気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

MFブックス

異世界転生スラム街からの成り上がり~採取や猟をしてご飯食べてスローライフするんだ~1

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「私、今、すごく、幸せなんだと思う」

ぽつりとラニアが言う。

「俺もそうだね。たぶん」

「わわわっ、私も」

 

主人公のエドは、故郷のエルダニア都市がスタンピードによって滅ぼされ……そこから流れ着いた人々で構成された、近隣にあるトライエ都市の城壁外に創られたスラム街で暮らしている6歳の少年。

父は亡くなり、母は姿を消した。そんなある日、頭を打った彼は前世の記憶を取り戻し……さらには『鑑定』魔法も扱えるようになって。

 

トライエ都市からの食糧の配給は続いているものの、長く続いたことで今はイルク豆一種類に統一されているとか。トライエ都市内部でも食糧不足が深刻になってるって話ですし、まぁそりゃ急に養う民が増えればそれはそうか……。

 

両親が居ないエドは、仲良くしているミーニャという少女や彼女の両親たちの助けを得つつ暮らしていたようですが、先述の通りスラム街は支援も限られ、貧乏が貧乏を読む悪循環に入っている状況で。

スラム街の住人は、野草の知識も薄く……かつてキノコに手を出した人物が命を落とした例もあって、食べられるのに手を出されていないものが身近に多く存在していた。

 

そんな中でエドは「鑑定」魔法で食用かどうかを区別できるし、前世の知識も活用して色々と工夫していくことになるわけです。

彼に懐いている少女も2人ほどいて、仲良く行動しているのは微笑ましかったですね。

前世知識と鑑定魔法で底上げしているとはいえ、子供数人の行動で改善できる環境で大人はもう少し何かできなかったのかなぁ……という気持ちも若干沸きますが。

貧乏ではありつつも、子供の稼ぎ巻き上げようとかしないし、逆にエドが何気なく上げたものが高すぎるのではないかと親が飛んできたりしてるし、街を捨てざるを得なかったスラム街の住人達ですが、善性を捨ててはないので、貧しいのは貧しいけど荒んだ雰囲気がないのは不思議な感じでしたね。

精霊つきの宝石商1 特別なエメラルド

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「俺たちは、君にその力があるからこそ、君を養子に迎えたい。だが、君を利用する気はないんだ。……精霊に愛された人間が魔力を流した魔宝石を見るのは、今日が始めてだ。この輝きを見られただけで、もう人生に悔いはないとさえ思える」

 

気付けば子供の姿になって異世界に迷い込んでいた主人公のエマ。

彼女は、宝石を眺めるのが好きでジュエリーを心の支えにブラック労働を乗り越えるOLだったようですが。

迷い込んだ異世界で、直ぐに見つけたのが宝石を売っている店で。

それもただの宝石じゃなく、魔力が込められた魔宝石と呼ばれるものだった。異世界に迷い込んだエマは、なぜか魔力や魔力に惹かれる精霊を見ることの出来る特別な目を宿していた。

……いやまぁ、目だけじゃなくてエマ自身が精霊に愛されているみたいで、彼女が魔宝石に魔力を込めるととんでもない代物が出来てしまったりもするみたいです。

 

宝石商の夫婦は、エマが精霊に愛されていることを知った上で養子に迎えて、でも利用する気はないと言った通りに、彼女に無理に魔力を込めさせるようなこともせず、誠実に愛して育ててくれてたみたいで、異世界転移最初の出会いがこの夫婦で良かったですねぇ。

長らく子宝に恵まれていなかった夫婦に、エマを養子に迎えてから実子が出来たみたいですけど、姉妹仲も家族仲も良好みたいですし。

そしてエマが成長したある日、2号店をエマに任せたいという話が出てきて。エマはそれを受けることにしたわけですけど、妹のアナベルも魔力がないから魔法石を直接扱う事は出来ないながら、姉の手伝いがしたいと会計士の資格を取ろうと頑張ったり、緊張してる時相手に癒してもらったりしてるの、実に微笑ましくて良い。

 

既製品とセミオーダーを行っていた一号店と違い、フルオーダーと、庶民向けの安価なアクセサリーを用意した2号店という違う方向性で戦おうとしてるのも、ちゃんと考えてますね。

