気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

★3.5

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。8

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「あのですね、お話していない事がありまして」

「何だろう。訊くのが怖い気がする」

(略)

「一度も怖い話などしていませんが?」

 

表紙絵でスライムたちが探偵ルックな帽子と服や虫眼鏡持ってたりするの、可愛いですねぇ。アイビーも考えるような顔で虫眼鏡持ってるますし。仲いいなぁ。

本編はハタカ村でのエピソード。

ドルイドが森に違和感を感じていて、調査隊も派遣される事態になっていた。

捨て場に行ってみたら一切管理されている様子がないくらい荒れ果てていて……見つけられなかったけど、どこかに違法な捨て場が作られているだろうことも明らかだった。

不穏な気配がちらつく中ではありましたけど、アイビーがここでも料理知識を披露して、大人気屋台やってるのはほのぼのしてて良かったですねぇ。

 

ハタハフ町所属の上位冒険者チーム『風』の縁も出来て。

アイビーが無理やり連れられているのではないかとか、ドルイドが上位冒険者レベルの実力があるのに名前を知らないことに不信感を抱いて、探りに来た面もあったわけですが。

それでドルイドに変態疑惑かけられていたのには笑ってしまった。まぁ、そう見えるよ……。

怪しいところを調べる調査員としての顔もあるそうで、気になった事は無視できなかったんでしょうけど。

 

ハタカ村は禁忌とされる魔法陣を使う「誰か」によって多くの人が程度の差はあれど洗脳されている状況で。魔力の変異によってもたらされるそれらの異常を、魔力を食べるアイビーのテイムしているスライムたちが解消できることも発覚して……ここで縁を結べたのは問題解決につながる大きな一歩でした。

魔法陣の影響下に長く置かれていると体が崩壊すると言いますが、ソルとソラのコンビネーションで魔法陣の影響を取り除き、崩壊すらも治療できるのは強すぎる。

 

アイビーたちからしても、契約を用いて口外厳禁を確立した上で、2人の関与を出来る限り隠して、問題解決後に村から問題なく出られるように協力してくれる『風』と繋がりが出来たのはありがたいことですけどね。

まぁアイビーは、予期せず増えていく契約書の数に困惑してましたけど。アイビー以外の人々からすると、レアスライムだらけで魔法陣問題も解決できるソラ達の事って、爆弾情報以外の何物でもないからな……。

あとがきでは、この世界の闇を少し見せて、暗くなり過ぎないようにしたかったとされてましたが……かなりの大問題になっていったのは笑った。

冒険者アル2 あいつの魔法はおかしい

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「どうすれば、良かったのかな?」

(略)

「ゴホン、別に忘れる必要なんてねぇんだよ。心の中に仕舞っておきゃあいい。誰だってこういう事の一つや二つあるだろうぜ」

 

テンペスト王国から逃れて来た王女パトリシアを発見・保護し、辺境都市レスターの縁者に届けたアル。

パトリシアに仕える女騎士ジョアンナはアルをパトリシアの話し相手として呼びたいと言っていたが、アルは一介の冒険者に過ぎず。どうするのかと思ったら、ナレシュの臨時雇いの従者として、パトリシアと会う機会を作ってもらうことになって。

 

まぁ従者として雇われている関係で、その期間に魔物狩りが行われることになって、アルも同行することになっていたわけですが。

……魔物側に、アシスタント・デバイスを持っている奴が居たり、パッと名前が出てこないような珍しい上位の魔物が居たりと、こちらが想定していた以上の備えをしていたので、アルがフォローに入っていなかったら結構な被害出ていたでしょうね……。

 

隙間時間でアルはエリックの元を訪れて、浮遊眼呪文の習得をしようとすることになって。

その際に呪文のアレンジ……アルの言い方だとオプションとしてアレンジできそうなところについても情報を伝えて。

アル、過去の魔導師テンペストのアシスタントだったマラキと再び会って交流する中で、過去の魔術師はアルみたいに呪文にアレンジを加えていたという話も聞くことになったわけですが。

 

後にレダがアレンジ可能な状態で浮遊眼呪文の習得に成功したのは目出度かったですねぇ。

ただ発表の際に周囲の思惑もあって、エリックやレダの功績として扱われてしまってるということで、習得に成功したレダや発表したエリック達が、アルに対して申し訳なく感じているの、善性を感じて良いですねぇ。

アルは立場の無い自分だと名誉を与えられても困るし、そもそも信じてもらえないかもしれないという事で、あまり頓着してなかったのが救いか。

 

