気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

MFブックス

甘く優しい世界で生きるには1

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「それは無論。この試合中に、この刀をもって、全力で証明させていただく!」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

WEBは半分くらい読んだことあるかなー、って感じです。

 

英雄と聖女。そう呼び慕われる両親から生まれた息子、ドイル。

公爵家の嫡男であることを笠に着て、傍若無人な振る舞いをしていた。

そんな彼が、薬も回復魔法も効かない原因不明の高熱に倒れ……意識を取り戻した時には、地球で21歳まで生きた記憶を取り戻して。

それまでの自分の行いを反省し、今度こそ間違えず正道を進もうと誓うファンタジーです。

 

異世界転生。高貴な血統。異界の知識の活用

剣と魔法・スキルなどがある世界で、世界そのものから寵愛された高いスペック。

これぞなろう小説って感じの、ある意味王道の作品ですね。

 

タイトルにある通り、舞台は「甘く優しい世界」です。

勝手気ままにふるまったドイルの事を両親は溺愛していて見捨てなかった。

ギリギリのところで踏みとどまって、やり直しの機会を得た。

再起を誓った時に、それを果たせるだけの能力を兼ね備えていた。彼を慕い、力を貸してくれる人も居た。

なので、かなりポンポン進むと言いましょうか。側近のバラドが、ドイル至上主義で彼の行いの全てを肯定し賛歌するタイプなんですが。

作品全体に、その雰囲気は浸透している感じですねー。賛歌を疎ましく思う人も出そうな感じ。

                                                                                     

炎槍の勇者と呼ばれた祖父と、雷槍の勇者である父。

三代目槍の勇者になることを期待されていたドイルは、しかし槍の才能も、炎と雷魔法の適正も無かった。

期待に応えられない、と歪んで道を誤ってしまったわけですが。

他の適正は軒並み水準が高いので、その気になれば正道を進めるドイルの成長譚という感じ。

登場するキャラのほとんどが貴族ではありますが、親近感の湧くキャラばかりなので、読みやすい作品ではありますね。


世界樹の上に村を作ってみませんか1

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「摩天楼を築こうなんて荒唐無稽なことを考える奴が僕以外にもいるとは」

(略)

「そっくりそのまま返すよ。村を作っても変わらず好敵手ってわけだ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。WEBは既読。

日本で都市開発を行う会社に勤めていた主人公。商談を上手くまとめて、これから念願の開発が始まる……という所で命を落として。

テンプレのトラック転生とかじゃなくて、自販機に置かれた毒入り飲料という辺りは独特ですね。

 

そして転生したのは、地上に魔物が溢れ、世界樹と呼ばれる大木の上で人々が暮らす世界だった。さらに、そこで暮らしていたのは千年の寿命を持つというエルフで。

最初の挿絵にもなっていましたが、世界樹の葉の下にエルフが居ると、葉が大きすぎて自分が小人のように錯覚してしまうほど。

樹だけあって、魔虫と呼ばれる厄介な虫が発生する事もあるようですが、弓で戦う魔虫狩人という職業もあって、上手い事暮らしている様子。

 

転生した主人公・アマネは、この世界でかつてできなかった事。都市開発をやりたいと思い、行動を開始。

成人後に、建築を生業としている人に弟子入りして、勉強して。自分でも資格を取るように。樹上で暮らしている都合上、独特の建築様式があったり。いかに巨大とはいえ、世界樹の枝で支えられる重量にも限りがあるので、それを計算する必要があったり。

元々の知識以外にも覚える事が多く、何年も修行してましたが。

 

寿命が1000年あって、プラスマイナス30歳くらいなら誤差と感じるような世界だからでしょうか。普通の小説だったら数日後~くらいの感覚で年単位の時間が飛びます。

アマネは一人でなんでもできるような天才じゃなく、縁に恵まれながら着実に進んでいく堅実なタイプ。

物語にもそれが反映されているので、地味に思える展開もあります。

タイトル「村を作ってみませんか」ですが、1巻終了時で影も形もないですからね。修行して、経験を積み知り合いを増やして、資金を溜めて終わり。

 

