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「生きてるのはもう私たちだけ。私は死にたくないの、あなただってそうでしょ?」
「あたりまえだろ」


トリップ先は、異世界の小さな村だった。
暗いよ! 鬱になるよ! という感じの作品になる予定だったそうですが、あまあまラブコメになった、とは作者談。
完結済みで、33部。本編が27話でおまけが6話。

人物名とかは無くて、私とか彼とか奥さんとかで描写されています。
そういうところも手伝って、やたらキャラが機械的に見えないでもない。

トリップ特典か、なぜか言葉だけは通じる。
しかし、神様に特殊な能力をもらったわけでも、選ばれた勇者ってわけでもない。
本当にただの高校生たちが小さな村に現れ、そこで生活している日常のお話。
実際に異世界に召喚されたら、こんなもんじゃないですかねぇ。
心優しい人に保護されたのは何よりで、運が悪けりゃ奴隷まっしぐらとかありそう。

女子の「私」の視点で進んでいきますね。
1話からもう「私」は、死ぬまでこの村から出ない、という決意をしています。
で、一緒にきた「彼」にも付き合ってもらう、と。
まぁ、この二人が、距離を縮めていくお話ですな。

他にも4人ほど一緒に来た人もいたけれど、彼らは、村の外へ飛び出していった。
商人さんに同行させてもらったそうですが、本来おとなしい野性動物にちょっかいだして亡くなったとか。
自分たちが物語の主人公にでもなったつもりだったのだろうか、と「私」は分析していますが。
友人と呼称している割に、かなり冷淡というか、淡泊に過ぎるんじゃないか、という感じ。

文章がどうにも合わないのと、「私」の視点も結構微妙。
分かりにくい文章ではありますね。
ただ、最終的にくっついて、イチャイチャする場面は、それなりには糖度ありましたかね。
「私」がオーバーヒートして、ベタベタしているのは不安だったことも影響しているのかなーとか思ったりして。

異世界召喚モノ読みたいって人がいたら、他の作品勧めるでしょう。
一緒に召喚されたモブことA君とかが、前述のとおり動物にちょっかい出したせいで、あっさり死んでしまうあたり現実的で、その辺は好きなんですがねー。
全体の流れも、嫌いじゃないです。ただ、文章が好かん、という話で。