「あのですね、お話していない事がありまして」
「何だろう。訊くのが怖い気がする」
(略)
「一度も怖い話などしていませんが?」
表紙絵でスライムたちが探偵ルックな帽子と服や虫眼鏡持ってたりするの、可愛いですねぇ。アイビーも考えるような顔で虫眼鏡持ってるますし。仲いいなぁ。
本編はハタカ村でのエピソード。
ドルイドが森に違和感を感じていて、調査隊も派遣される事態になっていた。
捨て場に行ってみたら一切管理されている様子がないくらい荒れ果てていて……見つけられなかったけど、どこかに違法な捨て場が作られているだろうことも明らかだった。
不穏な気配がちらつく中ではありましたけど、アイビーがここでも料理知識を披露して、大人気屋台やってるのはほのぼのしてて良かったですねぇ。
ハタハフ町所属の上位冒険者チーム『風』の縁も出来て。
アイビーが無理やり連れられているのではないかとか、ドルイドが上位冒険者レベルの実力があるのに名前を知らないことに不信感を抱いて、探りに来た面もあったわけですが。
それでドルイドに変態疑惑かけられていたのには笑ってしまった。まぁ、そう見えるよ……。
怪しいところを調べる調査員としての顔もあるそうで、気になった事は無視できなかったんでしょうけど。
ハタカ村は禁忌とされる魔法陣を使う「誰か」によって多くの人が程度の差はあれど洗脳されている状況で。魔力の変異によってもたらされるそれらの異常を、魔力を食べるアイビーのテイムしているスライムたちが解消できることも発覚して……ここで縁を結べたのは問題解決につながる大きな一歩でした。
魔法陣の影響下に長く置かれていると体が崩壊すると言いますが、ソルとソラのコンビネーションで魔法陣の影響を取り除き、崩壊すらも治療できるのは強すぎる。
アイビーたちからしても、契約を用いて口外厳禁を確立した上で、2人の関与を出来る限り隠して、問題解決後に村から問題なく出られるように協力してくれる『風』と繋がりが出来たのはありがたいことですけどね。
まぁアイビーは、予期せず増えていく契約書の数に困惑してましたけど。アイビー以外の人々からすると、レアスライムだらけで魔法陣問題も解決できるソラ達の事って、爆弾情報以外の何物でもないからな……。
あとがきでは、この世界の闇を少し見せて、暗くなり過ぎないようにしたかったとされてましたが……かなりの大問題になっていったのは笑った。