気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

★3.5

女王陛下に婿入りしたカラス

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「いいえ、あなたには何かを動かす力がある。父は確かに、力業で道を切り開いて来ました。でも道を行くのに必要なのは力だけではありません。砂漠を超えるのには水を得る術が居る、雪山を超えるには火を起こす術が要る。今まで彼女が行けなかった道も、あなたとなら超えられる。あなたになら、それができる」

 

ファンタジア文庫第36回銀賞受賞作品。

国や領地をも「家」と見なして管理経営する『家政学』専攻の学生ウィル。

エースターの学園に通う彼は卒業論文で隣国オノグルを略奪・戦争国家として批判して。

数年前にエースターはオノグルに王都を包囲されて……多額の賠償金を引き渡すことになって。国土を奪われたわけではないにせよ、多くの命が失われて両国の間には遺恨が残り続けている状況で……。

 

ウィルの論文がオノグルの女王の目に入ったという事が発覚したからか、「卒業金」という制度が敷かれて平民のウィルが卒業できないようにされて。

教授に訴えかけていたところに、女王イロナが登場。ウィルの卒業金を負担する代わりに、「婿になれ」と突然言い放って。

オノグルは戦争には強いけれど経済的には弱い国で。ウィルの論文はその弱点を的確に指摘していた。弱点を知る者ならば、改善点も見つけられるのではないかという期待で迎えられることになったわけです。

 

イロナは侵略国家であり続ける事を良く思ってなくて、変えようとしてるのは好感が持てますね。

ただまぁ、戦争でオノグル側にも犠牲が多く出ている中で、敵国から来た優男。オノグルは騎馬民族国家だけど、エースター出身のウィルは馬にも乗れないし、オノグルの一般常識的に加点も少ないってのが厄介なんですよねぇ。

ウィルがやってきた直後、城の使用人がボイコットを始めたりしましたし。

 

主の意向に使用人が背いた、という事実を盾に解雇しようとして。

危機感を使用人に抱かせたり、自分の境遇や女王の思惑の一端を語ることで、反感を持ってる相手でも自分たちの婚約式に協力させることに成功したのはお見事。

オノグル側も犠牲が出てきてエースター出身のウィルを責め立ててましたけど……それで言えばウィルだって、戦う力の無かった父がオノグルの襲撃で亡くなり、名ばかり共同墓地である穴に死体は放り込まれて、墓参りも叶わないって背景を抱えているわけですし。

憎んでしまうのは仕方ないけれど、どこかで連鎖は断たないといけない。そのために奔走できるウィルは、良いやつですねぇ……。

 

自国の中から経済的な武器になりうるものを探す傍ら、受け入れられるように馬に乗る練習をしたり、一歩一歩進んでいた中で……他国から経済的な攻撃を受けて。かなり危うい状況に追い込まれつつも足掻いて、希望を掴んだのはお見事。

巡る冬の果てで、君の名前を呼び続けた

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「さあ、次の思い出を作りに行こうぜ。未来の人間共が、羨ましく感じるくらい、すげー何かを!」

 

魔王を討伐した勇者は、しかし相打ちだった。

仲間もほとんどその戦いで倒れ、魔法師エルメだけが唯一生き延びて国元に魔王討伐の成功を知らせた。

大きな犠牲が出たのは悲しいが、人類は未来に向かって進んで行ける……そのハズだった。

しかし魔王と勇者の力はあまりに強大で……限界を超えた魔力の余波が毒となって世界中に広まってしまった。それは後に【悪性魔力】と名付けられたわけですけど。

 

そんな名づけなんて多くの人々には意味がなく、解決方法はない。【悪性魔力】に侵された人類は滅びへの道を歩むことになってしまったわけです。

エルメは勇者一行に選ばれるくらい魔法に秀でていたため、【悪性魔力】への耐性が多少あったため国が滅びに向かってからも生きていたものの、彼女も【悪性魔力】に侵されており、死に向かうのは避けられなかった。

