気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

★3.5

最強賢者夫婦の子づくり事情 炎と氷が合わさったら世界を救えますか?

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「あなたはわたしに、たくさんのものをくれています」

 

三百年前に降った星。

それは極彩色の柱状になって地に刺さり、呪晶石と名付けられた。

呪晶石は周囲に毒をバラまき多くの命を奪い、村を、街を、国を滅ぼした。十年の後、毒の放出は止まったが、どんな攻撃・魔術・兵器を駆使しても呪晶石を破壊することはできなかった。

さらに、呪晶石の毒で死なず異形の獣と成り果てた、呪晶獣と呼ばれる存在まで生まれた。

不幸中の幸い呪晶獣は呪晶石と違い不滅ではなく、倒すことは可能であったが……その力は強大で英雄や賢者と呼ばれるものが死力を尽くして勝ちを拾えるかどうかというレベルだった。

 

さらに呪晶石は30年周期で飛来を続け、どんどん人々は生存権を脅かされていた。

そんな情勢もあって、呪晶石災害が発生して以来、呪晶獣を討伐した者は呪晶獣が縄張りにしていた土地の所有権が生じるようになった。

ただそれもあくまで「権利」の話であって、呪晶獣によって生来の土地を追い払われた人々からすれば、よそ者が彼らの土地を奪ったと思われ恨みを買うこともある。

……実際、主人公たち朱雀の民と白虎の民がそれで土地の権利を巡って長く争うことになったわけです。

途中から犠牲を減らすために、それぞれの代表の一騎打ちをして勝者の意向に従うという方針になったみたいですけど。

 

そんなある日、呪晶石の飛来を予測・監視する世界塔と呼ばれる機関の巫女が、朱雀の里の頭領であるシラヌイに会いに来て言うわけです。

「白虎の頭領アウラと結婚して、子どもを作れ」と。

未来を見ることが出来るという巫女に寄れば、2人の子どもが未来に起こる大災厄を打破する希望になるのだとか。

シラヌイはアウラに一目惚れしていたこともあり、それを受諾。

 

ただ「予言だから結婚する」のではなくて、朱雀の頭領として白虎の頭領との一騎打ちに勝利を治め、2つの里の間で合意が取れていた決着をつけてから先に進もうとしているのとか、真面目で好きです。

直ぐに飲み込める素直な輩だけではなくて、白虎の民から襲撃まがいの事を受けたりもしてましたが……魔術は凶器になるからこそ、家族には向けられない、と。朱雀と白虎の民は家族に慣れると信じてそれを受け、あしらったシラヌイはなるほど一つの民をまとめる頭領なんだなぁ……と納得しました。

 

初恋の相手であるアウラの前ではかなり初心で、どうにも先に進めずにいましたけど。

なんならアウラに手を出すよりも先に、より大きな戦果を挙げに行ったりしてて、それを贈り物にしようとするとか微妙にズレてるところもありますけど。

そんなだからいざ一線を越えてからアウラに圧されるんだぞ……。

大災厄に備えるためとは言え呪晶獣討伐を成し遂げて国を作ろうとか大それたこと考えるなぁとも思いましたが。

 

そして、その土地に元々住んでいた国の人に良く思われず襲撃を受ける羽目になったりもして。「呪晶獣を討伐したものに所有権を与える」ってルール、さっぱり守られてないじゃないですか。元の所有者が呪晶獣を打破して平和裏に取り戻したケースとか、ないんだろうか。……物語的に盛り上がりに欠けるから描かれないだけか……。

主人を慕うがゆえに暴走してしまったメイアですけど……キャラデザめっちゃ好きですね。可愛い。彼女の使う術を知ってから見るとちゃんと小物にもネタ詰められてて良い。

よって、初恋は証明された。―デルタとガンマの理学部ノート1―

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「少し見方を変えるだけで、世界はこんなに素敵になるんだね」

 

プロローグ・エピローグが高校三年生で、青春の日々を過ごした少年がとある会話から、自分の青春の始まりを思い返すと言った構成になっているわけですが。

友人の水崎にデルタとあだ名をつけられた出田(いずた)君。植物に詳しい理系オタク、扉絵の紹介文にはありました。

水崎と出田、陰陽でキャラは違うけど中学時代は同じ化学部に所属していたし、噛み合う部分あるんだなぁ……って感じがするよい友人関係なのが伺えました。

 