客層違うけど、フルオーダーなんてそんなポンポン来るものでもないし、別の路線の商品おいてるのは正しいと思う。完全ブランド化して、フルオーダーだけでなんとかなるなら特化していっても良いと思いますが。庶民向けの安価なアクセサリーとかまだ広がってない世界みたいですし、どっちも挑戦的な路線だから試行錯誤は有り。

 

……まぁ初期からとある伯爵から、「妹に贈るための宝石が欲しい」という依頼を貰って。

自分も妹大事にしてる身だから、と精霊に愛された子である自身の特性を駆使して依頼を達成したところ、なんだかんだ交流が増えくことになるわけですが。

店主と客、貴族と平民という始まりなのと、エマの性格もあって素直に友人とは言えないあたり不器用だなぁ……とも思いますが。良い友人付き合い出来てる感じがするので良いですね。

お店的に考えても、上流階級への繋がりになりそうな縁だし。貴族からの依頼をしっかり果たしたのは、今後の評価的にプラスだろうし。

エマも魔法石……というか宝石全般に魅了されている子ですが、彼女と縁のある人も同じように宝石を愛している人が多くて、優しい世界で癒されました。

すべてはこの世界を楽しむために2 元やりこみゲーマーは英雄の育て方を知り尽くしている

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「ええ、もちろんです。いつかこの世界の果てまで全てを見て回ることが夢なんです」

 

相変わらずランク上げに精力的に取り組んでいるセージ。

ラングドン領で研究所の所長となったり、彼の知識を信じてくれるルシールとの付き合いも続いていて。

ルシールも彼を信じて賭博師のレベル上げをした結果、勇者に就くことに成功していましたし。セージ自身も上級の精霊士となったりだとか、成長を続けています。

研究所長として色々作成したものは雇い主のラングドン家が消費してくれるし、素材や関連書物も用意してくれるし、ランク上げフリークなセージからするととてもありがたい環境だった模様。

 

学院にある書物を読みたいセージは、第三学園の入学試験を受けることになり王都へ。

そこで知人の冒険者、ヤナと再会して……彼女の前で、神の言語とされる「漢字・ひらがな・カタカナ」が混じった……要するに日本語で書かれた本を読んでしまった事で、知識の豊富さを改めて示すことになったりしてましたが。

うっかりが過ぎる。……いやまぁ、終盤には勇者のなり方とかも世話になった人になら教えても良いか、って考えになってますしそこまで隠す気も無かった感じはしますが。

 

親しい人と良い関係を築きつつ、やりたい事をやっていたセージでしたが……。

神霊亀がラングドン領に近づいている、という情報が入ってきて。彼もいずれやって来るだろうと想定して、鍛冶師のガルフや孤児院出身の服飾師ティアナとかに装備を作ってもらったりとかしてたみたいですが。

セージの想定よりも早くやってくることになって。ただ、その分小型だったのは救いか。彼が知識を身内に惜しみなく広げていたおかげで、神霊亀と戦うときに手助けしてくれる人もいたわけですし、彼一人ではできなかったでしょうから無事に決着がついて良かったです。

名代辻そば異世界店2

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「なるほど、基本か。確かに基本は大事だな」

「はいです、はいです。その通り!」

 

「名代辻そば異世界店」は今日も絶賛営業中。

ただ雪人たちは普通にもてなしているだけですが……さすがはギフトというかなんというか。日本では珍しくない自動ドアのガラスだったり、お冷のサービスだったり。立地もあって海産物の出汁も珍しかったりと注目を集める要素が多いんですよねぇ。

 

……まぁ今回最初のお客、大剣豪のデューク・ササキは、『剣王』のギフト持ちなストレンジャーで名代辻そばの店員に生まれ変わったルテリアとの戦闘目当てだったので、別の意味でも注目集める要素は多いんですが。

デューク、ササキという聞き馴染みのある名前ですが、過去に名を馳せたストレンジャーであるコジロー・ササキという剣豪の血を継ぐ……傍流の家だそうで。

 

剣豪伝説に憧れて、戦い続けて「修羅」と呼ばれるまでになって。最初はルテリアとの決闘目的でしたけど、彼女が剣を置いたというなら無理に戦っても空虚なだけと踏みとどまれる理性はまだあって。

