「……正義を盾に非道を繰り返し、是非と問われれば答えに躊躇う私を笑うか」
「笑いはせぬ。善人を殺しながら躊躇いなく正義を語る者がいれば、それは傲慢にほかならぬだろう」
(略)
「それが悩み抜いた果ての答えであり、積み上げて来た死体の重みを背負い続けているのであれば、既に遠い過去に屍の身となったこの俺に、貴様らを裁く権利などありはしないだろう」
前回の騒動において、異端審問官の介入を受けたランベール。
禁忌を扱う『笛吹き悪魔』のような勢力に対抗するために、禁忌に手を出した陣営みたいですが。……スポンサーが別の悪役みたいなもんだよなぁ……。
『人食い鬼の大森林』と呼ばれる森の奥地で、アンデッドと洗脳した人間を配下に置いていた魔術師を殺す際、洗脳された配下は解除すれば復帰することも出来ただろうに、もろともに「救済」したりする過激な面があって。
ランベールが情報屋にあたっても「狂犬」とか言われてましたしねぇ。
彼は異端審問会を見極めるために、飼い主であるゼベダイ枢機卿に会おうと聖都ハインスティアを訪れることに。
『笛吹き悪魔』への対抗勢力であるのも確かだから、彼らが大規模な行動をとるのであれば、『笛吹き悪魔』とも対峙できるだろうという考えはあったようですが。
アンデッドの身で異端審問官を見定めようとするの、覚悟決まってるなぁ。そんな彼の強大さに気づきながら、迷いの中で必要性を訴えた四大聖柱のヨハンも良いキャラしてました。
この作品、悪役は相応の報いを受けますが、善人もまぁそれなりに死んでいくんですよね……。
まぁ他の四大聖柱、最初に語ったみたいにまだ助けられる可能性のある存在も諸共に排除したりしたし。教会批判を行っている貴族の動きを鈍らせるために、末端を拷問して処刑するようなことまでしていたし。飼い主のゼベダイもヨハンほど覚悟決まってはなかったしで、報いを受ける側だったんですが……。
順調に『笛吹き悪魔』の八賢者を削っていたランベールですが、今回の敵は……予想外のところから刺されましたねぇ。