気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

★4.5

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です!

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「しかし――どんな英傑であれ、魔王退治とは古来幸運が絡むもの。手にした勝利を疑う必要はないかと思われますよ、十六夜様」


アジ・ダカーハを倒した「ノーネーム」たち。
それから三か月がたち、事後処理なども色々と進んでいるようです。
連盟は無事に締結できたようで、例の金剛鉄の鉱床のある回想で、六本傷が主導となってゲームを開始して。
今回の事件も影響して、ポロロは大きな計画を実行しようと企んでいる様子。

ただ、十六夜は、未だにあの戦争時の口惜しさから脱しきれておらず。
当主であるジンが、ウロボロスの元から戻らなかったため、組織としても停滞していて。
飛鳥も、己の為すべきことを見定め行動することとなり。
春日部は、自分の能力のペナルティについての研究をして、参加者としての実力を伸ばす。
第一部完結ということでのまとめのエピソード。

十六夜や飛鳥の経歴についての考察も進んだり、状況は変化していっている様子。
コウメイとクロアが話していたクロアが話していた「箱庭に戻ってきた本当の方法」だとか、十六夜と約束していた明かすと言っていた事柄とか、その辺があまり出てきてなかったのは残念。
第二部がすぐに控えているから、数年後~とか先に持っていくネタもありましたしね。
しかしまぁ、ジンは自分でウロボロスについていったようですけれども。なにを考えているんですかね。
ペストが登場しなくて、遊興屋がまた暗躍しているようで、何を唆しやがった、と気が気でない。

気になっていたアレコレ。
サラは鷲龍の角を取り戻したようで、療養しているみたいですが、動けていたので一安心。
マンドラたちが覚悟を決めたことが、混世魔王のゲームに影響を与えて、サンドラも解放されたようですし。
……今回登場していなかったけれど。火竜の先代と交渉したとか言ってましたが、引退した癖に暗躍しやがって……
混世魔王が、初登場時の小物っぷりから信じられないほど、魔王としての格を上げてきていてびっくり。
「魔王は不退転」と啖呵を切ったときから思っていましたが、覚悟を決めてるその姿には、こちらが圧倒されるほどの熱量と迫力があった。

最強の軍神(笑)さんがさすが黒ウサギの系列だ、と納得できる。
締める時は締めてくれてましたけど、こりゃあ七天の覚えもよくないというか「動けばろくなことしない」とか評されるのも納得できますな……
いやぁ、それにしても今回のゲームのオチは耀がかわいそうだった。
ルイオスが負けながらも、男気を見せて、初期のボンボン御曹司から成長していたというのに。
耀は成長していても、オチがアレか。荒々しく伝説を打ち立てて、しょっぱなから負け負けとか……つら。
頑張れ、耀。実力はついているんだから、先は明るい……はず。

十六夜と七日七晩戦えるほどの実力がついているとは少し驚きました。
彼も、消沈していたから「勝てないかも」とか言ってましたが「足元並」とは認めてましたし。
「ジン・ラッセルのノーネーム」として十六夜が作戦を建てた時、「俺並とはいわないが俺の足元並は欲しい」と言っていましたが。それだけ広かった差を、耀と飛鳥が埋めてきた。
今回十六夜は迷ってましたから、それを支えてくれる同士がいることは本当良い事だと思いました。

そして、今回のもう一人の主人公はフェイスレスでしょう。
まさか彼女の仮面の下にある秘密が、あんなものだったとは。
あれほどの実力を身に着けるのに、どれだけの時間を懸けただろうか。
それだけの努力をしてつかみ取ろうとした夢の果て。
アレは、反則だろう。飛鳥の成長があった事もそうですが、決闘の場面は本当に見ごたえがあった。

第二部のプロローグが語られていましたが。
ここで焔たちが出てくるのか。あと、意外な人物が関係してきたというか。
あの二人いったい何をしているのさ……いや、片方は予期せぬ幸運というか奇跡のような出来事、のようですけど。
今から第二部が楽しみ。6月に発売予定だという事で、短期間で出てくれるのはありがたいですねー。


