「答え合わせの時間だ。俺とお前、ここまでに積み重ねて来たもので!」
『始めましょう。勝負にさえならない勝負を』
シリーズ完結巻。
前人未踏の9勝に到達したフェイ達。
ヘレネイアはフェイ達が10勝するのを阻むべく、半神半人である自身の性質を活かしゲームマスターとして君臨。他の面々も神としての顔をあらわにして、最後のゲームを争うことに。
使徒全てが10勝のかかった試合を見たいからダイブインを控えて、そのため神々も手すきの時間が出来たことで観戦体制になっているのは面白かった。
……まぁ、ヘレネイアはフェイ達の10勝を阻止したい立場なので、クリアできそうで出来ない無理ゲーを仕掛けてくる可能性が高い。
最後の10勝で、かつてのウロボロスみたいな超絶難易度のゲームが仕掛けられる、と示されてしまえばヘレネイアの目論見通り、神々の遊戯はすたれてしまうかもしれない。
そういう懸念もあったので、フェイ達は大々的に5日後にゲーム参加する! と言っておいて秘密裏にチャレンジする選択をしたみたいです。
最終試合、スケールが神々基準の馬鹿仕様ながら、以前ケイオスとプレイした元になっている「ラグナリーグ」。
神側のスキルと人側のスキルに明確な差を設けていたり、格差はあるものの運要素も取り入れていて、フェイ達が辛くも命を拾う場面もあったり、絶望させるための見せ札とは言え希望も盛り込んでいたり。フレイヤが言っていた「遊戯に楽しさを求めない神の遊戯は、絶対攻略不可だろう」みたいな前振りの割には温情があったかな……みたいな印象。
いやまぁ、フェイ達でなければ食らいつくことも出来ずに終わってそうではありましたけど。
最終ゲームに設定されていたライフが「これまで勝利した神の数」で決まっていたり、これまでの積み重ねが無駄になっていないどころか、本当にそれまでの全てを出し切って迎えた結末が、楽しそうな未来だったのが何よりです。
遊戯というなら、やっぱり楽しんでこそ、でしょうからね。