昨年末は積読消化がはかどって、2月末くらいまでは予約投稿で埋まってます。
既刊感想が多くなってるので新刊も読んでいきたい所存ではあるのですが。
無理のない範囲で継続していこうと思っておりますので、改めてよろしくお願いします。
とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。
「君の人生になりたい僕の、人生を書きたい」
「エルマ」。
「だから僕は音楽を辞めた」と対になるコンセプトアルバム。
前作の初回盤は、音楽を辞めるまでが描かれた青年エイミーが綴った手紙が付き。
今作の初回盤では、手紙を受け取った少女エルマの日記がついています。
楽曲それ自体も魅力的ですが、創作に打ち込んだ二人の軌跡が分かる初回盤も素敵。
こういう作り込まれた世界の背景が分かると、なんかワクワクしますよね。
収録されてる曲、どれも好きですが、テンポとかは「雨とカプチーノ」、「雨晴るる」が好き。
好きなフレーズが多いのは「心に穴が空いた」ですねー。
エルマにとって神様に近かったエイミー。
音楽を、詩歌を、伝えあった師匠と弟子みたいなもの。
……決して、それだけではないんですけどね。
芸術に真摯であった二人の関係を、こんな陳腐な台詞で纏めたくはない。
とは言えど、悲しいかな、語彙力の問題で上手い言葉が出てこない。
姿を消したエイミー。
彼の手紙を受け取ったエルマは、同じ旅路を辿る。
「一年だ。この一年が僕の一生だ」と綴った、彼の人生を。
インタビューでも手紙でも、オスカー・ワイルドの「人生は芸術を模倣する」と言う言葉が引用されてますが。
「模倣される側」と「模倣する側」の話でもあるとか。
彼がいなくなり、どうしようもなく記憶はこぼれ落ちていく。
薄れていくそれらを逃すことができなかった。だから「日記を付けなければいけな」かった。
強迫観念に突き動かされていた。
足跡をたどり、日記をつけ、詩を記す。
青年の影を追う旅の終盤、日記が日付と一言二言だけになってきた辺り、このまま彼女も擦り切れてしまうのだろうか、と不安を覚えた。
「音楽を辞めた」青年と、そこまで同じ道を進むのだろうか、と。
どんな面白い作品にも終わりはあって、どう終わらせるのかは作者次第ですが。
旅路の果て、彼女は日記を書くことを辞めますが、その決断が何ゆえかは、各々で見守って欲しい。
強いて言うならば、「8/27」に記された所からの展開が、パズルのピースがぴたりとはまるような感じがして楽しかったという事くらいですかね。
エイミーは「藍二乗」で「君だけが僕の音楽なんだ」とうたった。
そのフレーズをエルマは「心に穴が空いた」で「今ならわかるよ」と言った。
花緑青、神様、夜紛い……聞き覚えのある単語が盛り込まれた詩が、繋がれた歌が、面白くない筈がない。
負け犬の詩とか、なんか気になるフレーズもあったので、他のアルバムも聴き直そう。
ちゃか
ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。