クロックワーク・プラネット3

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代償を支払ってもらう、と彼は言った。
それはつまり、払う必要のないものに代償を求めない、ということだ。
同時にそれは、自分が代償を払うことを躊躇わない、ということでもある。
(略)
ただ己の大事なものを傷つけた存在に対して、その代償を求めただけ。その為に必要なあらゆる代償を覚悟した。
これはただ――それだけの事なのだ。


榎宮祐とその友人、暇奈椿による共著。
……のはずが、今回暇奈さん協著になってるんですが。
まぁ、後書きによれば、作業量半々になるはずが、やり取りしている中で大体榎宮祐さんが書いたからこういう書き方になっているそうですよ。
いや続き読めるなら何でもいいんですけど。てっきり榎宮祐さんの体調の問題で続きでないのかと思っていたら……二人での執筆とかは中々手間なところがありそうですよね。

閑話休題で本編。
前回の最後に起動した、巨大兵器。
時計仕掛けの惑星において禁忌とも言える、かつて人類が活用していた電磁技術を用いた攻撃。
ま、名目上は禁止されていても各国秘密裏に実験したりはしてるみたいですけど。
敵の攻撃によってハルターとかも活動停止してしまう訳なんですが……
自力で脱磁できるとかYシリーズまじチート。まぁ、アンクルはすぐに動けましたが、リューズの方はちょっと無茶してしばらく活動停止してましたけど。

ナオトの本性が出てきた、といいますか。
これまでは、単純に異能とでも言うべき耳を持っているだけの少年で、機構を愛しているっていう面が出ていましたが。
いざ覚悟を決めると彼ほど怖い相手もいないっていうのがよくわかる感じでしたね。
マリーはマリーで天才という評価に恥じない成果を信じられないほどの短時間で上げてましたが。
この二人のタッグは本当に敵なしなんじゃないかって感じがします。
異能による知覚と、調整・整備する技術。
お互いにない物を持っていて、補い合って活動をしていた感じですが。
今回の事件を通して、それぞれの蓋が外されて、こう、恐ろしい存在が二倍になった感じすらするんですがどういうことなの。

兵器を持ち出した敵の思惑通り、政治家とかが面白いぐらい混乱していて、呆れるを通り越して笑うしかなかった。
唐沢さん本当にお疲れ様です。常識人があの中に一人とかかなり大変だったろうに。
実際最後仕事頑張りすぎて痛い目見てますけど。なかなかいいキャラだったのでいつか再登場してほしいなぁ。

序盤は、反撃のための糸口探しってことで若干冗長な感じもしましたが。
いざ行動を起こせば、一チームとしては戦力過剰だからなぁ、コイツラ。
おっかないにもほどがある実行力を以て、途中綱渡りこそあったけれど、目的を達成するんだから流石。
今回の事件は解決したものの、謎は残ったというか最後にあからさまに黒幕自称する怪しい輩からの通信があったりしましたしね。
敵さんの目的はいったい何なのか、気になるところです。


魔女の心臓5

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―・・・雪が降る
全てを白く覆い隠しながら
でも 雪に覆われたその下に 罪はそのまま横たわっている
一度赤く染まった雪は 自分が血に染められたことを忘れない


相変わらずイラストが綺麗で、魅力的です。
巻頭のカラーのイラストとかもやっぱりいいですねー。
この絵が好きです。世界観とかも好きですけどね。
22話~27話まで。
途中に、前中後の三部構成の作品があるので、エピソードとしては4つかな。

戦争に負け今まさに滅びに向かわんとしている国。
実際の戦場は領地から離れていた場所だったのか、城に残った姫は、人々を逃がし、王族の使命として死のうとする。捕虜として辱めは受けない、と。
誇り高く生き、誇り高く死ぬために。高潔な姫とそれに使える騎士の話。
ミカは死なないけれど、剣術はなんちゃってだから、しっかり鍛えた騎士には叶わないそうですよ。
まぁ、剣で敵わなければ別のところで戦う応用力があるからミカ強いですけど。

