気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

HJ文庫

凶乱令嬢ニア・リストン1 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録

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「武とかどうとかはさっぱりだけど、賢い選択ができないってのはすごくよくわかるわ。賢く生きるための選択って話なら、私だって未来が見えない役者なんてやってない。

それこそとっとと実家に帰って農業やってれば、安定して暮らせるだろうしね」

ならばわかるだろう。

「私は行くわ。必要なことだから」

 

闘病生活を送っていたニア・リストンは、両親が快癒を願い様々な手を打ってきたものの、願い敵わず病没。

しかし、最後に両親が頼った男は怪しい術を習得した人物で……報酬を得るために、死んだニア・リストンの肉体に、別の魂を宿すことで一時しのぎをすることに。

病に侵された体は弱り……このままなら、新たな魂を入れても数日の命だろうと思われたものの。男が招いた魂は、尋常のモノではなかった。

 

サブタイトルによれば「神殺しの武人」であるところの魂は、体内の「気」を操る技法を習得しており、少しずつ病魔を追い払っていくことに成功。

ニアの肉体とこれからの人生をもらう形になってしまったのだから、彼女が背負うはずだった責任と義務は果たして親孝行はしよう、と考えるくらいの人間味は残っていたようですけど。

生まれ変わったニアの本質を一言でいうなら、戦闘狂なんですよね……のちに「凶乱令嬢」なんて二つ名を贈られてるのも、納得しかないくらいには。

 

かつてのニアの記憶も引き出せず、しかし前世で培った戦闘技術以外の記憶も朧気な主人公は、およそ45歳児らしからぬ言動をするようになるわけですが。

それでも受け入れてくれる両親の懐の広さは素晴らしい。

 

この世界、かつて「大地を裂く者ヴィケランダ」という特級魔獣が大地を裂き、その時の大地のかけらがどうしてか空に浮かぶ「浮島現象」が生じるようになって。

浮島では独自の生態系が作られたり、ダンジョンと呼ばれる迷宮が存在したり、かなり興味深い存在となっているようです。

 

プロローグで名前列挙されている、過去の英雄たちについても気になりはするんですけど。

「気」を操作し快方に向かっているとはいえ弱っていた初期のニアは、部屋で療養してばかりだし。彼女の興味が血沸き肉躍る「戦闘」に偏っているので、面白そうな世界観ながらこっちに流れてくる情報が絞られているのが惜しくはあります。

貴人の娘として求められた振る舞いをしつつ、裏では戦闘欲を発散する機会を伺っていて。1巻時点で裏組織一つにトドメを刺してるっていうんですから、将来が今から怖い子ではありますが。怖いもの見たさで見守りたくもある。



剣聖女アデルのやり直し――過去に戻った最強剣聖、姫を救うために聖女となる――

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「はい、何があっても私が姫様をお守りいたします。ですから、あまり一人でお悩みになられませんように……」

「はい。気を付けますね、アデル。ありがとうございます」

 

かつて奴隷として囚われ、違法な人体改造を施された上で戦いを強いられた主人公のアデル。その戦いの中で無数の傷を負い、両目も潰れてしまった。

それでも生き延びていたあたり実力は確かで……ある日、ユーフィニア王女によって救われ護衛として取り立てられることに。

 

彼はユーフィニアを篤く慕う良い騎士だったようですが。世界を南北に二分した大戦が起きてしまい、姫様はその過程で落命。

ユーフィニアの願いにそぐわないと知りつつもアデルは復讐の戦いを辞められず……対戦を勝ち抜き英雄となった。

そんな彼の前に謎の存在が現れて、その行いは立派だったから願いをかなえてあげると言われ、迷わず姫を救うことを希望して。

そのまま蘇生させることは叶わないけれど、アデルをユーフィニアが生存していた過去に贈ることはできると言われ、迷わず受諾。

 

そして過去に戻った時アデルはなぜか少女の姿になっていた。

剣聖として戦い抜いた経験と知識はそのままに、さらにはこの世界で特別な存在である聖女としての力にまで目覚めていて。

前回とは違う形ではあれどユーフィニア王女と出会うことも出来て、騎士として傍に居られそうな状況にはなりましたが。

アデルが聖女としての力を持つために、教会から横槍が入ってくる一幕もありました。しかし、大聖女の一人がユーフィニアの仇であったり、アデル達が捕らわれていた闘技場の裏に枢機卿が居たりするみたいですし、どうにも信用しにくいんだよなぁ……。