マラキの守護しているテンペストの墓所を探るように、テンペスト王国の軍隊が動いているのをアルが発見したり。守護の為に引っ越しの手伝いをした後、帰還したらレビ商会を監視している輩を発見したり。

パトリシアとは身分の差がある、と一線を引くようにしていたわけですが。そんな彼女に縁談が持ち掛けられている、という話を聞いて自分の本当の気持ちに気付くことになったりもして。

一方パトリシアを狙った暗躍が激化しているのも感じていたことから、アルは最終的にパトリシアと一緒に行動することになったわけですが。どうせなら2人に幸せになって欲しいものですが、どうなりますかねぇ。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚3

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「何が起こってもいいように、最悪のケースを考えながら行動するべきだ」

 

志穂乃の治療を頼んだセラフィナから、病ではなく毒だという事を明かされた司。

それは志穂乃が、死霊魔術というこの世界で忌避される力に目覚めたことが影響しているようで……かつて自分を暗殺しようとした王女アリアーヌの影を感じるわけです。

さらに、元クラスメイト達を戦力として確保した人間の国と魔族間の戦争も過激化しており……この世界で、特に魔族の国で人間である彼が生きていくには何かしらの後ろ盾が欲しい。

 

単純にセラフィナに取り入って、彼女に取り替わろうとしている叔父ラドリムを排除する方向にいくのではなくて。

自由傭兵としての活動実績を積み上げていくことで、ラドリムの眼にとまるようにして、彼に取り入ることを選ぶあたりが捻くれてしまった司らしい。

……いやまぁ、最後セラフィナに接触して契約のルーンを持ち出しているあたり、ずっとラドリムを仰ごうとしてるわけでもなさそうですけどね。

ラドリムの性格を想えば今は認められて仕事を任されていても、いつ排除されるかわからないしな……。

 

そうやってファンタジー方面での状況も進展しているわけですが。

美穂乃との関係に気付いた志穂乃。かつて想い人と姉が先に付き合うことになりコンプレックスを強めることになったこと、この世界で寝込んで孤独を感じていたことから、「見捨てられるのは嫌」という想いが強まって自ら踏み込んで司との関係を深めることを望んで。

さらに、大家さんのシルエとも肉体関係を持つことになったりと、順調にハーレム築いている感はありますが。他の転移者たちが、魔族の軍に対して優位を取るだけの戦果を挙げる強力さを示している一方で、司はまだその領域になくて。仮に今正面からラドリムと戦うことになったりしたら、彼を支持する派閥の戦力も加味するとかなり厳しそうですから司らしい工夫には期待していきたいところ。

オシバナ! 3

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「…あんたもあっち側 自覚ないんだろうけど」

「夢中になれる事があって 得意な分野が有って やろうと思えば何でもできる人間のくせに」

「自己肯定感もうちょっと上げたら?」

 

21話~30話を収録。

3巻以降、電子限定刊行となったそうです。

王子様と呼ばれる紗和が、彼女を推している大田君を好きになってしまって。

「推し」との関係変化について悩んでいく、という「推し話」で。紗和、大田君だけの推しじゃなくて、ファンクラブがあって学校中にファンがいるのが大田君を悩ませているわけですけど。

メインカップル(未定)の話がじりじりと進んでいる中で、生徒会長となった八王子と紗和の親友である茉莉花が付き合い始めることになったりしてて。

 

……なんならこっちの方がメインカップルなのでは……?。いやまぁ他シリーズでも、複数カップルのエピソード同時進行してたので、どっちもメインと言って良いんでしょうが。

2人が付き合い始めても、紗和と茉莉花の親友関係が終わるわけでもないですし。

八王子と大田君も生徒会長と副会長として、交流が増えているわけですし。

茉莉花が休みの日に、親友からいろいろ話を聞いてるシーンで、大田君が「八王子さん百合の間に挟まる男って感じですね」という台詞に「人の事言える立場か?」と返してる親しさ前提のジョークって感じがする。

同時に大田君「百合の間に挟まる男」ってどっちかっていうとオタクの文脈じゃないかなぁ。マンガ研究部の女子2人が持っている「どこまでオタク用語か一般かセーフか境界があいまいで、外野から見ててハラハラする」という警戒心というか、言葉選びのセンスを磨いた方が良いと思うよ……。

 