水崎が拾ってきた噂で、「綺麗なハートマークが見える、恋愛成就の桜」を見に行った出田は、同じように水崎から噂を吹き込まれたクラスメイトの少女・岩間と出会って。

噂のような綺麗な景色は見えず……どうしてかと探ることにしたり。

不可解な部分のある部活勧誘のポスターを見つけて興味を持ったり、秘められた巨木の樹齢についてちょっと調べてみたりとか。

短編連作、日常の謎的な感じで気になった出来事について理系の出田くんたちらしいアプローチで謎を解いていったり。その過程で、同じ部活の仲間が増えたりしていくの青春してるなぁって感じがしましたね。

プロローグ・エピローグの雰囲気が好きで、そこに至る彼らの積み重ねの一端が見られてると思うと味わい深かった。

不良聖女の巡礼1 追放された最強の少女は世界を救う旅をする

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「私は神を信じていない」

 

孤児院で育った少女リトル・キャロル。

彼女が十五歳になったころ「君は聖女だ」という神官が迎えに来て。

この世界は「瘴気の壁」に囲まれおり、そこから湧き出る魔獣の被害に多くの人が悩まされていた。さらに「瘴気の壁」そのものもどんどん人類生存圏を蝕んでいて……。

そんな「瘴気」に唯一対抗できるのが、聖女だとか。

 

そしてキャロルは迷いつつも神官についていき……聖女が力に覚醒するという日食の日を待つことに。

その間に聖女候補として修練に励み、知識の習熟も怠らなかった。

神の言葉を記した原典によれば、地水火風の四聖女とそれらを導く光の聖女の5人が現れるとされていて……キャロルは光の聖女候補であった。

しかし、彼女に発現したのは女神像を崩壊させる「腐食」の力で……多くの人々は、キャロルは聖女ではなかった。偽りの聖女だったのだ、と彼女を追い出すことに。

 

聖女候補としてお淑やかな振る舞いを身に着けていたけれど、その本質はあくまで孤児時代に培った逞しさに溢れるもので。

人のいる場所から離れようとした結果とは言え、なんかしばらく森に住みついてますしね……強すぎ。

実は彼女が追い出された裏には、彼女をここ良く思っていなかった別の聖女の悪意があったりしたみたいですけど、当人がそこまで気にしてなさそうではある。

キャロルを見出した神官が実は教皇様で、「偽りの聖女」を見つけたことで立場を悪くして、教会の軍部に追い落とされる羽目になってたりするの、影響が大きいなぁ……というか。

「瘴気」という迫った危機を目の前にして内ゲバ出来るなんて、随分とまぁ余裕ぶってますねぇ。

 

キャロルが像を崩壊させたのは「菌糸」を生み出した結果で……「生命」に通じるほかにない奇跡だった。そのことを知ったターナーが、自らの過ちを認められたのは良かったと思いましたけど。

孤児として苦労をしてきて、追放の憂き目を見たキャロルが「神を信じていない」というのはそりゃそうでしょう、という気持ちがある。そこに物申すなら、彼女が聖女候補として学園に居た頃にやっておくべきだったんじゃないかという気持ちがあるので、真相が明らかになったときのキャロルとターナーの論争は、キャロルも感じていた通り「今更」って感じが強かったですねぇ。

 

さて、キャロル追放のために手をまわした、キャロルと同室だった水の聖女マリアベル・デミ。家名を持つ通り、貴族の出ではあったみたいです。

貴族として誉を大事に、困った人を助けるために奔走した父を誇りに思っていた。

しかし、現場の人間としてはよかったが、貴族的な根回しには疎く……ごく潰し貴族に、負債ばかり押し付けられる羽目になった。

そんな父を見ていたことで、聖女となり王と対峙した際に王に任命されたはずの父が忘れられていたことで、歪んでしまったという背景が明かされたのでどんどん憎みにくくなっていったキャラでもありますね。

 

