気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

感想(WEB小説)

複数世界のキロ 「第二章 第一話~第五十三話」

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「空を見たがる者どもだ。自分に酔うか、夢に酔うか、いずれも粋な事に変わりはあるまい」
「自分に酔っぱらう事が粋とは思えないな」
「哲学は嫌いか?」
「我思う、ゆえに我あり、とか? 確かに、酔っててもそうは出てこない名句だ」

小説家になろう連載の作品。
第二章「地下世界の帰路」、第一話「地図師と尾光イタチ」~第五十三話 「青空」まで。

2章はこれで完結で、次回は早ければ8月の頭からスタートするそうで。
クローナの世界のシールズの問題もそうですが、世界の一つ一つが魅力的なんですが、そこでの問題が完全に解決される前に移動してしまうのは少しモヤモヤしますね。
まぁ、いろいろと設定をちゃんと組んでやっているようで、この世界の謎については起承転結の「転」の部分で出てくる予定だそうですから気長に待ちたいところです。

キロ自身の世界へと帰るつもりで発動した遺物潜り。
しかし、とうちゃくしたのは地下に生きる人々がいる世界だった。
かつては地上で暮らしていたようですが、もはや空の存在がおとぎ話のようになってしまった、そんなに長くの時間を地下で過ごしている世界です。
色々と工夫はされているようでしたが、よく窒息しないで生きられるよなぁ、と。
この世界でであったミュトなんかは野草ってなんなのか知りませんでしたし。

地下世界なので、水が貴重だったり、地中を掘削する魔物や落盤などの自然の災害で道が使えなくなったりと、問題は多いです。
異世界にいって、文化の違いが出てくるのはお約束ですが。真面目に世界作られているなぁ、という感じですね。
落盤が怖いし、掘り進んで水脈にぶつかると命取りだから、人間たちは出来た道は利用しても自分たちで穴はあけないようにしているとか。
言われてみれば納得できる部分もありますし。 

道が使えなくなることがままあるので地図を作ってこの世界を動きまわている地図師という職業があったりします。キロたちがこの世界にきてすぐにでったミュトもその地図師ですし。
まぁ、ミュトはちょっと人付き合い苦手で悪評がたっていて、序盤は面倒な展開に巻き込まれていったりするんですが。
地味な人の協力とかもあって、少しずつ状況が変わっていったのはいい感じですねー。
クローナの心中穏やかでいられない方向にも話が進んできたりするわけですけど。
まだミュトは自覚してないから、これからどうなっていくのかが気になるところです。ただ、キロが見覚えがある映像とか不穏な空気もあるので、今からちょっと戦々恐々としてます。

遺物潜りの対象となった、彼女の行動がすさまじかったなぁ、というか。
地下世界に来て、空を求めて行動をしていたと思われ、上へと進んでいった彼女。
一体何を思って、何を考えていたのか。・・・遺物潜りができてしまった時点で死んでいるのは確かだということですが。そうしたパーソナリティの部分はやはり気になります。
どうにか願いは果たされキロたちは遺物潜りでクローナの世界に戻ってきましたが・・・彼女の抱いていた願いが何なのかはっきりとわかる前に、術は効果を発揮してしまったわけで。
遺物潜り、割と優秀な術なんですよね・・・さて、気になることばかり増えていきますが。
連載再開してから、どうなっていくのかが本当に楽しみです。 

この世界がゲームだと俺だけが知っている 序章~第二百四章

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『猫耳猫wiki』のFAQの一つ目には、ただ、こうある。
Q:○○なんですけど、バグですか?
A:バグです。
あまりに潔いそのたった四文字の返答が、つまりは『New Communication Online』というゲームの全てなのである。


序章~第二百四章わかりやすい選択肢まで。
エンターブレインから書籍化されている作品ですねー。
今のところ四巻まで出ているんだったか。

不思議な道具の力によって、ゲームの世界に飛ばされた主人公。
それはバグ満載のため、ある意味人気のゲーム通称『猫耳猫』 だった。
突然の事態に驚きながらも、勝手知ったるゲームの世界。
自分がやりこんできた経験と、バグの知識。それらを総動員して、ゲームの世界を満喫する。
ただ、単純にゲームだとは思えないほどこの世界はよくできていて。
主人公なんだかんだで愛着を抱き始めている感じもありますね。

