気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

MFブックス

転生した空間魔法使いは正体隠して目立ちたい! それ俺ですとは言いません

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「聞くに堪えないから、もう口を開くな。思わず手が滑るだろ。まぁでも、そんなクソみたいな口ならなくても困らないだろうし、むしろなくなったほうが世のため人のためになるだろうさ。ありがとうございます、の一言くらい言ってみたらどうだ?」

 

主人公のトーリは、会社への出勤の途中人助けをした末に死んでしまった。

死ぬはずだった人物を救ったことで神様に興味を持たれて、魔法のある世界に送り込んでくれることに。その時に、異世界で生きていけるように「剣術の才能(中)」とか「空間魔法の才能(極)」といったスキルを与えてもらって。

空間魔法は特異魔法と呼ばれるジャンルで広く知られていない。そこでトーリは、剣士として冒険者登録をしつつ、「謎の魔法使い」として活動するムーブで異世界を楽しもうとすることに。

 

空間魔法使いとして初めて活動したときに、高ランクの冒険者チームでも叶わない地竜を討伐したことで、ギルドマスター達が困惑することになってましたけど。

あとトーリ、二十五歳の肉体そのままに異世界にやってきて新人登録したことで、剣士としての表の顔でも「新人遅れ(オールドルーキー)」と蔑称で呼ばれ、パーティーを組むこともままならなかった。

まぁ、空間魔法使いとしてこっそり活動するためにはパーティ組むわけにもいかないので、都合いいっちゃいいですけど。

 

ソロで活動していたら、地竜と戦った際に助けたチームの魔術師であるマリーンになぜか懐かれて、負傷者も出て活動を抑えていた時にトーリと一緒に行動する機会が出来たりもして。

マリーン、記憶が無かったりトーリの魔力に懐かしさを感じていたり、謎の多いキャラなんですよね。……それを抜きにしても、自由人でその時々にやりたい事をやってるキャラではありますけど。

巻末のSS「約束は果たされた」でトーリを転生させた神様が、トーリ自身にも何か秘密があるのを匂わせまくってましたし。というかストレートに過去に異世界救った英雄の転生者っぽいですよね、トーリ。で2度目の転生にあたって異世界に帰ってきた、っぽいですけど。トーリが2度も転生する時間があってなんでマリーンがまだ普通に生きてるのかは謎。

 

マリーンが所属するパーティ白亜の剣のメンバーは、良識のある人が多かったですけど。

冒険者を食い物にするって噂のあるけど、確証がないため見逃されている悪党までいて……トーリに目を付けたことで破滅することになったのは、自業自得でしたけど。

……そんなバカの影響で竜種の脅威を味わうことになったり、事後処理に奔走することになるギルドマスターが一番の苦労人なんじゃないかな……合掌。

八男って、それはないでしょう! みそっかす3

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「うちは成り立ちが特殊なので、これが家風なんですよ。なかなか普通の貴族には理解してもらえないと思いますが、うちはそういう家風ですから」

 

16話を収録。「みそっかす」12巻よりは一つ一つのエピソード短く、多く収録してる形ですね。

1話「よくある貴族の五男の話」。エルヴィンが実家に居た頃のエピソード。

エルヴィンはいずれ冒険者になることを見越して、狩の腕を磨くのを怠っていなかったわけですけど。彼の兄たちはそうでもなく……。三羽のウサギを狩った弟から、成果を一匹ずつ奪っていく兄よ……。

弟が獲物とってるのに兄が成果ゼロってのは体裁が悪い、と父も黙認する構えなあたりが零細貴族家というかなんというか。

そんな中で寄り親であるルーター子爵家が、周辺貴族家に声をかけて被害が増えている害獣討伐を行うことになって……どのみち家を継げずに家を出ることになるエルたちは真面目に成果を上げてるけど、エルの兄たちみたいな輩が多い本隊の方がアレなのは本当にもう……。

 

2話「お兄さんは心配性」。ミズホ伯国で出会い、エルの嫁になったハルカの幼少期。

ハルカはかなりの実力があり抜刀隊に入れるレベルだったが、本来ミズホでの女性の剣は護身レベルであり……女性隊員がいないわけではないけど、狭き門ではある。

それでもその道を進むことを選んだハルカの頑張りは偉いですけど……タイトルからしてね、お兄さんがね……相変わらずだなぁ……と言う感じ。

 

