気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

その他

勇者の旅の裏側で

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「いや、そんな大したことしてないし、別に恩とか感じなくても――」

「私にとっては大したことですし、恩を感じるのは私の勝手です!」

 

百年に一度魔王が復活し、それにより魔物が活発化。

聖剣を携えた勇者がその度に魔王を討伐することで、この世界は回っていた。

……しかし、前回の魔王討伐に置いて勇者パーティーの一人であった剣帝は、勇者を放ってパーティーを離脱。そのことが勇者の死因になったとも言われ、大罪人のような扱いをされているとか。

そういった仲間の離脱とかが影響したのか、百年周期だったはずなのに前回から10年ほどしか経っていないタイミングで魔王が復活し、勇者が選ばれることになって。

 

それだけでもイレギュラーなのに、神殿の秘匿情報……限定的ながら未来を見られる「流視」の能力者が、魔王の側近によって勇者が討たれる光景を見て。

それを阻止するために女神官リュイスは、秘密を打ち明けた上で勇者を支えてくれる人物を探すことに。

その候補として、悪評は有れど腕は確かな剣帝を探すのは間違ってないでしょうけど。信憑性の薄い噂に、世間になれてない神官一人で当たるのは危ういよなぁ……とは思いました。

ただまぁ、そこで腕利きの女剣士アレニエと出会い……彼女がリュイスに協力を約束してくれたのは、良かったですね。

 

アレニエ、寝ているときにちょっかい出されると反撃する癖があって。それにいざという時に命を奪うのを躊躇しない冷徹さも持っていて。ほどほどに恨み買ってて、勇者を裏側からサポートするための旅に初手から妨害入ることになったりしてましたが。

リュイスによって命を拾った襲撃者を、金で転ばせてうまく使うことにしてたのは強かでしたね。腕っぷしだけじゃなくて、必要なら搦め手も使えるあたりリュイスは結構良い共犯者を見つけたものだと思います。

 

勇者たちの足取りを遅らせるために、悪天候を利用して橋破壊してるのとか思い切りよすぎるな、とか思いましたが。

神殿側で権力争いがあって、勇者パーティーに所属する神官の上司が拘束されるなんて展開にもなって、アレニエ達も与り知らぬところで勇者の旅路が遅れたりもしてましたけど。

……いやでも、その拘束に関与している神殿のお偉いさんがリュイスの師匠で色々事情を知ってる人物だから、直接的な関与はなくても一応関係者リストの端っこに名前は載りそうではあるか。

 

リュイスもアレニエも、お互いに秘密を抱えながら勇者をサポートするための旅をしていたわけですが。一緒にいる時間が長くなり、色々と経験していくなかで互いの秘密を知る事にもなり……その上で、変わらず一緒にいるのは尊くて良かったですね。

勇者の命を奪うとすら予測された魔族の幹部を、撃退してみせたアレニエはお見事でした。



魔女と傭兵5

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「その腕を何故傭兵などに消費するのです! 金も、名誉も、欲しいままにできるでしょうに!!」

(略)

「ずっとこの生き方をしてきた! 儲かるからと都合よく鞍替えできるほど、器用ではない!!」

 

亜人ウルバスと交流し、彼らが鱗人と呼ばれていることを知ったジグ達。

彼等との交流は変わらず続いていて、「他人の金で食う飯は上手い」とジグに教え込まれているシアーシャを見て「間違ってないけど、教育に良くない」とか言ってるのとかなんてことのないやり取りながら笑えて好きです。

亜人側から見た澄人教の話を聞いて、それでも付き合い方を変えることのない2人が良かったですね。

 

傭兵として見て来た経験からジグが宗教には有用な面もないわけじゃないんだぞ、という話をしてましたが。最初の例に持ってきた「危険な食物を食べないように『神聖だ』というイメージを与える」という危険を遠ざける使い方への反応が悪く、「『聖戦』と言えば恐怖を忘れた兵隊にもできる」ってウルバスが宗教への危険度を高くする話持ってくるあたりが実にジグらしかった。

 

そんなジグ達の振る舞いは、人間至上主義の教義を掲げる「澄人教」からすれば認めがたいものとなっていて……。

澄人教徒からギルドに居る時に襲撃を受けて、関係者ではないジグが立ち入りに制限を掛けられることになってしまうことにも繋がってました。

 