しかし、このゲームの開発は、バカだろうってほどでバグがある。
攻撃を放ったはずなのに、回復してしまうスキル。
発動するエフェクトと実際の攻撃範囲が重なっていないスキル。
自動で繁殖して、地域を食い尽くす驚異のモンスター。
イベントを進めると最終的に本編を進めることができなくなるサブイベント。
疲れ切った状態で開発班がデータ入力したため、答えが間違っていたりする驚異のクイズ。
・・・まだまだバグが満載だっていうんだから相当。

で、バグを活用しながら活動している主人公は奇剣使いとして、名を知られることに。
各種イベントをこなしながら、魔王の城へと赴いて、こう、筆舌に尽くしがたいすごいことをしたり。
あんな哀れな魔王は初めてみたよ・・・
隠しボスである邪神に因縁ができたりといろいろ順調にイベントをこなしていっていますね。
失敗をしたり、それでも負けずに行動を起こしているあたりは好感がもてるかなぁ。
ただ、一方でお前それはないだろうという感じのバグ活用もあったりするわけで。  

まぁ次はどんなバグを使って問題を解決するんだろうかとかそういう部分の楽しさもあったりします。
つーか、バグ満載って言葉じゃ言い表せないぐらいバグがありすぎて、普通の人なら心折れるんじゃないだろうか。
一番最初の「リザードマンの罠」も、バグではないけど、初見殺しなイベントっぽいし。
色々と間違っている。まぁ、その間違っている感が楽しい部分でもあるんですが。 

少年魔王の『世界征服』と英雄少女の『魔王退治』 第1話~エピローグ

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「でもさ、エリザ。もしもだよ? その夢って奴が、他の誰かの夢とぶつかったらどうするの? 誰かの夢を潰さなければ、自分の夢がかなわないとしたら? そんなの、嫌じゃない?」
「え? うーん、そうだなあ……それでもいいんじゃないか?」
「え?」
「むしろ、その方がいいよ。お互いの夢をかけて、正々堂々真っ向から勝負するんだ。そんでもって、たとえ負けても、相手の夢が叶ったことを喜んでやれるなら、それはそれで最高だろ?」

完結済みの作品。
第1部 第1章すべてのはじまり「第1話 少年魔王と黒の姉」からエピローグ 二つの光が見守る世界「~少年魔王と英雄少女(完結編)~」まで。
 
いや、全体的に青いなぁ、という感じですね。
作品解説のところにもコメディ要素が強い、と書かれていますが。
「魔王」とか「英雄」についてを考える内容とのことで。

四つの異世界と隣接した世界が舞台。
魔術には四大系統あって、生まれた月によって得意とする術が異なるそうです。
四大系統に属さない召喚術なんかもあったりしますし、術者によってアレンジ入っている場合もあったりとバリエーションはそこそこ。

タイトルにある、少年魔王は、圧倒的な召喚術の才能を持つ少年ネザクとその姉が中心となる話。
城塞都市なんか簡単に制圧できる『魔』を召喚できるあたり、個人としての戦力がおかしい。
ネザク自身は良い子なんですけど、常識に疎い部分があったり、姉の要求に抗しきれず力を使ったら加減もよくできないから惨事になったりとドタバタしてます。
まぁ、姉の提案した雑な流れで魔王をなのり行動を起こしていますが・・・途中である少女と出会い魔王らしくなってきたかなぁ、と。

一方で、英雄少女の方はある学院に通う桁外れの少女の話。
この世界で少し前に起きた邪竜戦争。その時に活躍した、五人の英雄の一人が創設した英雄を目指す少年少女たちを鍛える学院。
同じように英雄を目指して入学試験を受けるわけですが・・・障害があるならそれをぶち抜いてけばいいじゃないという、良くも悪くもまっすぐな少女。
これで戦闘能力がずば抜けているっていうんだから、先生方も扱いに困るよなぁ・・・
特別学級に入れられて、そのクラスの人々と仲良くなったり、切磋琢磨して力をつけたりと順調に青春を全うしている感じ。 