3話「イバラの道を歩む」。

テレーゼ幼少期。まだ10歳の時期で、幼馴染だったマックスが幼いながらにニュルンベルク公爵を継ぎ……2人の婚姻の話も正式に破談となって。

さらにテレーゼの父もそのタイミングで倒れ……フィリップ公爵家も継承であれることに。ラン族という部族とその特徴である肌の色にこだわりがあることで、兄たちが家臣団に認められず、テレーゼが父の葬式を取り仕切ることになったり問題抱えまくってるのを、10歳が抱え込んでるの思うと、可哀想にはなる。……その上でヴェル達の転移実験でパンツ取られたシーンまで挿絵にされてたしな……。

 

4話「真夜中の魔女」。

ブリザードのリサの、冒険者予備校にいたころのエピソード。

魔法使いの特待生として認められたものの、男性が苦手すぎて普通に教室には通えない。校長先生からその立場を考慮して、レポートを出すことで代替する話になっていたみたいですが。担当教師に上手く話が伝わってなかったのは落ち度でしょう……。

とは言え、リサも家族以外の男性と会わない生活を送るのはどうかと思い……対抗策が物理的に距離を取る「全身鎧姿」になるっていうのがぶっ飛んでる。

鎧姿に比べればまぁ化粧で武装してる方が健全ですけど、それであの過激さになるのを思うと、どっちがマシかなぁ……。

 

5話「側室試験」。第6話「仕官への道」。

ヴェルがバウマイスター男爵だった頃の話。5話は、ヴェルの側室になろうという女子が多く……それを追い払うために「冒険者チームとしても活躍するから、身体能力も必要だよ」と試験を行うことで追い払って。

……その試験に参加し、合格できなかったものの根性を示したイヴァンカが落ち目の実家に頼るのではなく、冒険者になる道を選んだのはガッツがあって良いのでは……?

 

そして6話はヴェルに仕える家令となった、ローデリヒの話。

商会を追い出され、それから先も上手く勤め先が決まらずにいたローデリヒ迷走期の話。

あちこちに問題を抱えた貴族多くて、よくもまぁ国回ってるなぁ……って感じではありますが。



八男って、それはないでしょう! みそっかす2

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「この私が、お前たち如きのセコい脅しに屈すると思うか? ああっ、これまではそうやって女性冒険者を食い物にしてきたんだったな。随分と卑怯っぷりが板についてるじゃないか」

「『ブリザードのリサ』! 貴様ぁ――――!」

「図星を突かれて起こったのか? そこはしらばっくれるくらいしろよ、五流ども」

 

1話「カタリーナという名の少女」。

政争の煽りを受けて改易させられたヴァイゲル騎士爵家のカタリーナ。

リリエンタール伯爵家、それを実行した相手には恨みをぶつけてるみたいですが……政敵から「こっち恨んでるわりには、ヴァイゲル家のフォローはまったくしていないようだが」とか言われてるの、あまりにも……。

もはや貴族ではないからと当主と夫人の葬儀にも参列せず、カタリーナへの援助もなく……それなのにカタリーナに魔法の才能があるとわかったら縁談をもってくるの、うーん狸というかなんというか。これくらい神経太くないと政争やってられないんだろうなー。

 

カタリーナはお家復興のために努力しようと、形から入ってましたが……性根は普通の少女というか。気合で縦ロール髪型を維持してドレスを着て冒険者学校に乗り込んだカタリーナはあまりにも浮いていて。

中央の政争から離れてホールミア辺境伯の領の冒険者学校に通うことにしましたが、そこもまた柵とは無関係ではなかったりしましたが。

カタリーナ、どうにも空気読み苦手でソロ活動を強いられてはいましたけど、それでも稼げるくらいの実力はあったので……例によって暴走するバカも居たけど実力で、カタリーナが自覚する前に叩きのめしてたのには笑った。

カタリーナがヴェルに会いに行こうとする前、「自分がこんなに頑張ってもパーティ組めないんだから寄生目的の方々だ」と決めこんでるの、視野狭窄すぎるなぁ……と思いつつ、それぐらいのメンタルじゃないと女だてらにお家復興のために奮闘できないか……。

