気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

MFブックス

八男って、それはないでしょう!19

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「バウマイスター伯爵は、相変わらず豪運なのか、悪運なのか……といったところだな」

 

王国が派遣した飛行船リンガイアが消息を絶ち、西武諸侯の領地にある島の一つを魔族が占領する事態が起きて。

西方担当のホールミア辺境伯領が臨戦態勢をとったため、ヴェル達も救援に向かうことに。

魔族が何をするかわからないから偵察は欠かせないし、応援に来てくれた貴族への挨拶や各種物資調達など、業務が一気に増えて辺境伯も大変ですな……。

 

相手側は島を占領した後はなにもしてこないため、様子見の状態が続いて。

外交使節すら派遣してこないこともあって、大分上層部は困惑していましたが。少数精鋭で応援に来たヴェルが、食料供給支援という建前で釣りを満喫してたのには笑った。

その過程で、向こうから逃げ出してきたアーネストの教え子魔族と遭遇。相手側の事情を聴いてしまったため、ヴェルも厄介ごとから逃れられなくなっていくことに。

いやはや本当に引きが強い。なんだかんだで乗り越えられるとはいえ、面倒は面倒なんですけどね……。

 

魔族側は長命かつ少子化が進行しており、貴族制ではなく民主制になっているものの多くの問題を抱えている状態でもあって。

それに振り回されまくることになるので、苦いもの食べたみたいな気分にはなります。



八男って、それはないでしょう!18

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「エルがいるから疑われているな……」

「いや、ヴェルも同じくらい疑われているだろうが!」

 

子どもたちの家庭教師を募集することになって。

生まれたばかりではありますが、選考に時間がかかるから今のうちから動いていくことになるのだとか。

推薦状必須の応募で、推薦状をもらえない盆暗の集まり「賢者協会」に絡まれる」一幕もありましたが、これ以上バカ貴族増やしてどうするんだ……。

いつも通りバカ追い払って終わってましたけど、ワンパターンすぎてもなーとは思う。

 

リサの実家に挨拶に行ったり、発掘された小箱をいじっていたら実は魔道具でヴェルとアマーリエが捕らわれの身になったり、加筆イベントもそこそこ。

……ヴェル、ちょっと前に遺跡で子供にさせられたり、この巻では他の魔法使いのミスに巻き込まれて女性化してしまうトラブルに遭遇したりしてるのに、怪しいブツに気軽に手を出すなよ、とは思いますが。

普通ならある魔力反応がなかったから、仕方ない部分もある……のか? これもまたヴェル達にとっては悪名高いイシュルバーグ伯爵の作品だっていうんだから、大変です。

 

まーヴェルは、アマーリエさんと添い遂げる未来があったら、っていうIF世界を満喫してただけですが。それを見せつけられて、平等でなくなることに憤った女性陣が荒れて、ヴェルにそのアイテムを見せたエルの胃が痛む羽目になっただけで。合掌。

 

王国から西に向かって派遣された飛行船リンガイアが、ついに魔族の国を発見。

船長たちは平和的に交渉しようとしていたものの、バカ貴族が先に手をだしたせいで状況がややこしくなって。

……いや本当王国はバカ貴族のストックが尽きませんな……。

八男って、それはないでしょう!17

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「早く決断すればよかったのにね」

「左様、商売は時に思い切りも必要である」

 

ついに父親となったヴェル。

立て続けに生まれる子供たちの名づけに苦労して、最終的に王国人名辞典に頼ってましたが。まぁこの世界ではよく活用されてるアイテムらしいですね。

ヴェル自身が八男だし、子供が多いと名前のストックも尽きるだろうし、わからないでもない。

 

ヴェルの血を引く子どもたちは、全員が魔法使いとしての才能を示して。

それこそがアーネストのいう、かつて存在した人工魔法使いとしての特徴らしいですね。出産時に赤子が輝いたことからも確定。

ヴェル自身が生まれたときにはそんな現象は起きなかったけれど、前世の記憶を取り戻したときに、DNAになにかしらの変化があったのかもなんて仮説も出てましたが。まぁ、真相は闇の中か。そういえばただの転生じゃなくて、一応はヴェルに日本人の魂が憑依したって設定でしたっけ。

