気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

HJ文庫

魔王を倒した俺に待っていたのは世話好きな、ヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。3

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「みんなに愛されてるってことですよ、イザヤさんは」

 

イザヤがヨメに養われているヒモ状態だと、親戚にパートナーとして紹介するの面倒ですね、とかヨメが言い始めて。

錬金術アカデミーで教鞭をとって欲しいという依頼が、ヨメとマリーに持ち込まれて、それにイザヤもついていくことに。

ヨメの魔力補給役ってだけではなく、自衛のための武術を教える役割を期待されたそうです。

 

ヨメにマリー、ロゼッタと言うイザヤの周囲にいる女性陣は何だかんだ名の知れた錬金術師なわけで、生徒たちに歓迎されていたのは良かったですね。

……王立アルケミストガールズアカデミーっていう、女子校だったのはアレですが。ヨメ、イザヤのわきの甘さ知っているのに女子の巣窟に連れ込んでどうするの。

最初こそ人相の悪さに引かれていたけど、剣技の実演で普段と違う姿を見せてもらって、すぐに絆されている学生たちはちょろくて心配。

 

そしてイザヤはまた学園で、才能のある女の子と交流をもつことになるわけですが。

今回メインになるのは、隣国ノエリージュの王女であるノエル。

十三歳という若さありながら、ヨメやマリーが十五歳の時にまとめたようなレポートを、去年書き上げていた才女。

まぁ才能とか立ち位置があって孤立していたんですが……一人になった時にウキウキ歌ってる愉快な面もあるのが面白いな。

重い物背負い込んでる部分もあって、間違えた道に進みそうだったわけですが、イザヤが引き留めたのはお見事。魔神相手に一騎打ちでサクッと勝てちゃうイザヤ凄すぎ。

魔王を倒した俺に待っていたのは世話好きな、ヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。2

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「俺は知らなかっただけだ」

(略)

「人の出会いは人を変える。それこそ、錬金術のようにな」

 

ヨメとイザヤのパートナー生活は相変わらず進行中。

イチャイチャはしてるけど、進展はしてないっていう意味ではあるんですが……。

言い訳しつつマリーが遊びに来たりしている中、ヨメの誘いで夏のバカンスに行くことになって。

 

ヒロインズの水着姿が見られるのは、まぁ可愛くて良かった。

イザヤが改名する前、ソロの冒険者として活動し魔王討伐する前の姿を知っている、ロゼッタという少女が彼を追いかけてやってきて。

拠点を持たない流浪の錬金術師でありつつ、イザヤと冒険していたこともある、ソロ適正の高い人物。一人であろうとした彼女が唯一執着したのがイザヤだった、と。

 

「かつてのイザヤ」とは違う振る舞いをする彼に対して、思う所があるようでしたけど。

昔の女を名乗って引っ掻き回しにこられたことで、ヨメたちもまたイザヤを問い詰めたりするわけです。

イザヤを連れていきたいロゼッタと、ヨメとの時間を選ぶイザヤ達とではどうしても主張がぶつかるわけで。ロゼッタの攻勢を乗り切った後、やりあっていた相手だったけど彼女の窮地を協力して助けることになる展開は良かった。



才女のお世話3 高嶺の花だらけな名門校で、学園一のお嬢様(生活能力皆無)を影ながらお世話することになりました

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「私は強くない。むしろ弱さばかりだ。……しかしある日、とある人物に教えてもらったことがある。自分の弱さを認めることが、強さへの第一歩だと」

 

書籍版書下ろしで展開する3巻。

見た目クールながら友達がいない、ポンコツ気味な顔のある成香。

昔なじみの彼女から相談を受けた伊月が、彼女の友人作りに協力していくことになる話。

 

天王寺さんに色々教えてもらった過程で仲良くなったのを見ていた雛子が、伊月についていこうとしていたのも面白かった。彼女は彼女で少しずつ変わってきてる感じがありますね。

ただまぁ、以前の剣道大会で強さを見せつけたすぎたことや、今までも一人行動が多かったせいで、必要以上に怖がられてしまっているようで、なかなかうまくいかず。

 

更にその過程で伊月は、自分が名門の子息子女が通う貴皇学院において、自分がどう見られているか自覚することに。

表に出てないけれど雛子のお世話係で、天王寺麗華や都島成香とも親しくしていると、うまくすり寄っているとみられてもおかしくないのか。

 