この魔王陣営と英雄陣営の話が交互に描かれてゆっくりと進んでいきます。
五大英雄・・・とくに黒霊賢者さんが変態でなぁ・・・個性強いというかあくが強いというか。
初期のころ、魔王陣営は世界征服を目的として行動を起こして、実際に五大英雄の一人に勝利し捕縛したりするんですが。それを餌に結構罠にはめたりとか結構狡猾。
でも、途中から英雄少女のメンバーと相対する流れになって、負けイベントからの和解となるわけですが・・・
世界征服目指して五英雄との戦いも考慮しているくせに、学生に負けるのかー、と。
いや学生とは思えない力量にまで到達しているんですけど、第1章最終章「それぞれの決着」は青臭くて、エゴばっかで読んでて楽しくなった。
 
コメディ要素として、ゆるーい空気になる処とか、圧倒的な力でわりと無双しているところとか気に入っている面もあると言えばあるんですが。
物足りない・・・というよりは、微妙に合わなかった、という方が正しいですかねー。 

魔法書を作る人 0話~番外編「喪4」まで

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「へたれんじゃねえよ。答えを急ぐな。普段はとろいくせしてこんな時ばかり性急とはな。難儀な生き方だよ、お前は」
「……答えを急ぐなって」
「慌てて用意した応えなんて誰も幸せにならんだろうが。確信がないならそれをそう言え。ただ誤魔化すな。それどっちも幸せにならん」


少年編「0 四十万静」からその他「喪4 気をつけよう」まで。
本編は完結していて、現在は後日談とか番外編とかを掲載している章「その他」が不定期で更新されています。

GCNOVELSという新レーベルから書籍化されている作品ですね。
オタクであることからいじめられ、友を作らず、仕事に明け暮れていた社畜の男、四十万静。 
仕事中に命を落とし、気がついたら異世界に生まれ変わっていた。
で、その世界には、異世界転生モノのお約束で、魔法が存在していた。
だったら、元オタクとして、それに手を出してみようと手を出してみたらなんか、凄い事になったんですけど、というのがあらすじ。
うん、異世界転生と俺TUEEEは、なろう作品のお約束みたいなものですよね……。

全体的に言えば、いじめられた経験が云々で、交友範囲が広がらないんですよね。
生まれた村でできた幼馴染と長い付き合いにはなっていますが。
学校で二人友人で来ていましたけど、学校編終わったらほとんど出番なくなってましたし。
必要だったのか、と一瞬思うくらいには友人の影が薄い。

まぁ、学園編では主人公が出会った師匠がキャラとして強すぎたから、他の場面薄れがちなんですよね。
友人少ないから、基本的に自分で何とかしようとする、で手が足りなくなって苦戦するっていう展開がちらほら。
師匠にも指摘されていたけど、その辺どうにか直していれば、別の結末になった部分もあるんじゃないだろうか。
苦戦しながらも結局最後は勝利したり、入念に準備をしていたら瞬殺したりと、あちこち温い部分があって。
嫌いじゃないんですが、物足りなさも感じます。  

超越者たちの物語 Blade Blaze Online ―太陽を抱く蒼穹― 00~85

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「あたしたちのギルドは『碧落の光』! これから、あたし達がやりたい事をやり続けるためのギルドだ。ライが空を目指して、アマミツキが皆を見守って、白餡が動物と友達になって、ゆきねが創りたい物を創って――そんな皆を、あたしが導いてやる」
(略)
「変わっているのも大いに結構、皆あたしが見届けてやる。だから、皆あたしに……『碧落の光』について来い!」

1章:始まる世界とチュートリアル「00:プロローグ」から王都襲撃と輝きの空「85:巨人との激突」まで。 

超越者シリーズ、新作。
『聖女の唄う鎮魂歌』と同時連載中。
これは、過去作品と関連している要素が多い作品ですね。
『神代杏奈の怪異調査FILE』のキャラクターたちが出てきます。
また、『IMMORTAL BLOOD』 のキャラも出てきてますね。
過去作キャラの登場率が結構高いので、先に読んでいないとちょっとわかりにくい部分もあるんじゃないかなぁ。