その裏側には「問題解決すれば、そんな処置をとる必要もないよ」という思惑も込められていて……ジグと連れ立ってちょっかい出してきた輩を蹂躙できるとあって、シアーシャがそっちに乗り気になってくれたから良かったですけど。

ジグというストッパーが居なかったら、別のトラブルが発生してたかもなぁという意味ではちょっと肝が冷えました。

 

まぁジグとシアーシャが乗り込んで暴力での解決に踏み切るとなれば、心配することもないかーって読者目線でもちょっと安心してましたが。

事情を知っているウルバスとかは、ジグ達の力になろうと奔走してましたし。ジグが「自分よりも強い」と評するほどの使い手が教会に滞在していたり、一筋縄ではいかない戦いになったのは驚きましたね。

相手が強かろうと勝ちを拾ってみせるジグの在り方は、やっぱり好きですねぇ。仕事だからシアーシャの命に迫るほど戦いに臨んだし、依頼人が死んだから刃を引いた最初の戦いを思い出しました。

 

……番外編として書かれた「魔女と傭兵たち」でそんなジグの師でもある傭兵団の人が、彼が消息を絶ったシアーシャの小屋を訪問し、そこで別の魔女と鉢合わせたことでなんか別の物語が始まろうとしてましたが……。

シアーシャの異質さに気付いたヴァンノのリアクションといい、やっぱり魔女って存在特殊だよなぁと思うなどしました。

反逆のソウルイーター~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~5

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「恐れを失った者がどうなるのか、それは今の君が体現している。シャラモン、確かに昨日の世界に僕らの敵はいなかった。今日の世界にもいないだろう。でも、明日の世界もそうであるとはかぎらない。恐れとは、つまりその視点のことさ」

(略)

「気を付けなよ、シャラモン。何物も恐れない君は何物も居ようとしない。その驕りは、いつか君を破滅に導くかもしれない」

 

イシュカに残ったクラン『血煙の剣』のメンバー、ミロスラフやルナマリア、イリア、シール、スズメたち。

彼女達はスタンピードからイシュカを守るために築かれた防衛線での魔獣討伐に協力していた。

ソラから彼が居ない間の行動は委ねられていたこと。クランが防衛任務に協力しないと、彼が居ない間に評判が落ちてしまうなどの理由から、ギルドから持ち込まれた依頼を受けることになったようですけど。

 

ゴズ達と対峙して力になれなかった経験から、強くなりたいと思っているメンバーが多くいたのもあったみたいです。

……ただ、そうやって森に頻繁に行っていた関係で、結界を張るために派遣されてきた聖王国の使節団の案内を振られてしまうことになったり……使節団を狙った高位の魔物に狙われる羽目になったりと、なかなか上手くいきませんねぇ。

 

結構窮地だったっぽいですけど……ソラがなんとか間に合ったのは良かったですね。

聖職者を狙った不死の王と称されるアンデッドモンスターの頂点。聖職者が天敵であり……実際今の教皇ノアは不死者を三度撃破した功績もあって、その地位にいるとかなんとか。

幽世に肉体を置いて現世に影を派遣している形で不死を実現していたシャラモン。

しかし、魂そのものを喰らうソラの心装ソウルイーターとの相性は最悪で……割とあっさり蹴散らされることに。

竜殺しに加えて、教皇の前で不死者殺しまで成し遂げたわけで、望めば名声をより高めることもできたでしょうが。得られる利益以上に面倒事の方が多いので、そのことは公にはしないことにして。

 

結界の強化と維持のために必要なベヒモスの角を求めて、カタラン砂漠に赴くことを決めていたソラ。

現地でアニマを宿したダークエルフと戦うことになったり。目的としていたベヒモスとの戦闘はまだしも、その後に夜会の1位である不死者ダークエルフのラスカリスと対峙する羽目になったり、ソラの日々は安寧からは遠いですねぇ……。

ラスカリス、『惑わす者』なんて二つ名で呼ばれているのも納得できる、説得力がありつつ怪しい発言するの上手いなぁ……。



反逆のソウルイーター~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~4

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「俺はお前たちに背中をあずける気はない。もう一度だけ言う。手出しは無用だ」

