「素直に真目家の力が必要だとおっしゃたらいかが? それで、どうやってあの球体の封印を解きますの?」
(略)
「だるま落とし」
再読。上下巻の下巻、3巻から続くエピソードに区切りがつくことになる4巻。
暴走した木梨の変異体と遭遇して負傷した闘真。
マイペースすぎる彼は入院することになった病室に、勝司の遣いが来たのにのこのことついていって……そこで対面したミネルヴァのマジシャンに操られていしまい、由宇や麻耶の前に武器を持って立つことになってしまったわけですが。
彼の手でADEMのLC部隊の隊員の命が失われていったのは、辛いなぁ。闘真の暴走を見て麻耶もトラウマを刺激されて一時意識失ってしまったりしてましたし。
勝司が麻耶の知らない情報を掴んで独自の行動をとっているの、先達としての経験を感じますねぇ。その結果、闘真が操られているのでちょっと痛い目見て欲しいものですが。
でも操った闘真は脅威に感じないと本気の由宇に一蹴されていたのは、ちょっとスカッとしましたけど。
正気に戻ったタイミングで闘真またへこんでましたしね……。
いろんな思惑が交差した結果として、麻耶が由宇を保護することになってたのは面白かったですね。
初期からバチバチしていた2人ですけど、闘真という存在が心の中で重要な位置に居るという意味では似たもの同士なわけで。由宇と闘真のコンビも好きでしたけど、由宇と麻耶の協力関係もなかなか良かったですね。
不坐が差し向けてきたクレールという、少女であるのに禍神の血の力を振るう少女の存在とか、麻耶が居なければ今回の由宇の考察が伸びなかったでしょうしね。
由宇の優秀さを認める一方で、彼女が抱えている脆さとかについても麻耶が理解してくれたのも嬉しいポイント。
様々な勢力が蠢く大騒動の裏側には峰島勇次郎が居るのではないか、という疑いをADEMの伊達と岸田は抱いて、方針を定めようとしているの良いですよね。
伊達、由宇を封じ込める立場でこそありますけど、その厳しさは他者だけに向くものではないという点で信頼できるタイプ。
そして【天国の門】を巡る騒動について、一つの決着がつき……自分の意志で戦いたいと覚悟を決めた闘真が、由宇に同行する事を決めたのは良かった。
なし崩しとは言え少し前向きになれたかなぁ、と思う一方。残された麻耶の方では色々とあって涙することになっていたので、全部を上手くまとめるのは難しいですねぇ……。