ああいう目を見た子、この瘴気に悩まされた世界では珍しくないんだろうなぁ……と思うと聖女に縋りたくなる人々の気持ちも分かる。

ただ「不良聖女」が誕生してしまって、人々の希望の向く先一つではなくなってますが。それが今後どう影響していくのやら。



女王陛下に婿入りしたカラス

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「いいえ、あなたには何かを動かす力がある。父は確かに、力業で道を切り開いて来ました。でも道を行くのに必要なのは力だけではありません。砂漠を超えるのには水を得る術が居る、雪山を超えるには火を起こす術が要る。今まで彼女が行けなかった道も、あなたとなら超えられる。あなたになら、それができる」

 

ファンタジア文庫第36回銀賞受賞作品。

国や領地をも「家」と見なして管理経営する『家政学』専攻の学生ウィル。

エースターの学園に通う彼は卒業論文で隣国オノグルを略奪・戦争国家として批判して。

数年前にエースターはオノグルに王都を包囲されて……多額の賠償金を引き渡すことになって。国土を奪われたわけではないにせよ、多くの命が失われて両国の間には遺恨が残り続けている状況で……。

 

ウィルの論文がオノグルの女王の目に入ったという事が発覚したからか、「卒業金」という制度が敷かれて平民のウィルが卒業できないようにされて。

教授に訴えかけていたところに、女王イロナが登場。ウィルの卒業金を負担する代わりに、「婿になれ」と突然言い放って。

オノグルは戦争には強いけれど経済的には弱い国で。ウィルの論文はその弱点を的確に指摘していた。弱点を知る者ならば、改善点も見つけられるのではないかという期待で迎えられることになったわけです。

 

イロナは侵略国家であり続ける事を良く思ってなくて、変えようとしてるのは好感が持てますね。

ただまぁ、戦争でオノグル側にも犠牲が多く出ている中で、敵国から来た優男。オノグルは騎馬民族国家だけど、エースター出身のウィルは馬にも乗れないし、オノグルの一般常識的に加点も少ないってのが厄介なんですよねぇ。

ウィルがやってきた直後、城の使用人がボイコットを始めたりしましたし。

 

主の意向に使用人が背いた、という事実を盾に解雇しようとして。

危機感を使用人に抱かせたり、自分の境遇や女王の思惑の一端を語ることで、反感を持ってる相手でも自分たちの婚約式に協力させることに成功したのはお見事。

オノグル側も犠牲が出てきてエースター出身のウィルを責め立ててましたけど……それで言えばウィルだって、戦う力の無かった父がオノグルの襲撃で亡くなり、名ばかり共同墓地である穴に死体は放り込まれて、墓参りも叶わないって背景を抱えているわけですし。

憎んでしまうのは仕方ないけれど、どこかで連鎖は断たないといけない。そのために奔走できるウィルは、良いやつですねぇ……。

 

自国の中から経済的な武器になりうるものを探す傍ら、受け入れられるように馬に乗る練習をしたり、一歩一歩進んでいた中で……他国から経済的な攻撃を受けて。かなり危うい状況に追い込まれつつも足掻いて、希望を掴んだのはお見事。

巡る冬の果てで、君の名前を呼び続けた

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「さあ、次の思い出を作りに行こうぜ。未来の人間共が、羨ましく感じるくらい、すげー何かを!」

 

魔王を討伐した勇者は、しかし相打ちだった。

仲間もほとんどその戦いで倒れ、魔法師エルメだけが唯一生き延びて国元に魔王討伐の成功を知らせた。

大きな犠牲が出たのは悲しいが、人類は未来に向かって進んで行ける……そのハズだった。

しかし魔王と勇者の力はあまりに強大で……限界を超えた魔力の余波が毒となって世界中に広まってしまった。それは後に【悪性魔力】と名付けられたわけですけど。

 

そんな名づけなんて多くの人々には意味がなく、解決方法はない。【悪性魔力】に侵された人類は滅びへの道を歩むことになってしまったわけです。

エルメは勇者一行に選ばれるくらい魔法に秀でていたため、【悪性魔力】への耐性が多少あったため国が滅びに向かってからも生きていたものの、彼女も【悪性魔力】に侵されており、死に向かうのは避けられなかった。

孤独になってしまった彼女が王都を出たところ、強大な魔力の波動によって目覚めたアンデッドの少年と出会うことに。

 