2人がキスしてるシーンとか見て「リア充」とか言っちゃったり、推し活に熱挙げてた通り根がオタクだからなぁ大田君。とはいえ、生徒会副会長になったり、色々表に出ることも増えるだろうから、レベルアップは必要なんじゃないかと。あと、いい加減紗和の想いに応えるかどうかの答えを出してほしい気もするし、そこがハッキリするときはシリーズが完結する直前とかになりそうだから、延々と悩んでくれてもええんやで……?という気もする。

 

茉莉花の方は「便宜上」とか進展しない2人にイラついた時にストレス発散に行く先、と表現して「彼女らしいことするつもりはない」なんて言っていますが。

まめに連絡を取ったり週末デートとかしない……といいつつ自然に八王子の家についていって、することはしてるの脳がバグりそう。

八王子も、この状況に置かれて他に好きな子が出来る人いるのか? って考えてますけど。

茉莉花の考え的には、相手を束縛する気はないってことなんでしょうけど、行動では相手をしっかりからめとってるんだよな……。

 

まぁ茉莉花は茉莉花で、ちゃんと紗和好きだった時期があって、でも八王子と関係を進めていく過程で、その恋が終わってしまったと感じて涙を流す場面とか、ちょっと切ないけど好き。しんどくて大変だったけど、楽しかった思い出だからね……。

紗和が隣で寝ていても、特にそういうことしたいとは思わない。けど、八王子が無防備に寝てたらセクハラするという茉莉花、ちゃんと八王子のこと好きじゃん……。

春夏秋冬代行者 春の舞5

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「雛菊 ね さくらとこれからも 生きて いきたいの…」

 

1822話を収録。

囚われの撫子に権能の使用を強要する【華歳】の御前、いやぁ良い笑みですね。悪党の、容赦ない微笑みだ。

夏主従と秋の護衛が撫子の探索に赴いている間、四季庁舎で残っている春主従。

……さくらにとってかつての友と師ではあるけれど、絶対的な主を失った原因でもあり……どうしたって複雑な思いを抱いている。

 

雛菊も狼星を慕う気持ちはあるけれど、誘拐された生活の中で心を病み別人という自認をしている歪んだ状態になっているわけで。

そんな中でも、「今度は雛菊がさくらの心を守る」と。今より少し楽になれる道もあるはずだ、と希望の道を示してくれるの春の代行者って感じがして良いですねぇ……あたたかな気持ちになる。

 

ただ優しいだけじゃなくて……裏切り者と族が動き始めて、春主従と冬主従がそれぞれ襲撃を受ける展開になっていくのは慌ただしいですけど。

内部に裏切り者仕込んでいるの、根が深いなぁ……。代行者の事を想う一般人的な感性がありつつ、恐怖で支配しているのが賊のやり口。

撫子を追いかけている夏主従と阿左美が、賊への不満を思いっきり口にしてくれるシーンは賛同しかない。

本編がどこもシリアスモードなので、あとがきページにあるオマケ4コマがほのぼの夏主従なのが良かったですね。……夏の代行者である瑠璃があやめに扮して離宮脱走してたの発覚する話なので、瑠璃もバレて気まずいし護衛であるあやめが鬼の形相になってるので、当人たちは穏やかじゃないですが……。

森の端っこのちび魔女さん

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「自信が無い時こそ堂々としていなさない」

本格的に薬師を目指すと誓ったときに、母親に最初に教わったことだ。

時にはハッタリだって必要な技術なのだ、と。

(私は出来る。この命は助けられる。大丈夫。大丈夫)

 

主人公のミーシャは、母と一緒に森の奥に創られた丸太づくりの家で母と二人きりで過ごしている少女。

彼女の父はこの国の公爵であり、見分を広げる旅の途中で恋に落ちて……母親であるレイアースは、今住んでいる国から遠く離れた地の薬師の一族であったが、一族からの反対を押し切ってこの国にやってきたとか。

ただ、それまでの暮らしと違う環境と……正妻との折り合いが悪かったりした結果、は公爵邸を離れて森での暮らしを選んだそうです。

月に一度は父親もミーシャ達に会いに来ていたようです。ミーシャは母から薬師の技を教わりつつ、穏やかな暮らしを送っていたとか。

 

しかし、隣国との戦争が勃発してしまい……これまで以上に傷薬などの需要が増して。

公爵位である父もまた戦争と無縁ではいられなかった。

早く平穏が訪れれば良いのにとミーシャは願っていましたが……その祈りは届かず。

森の家にやってきたのは父ではなくその部下で。さらに「公爵の容態が危うい」という報せまで携えていた。

騎士の馬に同乗させてもらう形で公爵邸へ駆け込み、母の治療を手助けしたり。

母が父にかかりきりになっている中で、手が空いたミーシャが他の重傷者の治療にかかったり。

 