雪の降る、教会のあるまち。
しかしルミエールも言っているけれど、ミカ教会運ないな。
暗部を抱えた怪しい教会だったようで。
「私は世直しの旅人ではないし 他人の事情を進んで掻き回す嗜好もない」
とはミカの言ですが。
まさにその通りで。ミカが自分自身の目的の為に長き旅路にあるから、死なないからこそ、命やほかの人の決断を尊重する。ミカの姿勢はなかなか潔くて好きです。

道中でであった、軽い男と、山賊の統領を務める娘の話。
奇妙な縁と、奇妙な山賊たちの話。
外道な商売をしないっていう山賊たちの妙なやさしさというか真っ当さが何とも言えないテイスト。
まー、優しいエピソードではあるのか。

一番ファンタジー要素が強い、猫耳をつけた人々のまち。
ルミエールからして竜だし、ケットシーなんかもいるのか。
ケットシーによって開拓された街、という触れ込みでしたが本当は。
この町に迷い込めたのは、ミカの魔女としての縁かルミエールの竜としての縁か。
微妙に気になるところですが。異色な旅人ってことは影響しているんじゃないのかなぁ。

次回予告で「ミカがまだ魔女になる前の話」があると出てるので、話が動いていくんですかね。
楽しみ。

魔女の心臓(5) (ガンガンコミックスONLINE)
matoba
スクウェア・エニックス
2014-08-22

Fate/Apocrypha4 熾天の杯

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「じゃ、出会うのは無駄か?」
「全く無駄だ。完璧な存在であれば、本来は誰かと出会う必要などない。出会い、語るのは己に何かが欠けていて、それを埋めようとするからだ。だが悲しいことに、全く持って完璧とは程遠い。だから他人と出会って寂しがる感情を埋めなきゃやってられない。つまり――出会いは贅沢なものだ。そう思えば、どんな不快な人間と出会っても我慢できるぜ」
「なんて捻くれた理論だ」


やっぱり四巻で終わるはずがなかったんや…ということで。
後書きにもこんな叫びが乗っていました。

「きのこ。全四巻で終わるといったな。あれは嘘だ」
「だから言ったじゃんか、これ四巻で終わらないって!」


まぁ、無理にまとめようとするよりは派手に書いて冊数増えたほうが読者としてはうれしいです。
下手なたたみ方されると一気に萎えますし。
巻頭のカラーイラストは、赤の陣営のサーバントたちの能力。
まだ明かしていない手札もあるようで、さてこれがどうやって展開されていくのかが楽しみでなりません。

今回退場したのは黒のアサシンだけで、あまり大きく動きはなかった感じですかね。
いや、フィオレが自分の道に対して決断を下したり、赤のアーチャーと聖女の間に因縁が発生したりと、順調にイベントはこなしていっているわけですが。
黒の陣営が準備を整えて、攻撃を開始したところで幕。
さて、誰が勝ち抜きますかね。
黒のアーチャーと赤のライダーの戦いなんかも気になりますし、キャラが多いのに、魅力が減衰していないのはいいですねー。

シロウの陣営、黒の陣営、黒のアサシン。
前回築かれていた三つ巴な状態は、アサシンの退場で無事に元の二極となりましたが・・・
まぁ、あれを無事と言ったら色々と問題はありますか。
空中庭園で逃げるシロウたちに、いかにして戦いを望むのか。
フィオレ、思い切ると怖いね……。

気になっているのは、赤のセイバーの同行。
個人的には獅子劫の過去とかにはなかなか壮絶なものがあって流石は魔術師という感じですが。
獅子劫はこのシリーズでも特に気に入っているキャラです。
でも、なんか彼らに勝ってほしいという気分にはならないんだよなぁ。
セイバーたちの目的とかよりも、ルーラーが二人いる大戦というシチュエーションに目が行ってしまうので。
なんかあまり一騎に入れ込むっていう読み方をしていない気がする。