世界初のVRゲーム、Blade Blaze Online。
それは「タカアマハラ」という謎のチームが作成した、現行の何世代も先を行く技術をつぎ込んで作られたゲームだった。
って、何やってるんですか。
あきらかにいづな達のことじゃないですか。
作中で杏奈も言っていますが、決して楽しんでもらいたいから、なんて理由でゲームを作る連中ではありません。
何を思ってゲームを作って、人を招いているのか。
その辺の謎もおいおい明らかになってほしいものです。

プロローグで、煉が杏奈たちとちょっとした賭けをして、このゲームの無料招待チケットを渡していましたが。
感想欄によれば、この時点で身動き取れないはずの煉がここで登場していたのは、分け身を下していたからだとか。
本気で何でもありだな、あいつら……

さて、過去作のキャラについてつい語ってしまいましたが。
今回の主人公は、このプロローグで煉と杏奈たちの賭けに巻き込まれ、結果としてチケットを手にした少年三久頼斗。
妹分の東雲ひなたと、姉貴分の六木光。
彼ら三人は、天涯孤独のみで、児童養護施設に預けられ、仲良くしていた三人だった。
光はすでに引き取られ、引き離されていたが、ゲーム内で再開し、他にも一風変わった仲間を集めギルドを作り、ゲームを楽しむ。
だが、そこは「タカアマハラ」が関与しているゲーム。楽しむだけなゲームのはずもなく。
魔王か女神か斬神か。誰かの手によって、情報が隠匿されているらしく、賢者――いづなの力を以てしても、情報を得ることができないとか。
なにやら怪しげな雰囲気が漂っていますが、彼らの過去に何があるのかも気になるところですね。

気になっている点もいくつかあります。
杏奈たちもギルドを結成し、「霊王」を探しているのはなぜなのか。
先輩のためってことですが・・・まぁ、これは市ヶ谷さんの魂に会うためとかその辺ですかね。
ただ、そうだとして、なんで攻略を急いでいるのかはわからないんですが。
ユニーククラスの発現は欠片持ちに対するものだとは思いますが・・・駄妹ことひなたになにもなかったのは解せない。あとは、ユニーククラスを発現しながら霊王が気にしていなかった、ゆきねの存在も気になります。

個人的に笑ったのは、「刻守」と「水魔」が最近イライラしているという点ですか。
それは煉において行かれたからですか・・・。うん、ミナだけ連れて離れてますからね。
八つ当たりされるプレイヤーはたまったもんじゃないですね。そもそも「タカアマハラ」のメンバーがレイドボスって時点で結構つらいものがあると思いますが。

ゲームの解説と、キャラの紹介とかがここまでの流れなので・・・最新話付近のイベントが終われば、色々と謎が明らかになっていくパートに移りますかね―。
楽しみに更新を待ちます。 

ご主人様のお目覚め係

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「ジゼルだけが、私を人に戻してくれる。それを求めて、何が悪い!」

なろう連載の作品。完結済みです。
バゼーヌ公爵邸の離れ、そこに住む三男のシリルは魔法技師だった。
魔術を発動する道具を作る。ただ、たまにその道具が暴発して、ベッドに防壁が張られて侍女がも近づけなくなったり、その辺にランダムで空間転移するというなんとも迷惑な状態に。
ジゼルは、この屋敷で侍女として働き、そのシリルの目覚めに際してハプニングが発生しないか見張り番をしていた。
まぁ、最終的にはこの二人の恋模様に発展していくわけですが。

悪い意味ではなく、優しい世界ではあるかなと思いました。
主人公サイドのキャラクターたちはみんな、好感のもてる気持ちのいい人物ですし。
ただ高位の貴族とか、王族だったらもう少し黒さがあってもいいんじゃないかなぁ、と思ったのも事実。
色々と都合よく進む部分が多いとは思いましたが、事件が起きてもそこまで危険には至らないので、安心して読めます。