 

1週目の世界では死んでしまった存在を助けられたりして、現状では良い方向に進んでいるように見えますが。アデルを転生させた存在によれば、運命には強制力があるため前回とは違う道を辿っても同じ結末にたどり着きやすいそうですし、油断は出来ませんな。

女性になった自覚が薄く、日常の振る舞いとかに課題はありますけど、戦闘方面でアデルは本当に頼りになるし、ユーフィニア王女も良い子だったので、結構楽しんで読みました。

中卒探索者の成り上がり英雄譚 2つのスキルでダンジョン最速突破を目指す2

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「探索者の中でスキルオーブを買うやつはそんなにいない。高いからな。でも、だからといってドロップ率が高いわけでもない。俺が言えることはただ一つ」

「は、はい」

「出るまで倒せば100%だ」

 

当人は乗り気じゃなかったものの主人公のハヤトはAランクに挙がることになってしまって。

色々な特権が付与される反面、義務も課される制度であり……ハヤトはそのせいで弟子を取ることに。

それが表紙の2人の少女、澪とロロナだった。

ろくな身分証もなしに動乱期に探索者になった上、中卒のソロだったハヤトがいきなり2人も弟子を持つのはハードル高そうだとは思いましたが。

弟子を取るのは義務だけど知人がいないから協会に公募を任せたら速攻で決まったり、たまたま立ち寄った店で弟子候補と出会ったりするのは予想外だろうからまぁ……。

 

初手、極貧生活を送っていた澪視点から始まりますが、年齢偽装した上で居酒屋バイトするとか、追い込まれてるな……。

というかよく面接通ったな。ちょっと前までのハヤトといい、やたらと若年の貧困層多く出てくるな……。

父が探索者に憧れて、母はそんな父に愛想をつかして……と言った具合で転がり落ちていった模様。こういうケース他にもありそうです。ロロナも家出してきた家なき子でしたしね……。

 

2人の弟子を抱えて乗り込んでみれば、澪はステータス激低スキル無し、ロロナはステータス開示は拒否するもスキルを3つ発現と両極端の才能を披露してくれて。

どちらも最前線攻略者にしようと考えていたハヤトの計画は、前途多難です。

オマケにAランクになって知名度も上がってしまって、実家からメッセンジャーとして妹がやってきたりして、面倒ごとの種は尽きませんなー。

というか、彼の実家とそこが担っている魔祓いの情報とか聞くと、ダンジョンとかなくてもファンタジーしてるんですよねこの世界……。

かつて弱くて放逐されたハヤトが力をつけて、妹相手とはいえ我を通して交渉を成立させたのはお見事でした。まぁ、その分さらなる厄介ごとが増えそうな気配がありますが、どうなるのやら。

インフィニット・デンドログラム20 砂上の狂騒曲

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「ここまでついてきてくれたあいつの、ささやかな願いすら叶えてやれなかった。そんな俺自身と【殺人姫】への憤懣は……ここで晴らす」

『エルドリッジさん』

「何より……二人が俺の勝利を信じているならば、それに応えるだけだ」

 

カルディナに滞在中のユーゴーでしたが、最近一緒に行動していた師匠が別件で同行できなくなったため、セフィロトの仲間の仕事に同行してみてはどうか、と提案されて。

デンドロ内でアルバイトをすることになったわけですが……〈超級〉は本当に誰も彼も個性が強いなぁ! と改めて思わされるエピソードでしたねぇ。

 

砂上を行く豪華客船で、黄河より盗まれたUBMの珠を回収する交渉を行うことになっていて。また【殺人姫】が現れた時の対応をユーゴーは求められたわけですが。

その船に乗り込んだのは、ユーゴ―のバイト先でもある珠の交渉に来たカルディナ陣営。複数の思惑を持って裏で動いていた〈IF〉陣営。

さらには、ドライフ皇国の政争で敗れた上で彼らの信じる正義を掲げてテロに手を染める決意をした集団や、王国で有数のPKギルドだったものの、〈超級〉に敗れ続けて凋落したゴブリン・ストリートのメンバーも出てきますし。そのどの勢力にも属さない、歴史の裏で動いていただろう存在もいるしで、混沌と呼ぶのにふさわしい。

 