 

放浪してたところたまたま名代辻そばに立ち寄ったところ、原点を思い出したのは何より。地の分でこのまま羅刹として生きてたら見るも無残な最期を迎えたとかしれっと書かれるあたり、名代辻そば周辺が温かいから忘れがちですが異世界なんだよなぁ……としみじみ感じました。

ウェンハイム皇国を出奔した元貴族のイデオの話でも、腐敗した貴族の話とか色々出てきましたし。

 

独特の風習を持つ国の王女、シャオリンが迷い込んできて……店で働くことになったり。

ギフト研究の名目できたはずなのに名代辻そばにほれ込んだ常連大食いエルフの婚約者がやってきたり。話題の尽きない店ですねぇ。
外伝として、10年務めあげ一人立ちしたチャップが活動を続け高名になっていった未来の話「20年後のチャップ」が書かれていましたが、それだけ物騒な世界の中で無事に流浪の料理人続けてるチャップのたくましさよ……。あちこちにほれ込んだ人がいるみたいですし、それも納得。


名代辻そば異世界店1

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「いや、ただのそば屋じゃなくて『名代辻そば』だ。他の店じゃダメなんだ。店の場所が異世界でも構わないから、俺は辻そばがやりたいんだよ」

 

主人公の初代雪人は、週刊連載の漫画家として三年間描き続けて……体を壊したことで家族に泣かれたことで、連載終了に合わせて筆を折ることに。

激務の疲れからその事への未練もあまりなかったそうです。激務の中、彼の癒しとなっていたのが名代辻そばというチェーン店での食事をとることだった。

なので、漫画家を辞め、療養も済ませた彼は迷わず辻そばでのアルバイトを初めて。……飲食店でのスタッフも、それはそれで激務なのでは……? と思いましたけど。まぁ、やりたいことやるのが一番か。

バイトとして必死に勤め上げ、その姿勢が認められて正社員登用まで決まって、新規開店される店を任されることまで決まった。そんな最中に、事故で命を落としてしまった。

 

そんな雪人の魂を異世界の神様が拾い上げて。

望み通りの力を与えて異世界に送ってくれると言われたときに、彼が望んだのは「異世界でも、自分が惚れ込んだ『名代辻そば』をすること」だった。

そんな彼に与えられたのが「名代辻そば」の店舗をその場に自在に創り出し、必要な食材までも生み出せる(ただし店舗の外へ持ち出しは出来ない)と言った能力で。

来客数に応じてレベルが上がり、提供できるメニューが増えていくシステムまであって、至れり尽くせりですが。

 

彼が送り込まれた異世界アーレスは、時折雪人のように異世界から送り込まれる「ストレンジャー」と呼ばれる特殊な技能を与えられた存在が来るそうで。異世界の知識を齎してくれたり、特殊なギフトを持っていることから下にも置かない扱いを受けられるとか。

異世界に送られた先で最初に出会ったのが、カテドラル王国の王弟にして大公の位を与えられたハイゼン公のは幸いでした。

先述の通りストレンジャーとして公表すると、周囲は騒がしくなる。そうでなくても雪人のスキルは自在に食糧供給できるので、軍隊に彼を帯同するだけで飢えない軍が出来るとかいうトンデモ能力なわけですし。

ハイゼン大公からいろいろと異世界の事情を教えてもらったり、彼の庇護下に置いてもらって、雪人の望み通りの「名代辻そば」経営をやらせてもらえることになったのはなにより。

 

ストレンジャーながらそのことを公表していなかった少女が、異世界で懐かしのそばを食べて涙を流すことになったり。

カテドラル王国は、流通の関係上香辛料の類が高く一般的ではなく……逆に香辛料の産地に近い出身で味気ない食事ばかりで食欲の失せていた子供の心を開いたり。

異世界でも「そば」や「カレーライス」と言った日本のチェーン店の味が受け入れられて、多くの人の癒しになっていたのは良かったですね。

 

特別編として「10年後のチャップ」を収録。

本編で従業員として雇われたアーレス出身のチャップが、10年務めた「名代辻そば」での経験を活かして、雪人のスキルに頼らずアーレスのものだけで上手いうどんを創り上げたりしてて、成長を感じられたのが良かったですね。