 

2話「衝撃の出会い」。

結婚したことで過去の過激な言動から一転落ち着いた振る舞いを見せるようになったブリザードのリサと、その弟子であるカチヤ。

カチヤは冒険者予備校に通っている初期のころは、魔法が上手く使えず悩んでいた。

そんな折にブリザードのリサに出会って。グレードグランド討伐戦が実施される時期で……カチヤが実家の名前を使って、諸侯軍という建前であの現場の端っこに居たって言うのはびっくり。

そして魔獣討伐の実践を通して、リサからカチヤが色々と教わって腕を磨いていったというのは、まぁ良かったんじゃないですかね。こんな世界ですから武器は合った方が良い。

……ただ、結婚した今になったその諸侯軍の記録が明るみにでて、ブライヒレーダー辺境伯がまたちょっと頭を抱える羽目になっていたのは……お疲れ様です……。

 

3話「最後の一週間」。

ヴェルが故郷を去ってブライヒレーダー辺境伯領に向かおうとする前の話。

幼少期のヴェルとアマーリエは、表立って会話するとクルトが面白い顔しないから、中がよさそうに想われないようにふるまっていた。

当時の2人のことをヴェルは「バウマイスター騎士爵家が置かれた厳しい現実に立ち向かう、同志みたいなものだった」と語っていましたけど。

問題をある程度認識できていて、それでもクルトが嫡男だからその立場を脅かさないように一線を引いて守っている2人の立場を表すのには適してはいますね……。

ヴェルが領地を去る時に、アマーリエに贈り物をしていたのは、当時としては同志への選別だったんでしょうけど。なんだかんだ今も関係が続いていて。……まぁ、幸せな人が増えているので、差し引きプラスとは言えるか。

八男って、それはないでしょう! みそっかす1

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「どちらが常識がないんでしょうね。そう思いませんか? ブライヒレーダー辺境伯様」

 

「まったくそのとおりです」

 

主人公たちの幼少時代を描く、番外編。

1話は「狩猟勝負」。ブライヒレーダー辺境伯領の冒険者予備校で、ヴェルがエル、ルイーゼ、イーナ達とパーティを組んでいた時代。

『瞬間移動』出来るヴェルは、他の生徒とは違う狩場に足を延ばせるし、魔法の袋もあるので大量に狩っても持ち帰れないなんてことはない。なんなら学校の休業日と併せたら、他のメンバーに野営の準備をしてもらっている間に、ヴェルだけ一旦かえって納品するなんてことまで出来る。

……便利すぎるな、この主人公。そりゃ取り込みたい人はたくさんいるでしょう。

 

冒険者学校に通っている貴族家から出ることが決まっている、立場的にはヴェルやエルたちと同じ立場。しかし、成績別の冒険者学校のクラス分けで、同じクラスに入れるほど実力がない。そんな未熟なガキに絡まれて……しかも、子供の喧嘩にバカな親まで出てきて。

ヴェルに「ブライヒブルクで冒険者として活動できなくなってもいいのか」とか圧までかけて来てましたが。

瞬間移動できる魔法使いで、しかも辺境貴族家の八男で家を出ることが決まってるヴェル相手にはあまり効果ないよな……。まぁ、そもそもトップのブライヒレーダー辺境伯と既に繋がりを得ているから、怖くもないですけど。

なんというか、また狩猟勝負やってたなー、という感想。

 

2話「英雄症候群の少女ヴィルマ」。タイトル通り、ヴィルマの幼少期。

最初はヴィルマが「英雄症候群」という症状のことすらわからず、両親も心配していたけれど診察では健康状態には異常が無いということしかわからず。

一度倒れ、知識ある司祭様に見てもらえたことで「英雄症候群」について知る事はできたものの……食糧不足という問題は健在で。

自分で狩りに行ったり、大食い向けのチャレンジメニューがある店に通ってみたりと、出来る範囲の事はしていたみたいですけど。そんな彼女がエドガー侯爵の幼女になるまでの話。

 

