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「心で負ければ剣も鈍る。諦めに流されて笑うな、それは不義理だ。最期の瞬間まで背負い、歯を食い縛れ」
剣と魔法の世界に転生した主人公。
彼は、物語の主人公のように自分が活躍するのではなく、勇者を後方から見守る老兵になって「俺はお前を誇りに思う」と渋く決めるポジションに憧れていた。
農家の三男坊として生まれたものの、その理想に向けてちょっと夢見がちな部分があったため、現実を叩きこもうと猟師の爺さんに預けられることになって。そこで剣術や罠についての知識を叩きこまれることに。
この世界の魔獣はかなり強く、複数の前衛で足止めして魔法使いの攻撃によって仕留めるくらいの事をしないと打倒できない。
主人公の棲んでいる村の近くにある山にも、魔獣が住み着いていたけれどそれだけの戦力を揃えられず猟師の爺さんが罠も駆使して、なんとか追い払っているような状況だったとか。
主人公はそのあたりの常識に疎く……一度は魔獣に無謀に挑むも敗走。そこから鍛えに鍛えて、自分の剣の腕一つで魔獣を狩る力を身に着けることに。
初期の頃は「同じところに何度も攻撃することで、打ち破る」って言う力業でやっていましたけど。技術が洗練されるにつれて、極まった技術によって剣が魔力を纏い「枝で薪を斬る」みたいな超絶技巧を披露する領域にまで踏み込んでいるの、トンデモないですよね。
渋い師匠キャラになりたいぜ! って欲求だけでそこまで鍛え上げられるの、素直に尊敬する。
この作品は、主人公目線で描かれるかなり軽いテイストの「表」、その章で関係することになる現地キャラ達の視点で主人公の異常性が描かれる「裏」で構成されています。書籍化にあたって更に加筆要素である「補」が加わった一話ごとが三部構成になっているのが楽しいですね。
「表」だと主人公、わりと必死こいて振舞っててテキトーなコト言ってるつもりで、渋いRPには向いてないよ……って感じなんですが。「裏」や「補」で描かれている主人公の姿は、彼の目的とする姿そのものでギャップが面白い。
独りで魔物を狩れる実力を得てからは、弟子を拾い鍛え……その弟子がある程度育ったらまた別の場所にいく、と言うサイクルで動いてる主人公。
そんな彼を師と慕う弟子たちは、師匠に倣ってある程度拠点としてた地域の魔獣討伐を行って状況が落ち着いたのを見てから、師の背中を追いかけることに。
たまたま拾った弟子たちが、主人公の剣を会得できる根性のある子ばかりだったのは、運命を信じたくなりますねぇ。