IF側もエミリーに対して効果を発揮したユーゴーのスキルに対策を取って来るし、ユーゴ―が自覚していなかった地獄門の欠点なんかも今回の件で露呈。

それでも諦めず足掻き続けていたのは良かったですね。

あと、ゴブリン・ストリートのエルドリッジが思ったよりいい味出してくれてたと言いますか、準〈超級〉ではあるけれど〈超級〉に敗れ続けていた彼が、それでもついてきてくれた仲間に背中を押されて、カルディナ最強のPKに挑む展開は熱かった。

 

政争に敗れドライフ正統政府を名乗っていた集団は、どこまでも道化として蹴散らされていきましたが。

叡智の三角が作り上げた、マスター達のロマンを盛り込んだ強力な機体に搭載された「技名を音声認識にするシステム」に、ティアンの〈超級〉職が苦言を呈していたのが正直笑えた。個人戦力としては本当に突き抜けていたからこそ、ロマン機能に文句を言うのは分かる。

……でも叡智の三角ロマンを追求するマッドな集団だから、多分機能をオフにできる設定ないよ……合掌。

精霊幻想記23 春の戯曲

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「だから、気持ちを切り替えて旅を続けよう」

 

セリアはレイスとレンジの追跡から逃げ切ることに成功。

その足でガルアークの王都に帰るのを良しとせず、実家に影響が出るだろうから、と訪問を決意。それをリーゼロッテに相談してくれたおかげで、アリアという戦力を借りられたので偉い。

実際アリアが気を引いてくれたおかげで、弱みに成りうる母を保護することに成功したわけですしね。

 

領民への責任があるからと王国に残る決断をしたクレール伯爵は、貴族としての矜持を感じられて良いですけど……。

アルボー公爵派が力を持っている状況でどれだけのことが出来るだろうか。敵がレイスとつるんでいて、今回セリアを追撃したみたいに勇者レンジを持ってきたりするのが面倒なんですよねぇ。

ベルトラム王国本国には勇者ルイもいますけど、彼はまだ良識持ってる方なのが救いか。

 

一方でガルアーク王国側に集った勇者たちは、タカヒサ以外は特訓に乗り気。

ヒロアキがゴウキに「指南役務まるのかよ」って絡む一幕もありましたが、実力を確かめてからはしっかり認めてましたし、昔に比べると丸くなってきてますね。

……相変わらずどころか焦りからどんどん悪い方向へ進んでいるのがタカヒサで……。彼は美春のことをみすぎて、傍にいてくれたリリアーナの事を思いやれなかった。

そういう積み重ねによって、ついに絶縁状を叩きつけられたわけですけど。まぁなるべくしてなったというか。終盤、落ちるまでの速度感がヤバい。

 

美春がリーナから「間違った選択をすることを強く勧める」とか言われていた中で決断を下したわけですが。

次回予告では「正しい選択だった。そのはずだった」みたいに書かれてるのが不穏ではある。リーナ的には、アレを受け入れる方を勧めてたってコト……? 

 

リオは忘れ去られた勇者エリカの最期の願いを聞き届け、彼女の過去について知ることに。そこで勇者の力が覚醒する条件の推測もしてましたが……試そうにも試しにくいんですよね。

その用事が済んだ後に、リオはソラと共に神魔戦争が始まった地を訪れます。

これまでの主要な舞台となっていたガルアーク王国やベルトラム王国は、シュトラール地方東部の大国で……真逆の西部から神魔戦争が始まったそうです。

 

そんな最西端の地にあるのが、アルマダ聖王国。

聖王国と名乗るだけあって六賢神信仰が強い土地のようですが……宗教的立場のトップに立っているのが厄ネタだと発覚して頭が痛い。

この地は六賢神の実験の影響か、迷宮と呼ばれる魔物が湧き出る場所があり、その奥地にも魔族らしい存在がいるようですし。

聖王国も実質的に魔族に乗っ取られているのでは……? ベルトラム王国でもアルボー公爵派に影響力持ってるし、帝国の外交官も務めてるので、大分あちこちに爪痕残してるのが面倒すぎる。

新情報も出てきましたが、これからにつながる繋ぎの章って感じで若干盛り上がりには欠けましたね。

英雄と賢者の転生婚~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~3

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「あなたが駆けつけてくれた時……私は本当に嬉しかったんです。自身の命を賭してまで、その想いを貫いてくれたのですから」

(略)

「だから――その想いが遠い未来で果たされることを、私たちは過去より祈っています」

 