孤独になってしまった彼女が王都を出たところ、強大な魔力の波動によって目覚めたアンデッドの少年と出会うことに。

 

何も覚えていないけど、永くを生きて……そのせいか記憶を失ってしまったというアンデッドの少年。

色々と抱え込んでしまいがちなエルメを見たアンデッドの少年が、「エルメが満足に終われる結末」を探しに行こうと旅に誘って。

2人の、終わりが約束されている旅が始まるわけです。楽して、寂しくて、幸せで……時間の流れの残酷さを突きつけられる旅。

それでも、エルメもアンデッドの少年もこの旅を後悔することはなく、大切に胸に刻んでいるんだよな……というのが沁みる話でしたね。

隣国から来た嫁が可愛すぎてどうしよう。 冬熊と呼ばれる俺が相手で本当にいいのか!?

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「もし、わたしの知識で救える人がいるのなら、わたしはわたしの知識を提供すべきでしょう」

 

その性格と体格の良さ、敵を蹴散らす強靭な姿から「ティドロスの冬熊」という異名を持つサリュ。

ティドロス王国の三男でもある彼は、辺境での野党狩りに赴いて身だしなみを後回しにしがちで……25になっても未婚で婚約者もなし。

もう結婚は諦めているつもりだったが……そんな彼が王妃である母と一緒に、隣国ルミナス王国の王太子の婚約式に参列。サリュたちのように各国の要人が集まる場で、王妃はサリュのお相手探しをしようと考えていたわけです。

 

しかし、ルミナス王国の王太子アリオスは、婚約者であったタリア王国の令嬢シトエンを婚約式の場所で糾弾し、婚約破棄を宣言。

彼女の悪行をあげつらっていきましたが、その中で彼女の容姿すらもけなし始めて。さすがにそれは許せないとサリュは彼を

そしてサリュの相手について全権を委任されたサリュ母が、「婚約破棄になるなら、ウチに来ませんか」と声をかけることになって。

 

シトエンの父親は、サリュの母を知っていたこともありその提案を飲むことに。

あくまでタリア王国の臣下であるため、一度国許に帰って許可を得てからという話にはなりましたが、提案は受け入れられてシトエンはサリュの婚約者となったわけです。

女性の扱いに不慣れだとは言いますけど、シトエンを守ろうと立ち上がれる善性はあるし、不慣れなりに彼女を大切にしようとしてるのは好感が持てます。

だからこそシトエンもサリュに惹かれて行ったんでしょうしね。サリュとシトエンには幸せになって欲しいものです。

 

実はシトエン、別の世界で生きた記憶を持つ転生者で。前世では医師として働いていた。

それは会話の中で「ビタミンCやクエン酸を取ると良い」とか零した時点で分かってた話ですけど。

前世の記憶に引きずられることなく、王太子妃となるための貴族教育を完璧にこなし、ティドロス王国の言葉も習得している。スペック高い良い子ですよね、シトエン。

作中の世界よりも深い医療知識はあるけれど、医師ではない。そんな彼女だからこそ頼りたい、とサリュの友人からも頼りにされたりもしてたの良かったですね。

始まりこそ婚約破棄された悲劇ですけど、そこから良縁に恵まれているわけですから。

 

ルミナス王国王太子は大魚を逃した。それは、シトエンが竜紋と呼ばれる、鱗状の紋を宿していることを忌避したため、みたいですけど。

尊いものだからこそ隠され、それゆえに誤解した部分はあるみたいですけど。誤解を原動力に婚約破棄に踏み切ったのは自分なのに、その過ちを飲み込めてないのが愚かすぎる。

……国王はシトエンの父に対して頭を下げられる人でしたけど、息子は止められなかったし。宰相も馬鹿げた行動に踏み切っていたし、ルミナス王国終わってますね……。

コドクな彼女

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「大丈夫だよ奈紺。君は……君が思うほど、悪い奴じゃない」

 

