブソリュートに喧嘩を売ったことで王太子としての地位を追われたことで、今のところ次期王に就く可能性の高い少女。

しかし予知のスキルを持っている彼女は、アブソリュートが破滅する未来を見たことで、早々に未亡人になりたくないからと距離をとる選択を採ったとか。

 

アブソリュートを筆頭にアーク家が力をつける事を王家が警戒するのも分かる。

裏社会を統べるアーク家を筆頭に、闇組織に通じる家が多いことで貴族社会で嫌われているのも分かる。

ただ、国王が命令して派閥のトップに仕事を振った後、王子がアーク家の派閥にちょっかい出しているのを諫めないのはどうなんだ。

アブソリュートが戻って状況を把握した結果、一応示談は成立してましたけど。王子が自主的な休学することになってましたけど。期間が「少し」っていう時点で、甘いよなぁ……。

 

アブソリュート、スイロク王国で死して操られた剣聖にとどめを刺したことで、新しい因縁が生じたりしてるし……滅亡回避した平穏な未来は遠いですねぇ。

借金を背負わされ、原作ルートから遠ざけられている勇者、その借金のせいでパーティーを組むことも出来ず、迷いに迷いまくっていたみたいですけど。

そんな中でも、自分が勇者として目指すべき道を見出して、新しいスキル発現してるのが原作主人公らしい主人公補正というか。

「助けてと言えない誰かを助けたい」という理念は立派ですけど……勇者が助けたがっているウルと勇者は単に会話が噛み合ってなかっただけで、ウルは普通にあそこで幸せなんだよなぁ。押しつけがましいのがイヤ。

「アーク家をぶっ飛ばしたい」って目的をまだ掲げているので、いずれアブソリュートの前に立ちはだかりそうなのが、面倒ですね。



プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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