そういう視点を得たことで、伊月は雛子と学院でも交流できるように、これまで以上に気合を入れて学生生活を行うことにして。

成香だけじゃなく、伊月の交友関係もまた広がっていくことになる、という見せ方は結構良かったと思います。

成香の誤解を解く尽力をしたあと、伊月も成香の父について誤解をしていた部分があると気づいた、と展開もありましたし。対になるような見せ方をしてきた感じがある。


才女のお世話2 高嶺の花だらけな名門校で、学園一のお嬢様(生活能力皆無)を陰ながらお世話することになりました

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「実績を作りなさい。とにかく行動しなさい。……たとえ失敗しても構わない。いざという時に自分を支えてくれるのは、過去の自分の行いだ」

(略)

「君も、何かひとつくらいあるだろう? 強い信念をもって成し遂げた何かが」

 

今までと違う伊月への想いを自覚したことで、彼への接し方に迷うようになって。

起こしに来た彼によだれの指摘をされて照れて、彼に寝顔見られたくないって思うようになったりしてるし。その一方で、彼と過ごす時間が減ることには不満を示すし。分かりやすくて微笑ましいのが良いですね。

 

伊月くんのほうは、何か不備があっただろうかと勘違いし、自分を見直すことにはなってましたが。

先だっての勉強会で自分としても良い気付きがあった、と雛子をライバル視している天王寺が伊月に協力してくれることに。

もっと自分に自信を持つと良いとアドバイスしてくれて、勉強にマナーにと色々教えてくれたのは、伊月としてもありがたかったことでしょう。

 

親しくなったことで天王寺さんについて詳しくなったり、逆にお世話係の秘密がバレたりとしていましたが。

そんな中、彼女に婚約話が持ち込まれることとなって……。自縄自縛状態だった彼女に発破をかけてくれたのは良かったですね。良いところ見せたせいで、より気に入られてしまったのは、今後に響きそうですが、さて。

精霊幻想記24 闇の聖火

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「大きなご褒美もあるから、楽しみにしていなさい」

 

推定魔族なレイスが教皇フェンリスとして君臨し、迷宮と切っても切れない関係のあるアルマダ聖王国。

彼を兄と呼ぶ迷宮に引きこもっているエルもいるし、明らかな敵地であるのにリオ達は情報が不足していて手探り状態なのがつらいところですね。

エルが直接顔を見せに来たことで、リオがかつての竜王とは違う存在であることにも気付かれてしまいましたし。

 

後は、ガルアーク王城から失踪したタカヒサについて。

金も持たずに失踪した彼は娼館街に迷い込んでしまい……着ているものの質が良かったために、ボンボンの子息と誤解され客引きされることとなって。

対応してくれた少女はタカヒサに寄り添ってくれましたが、館の主は裏社会側の人間だったというか。荒くれに近くて……追い込まれていたタカヒサは、一線を越えてしまうことに。

 

そうやって被害が出たことで、相手は退くことを選ばず……勇者であろうと殺しにかかるんだから、闇が深いというか。

その傍にレイスに与している傭兵ニックがいたことで、タカヒサの状況について筒抜けになってしまったのが痛い。

 

これでレイス陣営が、タカヒサとレンジの2人の勇者抱え込む形になったわけですか。しかも勇者の権能について理解して、それをある程度目覚めさせようとしてる節があるのが厄介ですよね……。

さらに言えば、ベルトラム王国本国も大分浸食されていますし、ルイ個人は信頼できても立場的にはどんどん危うくなっていきそう。

記憶さえ取り戻せば、リオに味方してくれるであろう勇者が、紗月と雅人くらいかぁ。ヒロアキはどうなるかわからんからな……。初期に比べるとマシになってきてるけど。

 

美春が再びリーナと夢で対話してましたけど、やっぱりあそこで「許す」というのが、リーナ的には最善だったみたいですが。決断の時が過ぎたことで、未来が分岐してしまったと言いますし、ますます面倒なことにはなっていきそう。

リーナの未来視は彼女の権能だと言いますし、それを他者に教えることにはリスクがあるというので、何も情報与えずにいるの止む無しな部分があるとはいえど、リオ達陣営が情報的に後れを取りまくっている状況だと、キリキリ吐けって気持ちにもなるんだよなぁ……。