主人公の大学生男子、叶。

彼は正体不明の少女に「赤瀬奈紺」と名付け、同棲をすることに。

とは言えそれは甘い恋愛的なソレではなく……迷い猫とかを保護するイメージに近い。奈紺、暗いところを怖がるような人間味もあるんですけど、その実、怪異に近い危うさを抱えた少女でもあった。

 

悪友から欠席者が出た合コンの穴埋めに熱烈に誘われた叶。

流れで奈紺の存在もバレて一緒に行くことになって……。叶は、奈紺の事情を知ってる天草教授に相談の上顔を出すことにして。

そこに奈紺以外の怪異も紛れ込んでいて……悪友の幹事・中沢くんが襲われる、なんて場面もありましたが。

奈紺があっさり撃退。ホラーを目撃した中沢も驚いていましたが……奈紺が助けようとした理由が、合コンとか初めてで「楽しかったから」だっていうのが、良かったですね。

 

奈紺は確かに並みの怪異よりも強い、異質で異常な存在ではありますが。

叶が傍にいる限りにおいて、普通の少女のように過ごせているのはとても凄いことだと思います。

天草教授、オカルト方面に詳しいし自分にも悪魔ハルファスがついていて、そういったトラブルに対処する専門家とのつながりもある人物で。

とある組織からの脱走者についての相談を持ち掛けられたりもして……読者目線だとあからさまにストーリーラインが繋がってるので「逃げて―」ってなっていましたが。

専門家であっても脅威に感じる奈紺に駈け寄れる叶くんが実に良かったですね。

86-エイティシックス- Alter.2 魔法少女レジーナ☆レジーナ~戦え! 銀河航行戦艦サンマグノリア~

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「前に、変わっている、と言いましたね、レーナ。……訂正します。優しいんですね、あなたは」

 

アニメBDの特典小説だった、IFストーリーをまとめた一冊。

加筆修正と書下ろし短編を加えてるそうで、満足度は高い。レイドデバイスという名のマジカルステッキが無かったことに、イラストを見てから気付いたそうでそれが加筆されていたりするそうです。

 

部隊が宇宙になっているし、そもそもそこで戦っているの「魔法少女」になっているし。シンやダスティンといったエイティシックスたちはケモ耳ついた精霊になって、魔法少女のパートナー的存在になっているしで、IFで好き勝手やってるなぁ! 楽しそうだなぁ! ってシリーズですね。

 

レーナが魔法少女として格別な才能を示して、精霊シンを発見しともに戦う中で彼女達が戦っている敵についての真実をしることになっていくわけです。

宇宙で、魔法少女で、「レジーナ☆レーナ」みたいに名前に☆は必須とか言う謎ルールがあって、独特なネーミングがある世界ではありましたけど。

捨て犬のように箱詰めされた状態で、魔法少女の前に現れる精霊の顕現儀式とか。ツッコミどころ満載なんですけども。

「羊飼い」や「エイティシックス」の真実や、それが明らかになっていく展開はなるほどエイティシックスの味わいだなぁ……と思いました。

 

そしてレーナ編で少し寂しさもありつつも良い終わりだったな……と思ったら、その後のフレデリカ編でギャグ味増していくの笑っちゃったな。

なんですかあの妙な名前砲。さっぱり正式名称覚えられる気がしませんけど、効果ちゃんと強いのやめて……?

あと新しい魔法少女「メルクリウス☆」さんの存在が、笑えて仕方なかったですね。

奴隷に鍛えられる異世界生活

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「そうだよな、わかるよ。しにたくなんてないよな。ごめんよ。わかりきってるよな」

(略)

「僕も、生きたい。死ぬのは怖いんだ。本当に怖かったんだ」

 