他にも従業員が増えていたりとか、断片情報だけでも気になること多かったですけども。

辺境の魔法薬師~自由気ままな異世界ものづくり日記~2

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「大変ありがたいお言葉ですが、ユリウスは我がハイネ辺境伯領で育てることに決まっております。これは我が母、マーガレットからの遺言です。ハイネ辺境伯家でユリウスを立派な魔法薬師にしてほしい、と……」

 

祖父母が毒に倒れたという知らせを受けて、急ぎ王都に駆けつけたユリウスたち。

ユリウスは、叶うならば救いたいと祖母の研究室にまで入り、そこの素材を使って万能薬まで用意していましたが……時すでに遅し。

正確には、ユリウスたちに知らせが届いた時にはもう亡くなっていたそうです。

高名な魔法薬師であった祖母の命を奪ったのは、彼女の薬という守りが亡くなった状態で王族を狙うつもりではないか、と懸念したユリウスはそれを以前領地で縁のできた王女クロエに託すことに。

 

……実際、それが活きる場面が来てしまったので、そこはファインプレーでした。

そういうのを託せる信頼があるのと、交友が続いているのはまぁ良いですけど。

クロエ、王族用の隠し通路を仲が良いとはいえ、婚約者でもない相手に教えたり、城の隠し通路を探したりするのはどうかと思うよ。

監視役がいるのを知った上で、妹と王女に頼まれたからとはいえ、流されて他にも隠し通路があるのではないか、と探してしまうユリウスにも問題がある。隠し通路の気付いたとしても誤魔化して「いやぁ見つかりませんでしたね」と誤魔化す努力をしなさいよ……。

 

秘密通路の中に嫌な予感がしないとしても、王族……というか王城の秘密を暴いた形になって、関係悪化する可能性も大いにあるんじゃないのか……? と一部展開には首をかしげることしきりではありました。

隠し通路の先で伝承に謳われる聖竜の卵とか見つけちゃってるし。魔力を与える親のような役割をユリウスが担うことになっているし。「選ばれし者しかふ化させられない」という伝承がちゃんと残っていて、ユリウスに託してくれたのは良かったですけど……歯車一つズレてたらヤバかったよなぁ、という気がしてる。



辺境の魔法薬師~自由気ままな異世界ものづくり日記~

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「他の魔法薬師が作った回復薬はもっとひどいそうですよ。上級回復薬に関していえば、服用してもよくて半数が生き残れるかどうか。その点、前辺境伯夫人のマーガレット様が作った上級回復薬なら、死ぬほどの苦しみを味わいますが、死ぬことはありません」

(略)

「おい、だれか止めろ!」

 

VRゲームで魔法薬を作る生産職として遊ぶことに没頭していた主人公。

その生産への意欲を異世界の女神に買われ、ゲーム時代の知識と技術を持ったまま彼女の世界に招かれることに。

転生ものではあるんですけど、「ゲーム時代のアイテムは異世界でも再現可能」、「異世界で死んだら、向こうでの記憶を失って元通りの生活に戻る」といった前提条件が提示されたこともあって、主人公は割と軽く転生を了承。

 

そしてスペンサー王国の北を守るハイネ辺境伯家の三男ユリウスとして生まれた彼は、7歳になったころから魔法薬の再現を目指そうとするわけです。

幸いにも祖母が高名な魔法薬師であったわけですが……その生産風景は、ゲーム時代の知識があるユリウスからすると、えぐみが出るし回復の効果も薄れていくようなもので。

この世界では回復薬は飲むのを多くの人が嫌がるくらい苦くてえぐく、何だったら飲んでもそこから生き残れるかは運否天賦みたいな部分があるとかで。

 

基本最悪だけど、そのなかでも生存確率が高いから高名とされているあたり、女神様が異世界から応援を要請したくなる気持ちも分かる。

ユリウスも初手は祖母に「魔法薬の改善はできないのですか」と提案していましたけど……過去になにがしかの事件があったのか、祖母は「家を潰したくないのなら、新しい魔法薬を作ってはいけない」と意見を封殺する判断を下して。