個人的には、こういう足元の設定しっかりしていて、それを描写してくれる作品も好きなんですが……

その辺り、好みが分かれそうなのでWEB版に触れてみるのは一つの手ですね。

書籍化にあたってイラストがついてるのはもちろん、いくつかのエピソードは加筆されてボリュームアップしてるので、読みごたえはありました。

魔導具師ダリヤはうつむかない~今日から自由な職人ライフ~

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「……やめよう」

(中略)

もう、うつむくのはやめる。

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。WEB既読。

激務の中で命を落とし、魔法のある世界に転生した女性の物語です。

最も転生者としての知識は利用するだけで、あくまで今世のダリヤとしてのイメージが強いですけれど。

 

彼女には、親同士の決めた婚約者が居て。

互いの父親が亡くなってしまい、喪に服した期間もあり、先送りにされていましたが。

婚約から2年。新居を決め、家具を運び入れ、書類を出せば夫婦だ……

と言うタイミングでお相手のトビアスから、「真実の愛」を見つけたために婚約破棄をしたいと申し入れられることに。

 

徒労感の中で婚約破棄を受け入れ、事務的に対応を済ませるわけですが。

彼の好みに合わせて、髪色を変えたり装いを変えたりしていたり。仕事の手伝いなんかをしていたりした、積み重ねが水泡に帰して。

ダリヤは、吹っ切れた。タイトルにある通り、うつむかないことを決めて、一介の職人として好きにすることを決めたのだ。

 

婚約破棄に関連して、トビアスがまぁ株を落としまくる事凄まじい。

新居には新しい恋人と住みたいというし。婚約腕輪を返してほしいというし。

ダリヤに「破棄して良かったね」と直接言う人が後を絶たない程。まぁ、実際準備が進みまくった状態での心変わりは褒められた物でもないですが。

割り切ってしまったダリヤの代わりに憤ったり、彼女を気遣ってくれる人が周囲に多かったのは救いでしょう。

 

ダリヤ自身も吹っ切れて、行動的になったことで新しい出会いもありましたしね。

……最もお互いに恋愛に苦手意識があるせいで、進展するにも時間が掛かりそうな状況ですが。

 

今回は、世界観説明と婚約破棄絡みの状況整理がほとんどで、サブタイトルの「今日から自由な職人ライフ」な部分が弱めだったのは少し残念。

まぁWEBで読んでるので、このあと本当に自重せずにどんどん開発してく様は笑えるんですが。うつむかないにしても、ブレーキは踏んでいいんだよ?
イラストのダリヤが可愛いので追々そろえたい。


八男って、それはないでしょう!4

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「ヴェンデリン、パウル。ただ犠牲者が少ないことを望みます」

 

家を出た弟が、名を挙げているという噂。

それは僻地にあるヴェルの実家にも届けられて。定期的に来る商隊が意図的に情報を流しているようですけど。

ヴェルが話題の尽きない人物であるのも確かですが……まぁ、嫡男クルトの予想通り、ブライヒレーダー辺境伯の意向も踏まえた動きだろうなぁ。

 

裏を読める程度の頭はあっても、領地の発展に繋げられない辺りは残念と言うか。彼の思考回路はかなりマイナスに寄ってるといて。嫉妬やらストレスやらを抱えて大分歪んでしまった感。

とはいえ、昔からその素養は十分あって、なるべくしてなった部分も大きいとおもいますけどねー。

 

先代のブライヒレーダー辺境伯が派遣し、壊滅した遠征部隊。

アンデッド化しているのは間違いないが、その立地ゆえに今まで後回しにされていた案件。

その解決を依頼されて、ヴェルは仲間たちと実家に顔を出していましたが。

まぁ、色々と酷かった。これまで積み重なってきた鬱憤を、クルトは弟にたいしてぶつけたんでしょうけど。公的に立場を得た相手に対しての振る舞いではないよなぁ。

分かりやすい障害を排除して、発展させるんですよと言うための敵役に選ばれてしまったようで、間違っても好きにはなれませんが嫌いでもない微妙な塩梅。

護衛と言う名目で軍務卿からも嫁候補が送り込まれてきましたが。
小柄なのに身の丈を超える斧を使う少女。こういうキャラわりと好き。
候補とはいえ、相手との関係とか諸々の事情を踏まえたら、迎え入れる選択肢しかないわけですけが。
戦力になる上に、かつ食にこだわるヴェルとの相性も良いので適任ではあります。
流石に役職持ちは良い人材を抱えていますねー。いや、候補すら送り込めず陪臣の娘がなんとか絡んでるブライヒレーダー辺境伯への当てつけとかではなく。えぇ。本当ですって。