3話「聖女誕生」。

エリーゼの幼少期。四大属性の魔法が扱えず、聖属性の適性がありそうだと発覚して。

その治療のための練習を始めることになった際、初回から効果を発揮させたのはお見事。不慣れだったこともあって魔力を使い過ぎて気絶しちゃったみたいですが。

エリーゼが最初に心配したのが居合わせた居合わせた家庭教師も司祭が祖父に叱られたのではないか、と言うあたり性根の優しさが出ている。エリーゼに魔法を教えるという仕事を忠実にこなし、その後の処理もしっかりしていたので、叱ることはなかったそうです。

貴族令嬢ではあるけど教会での手伝いにも積極的で、エリーゼには味方が多いみたいで良かったですね。

あまり教会の手伝いに積極的ではない令嬢もいるし、聖属性使いのエリーゼの婚約者の立場を狙うバカが暴走したりとかも色々ありましたが……まぁ、無事に対処できたのは良かった。

異世界で天才画家になってみた2

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「うん。絶対良い絵になるよ」

 

男爵位を与えられたアレン。

貴族としての格式というものもあるからカントリーハウスを買わないか、とバルバストル侯爵から話を持ち掛けられて。

アレン所有の家ということになるので、ちょっと? 本気で? 遊び心を発揮して。

絵画にまつわる事なら大体できるスキル持ちなのもあって、家の壁にフレスコ画を描いてみようと思い立って実行しちゃうのが面白い。

作中の世界ではまだ馴染みの薄いデフォルメやアニメ風のイラストは受け入れられないかも、と思いつつオタク趣味に走った隠し部屋作ったりもしてるので、本当に楽しんでるなぁ……と言う感じでした。

 

変わらず公爵令嬢シルヴィアとの交流も続いていて、アニメ絵は見慣れてなくて固まってしまってましたが。

アレンの画に描かれるならちゃんとした服装した方がいいんじゃ!? ってなってるのは可愛くて良かったですね。

その後、武闘大会の運営の手伝いをすることになったというシルヴィアから声を掛けられて手伝いをしてますし。アレンの絵を使って宣伝したり……チャイナドレスの下絵を描いたら服飾関係者に刺さってシルヴィアが着る羽目になったりもしてましたが。カラーイラストになってたのはグッジョブ。

 

アニメ絵にほれ込んでくれるマクレゴン公爵家のローデリックとの縁もありますし。アレンの絵が有名になってるっての抜きにしても、良い友人が多いですよね。

ローデリック、アニメ絵にハマったオタクやってますけど、「現実ではあり得ないけど、『絵』として強調することで味わいが出ている」みたいな、ちゃんとした分析をした上で狂ってるから、語彙力のある信頼できるオタクだ……ってなりました。

 

趣味に没頭しつつ楽しい生活を送っていたある日、東のノルト王国にあるランペトリー本家から祖父がアレンに会いたがっているという手紙が届いて。

商会の仕入れなどで連携している本家からの便りということもあって無下にはできず、アレンは足を運ぶことに。

そこで彼はいつも通り美術的スキルを駆使してトラブルを解決していったわけですが……そうやって実力を見せつけたことで、ノルト王国の王族からも評価されて仕事を振られて帰国の予定が伸び伸びになってしまうことに。

 

そうしている間に、ロア王国アレンを呼び戻そうという動きが出始めて……シルヴィアを派遣するのは、はい、的確だと思います。

アレンも親族のアドバイスをもらって、行動力のあるノルト王国のキーラ王大后と顔を繋いで、助力してもらおうとしたりしてたんですけどねぇ。

王大后と使節としてやってきたシルヴィアの両方向の圧力があって、帰還の目途が立ったのは良かったですね。帰れないようにされつつもチート画力で仕事はサクッと片付けられるので、ちゃんとシルヴィアへのお土産を準備していたのは偉い。

魔術漁りは選び取る

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「起きた出来事がどれだけ大きくても、それを引き起こした人に壮大な目的があるとは限らない」

事件の大きさと、発端の大きさは比例しない。

歴史に刻まれる事件の裏に、必ずしも巨大な陰謀や思想が隠れているとは限らない。

二年以上もの間、戦場漁りとして戦場を渡ってきたカナタは経験からそれを知っている。

 