個人的な話はさておき。
空中庭園に攻め込んだ以上、もう撤退するという選択肢は飛び越えた場所に場面はうつりました。
シロウの願いは実現するのか、英雄たちの因縁の対決はどんな決着を迎えるのか。
次が待ち遠しいところです。


ブランコ乗りのサン=テグジュペリ

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芸のために、捨てられるものの多くを競う私達。若さ。時間。肉体。感情。青春と呼ばれる日々。
そしてそれと引き換えに手に入れるのはひとつだけ。
「美しくありなさい。ほんのひとときで構わないのです」
私はまぶたをおろし、ひととき、という言葉を考える。
「そのひとときだけが、あなたがたを、永遠にするのですから」
そうして、永遠を手に入れた者は、その先に何を見るのだろう。(後略)


天災後に設置された、復興のためのカジノ特区。
そこにある、少女サーカスの物語。
少女たちの、想いが痛いほど伝わってくる文章。
誰もが真剣で、形は違えど、逃げていないんだろうな、とそう思いました。

サーカスの演者たちは、過去の作家の名前を襲名して演技をしていた。
ブランコ乗りはサン=テグジュペリ。
猛獣使いはカフカ。歌姫はアンデルセン。
他の生き方を知らないといい、人生を、命を、全てを賭けている少女
その身と愛情でサーカスを守る決意をする歌姫。

サン=テグジュペリを襲名した少女は、練習で失敗し怪我を負う。
舞台に立てない間、彼女は双子の妹に代役を頼む。
姉は曲芸学校に通い、演者となるために全力を尽くしていた。
妹は、学校には通っていなかったが、その天賦の才で演技を行うことができた。
涙海と茉鈴が交わしていた会話。妹の方が才能がある、けれどブランコ乗りになるのは私だ、というものが印象に残っていますが。
代役としてたった愛涙。周囲の状況に圧倒され、怯えているような部分もありますが。
それでも最後、決断を下したところでは、花開いた、美しさがあったと思います。

誰も彼もが、歪んでいて、だけど魅力的で。
こんな少女たちが演じているからこそ、襲名を目指す学校に、人が集まっていくんだろうな、と思います。
綺麗なだけじゃない、嫉妬や羨望、果ては陰謀まで渦巻くけれど。だからこそ、そこで咲く少女たちの演技は、美しく、「花の命」という喩えが輝くのでしょう。

ブランコ乗りのサン=テグジュペリ
紅玉 いづき
角川書店(角川グループパブリッシング)
2013-03-01

感想まとめ

各レーベルごとのまとめ記事に飛ぶための記事。
続きを読む、でリンク一覧表示。
とりあえず枠だけ作ってある記事もあります。
一応まだ枠だけなリンクには (仮) をつけてあるので、ご注意ください。 

最近の読書傾向が偏っているので、どうにも(仮)が取れない場所がありますが、そのうち書きます。
枠創った以上、記事を書くつもりはあるんですよー。一応。 

2019年8月24日更新
感想一覧に「富士見L文庫」、「LINE文庫/LINE文庫エッジ」、「感想(その他ジャンル)」を追加。
続きを読む

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 降臨、蒼海の覇者

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「貴方は自分の血筋が自慢みたいだから。誇りであるその〝鷲獅子”と、〝龍馬”の血を――そのすべてを捻じ伏せて、貴方の誇りを打ち砕く……!」
友人の傷を嘲笑った償いとして。
血族という驕りを砕いてみせると、耀は告げた。


魔王のゲームをクリアした後ともあって、ちょっと穏やかな日常編。
盛大に行われている、アンダーウッドの収穫祭が舞台です。
まぁ、最期にはギフトゲームをやってますが。

ペストの斑梨販売時のやりとりが吹いた。
シャレになってないよ本当に。
最初のレティシアのメイド姿のイラストとかもよかったですねー。
しかし、読み直していて思い出したんですが、そういえば、ノーネームの地下工房で何か異音がするとか。
これ特に回収された覚えがないんですが、何が起きてるんですかね。
しれっと白夜叉のことにも触れられていましたが、本当に強かったんですね、あの人。