八男って、それはないでしょう!3

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「私も、ヴェンデリン様の勝利を信じています」

「ありがとう」

 

王都で暮らし始めて一年。ブライヒレーダー辺境伯の借りた屋敷で暮らしていたヴェル達ですが……

仮にも爵位を持った貴族が、長々と借り住まいというのは問題だと指摘されて。

胡散くさい不動産屋を紹介されて、間違った方向の特訓をする羽目になってましたが。物件探しが特訓になるのはなんででしょうね……悪霊憑きの事故物件だからかな……

 

さらにはエリーゼと婚約したヴェルに対して、決闘を申し込んでくる貴族まで現れて。

これ以上ないボンクラとその取り巻きって感じで、サクッと終わった上に、決闘の過程で犯した失態を追求する形でトコトン叩いてたのには、ちょっと笑ってしまった。

よっぽど鬱憤溜まってたんだな……というか。まぁ、それだけヤバい状況だったから叩くほどホコリが出たわけで、自業自得ですけどね。

 

ヴェル達が十五歳になり、正式に冒険者としての活動も始める事となって。

竜殺しとしての力量が確かであるために、いきなり難易度の高い依頼が持ち込まれて。

先んじて送ったパーティーが2つも壊滅した、というのも納得の殺意の高い遺跡でしたね……

なんとか乗り越えて、かなりの成果を挙げていましたが。一人でも欠けていたら間違いなく死んでいた危ない橋でしたよね……

 

ブランタークさんが居てくれて良かった。戦力的な意味でもそうですし、修羅場を共にした彼が、依頼を出した首脳陣とヴェル達との間に入ってくれたのは大きい。

それはそれとしてヴェルからもプレッシャーを掛けたりしてましたが。まぁ死にかけた仕返しにしては可愛い範疇だと思われます。

 

巻末には「ドラゴンバスターズBefore and After」として、幼少期と成長した後のヴェル達のイラストが掲載されています。

藤ちょこ先生や、Y.A先生のコメントもあって、中々楽しいオマケでした。15歳ヴェルの魔法使いらしい格好が結構好きです。



八男って、それはないでしょう!2

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「ブランタークさんも、何気にツイてませんよね」

「坊主の不幸体質が伝染したのかもな」

 

1巻の引きが国王との謁見だったのですぐ始まるかと思いきや、ルイーゼが飛行船でやっていたアルバイトからスタート。

WEBでもこの位置でしたけど、幕間だったのが本編みたいな構成になってるのはなんでなんだろう……まぁ、他にもあるので気にするほどのものでもないか。

 

アンデッドとはいえ古代竜を討伐するという実績を挙げたヴェル。

その素材は貴重で、特に魔石は有用なため王国が買い上げる事になって。更にはその褒美として、勲章を授与された上に爵位まで授与される羽目に。

いや名誉なことなので「羽目」とか言うのもアレですが。ヴェル自身が「王様と顔を合わせる羽目」とか思ってたからな……

 

領地や役職こそ与えなかったものの、実力を評価してしっかり抱え込むあたり王様は強かです。

実際、貴族家の当主としての立場を活用して、その後の軍事行動に組み込んでましたからね……相手は魔物で、領地を開拓して人の生息圏を拡張するための、意義ある戦いではありましたが。

 

予備校からつるんでいたエルやイーナ、ルイーゼも逃れようも無く巻き込まれてお疲れ様ですというか。ヴェルは将来有望ですし、苦労に見合ったリターンが見込めるのが救いでしょうか。

国王以外にも彼の価値を認めている人は多くて。自分の孫娘を婚約者として送り込んでくる人まで居ますしね。企みはあれど良縁なのも間違いなく、楽しそうだからいいんじゃないですかねー。

先んじて交流していて出し抜かれたブライヒレーダー辺境伯はご愁傷様ですが。送り込める相手がいないんじゃしょうがないね……



八男って、それはないでしょう!1

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「このまま慢心することなく努力を積み重ねていってほしい。君は……ヴェルは、必ずや歴史に名を残す魔法使いになるのだから」

 

