気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

いずみノベルズ

法陣遣いの流離譚3 出アルドヴィン記

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「怖がらなくても平気だよ。私は昔のザートの後悔も苦しみも、すべてわかってあげることはできないけど、過去の失敗でザートを嫌いになったりしないから。きっとクランのみんなもわかってくれるよ」

 
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで9月30日まで。

王国はバーゼル帝国との開戦を望むと主張はじめて。

皇国側から同盟を破棄させようと無理難題を投げてきたのもそのためみたいですし……さらには戦の足掛かりとしてブラディア辺境伯の所有する港や都市を国に献上しろと言ってきたとか。

しかし八代にわたって辺境伯家が開拓を進めてきたからこそ、今の発展があるわけで到底受け入れられるものではなかった。

故に辺境伯家は独立を宣言し領土を守る事を決め、皇国との同盟を結ぶことで状況を良くしようと努めているようです。

ここまでの決断ができるトップが居てくれるのは頼もしいですが。

 

……一方の王国は、皇国系のティルク人の権利を剥奪して奴隷扱いする事を許したとかで、どんどん株が下がっていきますね。分かりやすく悪役をしてくれているので、素直にザート達を応援できるのはいいんですけど。

まぁザートの懸念が当たっていれば、仇敵である帝国と密約を結びブラディアのみを狙っている場合、状況は相手側の思惑に沿って進んでる部分が大きいわけですから敵としての格はそれなりに保てている感じもします。

……終盤、皇国の姫であるリュオネを狙う馬鹿がいたりして、こう人材の質にかなりのムラはありますが。

 

ザート達は、一時的に解体された皇国軍の人材を吸収しクランを作成し、迫害を受ける可能性が高いティルク人達の保護を行っていくことになります。

決して全てを救えるわけではないですけれど、それでも出来る範囲で手を伸ばそうとするザートとリュオネの在り方は結構好きですね。無茶するから心配にもなりますが。

あと効果を発揮した時もあるとはいえ、暴走しがちな第六の存在が若干気がかりではあるかなぁ。部下の手綱を握れてないと思われると厄介かもしれない。……リュオネ信者だから、御しやすいとも言えなくはないのがなお厄介という説もある。

 

王国で活動をする以上、ザートの故郷や知人との接点も出てくるわけで。気に食わない奴もいれば、マザーのように真意の読めない人もいるので、またの登場を期待したいところではあります。

今回リュオネに過去の罪について打ち明けた事で、ある程度の区切りに放ったと思いますけど。やっぱり分かりやすい決着を求めてしまいますからね。法具で鑑定できなかった物と言い、謎が多いので今後の展開が楽しみ。


法陣遣いの流離譚2 侯主の髪飾りは変装の魔道具でした

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「だからこれからずっと離れないでよね!」

BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで9月30日まで。
ザートとリオンはパーティーを組んで、拠点を移すことに。
実力を示したこともあって鉄級8位と9位から一気に1位まで上げられた上に、銅級への昇格まで行われることに。
もっとも銅級への昇格は、直近でおきた海難事故によって37名もの銅級が行方不明になって、ギルドが戦力補充をしたかったという事情があったようで。
その後で銀級に絡まれて決闘に発展したときに、軽く蹴散らしてましたから実力的には問題ないんですよねぇ。

しかし、その原因となったのがエルフの王国行政府の査察官の差別発言だったっていうんだから、なんというかアルドウィン王国かなり生きづらそうですね。
エルフが国政会議でかじ取りしているって言うし、そういう国柄なんだろうか。
貴族制であって各領地ごとに対応は異なって、ザートの元実家であるシルバーグラス一族では獣人との格差をつけることを禁じていた、って言いますし。その方面でマシな領地もあるにはあるんでしょうけど。

アルドウィン王国の国教であるバルド教の実態、その一端が今回の第2章とかで描かれてますし。口さがない言い方で「エルフと貴族の権威を支える宗教」とか言われてるのも納得しかないな……。
自分達の目的の為なら全ては協力して当然だし、逆らうならば流血も止む無しとか。それによって確かな成果も出してるだけ性質が悪いよなぁ。
より争いが起きそうな予感というか。帝国は帝国でキナ臭さもあるし、騒動はどんどん大きくなりそうですよね……。