 

母の命日に合わせて、鬼ヶ島への帰郷を許されたソラ。

向かう前にカナリア王国で一代貴族に任じられることになったりもしていました。ドラグノート公爵家と、竜殺しとして名を知られているソラの繋がりが強くなりすぎるのを懸念した国王トールバルドの思惑から与えられたものではあるようですが。

未婚の貴族女性であるクラウディアが、ソラの家に滞在している以上対外的には婚約してるようなものだし、その中で断ることも出来なかったと。

 

面倒だとは思いつつドラグノート家の令嬢2人とは良い関係を築きたいという考えから、それを受けることにしたようです。

ヒュドラ討伐への恩賞だから、ソラが人質として確保しているクライアも対象になりかけたみたいですが。「すでに国を出た」という言い訳で断ったということで、彼女にも帰還を許すことにして。

 

そういったアレコレを片付けて赴いた鬼ヶ島。

向こうには向こうの事情と考えがあったとはいえ、空にとっては捨てた故郷。彼を気にかけていたゴズやその妹エマにしたって、彼を切り捨てた側。

敵地そのものなので、適度に挑発したりして相手方の反応や強さを伺って糧にしようとしてる当たりは強かです。

サクッと予定を済ませて帰ろうとソラは考えていたわけですが……。時を同じくして御剣家と敵対している鬼人族が、彼らの都への襲撃を実施して。

下位の旗士を蹴散らせるくらいには強い鬼人の武人でしたが……上位旗士にはあっさりやられるのが、あの島のパワーバランスかぁ……という感じ。

 

ソラ、そこまで積極的に関与するつもりは無くとも、自分が見送ったクライアがなぜか囚われている所を目撃したものの彼女の意志を尊重して(ポーションを渡したとはいえ)そのままにしていったり、鬼神を降ろした敵を倒すことで大量の経験値を得たり、やりたい事だけやって帰っていったのは、実に彼らしかったですね。

そし王国に帰ってきたら、イシュカのソラ宅に滞在しているハズのクラウディアが、国王から名誉ある仕事を振られて王都にやってくることになっていたり。

破談になったはずの元婚約者である王太子が、懲りずに彼女に秋波送ってきたりするしょうもないトラブルがあったりしましたが。ソラがやってきたことで、彼女と王太子の間にある距離をハッキリ示してくれたのは良かったですかね。

滅亡国家のやり直し 今日から始める軍師生活2

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「いや、盤上遊戯の話ではない。ロアは、第10騎士団で何を目指したいのだ」

(略)

「僕は、ルデクの平和を目指します」

 

ルデクが滅亡した40年後の未来から過去に戻ってきたロア。

未来に広がり始めた瓶詰めという保存食の技術を再現したり、出来ることをしていくことでウィックハルトを救ったり、少しずつ成果を上げています。

早い段階でレイズと知己を得て第10騎士団に加入しただけではなく、2巻冒頭で実施された模擬戦でレイズに食らいついたことで、第10騎士団で中隊を任されることにもなってました。

 

ロアは多くの書物にあたり、未来の知識も持っていることで情報には強いですけど……あくまで一文官としての意識が強いんですよね。模擬戦でもレイズの部下であるグランツの癖を見抜いて策を建ててましたが、同じように自分も分析されるということや、いくつもの成果を出した彼の評価は一般には高い、という点とかレイズに指摘されてたのは良かったですね。

ウィックハルトの件のように未来を少し変えることには成功してますが、まだまだルデク滅亡を回避するためにはやらないといけないことが多くて……成功に甘えることなく、思考し続けているのが彼の強みですよねぇ。

 

滅亡の未来においては一文官に過ぎなかった彼には、過去の事件について知り得ないことも多くて。第一騎士団が裏切ったのは確実だが……滅亡までの早さを考えると、他にも裏切り者が居るのかもしれない、と考慮してるのは偉い。

ロア自身は考えすぎかもしれない、自分の妄想かもしれないと思っていますが、自分でもそう思う位の可能性でも、来るべき時の為に不安の芽を潰そうとしてるのは……滅びを、知っている彼ならではですかね……。