両親が幼い頃に蒸発して、唯一の家族だった祖父を亡くしたばかりの高校生、吉井真也。

祖父が経営していた合気道の道場で鍛えるのが趣味だったが、当人曰く才能はなかったとか。

祖父の葬儀を済ませた後、怪しい連中がやってきて両親がのこした借金の為に道場を差し押さえるとか言われて、家からも出て行って施設に世話になれと言われたとかなんとか。

唯一の家族であり心の拠り所であった祖父を亡くしたばかりだった彼は、誰かに相談する気力も沸かず、死んで祖父のところに行こうと思っていた。

蒸発した両親の借金って同居の事実がない親族の遺産なんだし、実際のところ相談して相続放棄の手続きをすれば、家を追い出されるような事にはならなかった気もしますけど。

祖父の葬式関連のアレコレで疲弊したところで、さらに蒸発した親の借金の相続放棄の手続きもしろってのは酷か。そもそも当人に生きる気力がなくなってるから流されてしまってるって話だしな……。

 

……そんなタイミングで異世界に召喚されることになって。

呼ばれた異世界では、ダンジョンなどの変動が生じた際に異世界召喚を行って、転移者に事態の解決を依頼する手法が確立されていて。

召喚された直後の真也も期待されていましたが……スペックが召喚した貴族の望む者ではなかったために迫害されることに。

ただその貴族も派閥の上の貴族に「召喚には成功した」と報告してしまったために、直接殺すことはできず。転移者には専属の従者をあてがう、という決まりも一応守ってますしね。

……まぁとんでもない呪いを抱えて忌避されたファスという女の子でしたけど。ファスは、それでも「生きたい」と願う子で……真也も、死のうとした時は本当に怖かった、と彼女と一緒にどうにか生きようと足掻くことに。

 

貴族の横暴に想う所のあるギースという騎士団長が、限界までしごいてる体裁で彼を鍛えてくれたり、アドバイスをくれたりして。少しずつ力を得られていったのは良かった。

真也が呪いを吸うスキルを獲得したことで、ファスの状況もどうにかなる展望が見えたし。将来有望な使い魔を得る事だって出来た。

頃合いを見て逃げ出そうと画策していたところで、アグーの報告を受けた伯爵が直々に真也の状況を確認しに来て、同時期に召喚された転移者の会合に参加せざるを得ない状況になってしまったり。

 

そうやって外に連れ出された先で、数少ない真也の友人である桜木さんも転移していたことが発覚。彼女が「聖女」という特殊なクラスを得ていて、一度は召喚者に見捨てられた真也よりも他の転移者である「勇者」と仲良くなって欲しい勢力が横槍を入れてきたり。

危機に瀕して転移者に頼らないといけないくらいの状況になってるくせに、転移者を使って政争に明け暮れてたりするからこの世界の貴族は反省しろというかなんというか。

真也の得た『愚道者』。強力な制限もかかっているけれど、彼の生き様を反映してるかのように、なんか成長性は高そうなので少なくともバカな計画に加担した勇者とかには痛い目見て欲しいものですけど、どうなるやら。

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。9

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「今度は俺が守る。絶対に守って見せる」

 

表紙絵のステンドグラス、凄い綺麗なんですけど本編を知ってると恐ろしさもありますねぇ。アイビーの表情にも冷や汗浮かんでますし。

ハタカ村で魔法陣を用いた事件が起きている。

それに気づいたアイビーたちは、ソルとソラの力を借りて魔法陣の影響を脱して。調査に来たジナル達や、ジナルの息子でハタカ村の上位冒険者であるナルガス達のパーティ、ギルドマスターや自警団の団長と言った、洗脳されていた人々を開放して戦力を整えていくことに。

毒を盛られて長らく寝込んでいた団長が治療後しばらくして、少しでも動けるようになっているのアイビーのスライムたちは本当に規格外ですねぇ。

 

ソルやソラの力を借りてある程度の戦力を確保した後は、事情を知っている人間を増やし過ぎないために、伝手を使って魔法陣の研究者と連絡を取って。

団長やギルドマスター、ジナルやナルガス達も各々動いて状況を改善しようとしてるのがいいですね。まぁ、ナルガスたちは上位冒険者になったばかりでまだ混乱してて、指示待ちしちゃう青さもあったりしましたけど。