再会できたシルトとはまた別行動になったけど、一部方針は共有できたし。
表紙に移っているもう一人の少女もパーティーに加わって、対応できる範囲が広がっていった感じはありますね。
……その少女は異世界からの召喚された存在であり、同じように召喚された人材は帝国にいるとか聞いてしまうと、厄介事の匂いを感じで頭痛くなりますねぇ。

3人になったパーティー『プラントハンター』の面々はそれぞれ秘密を持っていて。リオンの事情にだけは踏み込んでこなかったわけですが。
今回それが明らかになった上で、協力する関係として新たに進んでいけることになったのは良かった。終わり方が深刻で、次から物語が加速しそうな気配。
巻末には書籍版特典SSで「とある皇族の最期」。今回ザート達が遭遇したある出来事の裏側が描かれていて、なるほどこう繋がるのか、と楽しめました。


法陣遣いの流離譚1 相続した防具は最強の法具でした

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「リオンとパーティーを組んだとき、一人の限界に気付きました。これからはパーティを怖がるんじゃなくて、どうすればパーティを保てる考えます」

(略)

「よかった。君は一人を選ばなくて」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

スキルを発現できなかった為、冒険者として活動していた叔父の遺品であるバックラーと金貨数枚を渡され、家を追い出されることになった主人公。

ザートと名乗る事にして、辺境で冒険者として活動を始めることに。

彼は高等学院進学の条件である中位スキルを習得する事はできなかったが……根本となる魔力操作技術を磨き続けた結果、疑似的に再現できるようにはなったそうで。

オマケにサブタイトルに在る通り、彼が相続したバックラーは法具と呼ばれる特殊な効果をもった装備であることも発覚。

素の才能と装備を活用して、冒険者としての実力を磨いて行くことになるわけです。

 

法具は失われた文明の遺物であり、普通の魔道具とは一線を画す機能を持つ。治せる技術を持った人は限られているし、その内の一つである、魔法考古学研究所の場合サンプルとして持っていかれてしまうケースもあるとかで。

ザートは色々とバレるとマズい手札が多くてソロで活動しようとしてたわけですが。ソロで活動していた少女リオンに声を掛けられてパーティーを組んで、困難を超えていく中でパーティーを組むようになったという流れが中々良かったですね。

巻末に書籍版SSで「シルトの過去」としてそういう感じのエピソードがあるので、警戒するに越したことはないのも確かみたいですけど。

 

スキルとして確立するとコトダマとして発する必要こそあれど、大した魔力操作もせず安定した効果を発揮できるために評価されているそうです。

もう一つの書籍版SSで「ヘルザートの挫折」として彼の学生時代のエピソードが収録されているんですが……。

第二王子がザートの能力を見聞して「持たざる者」として指摘したことが、追放に至る始まりであったようです。

 

冒険者ザートとして出会ったシャールというエルフの冒険者もそうですが、エルフ側からの他種族差別が凄いというか。シャールが「金級には『品格、社交、信頼』が必要」みたいな持論を言う割に、君にそれが携わってるようには見えないな……みたいな、気分にはなりますね。

この世界はこの世界で中々問題が多そう。冒険者になったザートが、「武力と金と権力は尊厳を守る鎧だ」と冒険者として名を馳せることで、最終的に権威も得ようと考えるのも分かるなぁ……。何もしないままだと、搾取されるばかりになりそうですから、足掻こうとするザートは応援したいところ。

剣と魔法とナノマシン 最強SFチート娘のファンタジー漫遊記

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「私、魔法使いじゃないから」

 

SF世界の住人である少女ララ。彼女は成人祝いと称してリゾート地へバカンスに向かおうとしたところ……謎の現象に巻き込まれ、彼女の知るよりも原始的で、でも魔法の様に未知の要素を持った、言ってしまえばファンタジー世界へ迷い込んだのだ。