絶対に魔法薬を作るな、と約束までさせてきましたが……女神様との約束や、ゲーム自体の知識・技術のあるユリウスは止まるつもりは無くて。

 

こっそりと薬草を採取したり、スキルを駆使して初級の魔法薬を再現。

一番使用する頻度の高い辺境伯家の騎士団で、実験を行うことに。これまでの薬のひどさに辟易していた彼等は、ユリウスの協力者となって口をつぐんでくれたり、素材採取を手伝ってくれたりすることになります。

……まぁさすがにトップのライオネルはユリウスの父、辺境伯への報告をしないわけにもいかなかったみたいですけど。祖母と違って父は、何かあった時にユリウスを庇うためにも事情は説明しなさいと言ってくれるのは良かったですね。

 

魔法薬を作るのが一番楽しいみたいですけど、兄バカでもあるユリウスは妹の要望を兼ねあるためにプラネタリウム的な魔道具を作ったり、ぬいぐるみを作ってみたりと魔法薬以外にも生産活動に勤しんでいくわけです。どんどん風呂敷広げていくなぁ……という気はしましたが。



異世界で天才画家になってみた1

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「あなたに会えてよかった。お陰で気付けた。あなたは鏡のように私の本質を見抜いてしまう。ドレスを選んでも、絵を描いても。私がちょっと我慢して不幸になるだけで他の人が救われるなんてこと、本当はありえなかったのよ。だから、私も、もっと視野を広くして考えることにした。公爵家の新しい後継者を探すにしろ、このまま断絶した後の事を考えるにしろ、皆のために最善を尽くす」

 

絵が好きだったけど、仕事にするのは無理だった。

中途半端な才能もなくて夢をスパッと諦めて就職した青年が、たまたま見かけたアプリで「俺の考えた最強画家スキルセット」を作って遊んでいたら、その設定のまま異世界に転生することになってしまった。

 

自分で選んだ、センスと描写力などなどを持った状態で異世界に転生したかと思えば、ある程度成長するまではAIによるオート操作のゲームを見ているような状態で……しかも操作ミスでうっかり死ぬオマケつき。

蘇生された後、穴埋めとして追加のスキル貰ってましたけど、この転生させてきた超常の存在アホだぞ……。まぁいつでもメモできるスキルや、鑑定技能は使えるからまだ有情か。

ちなみに死亡原因は婚約者が浮気していて、その浮気相手に魔法を放たれたとか言う不祥事でした。お貴族様がなにやってるんだか……。貴族だからか。無礼討ちと言わんばかりに魔法で一撃お見舞いしてきたらしいし。

 

主人公アレンの父が当主を務めるランペトリー商会は東の国が発祥の紹介で、異国で有力者との繋がりを欲した婚約だったようですが。

婚約解消によって新しい庇護者を探す必要が生じて……そこで、ついにアレンの絵の才能が輝いていくことに。

婚約が解消されて夜会に集中する必要がなくなったこと。負傷したことも併せて噂になっているから、ほとぼりを冷ます時間を取る必要がある事。

そうした要因で絵を描く時間が多くとれるようになって。そこから新しい繋がりが生まれていくのが良いですねぇ。

オート操作でもアレンのスキルは効果を発揮していて、元婚約者の底上げがされていて、婚約解消後に評判が落ちて行ったり。無礼討ちをしてきた浮気相手も、隠していたことが暴露されて落ちぶれて行ったりして。

浮気公子を迎え入れる必要があった公爵家の令嬢、シルヴィア個人は良い人で。
アレンに個人的に謝ってくれたし、覚悟を決めてからはしっかり相手を糾弾したし。継承に関して面倒な前例があったせいでややこしくなってましたが、最終的には丸く収まって良かった。

回復職の悪役令嬢 エピソード2錬金術師のプレイヤー的育成方法

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「シャロンさん、わたしを弟子にしてほしいですにゃ!」

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「知ってますにゃ! それでも、わたしはシャロンさんに師事したいと思ったのですにゃ。……ずっと家の中にいたわたしに、新しい世界を見せてくれたシャロンさんにですにゃ!」

 