影響を解除するための魔法陣、使い過ぎるとそれはそれで身体を壊すものらしいですが……ソルから与えられた魔石が、悪影響を緩和してくれていたりと、アイビーたちの助力も大きかったですけどね。

 

違法な捨て場に魔法陣を敷いて、村で親しまれていた動物に悪影響を与えたり。

有力者を操って実験みたいなことをしたり、広場に寝泊まりしている人々にも影響を与えるように仕組んでいたり。長年準備していたんだな……という悪意が見えるのが恐ろしかったですけど。

アイビーたちがいなかったら、他に発見された実験に使われ滅びた村みたいな状況になっていたんだろうなぁ……と思うと、ハタカ村はまだギリギリ踏みとどまれたので良かった。

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。8

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「あのですね、お話していない事がありまして」

「何だろう。訊くのが怖い気がする」

(略)

「一度も怖い話などしていませんが?」

 

表紙絵でスライムたちが探偵ルックな帽子と服や虫眼鏡持ってたりするの、可愛いですねぇ。アイビーも考えるような顔で虫眼鏡持ってるますし。仲いいなぁ。

本編はハタカ村でのエピソード。

ドルイドが森に違和感を感じていて、調査隊も派遣される事態になっていた。

捨て場に行ってみたら一切管理されている様子がないくらい荒れ果てていて……見つけられなかったけど、どこかに違法な捨て場が作られているだろうことも明らかだった。

不穏な気配がちらつく中ではありましたけど、アイビーがここでも料理知識を披露して、大人気屋台やってるのはほのぼのしてて良かったですねぇ。

 

ハタハフ町所属の上位冒険者チーム『風』の縁も出来て。

アイビーが無理やり連れられているのではないかとか、ドルイドが上位冒険者レベルの実力があるのに名前を知らないことに不信感を抱いて、探りに来た面もあったわけですが。

それでドルイドに変態疑惑かけられていたのには笑ってしまった。まぁ、そう見えるよ……。

怪しいところを調べる調査員としての顔もあるそうで、気になった事は無視できなかったんでしょうけど。

 

ハタカ村は禁忌とされる魔法陣を使う「誰か」によって多くの人が程度の差はあれど洗脳されている状況で。魔力の変異によってもたらされるそれらの異常を、魔力を食べるアイビーのテイムしているスライムたちが解消できることも発覚して……ここで縁を結べたのは問題解決につながる大きな一歩でした。

魔法陣の影響下に長く置かれていると体が崩壊すると言いますが、ソルとソラのコンビネーションで魔法陣の影響を取り除き、崩壊すらも治療できるのは強すぎる。

 

アイビーたちからしても、契約を用いて口外厳禁を確立した上で、2人の関与を出来る限り隠して、問題解決後に村から問題なく出られるように協力してくれる『風』と繋がりが出来たのはありがたいことですけどね。

まぁアイビーは、予期せず増えていく契約書の数に困惑してましたけど。アイビー以外の人々からすると、レアスライムだらけで魔法陣問題も解決できるソラ達の事って、爆弾情報以外の何物でもないからな……。

あとがきでは、この世界の闇を少し見せて、暗くなり過ぎないようにしたかったとされてましたが……かなりの大問題になっていったのは笑った。

冒険者アル2 あいつの魔法はおかしい

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「どうすれば、良かったのかな?」

(略)

「ゴホン、別に忘れる必要なんてねぇんだよ。心の中に仕舞っておきゃあいい。誰だってこういう事の一つや二つあるだろうぜ」

 

テンペスト王国から逃れて来た王女パトリシアを発見・保護し、辺境都市レスターの縁者に届けたアル。

パトリシアに仕える女騎士ジョアンナはアルをパトリシアの話し相手として呼びたいと言っていたが、アルは一介の冒険者に過ぎず。どうするのかと思ったら、ナレシュの臨時雇いの従者として、パトリシアと会う機会を作ってもらうことになって。