ミーシャの自認としては「ようやく見習いの文字が取れたくらい」らしいですけど、幼いながらになかなか覚悟が決まっていて良いですね。

父が死に瀕しているのを感付きながらも、泣きそうな気持をこらえて母の治療の手助けに奔走していましたし。その後も、一人で治療にあたるのがほぼはじめてなのに、気遣いを忘れず、怯えを最後まで患者の前で出さなかったりしてましたし。

 

レイアースは実は『森の民』と呼ばれる、医療技術の発展のために力を注ぎ、国境もなんのそのと超えてしまう行動力のある人物もまぎれていたり。

その力を狙った国に「報い」を与える苛烈さもあって、今では不可侵のような扱いを受けている存在だとかで。

そんな中で恋から国を出奔したレイアースと、彼女から一族の技術の一端とは言え学んだミーシャはかなり特殊な立場みたいなんですよねぇ。

実際、生死の境をさまよっていたミーシャの父である公爵様を救いあげることにレイアは成功したわけですし。

 

……レイアースの知る輸血技術が不完全だったことと、彼女の情の強さから限界を超えて輸血して、フラフラ状態のところで彼女を疎ましく思っている正妻の娘と鉢合わせて。レイアースが命を落としてしまう結果になったのは、痛ましい事件でした。

公爵様が、正妻とその娘に対して果断に対処してくれたのは、せめてもの救いでしたか。……彼自身も言っていましたが、レイアースと恩人から頼まれたことでかつてレイアース相手に手を下した際に、正妻との離縁を諦めたことは失着だったとは思いますけど。

 

正妻ローズマリア、他国へミーシャの情報を流して売る事さえして。

その結果として、ミーシャの世界が広がっていって、彼女のお節介で救われる人もいるので結果的には母を失ったばかりのミーシャにとって悪いことばかりではない旅路を過ごせているのは良かったですけど。

……そもそもローズマリアの行いが無かったら、レイアースの死までなかったんだよな……。中盤からのミーシャの旅路は好きなんですけど、ローズマリアの存在がうぐぐってなります。

まぁ、良い悪役ではありますよね。物語を動かして早々に退場してるし。ミーシャが凄く良い子で、見ていて微笑ましくなるので作品全体としては良作です。

精霊つきの宝石商1 特別なエメラルド

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「俺たちは、君にその力があるからこそ、君を養子に迎えたい。だが、君を利用する気はないんだ。……精霊に愛された人間が魔力を流した魔宝石を見るのは、今日が始めてだ。この輝きを見られただけで、もう人生に悔いはないとさえ思える」

 

気付けば子供の姿になって異世界に迷い込んでいた主人公のエマ。

彼女は、宝石を眺めるのが好きでジュエリーを心の支えにブラック労働を乗り越えるOLだったようですが。

迷い込んだ異世界で、直ぐに見つけたのが宝石を売っている店で。

それもただの宝石じゃなく、魔力が込められた魔宝石と呼ばれるものだった。異世界に迷い込んだエマは、なぜか魔力や魔力に惹かれる精霊を見ることの出来る特別な目を宿していた。

……いやまぁ、目だけじゃなくてエマ自身が精霊に愛されているみたいで、彼女が魔宝石に魔力を込めるととんでもない代物が出来てしまったりもするみたいです。

 

宝石商の夫婦は、エマが精霊に愛されていることを知った上で養子に迎えて、でも利用する気はないと言った通りに、彼女に無理に魔力を込めさせるようなこともせず、誠実に愛して育ててくれてたみたいで、異世界転移最初の出会いがこの夫婦で良かったですねぇ。

長らく子宝に恵まれていなかった夫婦に、エマを養子に迎えてから実子が出来たみたいですけど、姉妹仲も家族仲も良好みたいですし。

そしてエマが成長したある日、2号店をエマに任せたいという話が出てきて。エマはそれを受けることにしたわけですけど、妹のアナベルも魔力がないから魔法石を直接扱う事は出来ないながら、姉の手伝いがしたいと会計士の資格を取ろうと頑張ったり、緊張してる時相手に癒してもらったりしてるの、実に微笑ましくて良い。

 

既製品とセミオーダーを行っていた一号店と違い、フルオーダーと、庶民向けの安価なアクセサリーを用意した2号店という違う方向性で戦おうとしてるのも、ちゃんと考えてますね。