 

今一番勢いに乗っているヴェルと縁を深めたい貴族は多くて。

国王陛下が直々に『瞬間移動』の魔法で祝いにくるくらいですからね……。生まれてすぐに婚約が結ばれることになって、どんどん柵増えますなー。

まぁ基本的に友好関係のところばかりなので、これまで以上に親しくなるきっかけになるだけで、現状にそこまで変化が出るかというとそうでもないですけど。

 

エルとハルカの子供も無事に生まれて、シスコンのタケオミさんが祝いに来たり、バウマイスター伯爵領にミズホ産の食品を売る店を出店する交渉に来たりするイベントもありましたが。

相変わらずエルに対してあたりが強い以外は、これと言った問題も起きなかった……かな? ミズホ店の代表としてきたアキラが、女性に見える中性的な男性だったことで、好きな食材を扱ってるからと足しげくヴェルが通うことであらぬ噂が流れたりしてましたけど。

 

あとまたヴェルが王都の食文化に影響を与えたりしてましたが、食事にこだわってる時が一番生き生きしてる感じがするなぁ。

ローデリヒがヴェルを酷使しまくってるの、正直どうかと思いますが。すでに色々計画前倒しにしてるんだから、多少遊び惚けててもなんとかなるでしょう。前倒ししても余裕があるなら、もっと前倒ししてもなんとかなるでしょうじゃないのよ……。



八男って、それはないでしょう!16

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「正真正銘! この一撃にすべてを懸けるのである!」

 

完全書下ろしとなるエピソードを収録。

妊娠中のエリーゼの様子を見に彼女の母と導師がやってきて。話の流れで、導師の過去について語られることになります。

 

魔法の力を持って生まれた以上、実家は自分を逃すことはない。王子殿下との交流もある。いずれ兄達の手伝いをすることは受け入れているが、修行と外の世界を見るという名目で自由にできる時間を満喫しようと決めたとか。

昔の導師は、魔力を用いた肉弾戦は多少できても今みたいな魔導甲冑などは扱えず。将来に期待はできるけど、放出系も使えないし魔法使いとしてはパッとしない評価だったようで。

 

親しくなったブルーノだったり、天才という評判のエトガルだったりが同世代にいたのも影響してるとは思いますけど。

……そうやって有力そうな雰囲気を出されても、現代で名前を聞かない以上は死んでるんだよな……。アルフレッドみたいに実力あっても死ぬ世界だから、ある意味で一貫はしてますけど。

ホーエンハイム枢機卿が失態を演じてたり、新たなダメ公爵が登場してたりして、この国はヴェル達の世代以前からこんなのか……ってちょっと絶望した。

あと、1冊丸ごと導師回にするくらい導師って人気なんだろうか。

八男って、それはないでしょう!15

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「それでも、君たちは選ばなければいけない。俺に任せるという手もあるが、俺にずっと選ばせるわけにもいくまい。ましてや、今の俺は子供で足手纏いだ」

 

バウマイスター伯爵領、バウルブルクに新たに建設された冒険者予備校。

ヴェルは前世知識を基に掃除を根付かせようとしたり、楽しさ重視の学園祭を企画したりと割とやりたいようにやってますが。

魔族のアーネストを特別講師として雇った対価として、新しい地下遺跡の探索を行うことになって。

既に一度調査をして危険なものも発見されず、しかし内部の装飾は凝っているので研究者的には興味があるという、エリーゼ達が妊娠中でいつものメンバーで動けないヴェル的にはありがたい遺跡の調査に教え子の三人娘を連れて同行したわけですが……。

 

表紙と口絵でバレてる通り、ヴェルは遺跡のトラップによって子供になってしまいます。

教え子をかばおうとした彼らしい行いの結果ではあるんですが、更にその状態でまたしても逆さ縛り殺しの罠にハメられてしまうんだから、ついてないにもほどがある。

まぁ新ヒロインの3人娘を活躍させるための加筆エピソードではあるんでしょうけど……元のヒロインたちとの積み重ねの方が好きだし、メンバー違うだけでやってることいつぞやの脱出行と似たようなものなので、新鮮味は薄かったかなぁ……。