 

まぁ従者として雇われている関係で、その期間に魔物狩りが行われることになって、アルも同行することになっていたわけですが。

……魔物側に、アシスタント・デバイスを持っている奴が居たり、パッと名前が出てこないような珍しい上位の魔物が居たりと、こちらが想定していた以上の備えをしていたので、アルがフォローに入っていなかったら結構な被害出ていたでしょうね……。

 

隙間時間でアルはエリックの元を訪れて、浮遊眼呪文の習得をしようとすることになって。

その際に呪文のアレンジ……アルの言い方だとオプションとしてアレンジできそうなところについても情報を伝えて。

アル、過去の魔導師テンペストのアシスタントだったマラキと再び会って交流する中で、過去の魔術師はアルみたいに呪文にアレンジを加えていたという話も聞くことになったわけですが。

 

後にレダがアレンジ可能な状態で浮遊眼呪文の習得に成功したのは目出度かったですねぇ。

ただ発表の際に周囲の思惑もあって、エリックやレダの功績として扱われてしまってるということで、習得に成功したレダや発表したエリック達が、アルに対して申し訳なく感じているの、善性を感じて良いですねぇ。

アルは立場の無い自分だと名誉を与えられても困るし、そもそも信じてもらえないかもしれないという事で、あまり頓着してなかったのが救いか。

 

マラキの守護しているテンペストの墓所を探るように、テンペスト王国の軍隊が動いているのをアルが発見したり。守護の為に引っ越しの手伝いをした後、帰還したらレビ商会を監視している輩を発見したり。

パトリシアとは身分の差がある、と一線を引くようにしていたわけですが。そんな彼女に縁談が持ち掛けられている、という話を聞いて自分の本当の気持ちに気付くことになったりもして。

一方パトリシアを狙った暗躍が激化しているのも感じていたことから、アルは最終的にパトリシアと一緒に行動することになったわけですが。どうせなら2人に幸せになって欲しいものですが、どうなりますかねぇ。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚3

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「何が起こってもいいように、最悪のケースを考えながら行動するべきだ」

 

志穂乃の治療を頼んだセラフィナから、病ではなく毒だという事を明かされた司。

それは志穂乃が、死霊魔術というこの世界で忌避される力に目覚めたことが影響しているようで……かつて自分を暗殺しようとした王女アリアーヌの影を感じるわけです。

さらに、元クラスメイト達を戦力として確保した人間の国と魔族間の戦争も過激化しており……この世界で、特に魔族の国で人間である彼が生きていくには何かしらの後ろ盾が欲しい。

 

単純にセラフィナに取り入って、彼女に取り替わろうとしている叔父ラドリムを排除する方向にいくのではなくて。

自由傭兵としての活動実績を積み上げていくことで、ラドリムの眼にとまるようにして、彼に取り入ることを選ぶあたりが捻くれてしまった司らしい。

……いやまぁ、最後セラフィナに接触して契約のルーンを持ち出しているあたり、ずっとラドリムを仰ごうとしてるわけでもなさそうですけどね。

ラドリムの性格を想えば今は認められて仕事を任されていても、いつ排除されるかわからないしな……。

 

そうやってファンタジー方面での状況も進展しているわけですが。

美穂乃との関係に気付いた志穂乃。かつて想い人と姉が先に付き合うことになりコンプレックスを強めることになったこと、この世界で寝込んで孤独を感じていたことから、「見捨てられるのは嫌」という想いが強まって自ら踏み込んで司との関係を深めることを望んで。

さらに、大家さんのシルエとも肉体関係を持つことになったりと、順調にハーレム築いている感はありますが。他の転移者たちが、魔族の軍に対して優位を取るだけの戦果を挙げる強力さを示している一方で、司はまだその領域になくて。仮に今正面からラドリムと戦うことになったりしたら、彼を支持する派閥の戦力も加味するとかなり厳しそうですから司らしい工夫には期待していきたいところ。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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