アルテイン時代のレイドのエピソードからスタート。

彼はあまりにも病弱で、故郷はそもそも寒村なのに戦争続きで貧困が続くような状況だった。

そんな状況であっても、息子の前では溜息をつかないように配慮できる母と、元気になったらいろいろと教えてやるとと笑ってくれる父の下に生まれたらしく、家庭環境だけは恵まれていたようです。

ただ、国や村の貧しさだけが問題で……ジリジリと平穏が崩れていっただけで。

 

優しい家族の、わずかな助けになればと自ら身売りに行こうとするあたり、レイドは思い切りが良すぎますが。

……そしてレイドは不審な男に出会い、「英雄と賢者、どっちになりたい」と聞かれるわけですが。

エルリア含めて転生してること含めて、絶対なにか知ってそうな奴が出てきましたね……。

その男もかつて英雄だった存在を知っていて、その相手の真意を理解できず突き放した経験を持ってるみたいですから、黒幕というには不審さが足りないというか。

いやでも終盤の台詞とかは怪しかったな。レイドが英雄を作った、みたいなこと言ってるし。その真意が明かされるのはいつになるのやら。

 

あとは、ファレグに付き従っていた従者2人が無事に復学することになってましたね。

しっかりと挨拶に来る辺り律儀だなぁ。まぁファレグ君も2巻で大分丸くなったとは思いますが。

従者2人はファレグの困った性格を知っている当主が、フォローを頼んでいたらしくてそこは納得しかありませんでしたが。

幼馴染故の親しさもあってか、ファレグの恥ずかしエピソードを赤裸々に語り合う2人はなかなかにいい性格してると思いました。

そしてその従者2人もまた、レイドとエルリアの地獄特訓の餌食となるのだ……合掌。

 

エルリアたちのいる国では外的変化を齎す魔法が発達したけど、東方では呪術という内的変化を齎す別技術が発展してるとかで。

普段はその地域を担当している特級2人が、今回レイドとエルリアの試験官としてやってくることに。

トトリ達の背景とかも結構良かったですけど……レグネアの情報が出てくると同時に、かつてのレイドが成し遂げた偉業の情報出てくるの笑っちゃうんだよな。危険な海域を泳いで渡るな……。

 

1000年前の、婚前に「そういうこと」をしないという価値観をレイドとエルリアは持っているわけですが。

凄いイチャついてて夫婦とからかわれても、まだ婚約者と都度訂正するその理由が、「どちらが強いか決着をつける」という名目で婚約したわけだし、まず目の前の問題としてそこに決着をつけたいと思うあたり、戦場にあった人だなぁという感じ。

まぁそれらはあくまで筋を通そうとする理屈であって、普通に好きだし惚れてると認められる状況ではあるみたいですし……状況によって対応を変えたりしてましたけどね。

照れてるエルリアが可愛かったです。

レイドたちの関係は良好ですが。転生の謎は深まるばかりというか、レイドとは別の『英雄』が現れたりして、気になること増えてきますねぇ。最後に手がかり見つけた感じで終わってるので、情報開示回となるだろう4巻が早めに来てくれると嬉しい。

黒聖女様に溺愛されるようになった俺も彼女を溺愛している

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「そこまでしてくれなくていい」

「します。悪いのは私ですから。それに、借りを作りたくないですから」

 

BOOKWALKER読み放題で読了。

学校一の美少女として注目され、聖女様とまで呼ばれている一ノ瀬亜弥。

彼女は主人公の月代深月が一人暮らししているアパートの隣人でもあった。互いに相手のことを把握はしていたものの接点はなし。

しかしある日、体調不良の彼女と階段で鉢合わせ……足を踏み外した彼女の下敷きになったことで縁ができます。

 

フラフラの状態でもなお手を借りたがらず、一人で保健室に向かう彼女を無視できずにお姫様抱っこして連れて行ったのはえらい。

でもその時痛めた手首をズキズキするけど動くから、で放置するのはちょっと……。

お礼を言いに来た一ノ瀬に負傷に気付かれて、心配されて部屋に乗り込まれたら不摂生さに文句を言われて。

 

男の人は信用なりません、という考えの彼女は借りを作っておきたくなかったようで、手当してくれるし、差し入れもくれるようになって。

後日、部屋掃除のアドバイスを求めたときに手伝ってもくれる。

少しずつ親しくなってきたある日、互いに友人が少ないという話題があり……深月が、互いの友人の数を増やす方法がある、と提案したらそれが地雷で一回距離が生じたりもしてましたが。