ジゼルは辺境の下級騎士を父に持ち、貴族の因縁に巻き込まれて、公爵家で匿われているんですよね。
ただ、何もすることが無いと申し訳ないから侍女として見張り番をしている、と。
シリルはシリルで、寝ぼけて転移するのには理由があって、話が進めば落ち着きます。
まぁ、朝は魔法使いにとって魔法が使いにくい時間とのことで必然的に夜型の人間になり、寝起きはよくないんですけど。
 
上級貴族以外にも開かれた王妃主催の舞踏会。
そこでジゼルは長い付き合いとなる友人と巡り合い、面倒事に巻き込まれ、公爵家で保護される。
友人も別の問題に遭遇。まぁ、こっちは目出度い話ですけど。
そうやって色々とつながって、問題を処理したりしていく、話。
裏でこそこそやっている奴もいますけど、王家とか魔法使いとか権力と戦力が大体主人公の味方なので、そこまで大事にはならない。
というか、武力で迫られても問題なく対処できるんですよねぇ。
シリルなんか特にいろいろぶっ飛んでるから。

あとは、神様が結構軽いというか。
気に入ったからってそんな贔屓していいのか。それが許されるのが神様か。
ゆるいし、時々一回の発言がやたら長くなる部分が引っかかりますが・・・
嫌いじゃないです。キャラとしては結構気に入っているのもいますし、番外編のジゼルの妹のエピソードとかもいい感じで恋してて楽しめましたよ。

無職転生―異世界行ったら本気だす― プロローグ~第百七十七話

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色んな事に一段落がついた。辛い事もあったし、嬉しい事もあった。
けれど、終わりじゃない。俺はまだまだこの世界で生きていく。
生きていくのだ。
いつ死んでも後悔しないように。本気で。
 
第1章幼年期「プロローグ」から第17章 青年期 アスラ王国編「第百七十七話『赤竜の上顎』」まで。

34歳のニートが家をたたき出される。
親の葬式の時にまたぶっ飛んだことしているから、そりゃ兄弟もたたき出すわな・・・
それで後悔していたら事故に遭い、気が付いたら異世界に転生していた。
今度の人生では後悔をしないように、と勉強したりいろいろ励んでいます。
時々、34歳の時の性癖とかいろいろ出てきて、その辺がちょっと合わないんですが。
ご神体作って崇めているあたりとか。まぁ、そこを差っ引けば結構気に入っている作品でもあります。
後悔があるから、自分にできることを精いっぱいやっているのはいい感じだと思いますよ。

転生した世界は魔法が存在する世界。
ただ、転移の魔法とかは失われていて、移動には徒歩、馬、船など結構基本。
話の途中で大陸を移動する場面もありますが、何か月と時間をかけているあたりはリアル。
幼少期、魔術の才能に目覚め、三歳にして高位の術師を師匠とする。
それで実際に魔術を使いこなして、師匠の自信を喪失させかけるとか破格の才能があります。
幼馴染に魔術を教えてみたり、学院に行くために手を打ってみたり。
金を稼ぐために、お嬢様の家庭教師をやってみたりしています。

地元で、幼馴染と交流したり魔術を学んだりする幼年期。
魔法大学に進むための金を稼ごうと家庭教師をしたり、災厄に巻き込まれて転移した先で冒険を繰り広げたりする少年期。
少年期からしていろいろと波乱万丈ですけどね。家族の安否すらわからない状態で危険な大陸に飛ばされてしまい、妹分を守るために尽力する。その果てに父親と再開したら喧嘩になるわけですし。
そして、災厄について、分からないことを残しながらも、区切りがつけられる。
このあたりから主人公の夢に時折謎のアドバイザー、ヒトガミが現れるようになります。