主人公のカナタは親を亡くし、ウヴァル傭兵団に拾われた。

と言っても戦士として鍛えられているわけではなく……下っ端も下っ端、戦闘が終わった地域に踏み込んで金になりそうな武器や小物を回収する「戦場漁り」という立場だったわけですけど。

ノルマを達成していればしっかりと生活の面倒を見てくれるし、悪い場所でもなかったみたいですけど。

 

カナタはノルマの分を集めきった後、趣味でラビッシュと呼ばれる魔術滓を拾っていた。

魔術師が魔力を使ったときに余計だった魔力の塊なので、魔術師からしても未熟さの表れとして「滓」とついている通り、ゴミ扱い。

見た目こそ珍しい色味の石、という感じだけど宝石ほど輝いているわけでもない。そもそもが魔術を使った際にでた滓なので、時間経過で消えてしまう。

だから「戦場漁り」のカナタでも、自分のモノとして得ることが出来た。

カナタはそのラビッシュの中にぼんやりと見える記号を眺めるのを好んでいたわけですが……ある日、そうやって何年も積み重ねていた解読がカチッとハマり、カナタは魔術を発動できるようになったわけです。

 

とは言え魔術についての知識なんにもなくて、ただ魔術滓の積み重ねで一つだけ魔術を使えるようになっただけで。

副団長のグリアーレが魔剣士という、魔力を扱える存在だったことで色々教えてくれたのは助かりましたね。

ウヴァル傭兵団が参加していた戦場、村同士の些細な争いを理由に貴族が大義名分もなく戦争を仕掛けたものだったそうで。ダンレスというその阿呆貴族が難癖をつけて来た時に、カナタは自ら前に立ったわけです。

 

決闘騒動に発展したりもしましたが、そこで「魔術滓から魔術を会得できる」というカナタの異能が明らかになって。

ダンレスよりは真っ当な貴族に目を付けられたカナタは……1巻後半に収録された第二部では、その出自を偽って貴族家の養子として迎えられることになったわけです。

突然子供が一人増えると言われて、面白いと思う関係者がいるはずもなく。つけられた侍女には初期嫌がらせされるし。母となる人物や魔術の教師は優しかったけど、カナタに直接苦言を呈してくる奴もいた。兄となる人物も内心では面白くないと思っていた。

そんな中で事件が起きて……カナタが自分なりの考えを持って踏み込んでいったのは、軸が通ってて良かったですけど。無茶するなぁ……とも思いましたね。

WEBで読んでて好きなシリーズなので、書籍化はめでたいしこのまま続いて欲しいものですが、さて。

忘れられ令嬢は気ままに暮らしたい1

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「勝手に生きろと言われても、あいにくとまだ七歳なのよね……。普通に考えて、死ねって言われているのと変わらないと思うし、向こうは何を考えているんだろう。……いやまあ、私の場合はどうにかやっていく自信はあるけれど」

 

ラビウス侯爵家の側室の下に生まれた少女、フェリシア。

母を亡くした後、父であるラビウス侯爵の下に第四夫人として新しい側室がやってくることになり……フェリシアは家を出されて、辺境にある侯爵家所蔵の屋敷に住まいを移すことに。

第四夫人、先代国王が遅くになってから生まれた子でたいそう甘やかされて育った「悪い意味での王女様」らしくて。現国王の妹という立場でありながら、子連れで、第四夫人としてやってくる時点でお察しというかね……。

 

侯爵もそんな厄介者な王女様を家に抱えることになって、目の届かないところには置けなかったことから、止む無く近場の屋敷に住まわせることになったようですが。

フェリシアにすら悪評が聞こえている王女様だったわけで、彼女もまた同居には肯けず、辺境送りに同意したわけです。

辺境とは言え、何代か前の侯爵当主の弟が研究素材を求めて住んでいた屋敷らしく、環境としてはちゃんとしてましたね。

……ただ、追って使用人が手配されるはずだったところ、噂の第四夫人が「辺境に追い出される子にそんな金はかけられない」と横槍を入れたことで、フェリシアは独り暮らしを余儀なくされることになるわけです。

 