客層違うけど、フルオーダーなんてそんなポンポン来るものでもないし、別の路線の商品おいてるのは正しいと思う。完全ブランド化して、フルオーダーだけでなんとかなるなら特化していっても良いと思いますが。庶民向けの安価なアクセサリーとかまだ広がってない世界みたいですし、どっちも挑戦的な路線だから試行錯誤は有り。

 

……まぁ初期からとある伯爵から、「妹に贈るための宝石が欲しい」という依頼を貰って。

自分も妹大事にしてる身だから、と精霊に愛された子である自身の特性を駆使して依頼を達成したところ、なんだかんだ交流が増えくことになるわけですが。

店主と客、貴族と平民という始まりなのと、エマの性格もあって素直に友人とは言えないあたり不器用だなぁ……とも思いますが。良い友人付き合い出来てる感じがするので良いですね。

お店的に考えても、上流階級への繋がりになりそうな縁だし。貴族からの依頼をしっかり果たしたのは、今後の評価的にプラスだろうし。

エマも魔法石……というか宝石全般に魅了されている子ですが、彼女と縁のある人も同じように宝石を愛している人が多くて、優しい世界で癒されました。

乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル4

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「私はもう逃げない」

「アリア……」

 

魔物ヤドカリが洞窟や遺跡を「殻」として一体化した、生きた構造物とされるダンジョン。

そこに生まれた「ダンジョンの精霊」っは、最下層を訪れた者に加護を与えると言われていて……。

クレイデール王国は隣国との対抗手段を得るために、若い王族がダンジョン攻略に挑むことが決まったとか。

そのメンバーにはアリアの同志である第一王女エレーナのほか、王弟や王太子と彼の婚約者たちがいて。……婚約者の一人として、アリアと因縁の出来た狂気の少女カルラが参加するって言うのが恐ろしい。

 

アリアはヴィーロからそのダンジョン探索の話を聞き、エレーナを守るために『虹色の剣』というクランに参加することになるわけです。

まぁ、初手は断ったんですけど。実にアリアらしい。

元孤児の冒険者であるアリアがいかにランク4とは言え、王女個人からの信用だけでは護衛任務に就くのは難しい。そこで、目的の為に協力するって言う打算でいいから一旦クランに入れという方向に話を持って行ったヴィーロは強かでしたねぇ。

 

そしてついにエレーナと再会できる流れとなったのは良かったですけど。

まだ若い少女であるアリアが、名の知れた『虹色の剣』に加入しようとするのに文句をつけてくる輩が居たり。懲りもせず暗殺者ギルドに絡まれたりとかもしてましたし、アリアの人生は相変わらず波乱続きですねぇ。

願いをかなえるダンジョンの精霊。エレーナは健康になることを願い、カルラはさらなる力を望んで。王太子の婚約者でもある転生者クララは、未来を恐れるあまり先の可能性を知る力を得た。

 

アリア個人は特に望みも無かったようですけど、彼女がかつて精霊が目を掛けたメルローズの血を引いていることから声を掛けられて、予期せぬ贈り物をもらう羽目になったりして。……加護を与える相手は気まぐれらしいですけど、今回は女子のみという結果になって王太子周りはいろいろと思う所ありそうというか、この後が大変そうではあります。

エレーナが健康になったことと、アリアが逃げない覚悟を示してくれたことで覚悟を決めたのもありますし、まだまだ平穏は遠そうです。

……カルラとか言う爆弾少女が居る以上、安定って儚いんですけどね、そもそも。アリアとカルラの決着がつく時はまた荒れそうですねぇ……。


異世界刀匠の魔剣製作ぐらし2

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「君には敵も居れば味方もいる。それだけは忘れないで欲しいね」

 

鬼哭刀を携えて武具自慢の集まりに参加した伯爵、マクシミリアン。

そこでベオウルフ・エルデンバーガー侯爵から、とある話を聞かされることに。南の国境で十年ほど小競り合いが続いていた異教徒の国と和平交渉が進んでいること。その際に贈り物をしあう文化があるとかで、交渉材料の一つとして鬼哭刀を使うことになるかもしれない、ということ。

 

ちゃんとマクシミリアン相手の見返りも用意しているあたり、侯爵もしっかり政治やってるなって感じでしたが。付与術については詳しくなく、蛮族と侮っている相手にしてやられて、難易度の高い「光属性の付与を五文字で」という無理難題に肯いてしまうことに。