何も覚えていないけど、永くを生きて……そのせいか記憶を失ってしまったというアンデッドの少年。

色々と抱え込んでしまいがちなエルメを見たアンデッドの少年が、「エルメが満足に終われる結末」を探しに行こうと旅に誘って。

2人の、終わりが約束されている旅が始まるわけです。楽して、寂しくて、幸せで……時間の流れの残酷さを突きつけられる旅。

それでも、エルメもアンデッドの少年もこの旅を後悔することはなく、大切に胸に刻んでいるんだよな……というのが沁みる話でしたね。

隣国から来た嫁が可愛すぎてどうしよう。 冬熊と呼ばれる俺が相手で本当にいいのか!?

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「もし、わたしの知識で救える人がいるのなら、わたしはわたしの知識を提供すべきでしょう」

 

その性格と体格の良さ、敵を蹴散らす強靭な姿から「ティドロスの冬熊」という異名を持つサリュ。

ティドロス王国の三男でもある彼は、辺境での野党狩りに赴いて身だしなみを後回しにしがちで……25になっても未婚で婚約者もなし。

もう結婚は諦めているつもりだったが……そんな彼が王妃である母と一緒に、隣国ルミナス王国の王太子の婚約式に参列。サリュたちのように各国の要人が集まる場で、王妃はサリュのお相手探しをしようと考えていたわけです。

 

しかし、ルミナス王国の王太子アリオスは、婚約者であったタリア王国の令嬢シトエンを婚約式の場所で糾弾し、婚約破棄を宣言。

彼女の悪行をあげつらっていきましたが、その中で彼女の容姿すらもけなし始めて。さすがにそれは許せないとサリュは彼を

そしてサリュの相手について全権を委任されたサリュ母が、「婚約破棄になるなら、ウチに来ませんか」と声をかけることになって。

 

シトエンの父親は、サリュの母を知っていたこともありその提案を飲むことに。

あくまでタリア王国の臣下であるため、一度国許に帰って許可を得てからという話にはなりましたが、提案は受け入れられてシトエンはサリュの婚約者となったわけです。

女性の扱いに不慣れだとは言いますけど、シトエンを守ろうと立ち上がれる善性はあるし、不慣れなりに彼女を大切にしようとしてるのは好感が持てます。

だからこそシトエンもサリュに惹かれて行ったんでしょうしね。サリュとシトエンには幸せになって欲しいものです。

 

実はシトエン、別の世界で生きた記憶を持つ転生者で。前世では医師として働いていた。

それは会話の中で「ビタミンCやクエン酸を取ると良い」とか零した時点で分かってた話ですけど。

前世の記憶に引きずられることなく、王太子妃となるための貴族教育を完璧にこなし、ティドロス王国の言葉も習得している。スペック高い良い子ですよね、シトエン。

作中の世界よりも深い医療知識はあるけれど、医師ではない。そんな彼女だからこそ頼りたい、とサリュの友人からも頼りにされたりもしてたの良かったですね。

始まりこそ婚約破棄された悲劇ですけど、そこから良縁に恵まれているわけですから。

 

ルミナス王国王太子は大魚を逃した。それは、シトエンが竜紋と呼ばれる、鱗状の紋を宿していることを忌避したため、みたいですけど。

尊いものだからこそ隠され、それゆえに誤解した部分はあるみたいですけど。誤解を原動力に婚約破棄に踏み切ったのは自分なのに、その過ちを飲み込めてないのが愚かすぎる。

……国王はシトエンの父に対して頭を下げられる人でしたけど、息子は止められなかったし。宰相も馬鹿げた行動に踏み切っていたし、ルミナス王国終わってますね……。

コドクな彼女

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「大丈夫だよ奈紺。君は……君が思うほど、悪い奴じゃない」

 

主人公の大学生男子、叶。

彼は正体不明の少女に「赤瀬奈紺」と名付け、同棲をすることに。

とは言えそれは甘い恋愛的なソレではなく……迷い猫とかを保護するイメージに近い。奈紺、暗いところを怖がるような人間味もあるんですけど、その実、怪異に近い危うさを抱えた少女でもあった。

 