今回は西遊記ネタで、牛魔王が登場します。
登場といっても、手紙だけなんですけど。四桁に拠点を置く魔王ともなると、登場せずともすごい迫力といいますか。
あの手紙はなかなかいい演出でしたよねー。
南で十六夜たちが巨竜を対峙していましたが、本当に箱庭世界はまだまだ上がある、というのを実感できる感じがしました。

さて、主力がそれぞれのやりかたで祭りを満喫している一方で、ジンはリーダーとし行動しています。
十六夜がひな形を提示した、ノーネームの売り込み戦略。
それを次の段階に進めるための交渉を行うのですが……ジンも成長しましたねー。
うまく手札を隠し、優位に交渉を進めて、決着つけましたよ。
別のところではガロロが、飛鳥の能力について分析していたりと、日常とはいうものの、いろいろと話は進んでますね。

フェイス・レスもいいキャラだよなぁ、とか思いますが。
水着着用のレースで水着を切るとか容赦ないですね。
しかし、今回の見どころはやっぱり十六夜のバトルか。
ついに訪れた、十六夜より格上の敵との戦い。熱くて、格好良かったですね。
十六夜の星を揺るがす一撃を受けてなお無傷。
蛟魔王もいろいろと考えているようですね。正体不明の十六夜のギフトが明かされる日はいつ来るのだろうか。

氷結鏡界のエデン13 楽園現奏―エデン・コード―

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「さっきの楽園の話をしましょう。愛とは、想い人と共に同じ道を歩み続けること。ならば、楽園とはすなわち、その道のつながる未来以外に何があるでしょう」
「…………」
「シェルティス、あなたは帰る場所がある。だから私はさっき、あなたがとっくに楽園をみつけていると言ったんですよ」 


氷結鏡界のエデン、完結。
終わってしまったなー、という感じがします。
面白かったですけど、イリスと同じでもう1冊くらい書いてもよかったんですよ、みたいな空気が。
それぞれに見せ場があって、楽しかったんですが、怒涛の展開過ぎて、ちょっと物足りないというか。 
もう少しじっくり書いてくれてもいいんですよ、みたいな。
最初からこんなこと言っていますが、さすがの大団円、という感じで、楽しく読みましたよ。

ユミィとイグニドの対峙。
もう一人のユミィとして、三年前の、今ではイグニドしか知らない事件。
言われてみればその通りですよね。
ユミィとシェルティスの付き合いの深さから言って、そういう行動をとるのは、間違いではない。
そこが分岐になってしまったというだけで。

巫女であるユミィ。異篇卿となったユミエル。
実像と虚像。
二人の対峙は、避けられぬものであったし、必要であったんでしょう。
「わたしだってユミィだもん」と彼女は言いましたが。
シェルティスを助けたいのか、信じるのか。
最奥でエデン・コードを発動させるというのはシェルティスの独断みたいなものでしたが。
ここでユミィが知ったことで、独りよがりの選択ではなく、二人での約束とできたのはよかったですかね。

あちこちで、描かれている戦場。
巫女と千年獅の第1位は予想通りだったんですけど、その二人が健在なのはなんでなんだろう。
特に、千年獅の剣帝さんは、いつ浮遊大陸に戻ってきたんだろう。
アルビレオの料理長もなんか普通に救援やってましたが、先代の千年獅がなんで料理人やってるんだ……
ユメルダ教官が普通に強かったですね。

あと、ツァリについて少し触れられていましたけど。
ユトが現在の姿で、ツァリが未来なんですね。一つの時間軸上に現在と未来が同時に存在しているそうですが。
てっきり、現在と過去が重なっているんだと思っていましたよ。
ツァリがらみでいえば、紗音も謎な存在だよなぁ。
色々と知っているようですし、「向かった世界が判明した」っていう言葉からしても謎度高まっているというか。
 
