「怖がらなくても平気だよ。私は昔のザートの後悔も苦しみも、すべてわかってあげることはできないけど、過去の失敗でザートを嫌いになったりしないから。きっとクランのみんなもわかってくれるよ」
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで9月30日まで。
王国はバーゼル帝国との開戦を望むと主張はじめて。
皇国側から同盟を破棄させようと無理難題を投げてきたのもそのためみたいですし……さらには戦の足掛かりとしてブラディア辺境伯の所有する港や都市を国に献上しろと言ってきたとか。
しかし八代にわたって辺境伯家が開拓を進めてきたからこそ、今の発展があるわけで到底受け入れられるものではなかった。
故に辺境伯家は独立を宣言し領土を守る事を決め、皇国との同盟を結ぶことで状況を良くしようと努めているようです。
ここまでの決断ができるトップが居てくれるのは頼もしいですが。
……一方の王国は、皇国系のティルク人の権利を剥奪して奴隷扱いする事を許したとかで、どんどん株が下がっていきますね。分かりやすく悪役をしてくれているので、素直にザート達を応援できるのはいいんですけど。
まぁザートの懸念が当たっていれば、仇敵である帝国と密約を結びブラディアのみを狙っている場合、状況は相手側の思惑に沿って進んでる部分が大きいわけですから敵としての格はそれなりに保てている感じもします。
……終盤、皇国の姫であるリュオネを狙う馬鹿がいたりして、こう人材の質にかなりのムラはありますが。
ザート達は、一時的に解体された皇国軍の人材を吸収しクランを作成し、迫害を受ける可能性が高いティルク人達の保護を行っていくことになります。
決して全てを救えるわけではないですけれど、それでも出来る範囲で手を伸ばそうとするザートとリュオネの在り方は結構好きですね。無茶するから心配にもなりますが。
あと効果を発揮した時もあるとはいえ、暴走しがちな第六の存在が若干気がかりではあるかなぁ。部下の手綱を握れてないと思われると厄介かもしれない。……リュオネ信者だから、御しやすいとも言えなくはないのがなお厄介という説もある。
王国で活動をする以上、ザートの故郷や知人との接点も出てくるわけで。気に食わない奴もいれば、マザーのように真意の読めない人もいるので、またの登場を期待したいところではあります。
今回リュオネに過去の罪について打ち明けた事で、ある程度の区切りに放ったと思いますけど。やっぱり分かりやすい決着を求めてしまいますからね。法具で鑑定できなかった物と言い、謎が多いので今後の展開が楽しみ。