ゲルハルトが叫んでいたのもむべなるかな……。

刀鍛冶ルッツと、装飾担当のパトリックが最高の物を拵えてなお、ゲルハルトは成功するイメージを持てなかった。

そんな時彼の弟子であるジョセフが「付与に耐えうる宝石に心当たりがある」と言い出して……相手が交渉の席に持ってくる「覇王の瞳」と謳われるダイヤを付与に使って、相手に贈ろうとか言うトンデモ提案をすることになっていたの、ちょっと笑っちゃった。

まず伯爵に説明し、連れ立って侯爵の説得にいき、三人で国王を説得しに行って誰もが怪訝そうで心配してくるのも分かる。

 

会談の現場で見事付与を成功させたのはお見事でしたが……あまりに見事過ぎたことで逆に隣国が乱れることになろうとはね……。

和平交渉で五年の停戦を約定したから王国側からできる事はほとんどない騒動は、正直まだ尾を引きそうな気配がありますけど。

一旦は交渉がまとまったのも確かで。その交渉材料として寄与した刀の製作者であるルッツは未だに誰の庇護下にもない流民の扱いであった。

そのため、ゲルハルトを通じて伯爵のお抱え職人になるという話が出て……ギルドに所属していないけれど、お抱えになった以上は付き合いもあるということで刀作成の場面を親方衆に見せていたのは、クラウディアの提案でしたがなかなか良かったのでは。



異世界刀匠の魔剣製作ぐらし

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「申し訳ありませんが研ぎの仕事がまだまだ残っています。場所をお教えしますので後日、俺の工房に来ていただけませんか」

「金貨数百枚単位の仕事だとしても、優先できませぬか」

「金額で優先順位を変えるような事をしていたら信用を失います。木こりからも、貴方からも」

「わしからも、か」

 

主人公のルッツは、城壁の外で暮らす訳アリの鍛冶師。

厳密には訳ありだったのはルッツの父ルーファスで、彼もまた鍛冶師であったがトラブルに見舞われ流浪の民となり、その果てに結婚相手を見つけてルッツが生まれ……ルッツは父から鍛冶の技を叩きこまれたそうです。

ただまぁ、ルッツも鍛冶ギルドには参加していない、領主が管理していない城壁の外で凶器となりうる刀を作っている、不審人物扱いされても文句は言えない立場ではあったようですが。

 

馴染みの商人クラウディアから斧とかを頼まれて作っていたみたいですが。

ある日、父の教えを糧に、まるで魅了の魔術でもかかっているかのように人を引き付ける刀を作り上げることに成功。

傑作ではあったものの、先述の通り立場のある身ではなかったために、売る宛もなく倉庫の肥やしになりそうでしたが。

クラウディアが冤罪で囚われたと聞いて、その代価として刀を手放すことに。

知人を助けるためだとかいろんな事情があった上での行動で……なんだかんだその後クラウディアと懇ろな関係になっているので、得るモノが大きかったんじゃないでしょうかね。

 

クラウディア冤罪で捕まえたみたいに、取り締まり担当している騎士団の下っ端はゴロツキみたいな連中が多いみたいで、そこはなんだかなぁ……って感じではありましたけど。

その刀が巡り巡って領主の信頼厚い職人、付与術士のゲルハルトの手に渡ったことでルッツ達の運命は変化していくことになるわけです。

 

付与術士という字面から分かる通り、ゲルハルトは物体に文字を刻み特殊な効果を齎す術を扱う職人であったわけですが。単体でも人を魅了し、刃傷沙汰にもなり得る武器に「魅了」の術を刻むあたりぶっ飛んでるんですよね……。

そんなゲルハルトに目を掛けられることになったルッツも、どうしようもなく職人肌で。交渉を担当してくれるクラウディアが傍にいてくれるの、実利的な側面から見てもかなりありがたい。

 

ゲルハルトとの縁が出来たことで、領主に献上する刀を作ることになったりもしてましたが。

ルッツ、刀造りは得意でもネーミングセンスに欠けていたりするみたいですから、そのあたりもクラウディアがサポートしてくれてたのは良かったね……。

鬼哭刀と名付けられた刀を伯爵が気に入ってくれたのも何よりでした。ゲルハルトと付き合いの長い、停滞し続けていた鍛冶士ボルビスと知識を伝え合う機会にも恵まれて……ボルビスの作った刀をゲルハルトが振るうシーンが印象的で良かったです。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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