イグニドも、つらい戦いをしていましたよね。
素性を明かせず、かつての仲間とも道をたがえて、シェルティスのために。
それでも異篇卿という場所を得ていたのはよかったですねー。
一人で戦っている場面に、応援として駆けつけるという展開は熱かった。
……あれ、マハさんいますね。てっきりあそこで、死んでしまったものかと思っていましたけど。
ちゃんと救いを得られたようでよかったです。

シェルティスとアマリリスの会話も興味深いですねー。
細音ワールドの根幹が少し明かされた感じ?
沁力、名詠式、魔笛、旧約召喚……これらは、並列する世界ごとに呼び名が違う、セラの波長を利用したものであるそうで。
……セラ、結構重要な人物だったんですね。 

来月には完全新作も予定されてるようです。
謳い文句を見るに、ついにネクサスが関係してくる世界の話ですかねー。
これまでのシリーズで、ちらほらと名前は出てきていましたが、どんな世界なんでしょうか。
今から楽しみです。


サクラダリセット4 GOODBYE is not EASY WORD to SAY

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「友人の言葉でも、恋人の言葉でも、まったくの他人の言葉でも、野ノ尾さんににとっては同じだということですか?」
彼女は頷く。
「同じことを話していたなら、誰が言おうとそれは同じ言葉だ。会話とは本質的に、そういうものだと私は思う」

短編と中編。
巻末にはサクラダリセットとは関係ない「ホワイトパズル」という作品が収録。
本編は、春埼がケイの見舞いに行ったり、友達を作ろうとしたりする話。
それと、ビー玉の中に入る少女と月の砂を取りに行った少年の話。
どの話も、この作品特有の綺麗さを持っていて好きですよ。

「ビー玉と世界とキャンディーレジスト」
意識をビー玉の中に入れる能力を持つ少女。
しかしそれは、自分で意識して使えるものではなかった。
気がつけばビー玉の中にいて、気がつくと出ている。
その少女をビー玉から出すという仕事が回ってくる。
ルールに固執する「風紀委員」というあだ名をもつ彼女は、その能力で意識を失ったため、入学式に出れなかった。
すぐにリセットすれば解決するが、そこはケイのすること。
彼女と会話をし、彼女について知ってから、最善策を模索する。
短編ですが、あいかわずの二人が見れて、安心できますね。

「ある日の春埼さん~お見舞い編~」
「ある日の春埼さん~友達作り編~」

掲載順はずれているんですが、テーマは同じなので、まとめて。
かなり短い短編で、タイトル通り春埼がメインの話ですねー。
お見舞いの方は、体調を崩したケイを見舞いに行くかどうか悩む話。
友達作り編は、野ノ尾さんとくだらない会話に興じる話。
くだらないといっても、「世界で一番優しい言葉は何か」みたいな益体もないというか答えも出ない話題ってことですけど。

「でも、だから私は、下らない話を求めているんだよ。答えなんてあるはずもない、意味が正確でなくても誰も困らない、ただ心地よいだけの会話が好きなんだ」

野ノ尾さんにいわせれば、そういうことなんですが。
春埼と二人でいると、どことなく癒しというか不思議空間が拡大しているような感じがしますね・・・

「月の砂を採りに行った少年の話」
タイトル通り。「月の砂を取りに行く」と言って少年が消えた。
月に行く能力があると語った少年。しかし、それは危険だ。
なぜなら、咲良田の外に出ると能力についての記憶が失われるから。
ということで、ケイたちが調査というか解決に動きます。
その少年は野ノ尾と知り合いということで彼女と話をして、少年の求めたものがなんなのかを知ろうとする。
単純にリセットという能力だけで解決に走らないっていうスタンスが好ましいですね。
努力を惜しまないところ、といいますか。

「Strapping/GOODBYE is not an easy word to SAY」

中編は、過去篇から続きのエピソード。
相馬菫が死んだ後、リセットを使えなくなった春埼の話。
ケイも春埼も相馬菫の死によって色々と混乱しているようです。
宇川さんという、強力な能力の持ち主ともここでであっています。
まー、名前だけ出てきて、能力の詳細はわからないんですが。
リセットが相馬菫を殺した、かもしれない。それでも、リセットで救える人がいるのなら、と自らの理念に従い行動するケイは、本当に強いですね。だからこそ、絶対に忘れない能力なんてものを得たのかもしれませんが。