青少年期には、まだ見つからない家族を探して、冒険者として名を上げて、家族の方から見つけてもらおう作戦を実行しています。
名前が売れて、魔法大学からスカウト来たりするんですけどね。
災厄について知りたいっていうのと、 個人的な事情もあって大学に進んで調べものに励む。
少年期の旅路での出会いとかが集約されていって、結構な勢力になっているのは笑える。
この青少年期では、懐かしい少女との再会とかもあり、最終的には結婚までしてます。
自分とは違う形の異世界人とも出会い、彼女は帰りたいと願って実験をしているけれど、主人公はこの世界に骨を埋める気ですね。 

子供が生まれたり、実験が少しずつ進んだりと成果が見え始める青年期。
ここに含まれる「ターニングポイント4」が本当に転換点だよなぁ、という感じで。
ヒトガミの狙いだとかが明かされ、家族を守るために自分にできることを、と尽力する姿は良いですね。
かつてそれができていたら、という仮定には意味がないですけど。

ヒトガミの指示によって戦いに龍神と戦い、破れ、それでも家族を守るためにみっともなかろうと手をつかむ。
まぁ、ヒトガミに敵対する意識を持っているという意味では本来同士みたいなものだから、協力し合っているのが健全ではあるのか。
主人公が臆病で楽観的で。けれど、家族を大事に思っていて、決断を下すこともできて。
甘いと感じる部分もあったりして、もやもやしますが、それでもしっかり生きている感じがするので嫌いじゃないですよ。

超越者たちの物語 聖女の唄う鎮魂歌 プロローグ~87

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「どんな人間だっていつかは死ぬ。そして死してこそ、唯一無二の安寧へと身を委ねる事ができる。“死”は平等だ。上層も下層も、契約者も傭兵もただの人間も、いずれは死ぬ」
(略)
「いずれはどんな人間にだって、救いは平等に訪れる。だからこそ、他人の区別なんか考えもしないだけだ」

超越者シリーズ最新作。
1章始まりのエチュード 「00プロローグ」から追憶のセレナーデ87「テッサリアの戦い」まで。

まぁ、同時に「Blade Blaze Online」 も連載しているのでペースは遅めですが。
超越者シリーズという事で話が進むと、「魔王」と「女神」という過去作品のキャラクターもちょっと出てきますが。
「Blade Blaze Online」 と比べると、その干渉の度合いは低いものとなっていますね。
煉がそのうちに含んだ世界の一つ、という事でしょう。

奈落の渦という人類滅ぼす災厄と、そこから出てくる黒い魔物。
この世界は、 「奈落の渦」によっていくつもの街が滅び、それでも生き残った人々がどうにか知恵と戦力を振り絞って、渦と戦う世界。
ただ、この世界は大分歪な構造をしている。
神霊と呼ばれる存在がいて、それと契約した人間、契約者が戦闘の軸となっているわけですが。
大きな力を持ち、実際に戦果を挙げているからこそ、非契約者を虐げる輩もいたりして。
おまけに、拠点となる都市は上層と下層に分かれていて、下層はスラムみたいな様相を成しているのに、上層では安穏と過ごしている連中がいたりする。
別の国に行くと契約者に頼らず魔物を打倒す方法を模索している国があったりするんですが。
 
主人公たちの起点となる場所が、そういった蔑視が根付いているっていうのがまた。
上位神霊と契約した、下層出身の少年ウルカ。
最上位の神霊ジュピターと契約した、上層出身のミラ。
人を切断することで興奮する、聖女の付き人アウル。
魔物を汚らわしいと断じ、魔王と女神を崇拝する最強の聖女リーゼファラス。
そして、戦いの中での死を求める、黒衣の傭兵カイン。 

超越者シリーズお約束の『欠片』持ちは下三人ですが、上の二人は常識人枠なのでどうにか抑えてもらいたいところ。あとは上位神霊との契約者という事で立場があったりするので、案外重要な役回りだったりしますし。
ミラもウルカも結構未熟なところがありますが、ゆがんでいながらも自分を曲げないカインたちに影響されて成長している部分もあります。
死生観を能力を核としているカインがキーパーソンとなるんでしょうけど。
まぁ、欠片持ちなんてどこかしら壊れているようなものですけど、カインはその中でも結構ぶっ飛んでいるように見えるので好きですよ。
死なない能力を発現し、死に場所を求めるという矛盾した行動をとる。
厳しい戦いの中で、死なずに笑い続けるカインの行動が 。現状「カインが死ぬ=反撃で相手も死ぬ」という恐ろしいコンボが決まっているのでまたすさまじいもので。