早い段階ですれ違っておいたのは良かったんじゃないですかねぇ。

 

ありがちな設定ではありますが、ラブコメパートはこれから糖度増していくのに期待できる感じ。

ただ3章の体育祭パート周りが個人的には好みじゃなかった。一ノ瀬がトップになろうとしたところでこけてしまって。それを喜んだ誰かの声を聴いてしまった。

その後に走ることになった深月の選択が、彼のエゴにまみれすぎていてほかの罪のないクラスメイトまで巻き込んでて辟易するというか。

一ノ瀬がこけたのはモテてるな彼女をひがむ女子の嫌がらせがあったと気づいた後、その女子に直接的に仕返しするのはやり方が幼稚でしょう、って気分になる。

現状だと主人公の好感度がどうしても低くなってしまうので厳しい。

中卒探索者の成り上がり英雄譚1 ~2つの最強スキルでダンジョン最速突破を目指す~

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「だけどさ、こんな俺を信じてくれる奴がいたんだ」

(略)

「信頼に応えるのが、道理だろ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

WEBからの書籍化のハズなんですが、掲載場所を発見できず。取り下げられたのだろうか。

 

2年前、7つの国に隕石が落下し……そのポイントに、通常の物理法則が通用しない「ダンジョン」が登場した世界。

モンスターによる死の危険などはあるものの、特殊なドロップアイテムやスキルなどによって各国は熱を上げて、ダンジョン攻略へ乗り出すことになるわけです。

主人公のハヤトは、家を追い出され中卒で冒険者になったが、Dランクで停滞している少年で……ギリギリまで追い詰められた彼は、自殺すら視野に入っていた。

 

そんな彼を新たな飛翔体が貫き……そこに宿っていたヘキサという存在によって、彼は助けられます。

厳密に言うと彼女から与えられたチートスキルによって、なんですが。

ハヤト自身のスペック依存とは言え自由に武器を生み出せる『武器創造』に、危機的状況を回避するためのスキルをインストール・適用してくれる『スキルインストール』。

 

後者がパッシブだから自動で反応してくれるのが強すぎるんですよねぇ……。

まぁ強い分スキルの容量を食うので、ハヤトという凡人を選んだって側面もあるようです。

凡人の中ではスペック高いハヤトを見出してる辺り、お目が高いと言うべきか。

救いを求めていたから、と言うのを理由の最後にあげてましたけど、意外と割合高そうな雰囲気もある。

 

ヘキサに言わせると、ダンジョンと言うのは『星の寄生虫』であり、その星に住んでる生物に飴と鞭を与えることで飼いならして、その間に浸食を進めて星を食いつぶす存在だとか。

だからヘキサはそれに対処するためにやってきた、と言うんですが。ハヤトへの献身や心配を向ける様子を見ると、恐らくは本当かなぁ。

ただ、ヘキサを宿したわけでもない他の人に信じてもらえるわけもない、怪しい話でもあります。

 

ハヤトはヘキサの言葉にのって、ダンジョン攻略を目指すことにしたわけですが……。

ダンジョンが誕生してから2年、崩壊までのタイムリミットが1年とかなりハードなスケジュールなのは道程の厳しさに頭抱えたくなりますね。

寄生虫さん、もうちょっとゆっくりと過ごしてもらって構わないんですよ?

中卒ってことを抜きにしても特殊な環境で育ったからか常識が欠けている部分もあるハヤトですが、順法意識はしっかりしてるというか。自分の中で筋を通そうとするところがあって、そこは結構好印象でした。

……やけっぱちになってるときは、ダンジョン外でスキル使用したりもしてましたけど。名を馳せてしまって、追々問題になったりするんですかねぇ。


EVE 世界の終わりの青い花

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「私気づいたんです。――帰りたい場所があるって。会いたい人がいるって」

「そうか。そりゃあよかったな」

「大切な人といっしょにいられる世界が、だれにとってもいちばん幸せな世界だってことに気づいたんです。だからあなたも幸せになってください」

 

雰囲気は結構好きですねー。

SFとしての設定開示をすると同時に、複数キャラへ視点切り替えしていくことで物語が進んで行くので、不慣れだと読みにくさを感じるかも。

とある学者が打ち立てた過去と現在と未来を記述する「神定方程式」。しかしその当時に未来の項を解けるものは存在しなかったため、仲間と共に演算機を作りだして未来へ残した。