巻末の「ホワイトパズル」もいい話で、結構好きな話でした。
サクラダリセットとは全く関係ない短編なんですが、どことなく、似通った空気があって、気に入っています。
全く関係はないんですけど。
作者もあとがきで「関係ない短編が平然と入っているところが素敵だと思っているのですが、同意してくれる方がどれだけいるだろうと考えると不安がつきません」とか書いていますが。 
少なくともここに一人、同意する人はいます、とか言ってみたり。
少年が、不思議な少女と交流する話。 
不器用な交流をして、少しずつ距離を詰めている感じがたまらないですねー。
楽しかったです。


飛べない蝶と空の鯱 ~蒼の彼方より、最果てへ~ Ⅲ

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「道標は示された。目指す先が見えているうちは、人はそれほど迷わないものだ」

シリーズで言うと6巻目。「蒼の彼方より~」の3巻目。
そして、空の門編、完結刊。
どーでもいいですけど、このタイトル表記はどうにもわかりにくいんですけどもね。
ちゃんと第三部でますよねー? 後書きで触れられていないのがなんだかなーと思いますけど。

ともあれ本編。なんか、ポールマンが凄い格好いいんですけど、どういうことなんだろうか。
変わり始めて、ようやく歩き始めたところだったろうに、あぁなってしまうのか。
それで状況が切り替わったから、安らかな顔だったんでしょうけど。
熱かった。漢だったよ、ポールマン。
一気に好感度上がった感じ。

しかし、今回は本当にポールマン回だったといいますか。
ハイリッヒから情報を得たのもそうですし、そのあと、ノイという重要人物と出会って、ザックスを辛くも撃退してますし。
「傀儡師として参る」、と啖呵切るところも格好良かったですしね。
まぁ、そのあと持ち前の力でもって少し状況かき回してましたけど、結果的にそれがいい方向に動いた部分もあるからなぁ。
ジェシカも以前の因縁は、再開した時に許していて。だけど、毎回ポールマンがふがいないから、態度があーなっていたとか言ってましたね。
これから、だっただろうに。

シュネーとヒルダが人類超越した怪獣大合戦してましたけど。
ウィルとジェシカも対人戦においては結構な実力ですし、敵陣営幹部のザックスとかビルギットも強いキャラクターです。
しかしまぁ、この二人は本気で次元が違うって言いますか。
シュネー、いくら組織の総帥だからって、レプリカ全部持っているとか、チートにもほどがある。
そのシュネーに押されながらもなんとか状況を維持できているヒルダも相当ですがね。
――次元が違い過ぎる、とウィルたちが思うのも仕方ないっていうか、事実ですしね……
おっかないにもほどがある。
ヒルダとシュネーの間に結構、気になる会話とかしていましたけどね。
七つの鍵が世界を滅ぼした話とか。
そもそも最初の方に、霧妖についての真実とかも明らかになって、世界観がどんどん明らかになってきている感じはあります。

ティエラ王によって、ウィルの父についての情報が少し出てきたりもしてましたし。
最後には、ウィルが空において、ジェシカの模倣ではなく、自分の空を飛ぼうと苦心していた姿がまたよかったですねー。
帯にもある文句が中々光っていたと思いますけど。

「飛んで、空の鯱。きっと、空の王にも届く」


やっぱり、この二人は一緒に飛ぶ姿がお似合いですよ。

それはそれとして、ウィルとジェシカのいちゃいちゃぶりが留まるところを知らないんですけど。
いいぞ、もっとやれ。
イスカとレンが別行動をするみたいですし、一歩ふい込んだ二人が、ヒルダ伴っているとはいえ、事務所に二人ってやばいんじゃないのかなー。
今回のジェシカみたいに無駄に意識して、告白する前の方が恋人のようだったという喜劇を演じそうな予感がしますけどね。 


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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