勇者フレイに知識を買われてダンジョンに同行し、彼女のパーティーメンバーであるフレイの妹、タルトを救うためにケット・シーの村へと赴くことを決めたシャロン。

よそ者に優しくない村ではあるみたいですけど……猫耳ローブで態度軟化したのは笑った。いったん誤魔化せればいいんだ……。

 

そうして訪問し、タルトちゃんを診断した結果、ゲームでも稀な「マナ喰い」という状態異常だと発覚。

治療のための素材はあるけれど、その薬を造れる錬金術師や薬師が居ないというハードルがあって。

高レベルな人材を探すも見つからず……一から育てようとした時に、タルトちゃん自身が錬金術師であることが発覚し、シャロンの知識を使って自分自身を治す薬をタルトちゃんが作ることに。

 

そして病気が治ったときに、自分を助けてくれたシャロンに師事したいと彼女が付いてくることになって。

転生者であるシャロン以外にも、おばあちゃんが冒険の腕輪作ってくれることが発覚して。タルトちゃんも言ってましたが、やっぱかなり重要な情報ですよねぇ……。

まぁそもそも治療のためにつくった「流れ星のポーション」からして勇者パーティー7の面々がびっくりするくらいの代物でしたし。爆弾情報過ぎる。

 

タルトちゃんの育成方針は、彼女の希望もあって作った火炎瓶などを投げつける戦える錬金術師スタイルになって。

育成に勤しんでいく傍ら、シャロンは自分に出た「ユニークジョブ聖女」のクエストの事についても考えたりしていたわけですが。神殿で騒動が起きて、顔見知りになった人物が

呪いを受けていることを知ったりして。問題に深くかかわることになったりしてましたが。シャロンの奮闘に期待したいところです。



回復職の悪役令嬢 エピソード1 私だけが転職方法を知っている

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「決めた! 私はこの世界の景色を余すことなく堪能する!」

 

『リアズライフオンライン』というゲームにハマっていた主人公は、大型アップデートを心待ちにしていたが、メンテナンス延長でログインできず。

……気が付いたら、『リアズライフオンライン』の世界をもとに作られた乙女ゲームの世界に転生していた。

役回りは悪役令嬢であり、さらに婚約破棄されて国外追放を言い渡される場面であった、と。婚約破棄にまつわる一連の騒動は婚約相手である王子の暴走であり、主人公が転生したシャーロットの実家であるココリアラ公爵家の両親は、文句を言いに登場してくれたり、良い関係を築いていたわけですが。

 

前世の記憶を取り戻した彼女は、「でも国外追放言い渡されたしな~」という体で、自分がやりたい事をするために外の世界へ飛び出すことに。

乙女ゲームにするにあたって、いくつかシステム的な差異が生じていたそうで……職業は生まれ持ったもので固定だとか。

しかし大本のゲームでは転職も可能だった。現実になった世界では、同様に転職できるのではないか、と思った彼女はそのまま行動開始。

 

初期職業はデバフ主体の「闇の魔法師」だったけれど、前世の自分が使っていた支援できる職がいいよなーと隣国に行って回復職に就任することを決めて。

クラスチェンジできる場所が固定なのはゲーム的ですけども。リアルになった世界では実情に即していない部分もある、というか。

 

今回でいえば、エレンツィ神聖国ではありふれているヒーラーという回復職が、ファーブルムでは希少みたいですし。

シャーロットが街中で聞き込みをしたら、ゲーム時代とは違った行動をとっている国もあるみたいですし、ファーブルム王国は柔軟性がなかった模様。

ダンジョンとかもゲーム時代と変わらず存在するけれど、まだ攻略が進んでいない部分もあって。シャーロットの持っている知識がかなり重要ですよねぇ。

 

インベントリとかの機能が搭載された「冒険の腕輪」とか言うアイテムも、今ではほぼ忘れ去られていたみたいですけど、イベントを発生させたシャーロットは素材を持ち込んで作ってもらえてました。

収納系のスキルが使えるだけにとどまらず、システムメニューを開いて自分でスキル取得とかもできるサポート性能があって。でも普通の人はメニューを見られないからレベルが上がるごとに自動取得するしかないとかって情報も出てきましたし、腕輪量産出来たら世界変わりそうだなぁとは思いました。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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