 

……そうして作り出された演算機、言語機械である青子ことシスター・ブルーはある時期に狂い、宗教団体を設立し人類に干渉を始めた。

自らの手で人に手を下すことはできないけど、求める結果のために信者を動かしてテロ行為を働くとかもっと厄介なんだよな……。

そんな彼女に見出された未来の破壊者こと、カシマ・キングダム。故あって実家を捨てて新世界へと踏み出し、そこで着実に地位を得ていったようです。

この2人の関係も中々に気になるところですし、彼の存在があったからこそ今回メインで描かれた少女イヴが救われたわけですけれど。

カシマの本領はどちらかというともう少し先になっていくんでしょうね。彼の弟たちへの評価が不穏だったのは少し気になります。

 

あらすじなどで明らかになっていますけど、イヴという少女は未来を観測できる端末としての側面を持っていた。

とはいえ当人にその自覚はなく、白昼夢のように未来の映像を垣間見てしまう状況で。友人に誘われて宇宙港に来た所で、テロに巻き込まれ。逃げ込んだ宇宙船が、容易く連絡のつかない場所に迷い込んでしまう羽目に。

そこまで狙った黒幕の仕業ではあったわけですが。それでも諦めなかった少女達の未来が幸いであって欲しいものですが、さてはて。

アストラル・オンライン1 魔王の呪いで最強美少女になったオレ、最弱職だがチートスキルで超成長して無双する

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「俺は〈アストラル・オンライン〉を最後まで続ける。絶対に逃げたりはしない」

(略)

「……これで逃げだしたりなんかしたら、ゲーマーの恥だよ」

 

VRゲームが主流となった近未来。

主人公の蒼空くんはいろんなジャンルのゲームに手を出す雑食系ゲーマーだった。プロゲーマーの師匠が居て、その人みたいになりたいという想いもあるようで、だからこそプレイヤースキルの要求値が高いゲームに良く手を出していた。

クソゲーだろうとクリアするまでやり込める根性は中々のものだと思いますよ。

 

そしてクソゲーで胃もたれしたから、神ゲーをやってみようとVRMMO「アストラル・オンライン」に手を出すことに。

過去になにかあったようでオンラインゲームは避けていたみたいですけど、運営から直接DLコードが送られてきたり、友人の誘いもあったりで物は試しとログイン。

 

そこで通常のスタート地点ではなく、なぜか最終目標であろう魔王の正面に登場してしまうイベントに遭遇。

蒼空君はせめて一矢報いてやろうと足掻いてみたところ、魔王に目をつけられてしまって……彼は呪われてしまうことになります。

 

バッドステータス「魔王の呪い」。

性別が反転する代わりに、強力なユニークスキルを得られる。そして、魔王を討伐する以外に解除する方法はない。

困惑しつつも魔王という目標が出来たので、奮起していましたが……この呪いの悪辣なところは、超常的な力が作用し現実の蒼空君の身体まで女性となってしまったところでしょう。

 

困惑しつつもフォローしてくれる妹ちゃんとかが身近にいてくれるのは良いですね。

今のところは問題なさそうだけど、しっかり病院に行こうねって言ってくれたし。ただ、女の子の身体の手入れできないだろうから! って目隠しさせて洗ってあげる、っていうのは過保護に過ぎるというか。

 

病院に行く予定は立ててるけど、すぐに解決できる問題かもわからないし。どうしたって着替えとかで蒼空は身体みることになるんだから、慣らすのも必要なのではないかな……とか思っちゃうけど。

蒼空も変質した自分の身体とはいえ少女の身体洗うのに道徳的な問題感じてるみたいだから、いいのか……? 事故って妹の身体に触れたか裸みたかしてしまった瞬間に妹によって記憶飛ばされるのを考えると、道徳飲み込んで自分で手入れの方法学んだ方がいいと思うけど。

現実のみ込んだ後に病院行こうって話してる人の記憶を、推定物理で吹っ飛ばすのは良くないんじゃないか……? ってあまり本筋じゃない部分がひっかっかったなぁ。

 

蒼空の現実の肉体まで変化してしまうみたいに、このゲームには何かの力が働いていそうですけど。その辺りの事情も追々明かされていくんですかね。

不穏な要素を感じつつもそれでもゲーマーとしてクリアを目指そうとするスタンスはわりと好きなんですけど。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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