ヴェルの奥さんたちが、彼の無事の帰還を喜びつつ子供状態の彼を可愛がってるのは、微笑ましかったですけど。

 

石細工で有名な領地の盆暗息子と会話する羽目になって敵対ルートに進んだりもしてましたが。

……この国、バカ貴族多すぎないかな……。発展を続けているからこそ注目を集めていて、多くの貴族が利益を得ようと手を伸ばしてくるせいで、結果的にヴェルが見るバカの数も増えてるみたいですけど。それにしたって、なぁ……。

八男って、それはないでしょう!14

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「ヴェンデリンは、魔法と興味のあること以外にはやる気が薄いからの」

「時間は有限だからな」

 

エルヴィンとハルカがついに結婚することとなり、ミズホ流の結婚式を挙げたあと伝統の巡礼を合わせて行うことに。

……この期に及んで可愛い可愛い妹の結婚を認められず、その巡礼の妨害をしてやろうともくろむタケオミさんはみっともないぞ……。

それを察知したヴェル達がサポートに回っているし、彼の側室候補の少女が機転を利かせてうまく彼を転がしてくれたので助かりましたが。

 

多少遊んでいたエルヴィンは、速攻で子宝に恵まれることになって。

ヴェルの初期の奥さんたちも妊娠中ということで、冒険者としての活動には制限が掛かることになります。

妊婦に瞬間移動の魔法を使うのもNGということで、今回はヴィルマやカチヤ、リサにテレーゼなどと行動することが多かったですね。

あとは冒険者活動できなかったから、また土木魔法使いとして領地の発展のためにローデリヒの計画に従って動くことに。

サポートしてくれるテレーゼやリサが居てくれて良かったね、というところか。

 

多少はヴェルの手が空くタイミングで、王都の冒険者学校で教鞭をとっていた魔法使いが高齢を理由に職を辞して。

後進の育成は有力な魔法使いにとって義務に近い世界だ、ということでヴェルにお鉢が回ってくることに。講義中、生徒へヴェルが敬語使ってるのが若干の違和感ありましたが、考えて魔法を使うタイプのヴェルの指導は結構好評な模様。

そこで表紙にいる新キャラの少女3人と縁が出来て、彼女たちもヴェルに好感を持つ……ということになりますが。なんというか、今巻のエピソードは全体的に軽いんですよねぇ。サクサク読めるので良いですけど。

バウマイスター伯爵家の重臣となるエルも、ヴェルと同じように複数の妻を娶って領地を支える姿勢を見せなきゃいけない、となって。
急に幼馴染登場してきたのにはちょっと笑った。ややこしい問題がないではないけど、今のヴェンデリンなら蹴散らせる些事なあたり、有力者ではあるんだよなぁ。
……いや、なんだかんだで柵多くて自由に動けないイメージもあるので……。

見切りから始める我流剣術2

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「追いついただけで満足してんじゃねぇぞ、半端野郎!」

(略)

「――剣を継ぐなら生き抜け!」

 

我流剣術を磨き、その末に魔法斬りという奥義を確立したリオ。

彼はその実力を見込まれ、故郷の村を襲った異変の手がかりでもある宝玉の調査を任されることに。

そしてリオが妹のシラハと一緒に訪れたのが、辺境でも有数の危険地帯であるリヘーラン。

冒険者を騙って襲ってくる輩が増えてるとかで、森の中で武器を向けられたら遠慮せず殺せ、と最初に教わるくらいには殺伐とした土地の模様。

 

しっかり冒険者として周囲に認識してもらうために、夕食はギルドで取ることを勧めてくれたり、裏手にある訓練場には腕利きの奴隷剣士ガルドラットが居て、実力を測ってくれたりと、フォローも充実してる印象を受けましたけどね。

 

ガルドラットは言葉数多いほうじゃないですけど、アドバイスは的確ですし。我流剣術を使うリオとシラハにもしっかり為になることを教えてくれるので頼れるんですよね。

実際現場で動いている冒険者たちにも慕われてるみたいでしたし。……それだけに、奴隷という身分のまま留め置かれているのには事情があるんだろうな、と推測できるわけですが。