悪友から欠席者が出た合コンの穴埋めに熱烈に誘われた叶。

流れで奈紺の存在もバレて一緒に行くことになって……。叶は、奈紺の事情を知ってる天草教授に相談の上顔を出すことにして。

そこに奈紺以外の怪異も紛れ込んでいて……悪友の幹事・中沢くんが襲われる、なんて場面もありましたが。

奈紺があっさり撃退。ホラーを目撃した中沢も驚いていましたが……奈紺が助けようとした理由が、合コンとか初めてで「楽しかったから」だっていうのが、良かったですね。

 

奈紺は確かに並みの怪異よりも強い、異質で異常な存在ではありますが。

叶が傍にいる限りにおいて、普通の少女のように過ごせているのはとても凄いことだと思います。

天草教授、オカルト方面に詳しいし自分にも悪魔ハルファスがついていて、そういったトラブルに対処する専門家とのつながりもある人物で。

とある組織からの脱走者についての相談を持ち掛けられたりもして……読者目線だとあからさまにストーリーラインが繋がってるので「逃げて―」ってなっていましたが。

専門家であっても脅威に感じる奈紺に駈け寄れる叶くんが実に良かったですね。

86-エイティシックス- Alter.2 魔法少女レジーナ☆レジーナ~戦え! 銀河航行戦艦サンマグノリア~

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「前に、変わっている、と言いましたね、レーナ。……訂正します。優しいんですね、あなたは」

 

アニメBDの特典小説だった、IFストーリーをまとめた一冊。

加筆修正と書下ろし短編を加えてるそうで、満足度は高い。レイドデバイスという名のマジカルステッキが無かったことに、イラストを見てから気付いたそうでそれが加筆されていたりするそうです。

 

部隊が宇宙になっているし、そもそもそこで戦っているの「魔法少女」になっているし。シンやダスティンといったエイティシックスたちはケモ耳ついた精霊になって、魔法少女のパートナー的存在になっているしで、IFで好き勝手やってるなぁ! 楽しそうだなぁ! ってシリーズですね。

 

レーナが魔法少女として格別な才能を示して、精霊シンを発見しともに戦う中で彼女達が戦っている敵についての真実をしることになっていくわけです。

宇宙で、魔法少女で、「レジーナ☆レーナ」みたいに名前に☆は必須とか言う謎ルールがあって、独特なネーミングがある世界ではありましたけど。

捨て犬のように箱詰めされた状態で、魔法少女の前に現れる精霊の顕現儀式とか。ツッコミどころ満載なんですけども。

「羊飼い」や「エイティシックス」の真実や、それが明らかになっていく展開はなるほどエイティシックスの味わいだなぁ……と思いました。

 

そしてレーナ編で少し寂しさもありつつも良い終わりだったな……と思ったら、その後のフレデリカ編でギャグ味増していくの笑っちゃったな。

なんですかあの妙な名前砲。さっぱり正式名称覚えられる気がしませんけど、効果ちゃんと強いのやめて……?

あと新しい魔法少女「メルクリウス☆」さんの存在が、笑えて仕方なかったですね。

奴隷に鍛えられる異世界生活

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「そうだよな、わかるよ。しにたくなんてないよな。ごめんよ。わかりきってるよな」

(略)

「僕も、生きたい。死ぬのは怖いんだ。本当に怖かったんだ」

 

両親が幼い頃に蒸発して、唯一の家族だった祖父を亡くしたばかりの高校生、吉井真也。

祖父が経営していた合気道の道場で鍛えるのが趣味だったが、当人曰く才能はなかったとか。

祖父の葬儀を済ませた後、怪しい連中がやってきて両親がのこした借金の為に道場を差し押さえるとか言われて、家からも出て行って施設に世話になれと言われたとかなんとか。

唯一の家族であり心の拠り所であった祖父を亡くしたばかりだった彼は、誰かに相談する気力も沸かず、死んで祖父のところに行こうと思っていた。

蒸発した両親の借金って同居の事実がない親族の遺産なんだし、実際のところ相談して相続放棄の手続きをすれば、家を追い出されるような事にはならなかった気もしますけど。

祖父の葬式関連のアレコレで疲弊したところで、さらに蒸発した親の借金の相続放棄の手続きもしろってのは酷か。そもそも当人に生きる気力がなくなってるから流されてしまってるって話だしな……。