1章、始まりのエチュードは渦に対応するための作戦で、カインたち5人が出合うエピソード。
カインの回帰が使用されたりと、最初から大盤振る舞いな感じです。上位神霊との契約者がすごい力を持っているのに倒せない敵が出てくる時点で、この世界の人類割と詰んでる気がしますけど。
2章、交わる道のクインテット。主要5人が、高位の神霊ジュピターに目をつけられ私兵となる話。
カインが、特殊な場所で魔王と女神と面会するといった場面もありますが、次に向けた準備の話。
3章、炎舞うロンドは、私兵となって初めて派遣される話。契約者とは違う、技術によって魔物と戦っている国の基に赴き、渦と対峙することに。カインの力も大概ですが、それをものともしないリーゼファラスも流石。最強の聖女の看板は伊達じゃない。
というか、死なないカインと魔物嫌いのリーゼファラスと相対した敵が哀れに思えてくるレベル。圧倒的すぎて勝ち目ないし。

そして最新のエピソード、追憶のセレナーデ。
秘されていたカインの過去に迫る話ですし、過去渦にとらわれた都市を解放するために動く話でもあります。
流石に5人だけでは無理なので、他の上位契約者とかも集めての作戦ですが。
カインたちとは違う「欠片」もちが何やら動いているようですし、彼の能力がいったい何なのかも気になるところです。
過去を思い出したカインが雰囲気変わったり、一風変わった技に目覚めたりしてますが、周囲は敵だらけ。
さてどうやって打倒するのか、と思いますあが・・・群体だろうがなんだろうが、多分勝ち目ないからなぁ、哀れな敵です。
ミラやウルカとかの一応一般人枠というか、殺せば死ぬ方にどれだけ被害出せるかのみが渦の魔物の出しうる戦果っていうのが何とも言えない。 まぁ、それだけ精鋭を集めているってことですけどね。

複数世界のキロ プロローグ~第49話

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「キロ君は気負い過ぎだと思うね。選択に伴う責任は選んだ者だけが負うべき物だという事を分かっていないようだ」
(略)
「それはクローナの選択した結果だろう。事前に考えていた危険に襲われる可能性も、事前に考えていなかった危険に襲われる可能性も、選択する際に全部飲み込むべきものだ。こんな事になるなんて思わなかった、などという言葉は、考えなかった選択者が悪い」
「ば、ばっさり切りますね……」

プロローグから第一章クローナの世界「第49話 別の世界へ」まで。
なろう連載の作品。連載中。
詰みかけ転生領主の改革(旧:詰みかけ転生領主の奮闘記)と同じ作者さんですね。

かつて児童養護施設に、奨学金を得て全寮制の高校に通っていた少年、規路史隆。
彼は、或る日自分と同じ顔をした相手によって異世界へと飛ばされる。
「救ってくれ」と願いを託されて。
その過去から「自分には関係ない」と距離を取って過ごしてきた彼は、どうにかして元の世界に戻ろうと情報を集める。
奨学金を返さないことには、施設庁にも、いまだ施設にいる幼い子らにも迷惑がかかる。
色々なことに距離を取っているとはいっても、切り捨てられないものを持っているあたり、常識人ではあります。
ちょっと歪んでしまって、一人であろうとしているだけで。

ともあれ、異世界に来てすぐにであった少女クローナの力も借りて、冒険者として街を回ることに。
現代日本で育ったキロに冒険者として活躍できる肉体的な素地があるはずもなく。
武術の指導教官と会うんですが、才能無いから教えないとばっさりいかれます。
弟子が死にまくっていたら仕事に影響するから、という事ですがあまり好感の持てる相手ではないです。
ただ、全く何の才能もない相手に「救ってくれ」という奴もいないわけで。
飛ばされた異世界は魔法のある世界で、それを工夫して、油断しなければ人並み以上の戦果を挙げられるように。
課題は多かったりしますが。