 

リヘーランならではの良さを持ってはいるみたいですけど、かつて悪夢と呼ばれるほどの事件が起きた土地でもあり……調査対象になるだけの理由は確かにあるんですよねぇ。

ギルドの資料室を見る限りでは宝玉の発見報告はないけれど、何かを隠すような記述のされ方だったと言いますし。

リオ達が過去の事件について調べる一方で、故郷の村で暗躍していたミーレンの影もちらついて、新たな悪夢が起きようとしているんだから厄介極まりない状況でしたが。

 

それでも諦めずに足掻くのがリオらしいというか。

過去の事件に因縁のあるガルドラットが心残りを果たして死に瀕したとき、まだ先があるだろう! っていう主旨の喝を入れてたのが面白かった。

その直前にリオも危うい状況があって「剣も持てずに死ねるか」とか零したり、割ととがった生き方してますよね、リオ。嫌いじゃないですけど。

シラハが閉じ込めようとする気持ちも若干分からないでもない。彼女の執着もまた過剰傾向にあるのは確かですが。それぞれの優先するものを譲らない、という意味では似たもの兄妹ですからね……。相変わらずのやり取りが見られて楽しかった。

あと、WEBとはリオ達が出くわす事件の流れも変わってきていて、そこも面白かったですね。ミーレンとの決着がついたものの、謎は多い状態なわけですから書籍の刊行続いてほしいものですが、どうなるかなー。

逆行の英雄~加護なき少年は絶技をもって女勇者の隣に立つ~

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「もしそうなっても、俺が絶対お前を守る。絶対に。絶対にだ」

 

約百年ごとに魔界から現れる魔王による侵攻が行われる世界。

そこでは人類の中から時折生まれる『加護』持ち達が戦い、魔王を打ち払うことで一時の安寧を勝ち取る、というのを繰り返していた。

中でも特に強力な『勇者』の加護を持つ少女の幼馴染であった少年は、しかし『加護』がなかった為、戦いに赴く彼女を止められなかった。

しかし、彼女は魔王に痛手を与えたものの……討ち死に。

故郷で訃報を聞いた彼は、後悔と怒りと憎しみによって突き動かされ、長い年月をかけて身体を鍛え上げて魔王にトドメを刺す偉業を成し遂げたわけです。

 

もっとも『加護』なしで、個人でそんな無茶をしたせいで彼もまたそこで死んでしまったのですが……。

この世界の救世主として認められた彼は、神様から一つ報酬を貰えることになって。死んでしまった幼馴染もう一度あって、今度こそ彼女を守りたいと言ったら叶えてくれるんだから太っ腹というか。

「好きに世界線を分岐させればいい」と言ってるので、平行世界に入っても構わないって考えは有ったようですけど。

 

過去に戻ったアラン君、勇者ステラ嬢と再会したときに思わず抱きしめてたり、大分彼女の事好きですよね。

彼に言わせると「そんなんじゃない」そうですけど。早めに素直になるといいよ……。

当初こそステラを助けられれば他はどうなっても良い、みたいな捨て鉢な部分がありましたが。肝心のステラに、「それであんたが死んだら意味がない」と言われて、考え直せたのは良かった。

 

幼少期に鍛え上げた結果として、悲劇を回避する事も出来たわけですが。

『加護』なしなせいで、『勇者』として国に連れて行かれるステラについて行くことは出来ず。

それでも鍛えて、鍛えて、鍛え続けることで、絶望的だった差を詰めていくのは格好良かったと思います。

手札が多めのビクトリア2

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「君は君の好きなことをやるべきだ。俺は君が暗号を解くときの表情を見てみたいと思ってるよ。真剣に暗号を解いてるときの君はきっと美しい表情をしてるはずだからね。俺の妻はなんて魅力的なんだろうって、惚れ惚れするに決まってるさ」

「ふふふ。ノンナが聞いたらまた呆れた顔をするわね」

 

1巻で、ハグル王国から脱走しアシュベリー王国へとたどり着いたビクトリアの物語は、大きな山を越えひと段落しましたが。

脱走工作員の生存がハグルにバレたため、ビクトリア達はシェン国へ活動拠点を移していたわけです。

そんな終わりから5年。ついに彼女たちはアシュベリー王国へと帰還することになって。

 