 

……そんなタイミングで異世界に召喚されることになって。

呼ばれた異世界では、ダンジョンなどの変動が生じた際に異世界召喚を行って、転移者に事態の解決を依頼する手法が確立されていて。

召喚された直後の真也も期待されていましたが……スペックが召喚した貴族の望む者ではなかったために迫害されることに。

ただその貴族も派閥の上の貴族に「召喚には成功した」と報告してしまったために、直接殺すことはできず。転移者には専属の従者をあてがう、という決まりも一応守ってますしね。

……まぁとんでもない呪いを抱えて忌避されたファスという女の子でしたけど。ファスは、それでも「生きたい」と願う子で……真也も、死のうとした時は本当に怖かった、と彼女と一緒にどうにか生きようと足掻くことに。

 

貴族の横暴に想う所のあるギースという騎士団長が、限界までしごいてる体裁で彼を鍛えてくれたり、アドバイスをくれたりして。少しずつ力を得られていったのは良かった。

真也が呪いを吸うスキルを獲得したことで、ファスの状況もどうにかなる展望が見えたし。将来有望な使い魔を得る事だって出来た。

頃合いを見て逃げ出そうと画策していたところで、アグーの報告を受けた伯爵が直々に真也の状況を確認しに来て、同時期に召喚された転移者の会合に参加せざるを得ない状況になってしまったり。

 

そうやって外に連れ出された先で、数少ない真也の友人である桜木さんも転移していたことが発覚。彼女が「聖女」という特殊なクラスを得ていて、一度は召喚者に見捨てられた真也よりも他の転移者である「勇者」と仲良くなって欲しい勢力が横槍を入れてきたり。

危機に瀕して転移者に頼らないといけないくらいの状況になってるくせに、転移者を使って政争に明け暮れてたりするからこの世界の貴族は反省しろというかなんというか。

真也の得た『愚道者』。強力な制限もかかっているけれど、彼の生き様を反映してるかのように、なんか成長性は高そうなので少なくともバカな計画に加担した勇者とかには痛い目見て欲しいものですけど、どうなるやら。

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。9

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「今度は俺が守る。絶対に守って見せる」

 

表紙絵のステンドグラス、凄い綺麗なんですけど本編を知ってると恐ろしさもありますねぇ。アイビーの表情にも冷や汗浮かんでますし。

ハタカ村で魔法陣を用いた事件が起きている。

それに気づいたアイビーたちは、ソルとソラの力を借りて魔法陣の影響を脱して。調査に来たジナル達や、ジナルの息子でハタカ村の上位冒険者であるナルガス達のパーティ、ギルドマスターや自警団の団長と言った、洗脳されていた人々を開放して戦力を整えていくことに。

毒を盛られて長らく寝込んでいた団長が治療後しばらくして、少しでも動けるようになっているのアイビーのスライムたちは本当に規格外ですねぇ。

 

ソルやソラの力を借りてある程度の戦力を確保した後は、事情を知っている人間を増やし過ぎないために、伝手を使って魔法陣の研究者と連絡を取って。

団長やギルドマスター、ジナルやナルガス達も各々動いて状況を改善しようとしてるのがいいですね。まぁ、ナルガスたちは上位冒険者になったばかりでまだ混乱してて、指示待ちしちゃう青さもあったりしましたけど。

影響を解除するための魔法陣、使い過ぎるとそれはそれで身体を壊すものらしいですが……ソルから与えられた魔石が、悪影響を緩和してくれていたりと、アイビーたちの助力も大きかったですけどね。

 

違法な捨て場に魔法陣を敷いて、村で親しまれていた動物に悪影響を与えたり。

有力者を操って実験みたいなことをしたり、広場に寝泊まりしている人々にも影響を与えるように仕組んでいたり。長年準備していたんだな……という悪意が見えるのが恐ろしかったですけど。

アイビーたちがいなかったら、他に発見された実験に使われ滅びた村みたいな状況になっていたんだろうなぁ……と思うと、ハタカ村はまだギリギリ踏みとどまれたので良かった。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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