25巻のサブタイトルがちょっと期待できそうなので、そこは楽しみですね。でも、2024年予定かぁ……1月とかに出ませんか?(欲張り)






特装版の電子版、BOOK☆WALKERでの販売が10月末までなのでご注意を―。

魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?17

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「窮鼠猫を噛むってことわざがあるだろう? 臆病者を追い詰めちまったときは、気を付けた方がいいぜ?」
「是。貴殿のような男ほど、恐ろしいものでございます」

 

聖剣を破壊するという目的のため、魔王候補だったウェパルと交渉することにしたザガン。ウェパルが「まともに交渉ができる相手久しぶり」とか零してるのには、こっちもつい目元に涙が……。

ネフィがエリゴルから告げられた「いずれ世界を滅ぼす」という予言について、ザガンに相談したり。ふらっとやってきたアスモデウスと情報交換したりと、ザガンは陣営が広がり身内が増えたこともあって、対処しないといけない範囲がどんどん広がってますねぇ。

 

そうやって慌ただしい中でも、ネフィとのイチャイチャには全力なのは良かった。

某おばありゃんの策略によって、バルバロスとの関係が周知されてしまったシャスティルは、ポンコツモードが長引いていて……フォルがネフテロスから苦言を零されるくらいだったようですけど。

シャスティルの母がバルバロスを認めているの、良かったですねぇ。……シャスティルの母だなぁ、って思う部分が多かった。

 

ただ、今回メインのエピソードは表紙にもなっているシャックスと黒花が、ザガンから任された依頼に関して。

最長老マルコシアスが蘇ってますが、まぁおいておくとして。現存する最古の魔王フォルネウスとの交渉を任されているとか、思った以上に重大任務だな。

シャックスも今では魔王なわけで、シャスティルの共生派への配慮というか、教会として魔王同士の会合に関与しないわけにもいかず、聖騎士長第十二位のミーカが派遣されることとなって。

 

自分に自信が無くて「魔王の監視」を任されたとき、死を覚悟して保証金で家族生活できるかなぁ、とか考えちゃう小心者ではありましたけど。そこはやはり聖騎士長。

善良な性質と確かな実力があって、ちょっかいを出してきた魔王グラシャラボラスを警戒させる、という精神的なコストを払わせていたのは見事でした。

……まぁ、まだ若くて未熟な部分があるのも確かで、魔王の強かさは厄介でしたが。彼がいなかったら、もっと危険な状況になっていたわけですし、大金星と言っていいのでは。

ザガンもシャックスを信頼して任せていたわけですが、全てが思い通りにはいかず。でもまた次代に続くだろうピースを掴みとったので、未来につなげてほしいものです。

 

というかシリアスパートでは魔王としてのシャックスの意地と剣侍としての黒花の覚悟が見れて格好良かったですけど。

日常パートでのシャックスと黒花のイチャイチャも良かったですよね。黒花がシャックスへの好意を隠さず、懐いた猫みたいに頭ぐりぐり押し付けてるのとか、可愛くて良かったです。

魔王を倒した俺に待っていたのは世話好きな、ヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。

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「でも、わたしはイザヤさんとの錬金術を信じたかった。いえ、イザヤさんだけじゃない。……青臭いこと言いますけどね、わたしはたくさんの人たちとのつながりを信じたかったんですよ。キスはその象徴だと思ってください」

 

魔術が盛んなメジャイルに生まれたが、剣のみに専念し、ソロで活動しダンジョンに潜り続ける青春を送った主人公のイザヤ。

彼はその剣技から勇者と称えられるほどだったが……ある日、魔王を打倒したとき、最後に呪われてしまった。正確には、死に際の魔王がイザヤの肉体を乗っ取ろうとしてきて、それに抵抗は出来たが魔王の魔力を押し付けられてしまったそうです。

そしてその結果、「魔王と同質の魔力を持つ、破壊の化身」として国を追われることになってしまった。

 

その後、彼は西の果ての島国アルリオンに流れ着いて……森の中にログハウスを作り、一人で暮らしていた。

部屋は汚いし食事は適当だし、でダンジョンに青春をささげた男の粗い一人暮らし、って感じでしたが。木工という趣味を持っているだけ、まだ人間味はありますけど。下手したら「日々修行しかしてません」みたいな、それこそ剣みたいな男になっていたかもしれない。