ビクトリアの事情を把握しているエドワードとマイクが、色々と配慮してくれてるのもありがたかったですねぇ。

彼女の名前は偽名だったわけですが、アシュベリー王国へ戻ってきたなら以前付き合いがあった人とも出会うだろうから、ビクトリアはミドルネームとして残すことを認めてくれましたし。

ヨラナにスーザン、バーナードにクラークなど。ビクトリアとノンナを知る人々が、彼女たちを受け入れてくれたのも良かった。

 

ノンナは12歳になって美しく育ったけれど、ビクトリアの教えの下で強く育ったし、シェン国で武術も習ったこともあってやんちゃ盛り。

一方でクラークは資料管理部での仕事を始めていたので、ある程度の落ち着きを身に着けて始めていて。

前までのように遊びたいけど反応の違いに戸惑うノンナと、対応に青さと努力が見えるクラークの様子は微笑ましかったですね。

 

シェン国で得た薬の知識とかで、新しい縁が出来たりもしていましたけれど。

ビクトリアの工作員としての知識や経験が失われたわけではなく。久しぶりに再会したバーナードから結婚祝いとして贈られた、有名な作家の直筆原稿には暗号が隠されているかも、なんて面白そうな話を聞いて。

実際に読み解いてしまうんだから大したものです。解き明かせたのは前半部分だけ、というか。ある場所について記されていただけなので、答えを知りたければ現地に行かなければならないという状況になって。

 

夫でもあるジェフリーが、ビクトリアの在り方に理解を示してくれて、旅行という体裁で謎解きに付き合ってくれたのは良かった。

……まったく別件の問題に遭遇して解決したり、解き明かした謎が大きな利益をもたらすものだったり、ノンナを惑わせる出会いがあったりと大わらわですが。

年月を重ねて夫婦関係も良好な中で、趣味としての活動にも力を入れているのがいいですねー。

酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う

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「なあ、ゼークト。目指す夢があって、それに手が届きそうなときは迷わずつかめ。チャンスは人生で一度あるかないかだ。俺たちに遠慮してどうする。あの時、ああしておけばよかったと悔いながら生きるのは辛いぞ」

 
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。

冒険者をしているハリスは一仕事終えて稼いだ金を酔った勢いで使い、奴隷を買ってしまう。

それはガリガリで傷もある少女ティアナであったが……生娘ということで、そこそこの高値がついていた。

ハリスは少女を買った後、すぐ寝落ちしてしまったので手をだしてはいなかったんですが、そんな事相手に伝わるはずもなく。返品も出来ない状況になってしまって。

 

止む無く奴隷の少女との生活を始めることになります。よくよく見れば顔立ちは良いので、しっかり治療して食事を与えれば、体つきも楽しめるようになるだろうから後々楽しめるだろうって計算も込みではあったんですけど。

ハリスはスカウトと名乗っているが、ダンジョンでの偵察・鍵開けが主任務と言う事は、外で盗賊となってもおかしくないわけで。実際に蔑視の対象となって針のむしろではあったようです。

 

ただ、彼に保護されたティアナがハリスを「ご主人様はそんなことしません!」と必死にフォローして。

ティアナ目線だと良いご主人様なんですよね。それまでの状況だったり、買い取られた後の他の奴隷の扱いとかを見れば、明らかに。

そうやって純真な少女が傍にいることで、ハリスに向けられる目線も変化していき、不思議と味方が増えていくのが面白い。

出会った相手にご主人様褒めトークを繰り広げてるティアナを苦い顔で遠くから見守るハリスの挿絵が好きです。

 

ハリス自身にも結構謎が多いですよねー。聖騎士の友人がいるのはかつて冒険者仲間だったからだそうですけど。妙に洞察力高いし。

女性関係で過去にトラウマがあるっぽくて、人を寄せ付けない態度はそこに由来するのかなぁとかも思いましたが。それなのに1巻終了時点で同居人が増えたり、最後に厄介そうな話が持ち込まれたりしてたのは大変でしょうが、頑張ってもらいたいところ。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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