カクヨムだとタグでパッと分かりますが。作中だと終盤で明らかになることとして、フェリシアは転生者なんですよね。

そして、彼女の棲むことになった屋敷の前の住人もまた転生者だとか。

領都で暮らしている際に、生活の端々に転生者の気配を感じつつ、周囲には隠していたみたいですけど。そのあたりの扱いはどうなってるんでしょうねぇ。

研究者として有能だったっぽい前住人がそのあたり隠していたのは、面倒だったからなのか、研究の邪魔になるからにすぎなかったのか。

 

異常成長していた薬草を採取して、近くの街のギルドに納品したりしてお金を稼いだり。

屋敷の周囲には魔物除けがあるらしいですけど、その屋敷の傍にあるのは魔の森と呼ばれる危険地帯であって……。

フェリシアが引っ越しした少し後に、魔物の生態異常によって起きる「溢れ」と呼ばれる現象が起きて。生活圏が動いたことで魔物同士の争いなんかも起きて、それで負傷した狼の魔物と従魔契約を結ぶことになったりと、のびのびと過ごしてるなぁ……と言う感じがしますね。

異世界転生スラム街からの成り上がり~採取や猟をしてご飯食べてスローライフするんだ~1

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「私、今、すごく、幸せなんだと思う」

ぽつりとラニアが言う。

「俺もそうだね。たぶん」

「わわわっ、私も」

 

主人公のエドは、故郷のエルダニア都市がスタンピードによって滅ぼされ……そこから流れ着いた人々で構成された、近隣にあるトライエ都市の城壁外に創られたスラム街で暮らしている6歳の少年。

父は亡くなり、母は姿を消した。そんなある日、頭を打った彼は前世の記憶を取り戻し……さらには『鑑定』魔法も扱えるようになって。

 

トライエ都市からの食糧の配給は続いているものの、長く続いたことで今はイルク豆一種類に統一されているとか。トライエ都市内部でも食糧不足が深刻になってるって話ですし、まぁそりゃ急に養う民が増えればそれはそうか……。

 

両親が居ないエドは、仲良くしているミーニャという少女や彼女の両親たちの助けを得つつ暮らしていたようですが、先述の通りスラム街は支援も限られ、貧乏が貧乏を読む悪循環に入っている状況で。

スラム街の住人は、野草の知識も薄く……かつてキノコに手を出した人物が命を落とした例もあって、食べられるのに手を出されていないものが身近に多く存在していた。

 

そんな中でエドは「鑑定」魔法で食用かどうかを区別できるし、前世の知識も活用して色々と工夫していくことになるわけです。

彼に懐いている少女も2人ほどいて、仲良く行動しているのは微笑ましかったですね。

前世知識と鑑定魔法で底上げしているとはいえ、子供数人の行動で改善できる環境で大人はもう少し何かできなかったのかなぁ……という気持ちも若干沸きますが。

貧乏ではありつつも、子供の稼ぎ巻き上げようとかしないし、逆にエドが何気なく上げたものが高すぎるのではないかと親が飛んできたりしてるし、街を捨てざるを得なかったスラム街の住人達ですが、善性を捨ててはないので、貧しいのは貧しいけど荒んだ雰囲気がないのは不思議な感じでしたね。

精霊つきの宝石商1 特別なエメラルド

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「俺たちは、君にその力があるからこそ、君を養子に迎えたい。だが、君を利用する気はないんだ。……精霊に愛された人間が魔力を流した魔宝石を見るのは、今日が始めてだ。この輝きを見られただけで、もう人生に悔いはないとさえ思える」

 

気付けば子供の姿になって異世界に迷い込んでいた主人公のエマ。

彼女は、宝石を眺めるのが好きでジュエリーを心の支えにブラック労働を乗り越えるOLだったようですが。

迷い込んだ異世界で、直ぐに見つけたのが宝石を売っている店で。

それもただの宝石じゃなく、魔力が込められた魔宝石と呼ばれるものだった。異世界に迷い込んだエマは、なぜか魔力や魔力に惹かれる精霊を見ることの出来る特別な目を宿していた。

……いやまぁ、目だけじゃなくてエマ自身が精霊に愛されているみたいで、彼女が魔宝石に魔力を込めるととんでもない代物が出来てしまったりもするみたいです。

 