 

ドリューという技術方面の才能がある変人との縁もあるので、本当にいろいろやってますからね……。行軍中に苦労したから、と簡単に着火できる装置を考えたりもしてましたが。戦時中なんだから火付けに使われる可能性もあるだろう、と指摘されるまで思い至ってなかったあたり根は小市民すぎる。

10騎士団預かりとなっている少女ルファ。彼女の秘密が今回明らかになって、庇護者を得ることになったり、第10騎士団の中で役割を与えられることになったり。

そしてロアが知る大きな戦……ゼッタの大戦に彼は自身の中隊を率いて参戦することになるわけです。

ロアの知る歴史よりは多少マシにはなってましたが、それでも戦である以上犠牲は出る。特に今回は彼を信じてついてきてくれたウィックハルトに危険な役回りを任せることになったりしてましたが……それでも、ロアは自分で決断したんですよね。少しずつ成長している感じがして良いです。まぁ気負い過ぎて過労でぶっ倒れたりしてたので、まだまだ青くもありますが。それでも、今回も勲功積み上げてるのは流石。



Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。2

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「願え! あなたはもっとたくさんの事を願っていい!」

(略)

「いいえ、いいえ。吾輩の願いは、一つだけでございます」

 

交易都市ドゥナに新たなダンジョンが発生したことが観測されて。

クローバーも前回の騒動で課されていた謹慎が明けるタイミングで、そのダンジョンの探索を任されることに。

他にも複数のパーティが参加するうえ、王立学術院と現地のギルドがバックアップするかなり規模の大きなミッションで。

 

ダンジョンを一般開放する前の事前調査なので、基本的に配信を繋げた状態でダンジョン探索を行うことになったわけですが。

新たに表れたそのダンジョン……「黄昏の王都、グラッド・シィ=イム」に登場するモンスターはどうにも奇妙な存在感があって……。

侍の技能を発現したマリナ的には、ダンジョンの壁とかを斬った時にも「人」を斬ったかのような感覚があると証言するし。

配信に移らない存在が謎の助言をしてきたり。ダンジョン内部で意識を失った少女をユーク達が保護したり。ダンジョンそのものもややこしい問題をはらんでいましたが。

 

さらに配信を通して顔が知れたことで、これまで彼女の存在を無視してきた親族が彼女の婚約をまとめたと勝手に伝えてきて。

それが男尊女卑国家の王族との婚約話ということで、貴族の権力でごり押しされると面倒くさい、なんて問題も同時にやってきて。

国が認定するAランク冒険者であるユークが、相手側の論理に合わせてシルクの所有権を主張したり、頼れるママルさんに工作を依頼したりして。

かなりややこしい事情を抱えていたダンジョン攻略に加えて、パーティメンバーを守るためのアレコレをやってのけたユークはお疲れ様です。

Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。

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「いい面構えだ。……が、無理はしないようにな」

「わかってるさ。ここを初攻略した先輩としてのありがたい助言は?」

「迷宮行動のセオリーを守れ」

 

Aランクパーティ『サンダーパイク』に所属していた赤魔導士のユーク。

5年間ずっと所属していたようですが……雑用係のように扱われ続けることに我慢ならなくなり、パーティを離脱することに。

そうしてソロになった彼は、新しい所属先を探そうとしたわけですが……以前、冒険者として新人に活動のイロハを教える特殊任務を受けた際に知り合った少女、マリナと再会。

 

ユークが教えた当時から少女3人パーティだったようですが、今も変わらず活動を続けているとかで。

 

マリナに誘われて、その3人パーティに参加。ユークの教えを受けていて、それを糧にしっかり励んできた真面目さもあって連携しっかりとれるのは良いですね。

ユーク、錬金術とかも修めてて各種支援を充実させてくれてるし、頼れる縁の下の力持ちって感じですし。……本人も独自の魔法を作ったりして戦闘もこなせるので、器用貧乏というか平均的にレベルが高いタイプなんですよねぇ。

 