……ソロ歴が長すぎて言葉足らずの部分あるので、今でもその傾向があるのは間違いないですけど。

 

ある日森の中で魔物に襲われていた少女、ヨーメリアを救って。彼女は助けてもらったお礼として、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれて。

しばらくはログハウスにヨメが来る形を取ってましたが、よりよい暮らしの為にヨメの工房に招待されることになって。

世話好きのヨメと交流することで、一人のさみしさにイザヤが気付き、距離が縮まっていくのがいい感じですね。

 

知識と技量は確かながら魔力量が足りないヨメを、人に魔力を与えられる能力を持っているイザヤがフォローできる、というのも凸凹噛み合う感じで良かったですしね。

……イザヤと触れ合うことで魔力譲渡が出来るんですが、それを他の女性キャラに実践してるところに居合わせて、可愛い嫉妬してるヨメが可愛かったですね。

最強デスビームを撃てるサラリーマン、異世界を征く~剣と魔法の世界を無敵のビームで無双する~

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「あなたを倒して、僕はこれからも欲望に忠実に生き続けます!」

 

主人公の入江海人は、生きていても楽しくないという諦観にあふれたサラリーマン。

そんな彼が女神様の手違いによって死んでしまって。「天国生きか異世界転生か」の選択を迫られたとき、迷わず天国選択してましたしね。

しかし彼を天国送りにすると、自分のミスがバレてしまう女神はその希望を素直には聞いてくれなくて。

最終的には女神様の手によって、「好きなものに忠実になる改造」を施された上で、異世界に放り出されることに。

 

その時に得た欲望の向く三要素が「収集、獣耳、光線」だったばっかりに、トンデモ異世界転移者が爆誕してしまったわけですが。

海人は敵対した魔物を一撃で吹き飛ばすデスビームだったり、ビームを剣型や盾型に変形させることで様々な効果を発揮することが出来て。

さらにはビームを噴射することで空を飛ぶことまでできると、なんでもビームで解決できちゃうんですよねぇ。

 

最初に出会った異世界人が獣人の少女だったことで、獣耳をめでたい欲求も満たされてるし、光線を駆使して冒険者活動して稼いだ金で収集欲も満たすと。

女神さまの改造が効果絶大とも言えますが、まぁ結果的には幸せそうだから良いんじゃないですかね! 最初に訪問した国でも、重大な事件に発展しそうだった問題を発見・対処したことで感謝されてましたし、終わりよければ良し。

まぁ、評価してくれてる国王はまだしも、思うところある貴族もいましたから続きが出るならそのあたりからちょっかい出されそうだなぁ。

この日、『偽りの勇者』である俺は『真の勇者』である彼をパーティから追放した1

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「誰が何を言おうと、わたしにとっての勇者は貴方なのです。ありがとう、あの時わたしを助けてくれて」

 

魔王と呼ばれる存在が現れ、その脅威に瀕した国が存在する世界。

主人公たちの住んでいる地域は片田舎の村であり、そうした騒動とは無縁の長閑な村だった。同年代の子供たちとはしゃいで遊び、魔王と戦う勇者の物語に憧れて自分も勇者になろうと言い合う、平和な時間を過ごしていたわけですが。

この世界では十歳になったときに『神託』を受けて、職業を授かるという風習があって……。

 

主人公のフォイルは『勇者』の職業を与えられると同時、「偽りの勇者」という称号までも与えられ……。職業を与えられなかった幼馴染のユウが、真の勇者であることもまた理解してしまった。

そのため、魔王との戦いにユウと魔法使いの職業に目覚めたもう一人の幼馴染の少女メイを連れていくことを決断したわけですが……。

 

勇者パーティーとして参加することになった剣士グラディウスは、女癖が悪いし力なき相手をさげすむ傾向があり。もう一人の魔法使い、貴族令嬢メアリーは選民思想が強く平民を切り捨てるような行動を平気で取ることもある。

そんな状況だったので、職業がないユウは居心地悪かったと思うんですよねぇ。

彼の献身と提案した作戦によって成果を上げたこともあるけれど、メアリーの反発によってフォイルの功績かのように扱われてしまって。

それを受け入れてしまっているユウの姿を見たフォイルは、敢えて彼をパーティーから追放し、『偽りの勇者』として振舞うことで覚醒を促そうと考えた。

 

