「バウマイスター伯爵は、相変わらず豪運なのか、悪運なのか……といったところだな」
王国が派遣した飛行船リンガイアが消息を絶ち、西武諸侯の領地にある島の一つを魔族が占領する事態が起きて。
西方担当のホールミア辺境伯領が臨戦態勢をとったため、ヴェル達も救援に向かうことに。
魔族が何をするかわからないから偵察は欠かせないし、応援に来てくれた貴族への挨拶や各種物資調達など、業務が一気に増えて辺境伯も大変ですな……。
相手側は島を占領した後はなにもしてこないため、様子見の状態が続いて。
外交使節すら派遣してこないこともあって、大分上層部は困惑していましたが。少数精鋭で応援に来たヴェルが、食料供給支援という建前で釣りを満喫してたのには笑った。
その過程で、向こうから逃げ出してきたアーネストの教え子魔族と遭遇。相手側の事情を聴いてしまったため、ヴェルも厄介ごとから逃れられなくなっていくことに。
いやはや本当に引きが強い。なんだかんだで乗り越えられるとはいえ、面倒は面倒なんですけどね……。
魔族側は長命かつ少子化が進行しており、貴族制ではなく民主制になっているものの多くの問題を抱えている状態でもあって。
それに振り回されまくることになるので、苦いもの食べたみたいな気分にはなります。