WEB既読。

現代日本の商社で働いていた二十五歳の青年が、異世界に転生。

五歳の時に突然記憶を取り戻した形ですね。本人の自覚としては、夢も見ず寝て起きたら、違う世界にいたというもので、その割には結構順応してるというか。落ち着いてる感じですけどね。

貧乏貴族の八男として生まれたヴェンデリンとして、この世界に適合してる。

 

なろうの異世界転生モノとしては、王道なんじゃないですかねぇ。

幸いにして魔法の才能があり、師にも恵まれ、家を継げるわけでもないので冒険者となるべく大きな街に行って。そこから、立身出世が始まるストーリー。

表現がくどすぎるきらいはあるものの、ヴェルが概ね良い子に育っていますし、彼の周囲にも慮ってくれる人が多いので、ストレスは少なく読めるタイプ。……いやヴェルの実家周りは厄ネタの宝庫ではありますけど。

 

しかし、1巻意外な所で終わってましたね。

成長して冒険者予備校に通うようになった彼が、ある実績を立てたため謁見する事になるところで終わり。

謁見イベント(イベント言うな)まで入るかと思ったので、あれここで終わるんだと最初は思った。でも、冷静になると、2巻では舞台が王都に移りますし新キャラ登場のエピソードとしても妥当な所ではあるのか。



その無限の先へ6

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……ふざけるな。認められない。そんなことは断じて認めない。誰がそう思おうとも、自分だけはそんな評価を下してはいけないんだ。自分の限界を知りたいなら、つらくても前へ進め。理想の自分を描いて、それに向かえばいい。限界がこんな低い場所になどあるものか。僕の限界がこの程度だと認めてたまるものか。

 

遂に始まった、最高難易度の昇格試験。

8人の仲間が集ったものの……第一試練は一人ずつの挑戦。

綱はまた鬼難度のところに当たってましたけどね……いや、綱ホント一番難易度高いコースに当たってるんじゃないですかね。

鉄球の間はガウルのとこより難易度高かったらしいですし。

 

ユキがどんなルート通ってきたのかが気になりますなぁ。第二の試練は臓腑の間だったらしいですけど、詳細不明ですし。

WEB版のファンクラブでの会話にあった溶解シーンが多分ここだと思いますが。

「何度も死ぬのが当たり前の難易度」なのではないか、とかつてユキはそんなことを言っていましたが。

今回彼らに課されたのは、まさしく何度も死んで、何度もやり直し、最適解を求めていくようなやり方で。

 

この試練のボスであるリーゼロッテは、最終試練まで到達するのは、綱とユキ、サージェスの三人だけと予想していたみたいで。

実際、摩耶なんか途中で心折れかけてましたからね……

それでも彼女の工作なんかもあり、負けず嫌いだった連中が、遅刻はしても決戦の部隊まで駆けつけてきたのは熱かった。

 

今回はサージェスとフィロスの視点がそれぞれ描かれていましたが。

綱以外のキャラも魅力あるので、こういう感じでまたこういう感じで描いてもらえないものですかねぇ。

そして、書籍版の追加要素として、綱の過去の記憶の断片が描かれていましたが……

得体のしれぬブーストかかっているとはいえ、やっぱり綱自身がバグキャラなんだな、と言いますか。未来の断片すら見てましたが……

凄い魔法使いが不吉な予言下してたので、ちょっとそこは気になりますねぇ。

 

その無限の先へ5

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「俺たちはただの冒険者で、〝挑戦者“だ。この試練でも無限回廊でも変わらず、不撓不屈の精神でアホみたいに深いダンジョンへ潜り続ける挑戦者だ。お前は魔王役をやりたいのかもしれないが、俺たちの行く先に魔王なんていない」

 

4巻では、長い描き下ろし中編が収録されていましたが、今回は無し。

その代わり、こまごまと場面が変わっていますね。

『鮮血の城』でのイベントに挑む、という場面で引きなので、早く6巻読みたくなりますね……一応12月あたりに予定出てるみたいですけど。

 

サージェス・ガウルといった既に三十層を攻略している面子を覗いて、フィロス達と攻略に挑むとき。

クロが斥候として加わったほか、回復職のメロも同行していました。

しかしまぁ、クロの活躍ぶりを見るに、彼女たちのチーム爆発力は足りないかもしれないけど、かなりバランス良い方なんですよねぇ。

いや前衛職業だけで、先に進んでる綱達やフィロス達の方が例外というか。

 