しかも、バカンスに向かう手法が冷凍睡眠とワープの併用だったとかで、ファンタジー世界に墜落してからしばらく眠り続けていたって言うのはちょっと新鮮でびっくりした。

墜落地点に森が出来るくらい時間過ぎてますからね。ワープ併用でもそれだけかかるって、ララの住むSF世界のワープって意外と距離を稼げないのかしら。

 

ララは幼く見える容姿で、ベースの身体能力はそこまででもなさそうですが。ナノマシンによる強化や、ナノマシンを用いて魔法のような現象を引き起こすことが出来て。

彼女の世界ではそれらは暴漢対策だったそうですが、このファンタジー世界では住人たちが恐れる魔獣を一蹴できるだけの火力があって、最初に訪れた村の住人からは怖がられる始末。

 

村には魔獣討伐の依頼を受けて、向かおうとしていた傭兵の女性イールが居て。彼女が色々と面倒を見てくれることになり、なんとかララもこの世界に適合出来たというか。

ナノマシンが万能だから、それで大体対処できるっていうララに、目立つからナイフを作るのは良いが鞘や柄といった外見は普通の素材を使った方がいいとかアドバイスしてくれるし、イールと出会えたのは本当に幸運でした。

 

ララの特殊さを知りながらも忌避せず、同行してくれるし。それはイール自身が生まれつきの呪いを持っていたから、って言うのも理由ではあると思いますが。

イール曰く傭兵流の自分のいきたいところに行く生き方に、ララも付いて行って。その先で神官の少女ロミと出会ったり、そこそこ大きい騒動に巻き込まれたりしますが。

 

ララの起こす現象を魔法と思って、それを封じるフィールド作ったから完璧! ってやった相手を、これナノマシンなんだーって呆然とさせるのは流石に笑った。

相当自信があったのかもしれないけど、それでトップ拿捕されちゃダメでしょ。

 

巻末には書籍版特典SS「ロミの魔法教室」。

歩き続けるのが暇で「空でも飛んで次の街に行けないものか」と、ロミに聞いて。一応存在はするが、魔力の消費が激しかったりで使い勝手が悪いから使われてないそうですが。

そこから、魔法はアレンジが効く部分もあるんですよ~と話が広がっていくので、割と面白かった。

魔術師の杖 錬金術師ネリア、師団長になる

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――ネリア……お前は、どんな時でも『生きたい』と願え――

 

事故に巻き込まれ気がついたら異世界に居た少女が主人公。彼女はこちらに来た時に負傷もしていて、それらのショックで自分の名前すらちゃんと言えない状態だった。

偏屈な老錬金術師グレンに保護された彼女は、ネリア・ネロスという名前を知識を授かることになります。なんだかんだで良い関係を築いていたようですけど。

 

グレンは王都で高位の職があったのに辺境に居を構えていたり、彼自身の背景やこの世界の常識なんかは教えてくれなかったり。そもそもグレンの晩年の研究に、ネリアが関わっているようですが、それに対して不穏な表現があったりと、良い事ばかりでも無かった印象を受けますね。

 

年齢からか先が長くない事を悟っていたグレンは、次の予定が済めばネリアを王都に連れて行って独り立ちできるようにする心づもりでもあったみたいですけど……それは叶わず。

 

財産を全てネリアに譲った上で、ある頼みごとを遺した。ネリアはグレンの頼みだからと王都に向かうことを決めますが……王都では、錬金術師団の長であったグレンの死と、その後継に指名された無名の錬金術師の存在に困惑していて。

学院に通って魔術に学ぶっていうこの世界での正規ルートを通ってなかったり、名前が知れてないネリアが師団長就任するにはいろいろな反発もありましたが、それらを一蹴してやりたいことを貫く姿は好感が持てます。

 

書籍の構成として、場面転換も視点変更も同じ棒線引いて区切りにしてるので、一瞬わかり難いのが難点かなとは思いました。

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