フォイルは、かつて勇者に憧れたこともあり、多くを救いたいと考える善良な少年だったわけですが……女神の授けた職業と称号が、そのまま光の道を進むことを許さなかった。

追放したユウが覚醒するに応じて、自分の力が低下していくのを自覚しながらも、最後まで『偽りの勇者』として振舞い続けたのは、見事だったと言ってもいい。

偽りつづけた罪を背負って命を賭ける覚悟だったわけですしね。

 

ただ実際には死にかけたフォイルを救ってくれた少女が現れるわけですが。

聖女の職業を与えられた、かつてフォイルに助けられた少女アイリス。あの時に助けてくれたのは貴方だから、とフォイルが自分の勇者であると言ってくれたのは良かった。

意図せず命を拾ったフォイルは、今後は自分の心を偽らずに誰かを助けるために動こうと思えるようになったのも良いですよね。

実際、フォイルに因縁があり追っていた相手とはいえ、村一つ滅ぼしていたかもしれない魔族を、勇者不在の状態で撃破してましたし。フォイル自身は好きなので、今後を見守りたいですねぇ。

 

……これまでの歴史になかった、偽りの勇者と真の勇者なんて三文劇を突然開催した女神オリンピアの『神託』とか、メアリーみたいな選民思想にかぶれた貴族とか、世界に対する不満はありますが。メアリーはその愚かさの代償を自分で払うことになってたし、まぁ……。

神託の真意についてはおいおい明らかになって欲しいものです。

毒の王1 最強の力に覚醒した俺は美姫たちを従え、発情ハーレムの主となる

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『幸せになりなさい。いつか貴方の家族を見つけて、共に生きなさい』

 

主人公のカイムは生まれながらにして毒に蝕まれた『呪い子』として、父や双子の妹、使用人や領民からも忌み嫌われている存在だった。

家族で唯一、母だけは彼に愛ししてくれていたものの、毒の影響もあって早くに亡くなり……彼女に恩のあるメイド、ティーだけがカイムの味方だった。

生まれながらにして、そんな厳しい環境に置かれていたカイムですが……。

 

その状況になったのは、両親の決断のせいなんですよね。

魔王級と呼ばれる災害『毒の王』を、犠牲を払いつつ倒した両親。父はその功績を持って貴族に任じられ領地を得たみたいですが……母はその争いで毒の呪いを受けてしまった。

このままでは死んでしまうという時に、父の知人であるドクトル・ファウストが登場。マッドサイエンティストの側面があり人体実験を行って数百と殺している一方、難病の治療薬などを作っている功績もあげている人物。

ファウストは、母が受けた呪いをその時に妊娠していた双子の片割れに呪いを移すことで、母体と子ども1人だけを助けるという提案をされて……それに頷いた。

 

だからこそ母は生まれてきてくれた子に業を背負わせてしまったと、せめてもの愛を与えようとして……。

父はカイムが呪いに耐えられずに死んでさえいれば尊い犠牲と思えたのに、生まれてきたことで妻を蝕み、非情な決断をしたことを突きつけられると、息子を遠ざける決断をした。

……その上で、どちらも息子に与えてしまった因果について説明しなかったっていうんだから、父が最底辺のクズではあるという前提で、母もちょっとダメな部分あるよなって感じ。父は自分の罪と向き合えずに歳を重ねているので、あまりにも醜いんだよなぁ……。

 

十三歳の孤立したカイムの前に、呪いを移した張本人ファウストが現れたことで、ようやく彼は事情を知ることができたわけですし。

彼女の介入によって自身の呪いと向き合ったカイムは、新たな『毒の王』として覚醒。力を得たためか18歳ほどの肉体に成長し、『毒の女王』と同じ毒を操る力を有しつつも、人の意識を残した彼は母の残した言葉に従い、自分を受け入れて裏切ることのない家族を探しに行くことにして……。

 

行きがけの駄賃で父を蹴散らして傷を残しているのは、罪を突きつける感じで痛快ではありましたが……命までは奪わなかったので、このクソ親父の再登場も約束されたようなもので、そこは億劫だなぁ。

気ままな一人旅になるかと思いきや、賊に襲われた帝国の令嬢を助けることになったり、メイドのティーが追いかけてきたり、女性の仲間には事欠かない状況に。

サブタイトルの「発情ハーレム」とある通り、そういうシーンの描写が織り込まれていて、中盤以降お色気シーンが増えていく作品ですな。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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