水凪さんが本格的に登場するのはまだ先なのにイラストついてて笑った。

その辺りまで刊行続いて行ってくれると嬉しいんですけど。

リーゼロッテがイラストついて、中々可愛い感じ。ボスとして格好つけていたら、予想外のところで出くわして、テンパって逃げる場面とかはやっぱり可愛い。

……最もボスとして登場してくるときは、上限設定がおっかない領域で、かなり厳しいボスなんですがね……

 

見開きの扉絵で摩耶とティリアも登場していましたが……

地獄の訓練中の罰ゲーム風景ですよね、コレ。しかも結構後半の。

ティリアの前に四倍濃縮の摩耶汁あるし。むしろそれだけしかないし……

ヒートアップしすぎたんだね……次回、この特訓の成果が披露される試練本番なので、今から楽しみです。

 

 

その無限の先へ4

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「違うだろ。なんであんたが諦めるんだよっ!! 後輩が追い抜ていくのを笑ってみてるんじゃねーよ。先輩なら先輩らしく、先に行って待ってろよ!!」

その言葉は、先に進むと決めてなおどこかで諦めていた心の深い場所に、痛烈に響いた。

「俺達はすぐに追いつく。追いついてやる。〝あいつ“に辿り着いてやる」

 

WEB版でも気に入っていて何度も読み返している、新人戦が描かれています。

書籍化の改稿によって、いくつかシーンが加わってますね。

 

ダンジョン篭もりでの修行により、グワルから手ほどきを受けて。

新人としての成長で見れば100点以上だが、アーシャに勝てるかって意味では1点以下というような評価されてましたが。

挿絵でのサージェスのインパクトが全体的にひどい。ヒュージ・リザード戦では普通にできる人みたいな感じだったのに、新人戦でのアレは……ひどい(褒めてる)。

そりゃアーシャさんも固まるよ。むしろ初見で固まらない人いるのかよ……

 

綱が治療室に転送された後、「謎ギフト」に絡みそうな過去を回想していますが……彼の死因、失われている死ぬ数年前の記憶。

追加されていた「あいつに辿り着く」という言葉。未だ本編でも明らかになっていない、黒幕について伏線張られてる感じですねぇ。種明かしが今から楽しみです。

 

オマケに、短編と描き下ろしの中編も。短編はトマトさんが遠征してオリ主さんに会うアレなので良いですが。

描き下ろしのストーリーはダンジョンマスターとその仲間たちのエピソードで、かなり興味深いものでした。

 

いや、ダンジョンマスターたちの印象変わるな。

ダンマスが限界だって言うのは、ユキと逢った時から言われていましたけど、ダンマスの仲間も、同じ時間を過ごしているだけあってかなり歪んできてる様子です。

水の巫女。迷宮都市の領主。ダンマスの妻。多くの肩書を持ち、WEB版でもほぼ描写がない那由多についても触れられていて。

 

ダンマス以上にヤバい状態だとは。彼女が動き出したのって、やっぱり自分と同じことをした存在について知ったからかなぁ。

アーシャさんたちの両親って元ダンマスのパーティーなんですねぇ。夫の方は今も参加しているようですけど。

他にもダンマスの奥さんの名前とか、経歴なんかも触れられていたりして。

綱の出身地の事情についても、裏側暴露されてましたね。綱が去った後に崩壊したのか、現存してないなんて情報もしれっと描写されてました。

色々と新発見が多い読み応えのあるサイドストーリーだったと思います。

 

後、コレを読んで分かる新人戦のひどさ。

WEB最新話でされている無茶ぶりが難易度7なのに、新人戦難易度10だったのかよ……ダンマスが流星衝使うように誘導していたこともあったし、無理ゲーだったのは間違いないようで。

 

可能性が0ではないってだけで、奇跡の連発が前提という、ほぼ達成不可だろそれという課題。まぁ、綱達はダンマスの想定以上に食らいついて、影響を広げたようですが。

最初にハードル上げておけば、覚悟もしやすいという思惑もあったようではありますが。

これがバレたら綱達に殴られそう……いや、まったく聞かないですけど。どうか、綱達には見事駆けあがってダンマスどつけるぐらいに成長してほしいものです。

その無限の先へ (4) (MFブックス)
二ツ樹五輪
KADOKAWA/メディアファクトリー
2016-05-25
 
プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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