実際彼のサポートがなくなったことで「サンダーパイク」はどんどん落ちぶれていくことに。

一方でユークをパーティメンバーに加え、4人パーティ「クローバー」としての活動を始めたマリナ達は、どんどんその名前を広めていくことに。

「サンダーパイク」はユークをもう一度引き込むことで躍進しようと考え、ユークの目的である高難易度ダンジョン「無色の闇」へ挑むことにしましたが。

既に新しい居場所を得ていたユークには響かず。それどころかユークの協力があるかのようにサンダーパイクは空手形を切っていて。ダンジョン配信がある世界で、配信に移った状態で大失言したりするので、ユークのフォローがあったところでどのみちどこかで踏み外していたような気はする。


城塞幼女シルヴィア~未知のスキルと魔術を使って見捨てられた都市を繁栄させます~

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『私がこの城塞のもちぬしで、私がこの都市の、みなのあるじです――『支配』!』

 

魔獣討伐筆頭魔術師を歴代輩出してきたヒューズ公爵家。

そこの長女であるシルヴィアは、しかし弟が生まれたことで家でも放置されていたし……七歳の時に行われた教会による官邸で、シルヴィアの父からすると有用に見えない「魔物を倒すと魔力が溜まる」スキルと「生活魔法」の適性を発現したことで本格的に見捨てられることになって。

領地の端にある廃墟化した要塞を与えるから、家を出ていけと7歳の幼女に言う母よ……。

 

まぁ家族にも使用人にも期待していないシルヴィアは、これ幸いと家を出ていくことを決めるんですが。

「生活に必須」という彼女の認識があると、結構汎用的に使える魔法なのが凄いですね、生活魔法。本来教会に頼む契約の魔術とかも使えるみたいですし。

母に「城塞やるから出てけ」と言われたときに「契約書ください」と返したのが、この母子の関係を示している。

家畜とかを「支配」して意思疎通したりできる能力もあったり、魔物を倒して魔力を奪うのは支配下においた相手が行っても効率が悪いながらもシルヴィアに還元されたり、スペック高いんですよねぇ……。

放置されまくった影響もあって、色々と疎い部分とか危うい部分も見えますけど。

 

そんな彼女が目的に行く道中に出会ったのが、元騎士のエドワードと両親を亡くしてからとある服飾工房に引き取られて働いていた女性ジーナだった。

エドワードは第三王子に仕えていたけれど、親友や上司に裏切られ冤罪によってその地位を追われることに。醜聞になるからと息子を信じるのではなく父がもみ消す決断をしたのも、心の傷になったみたいです。

ジーナは「家族同然」という扱いで酷使されていて……そのことに気付いた時に、そこを離れる決断を下すことに。

そうやって傷を負った面々が城塞に向かう道中で出会い、なんだかんだ仲を深めて、城主となるシルヴィアを支えてくれたのは良かったですね。

 

赴いた土地に、人が抱えている罪が見られるというスキルを持った神官がいて。

彼は故あって隣国から逃げて来た身だったようですけど。そのスキルで見た時、シルヴィアは罪のない純粋な存在として移り、その傍にいるエドワードは罪深い存在として見えて。

そのことでエドワードと神官のカロージェロは、互いを危険視して探り合ったりしていたわけですが。

 

カロージェロのスキル、神官長が危惧していたように絶対ではないというか。子を流産してしまった女性にすら「罪」を見てしまうって言うのが、使い勝手悪いですよね。後、罪を告白して神官に許されて、浄化されると贖罪が叶うってものなのに視野狭窄になりすぎというか。

シルヴィアを神聖視するあまり、外野が争いまくった結果怪我人出たりしてるので、良いわ大人がなにやってるんだ……って感じでそこはちょっと苦虫噛んだような気分にはなりましたが。

派遣された土地、公爵家が積極的に見放そうと画策していた可能性があって、過去に何があったのか気になるところではありますが。とりあえず、現地の村人とかには受け入れられてたのは良かったですね。

おおかみひめものがたり

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「大人が勝手に機体をかけているだけだからね、未来でお歴々の投資がどうなるかなんて君が責任を持つことではないよ。それよりもたくさん迷って、たくさん遊んで、たくさん学びなさい。今から大層なものじゃないなんて決めつけてはいけない」

だって、とフィリップ錬師は言葉を区切って口を開く。

「君達の人生はこれからだろう?」

 