で、そうやって冒険者として活動していく中で、ある魔術師と出会う。
彼女は「遺物潜り」という遺品を使い、その持ち主がいた世界に飛ぶという突飛な魔術を作り上げていた。
とりあえずそれを学び、事件に巻き込まれたりしながら過ごします。
そうやって手を打って、遺物潜りを使えるようになり、もとの世界に戻ろうとしたら・・・49話で別の世界に飛んでしまうわけです。
まぁ、タイトルからして「複数世界の」とあるので、一章終わっただけで戻れるとも思ってませんでしたが。
しょっぱなからピンチになっているようですが、さてこれからいったいどうするんですかねー。

厄介な能力を持っているシールズに目をつけられたりして大変ですが。
なんだかんだと、最初に出会ったクローナと活動を共にして、安らいでる部分もあると考えるとなぁ。
これ一つの世界に行くたびにヒロインが一人増えていくとかそんな展開になったりするんだろうか。
元の世界に戻る手がかりを見つけたら、割とあっさり戻る決断をしていますが、さて盗品オークションとか暗躍しているシールズは今後何かしらかかわってくるんですかね。
一応帰る手段っていうのまで込みで遺物潜りですけど、さて。
結構いいペースで更新されているので、最近楽しみにしている作品の一つですねー。

超越者シリーズ資料倉庫

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「やってみなければ分からない。全ての存在を必要だと判断すれば、お前の理は強固な治世を生み出すだろう」
「詭弁だし、机上の空論だ。そんなモノに頼れると、本気で思っているのか?」
「ああ、思っているさ――それを分からせる為に、ここに来た」
 
まぁ、タイトル通り、基本的にはシリーズの資料が置かれている場所です。
主人公たちが持っている《神の欠片》によって得られる能力だとかが開設されてますね。

資料集は3つ。
《神の欠片》について。技リスト 。超越まとめ。
『IMMORTAL BLOOD』、『Frosty Rain』、『神代杏奈の怪異調査FILE』の三作品についてのネタバレ含みの能力解説があって、結構面白い。
蓮花の超越とか、本当に自分と煉のことしか考えてないな、って世界で笑えます。
2012年12月1日に投稿されてから、更新されていないので、最新作あたりの情報はかなり少ないですけど。
技リストのところに『聖女~』のカインが乗っているくらいかな。
三作品を読んだ人は読んで損はないですし、この三作品を読んでから、新作に移る場合も掲載されている短編は読んでおいてほしいところです。
 
短編「次代へ続く無限螺旋」。

煉と誠人がちょっと喧嘩する話。
超越者同士がぶつかると「ちょっと喧嘩」とか言ってもすごいことになっていますけど。
まぁ、煉の超越内でやっているから、問題はない・・・のかな。
『IMMORTAL BLOOD』のキャラである彼らは、作中で勝利を得た。
だがそれは、わずかな可能性をその時拾い上げられた、というだけ。
そうして得た世界を守るため彼らは色々と手を打っています。
煉が有する欠片は『拒絶』 。かなり高位のその力をもってすれば、全ての世界を覆うこともできる。
だが、「自分が望むもの」以外を拒絶してしまうから、呑み込んだとして守れない。
悩む煉を誠人がぶん殴って、頭冷やさせる話、と言ってしまえばそれまでですか。
ここで出てきた、無限螺旋だったり他の作品で描かれる「魔王」や「女神」の姿。
これは現在連載中の二つに出てくるというか、影響する部分があるので、結構重要なエピソードなんじゃないだろうか。

最後の、煉の扱いがちょっとわからないんですけどね。
力が強大になりすぎたがゆえに、自由が利かなくなった・・・みたいな発言をしていますが。
『Blade Blaze Online』の冒頭で、杏奈たちに追いかけられていなかったか。
高天原というチームとして活躍しているようですが・・・あの作品からするとすでに無限螺旋発動しているように思うんですがね。
さっそく会いに行くために「どうにか」したんだろうか。
その辺の謎も追々明らかになってくれるといいんですが。 
プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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