宝石商の夫婦は、エマが精霊に愛されていることを知った上で養子に迎えて、でも利用する気はないと言った通りに、彼女に無理に魔力を込めさせるようなこともせず、誠実に愛して育ててくれてたみたいで、異世界転移最初の出会いがこの夫婦で良かったですねぇ。

長らく子宝に恵まれていなかった夫婦に、エマを養子に迎えてから実子が出来たみたいですけど、姉妹仲も家族仲も良好みたいですし。

そしてエマが成長したある日、2号店をエマに任せたいという話が出てきて。エマはそれを受けることにしたわけですけど、妹のアナベルも魔力がないから魔法石を直接扱う事は出来ないながら、姉の手伝いがしたいと会計士の資格を取ろうと頑張ったり、緊張してる時相手に癒してもらったりしてるの、実に微笑ましくて良い。

 

既製品とセミオーダーを行っていた一号店と違い、フルオーダーと、庶民向けの安価なアクセサリーを用意した2号店という違う方向性で戦おうとしてるのも、ちゃんと考えてますね。

客層違うけど、フルオーダーなんてそんなポンポン来るものでもないし、別の路線の商品おいてるのは正しいと思う。完全ブランド化して、フルオーダーだけでなんとかなるなら特化していっても良いと思いますが。庶民向けの安価なアクセサリーとかまだ広がってない世界みたいですし、どっちも挑戦的な路線だから試行錯誤は有り。

 

……まぁ初期からとある伯爵から、「妹に贈るための宝石が欲しい」という依頼を貰って。

自分も妹大事にしてる身だから、と精霊に愛された子である自身の特性を駆使して依頼を達成したところ、なんだかんだ交流が増えくことになるわけですが。

店主と客、貴族と平民という始まりなのと、エマの性格もあって素直に友人とは言えないあたり不器用だなぁ……とも思いますが。良い友人付き合い出来てる感じがするので良いですね。

お店的に考えても、上流階級への繋がりになりそうな縁だし。貴族からの依頼をしっかり果たしたのは、今後の評価的にプラスだろうし。

エマも魔法石……というか宝石全般に魅了されている子ですが、彼女と縁のある人も同じように宝石を愛している人が多くて、優しい世界で癒されました。

すべてはこの世界を楽しむために2 元やりこみゲーマーは英雄の育て方を知り尽くしている

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「ええ、もちろんです。いつかこの世界の果てまで全てを見て回ることが夢なんです」

 

相変わらずランク上げに精力的に取り組んでいるセージ。

ラングドン領で研究所の所長となったり、彼の知識を信じてくれるルシールとの付き合いも続いていて。

ルシールも彼を信じて賭博師のレベル上げをした結果、勇者に就くことに成功していましたし。セージ自身も上級の精霊士となったりだとか、成長を続けています。

研究所長として色々作成したものは雇い主のラングドン家が消費してくれるし、素材や関連書物も用意してくれるし、ランク上げフリークなセージからするととてもありがたい環境だった模様。

 

学院にある書物を読みたいセージは、第三学園の入学試験を受けることになり王都へ。

そこで知人の冒険者、ヤナと再会して……彼女の前で、神の言語とされる「漢字・ひらがな・カタカナ」が混じった……要するに日本語で書かれた本を読んでしまった事で、知識の豊富さを改めて示すことになったりしてましたが。

うっかりが過ぎる。……いやまぁ、終盤には勇者のなり方とかも世話になった人になら教えても良いか、って考えになってますしそこまで隠す気も無かった感じはしますが。

 

親しい人と良い関係を築きつつ、やりたい事をやっていたセージでしたが……。

神霊亀がラングドン領に近づいている、という情報が入ってきて。彼もいずれやって来るだろうと想定して、鍛冶師のガルフや孤児院出身の服飾師ティアナとかに装備を作ってもらったりとかしてたみたいですが。

セージの想定よりも早くやってくることになって。ただ、その分小型だったのは救いか。彼が知識を身内に惜しみなく広げていたおかげで、神霊亀と戦うときに手助けしてくれる人もいたわけですし、彼一人ではできなかったでしょうから無事に決着がついて良かったです。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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