著者がイラストも兼任しているシリーズ。WEB既読。

主人公のアリスは、銀灰色の毛を持つ獣人の女の子。双子の姉であるスフィと一緒に、故あって旅をしていたところ、体調を崩して寝込んでしまって……その時に、前世の記憶を取り戻した。

前世は男子だったと言いつつ、アリスとして育った記憶もしっかりあるので、何だかんだ少女として普通に生きて行ってるのは偉い。いやまぁ、生来病弱で、一歩間違えたら死んでたみたいですが。

割と早い段階で前世の記憶を取り戻したことを打ち明けて、スフィも受け入れてくれてるのが良いですね。

 

そもそも彼女達がなぜ旅をしているのかと言ったら、庇護者であったおじいちゃんが死んだから。

彼女達がいるゼルギア大陸の西方にあるラウド王国では、アリス達みたいな獣人は差別の対象となっていて。

オマケに彼女達はなぜか森に落ちていたところを、錬金術師のおじいちゃんに保護されて。いろいろな教えを受けたり、彼が代わりの居ない錬金術師だったこともあって村での盾になってくれてたらしいですが。

 

双子を保護した時点で死病に蝕まれていたこともあって、亡くなってしまった。彼は双子の故郷が「大陸東部にあるアルヴェリアという国だろう」という所までは分かっていたようですけど、そこまで送り届ける事すらできなかった。

自分が死ぬ前に荷物を纏めて旅に出ろ、と双子には言っていたようですけど。最後まで一緒にいることを彼女達は選んで。そのせいで遺産狙いの村人に集られて、旅の為の備えもむしられたようですけど。アリスの病弱さも併せてみると、まぁ生きて出られただけでラッキーだったとみるべきかなぁ。

 

旅の途中に立ち寄った街で、同じような獣人の孤児の少女2人と出会って。

最初は警戒しあってましたが、なんだかんだ仲良くなっていき旅路を共にするようになったのは微笑ましくて良かったですね。

スフィは身体能力に秀でている一方、アリスは病弱ながらおじいちゃんからしっかりと錬金術師としての教えを受けていて。ちゃんと位階を貰えるくらい知識を修めていて、そのあたりを知っている人物と出会ってサポートを受けられる街フォーリンゲンまでたどり着けたのは良かったですね。

 

WEBだとフォーリンゲンの錬金術師ギルド到着時に受付でひと揉めしたりしてましたが、書籍版はそのあたりサクッとカットされて、良識的な受付になってましたねぇ。

フィリップ錬師も「もうちょっと獣人に優しい街だったら成人するまで」保護するのも吝かではなかったようですけど。環境が整ったことで旅の資金を稼げるようになったりして。……まぁそこでも騒動に遭遇したりして、平穏は遠くても協力して乗り切っていってるのが良いですね。WEBの更新も結構良いところまで進んでいて、好きなシリーズです。



ハイスクールハックアンドスラッシュ2

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「お前の問題解決手段って、基本的にビックリするくらい力ずくだよな。いや解決したならいいんだけどよ」

 

2人、女2人の4人パーティーで順調に攻略を進めている叶馬たち。

しかし羅城門のシステム的には1パーティーは6人まで組めるし、今後の事を考えれば前衛だけじゃなくサポートも出来るメンバーも欲しい。

……まぁ、一方で叶馬が得た特殊なスキルの事は、容易に広げられる情報ではない。

そんな中で、順調そうだったからと接触してきた少女が居たわけですが。

南郷沙姫というその少女は、謎の鬼にずっと憑りつかれていて……それを叶馬が対峙したこともあって、距離が縮まることに。

 

入学以来、静香とべったりだった叶馬ですが。就いたクラスの影響か、精力絶大で……この巻では、沙姫以外にも双子姉妹だったり、職人系の倶楽部の先輩方にも結果的に手を出していったりして、順調にハーレム広がっていってる感。

沙姫の時に、静香と話し合ったのは良かったというか。

叶馬もかなりパワーで問題解決していくタイプですが、静香もそんな叶馬に添い遂げる覚悟が決まってて別方向にヤバい雰囲気が出始めてるな……。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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