「分かりました。ご期待には、必ず応えてみせましょう。父様も驚くような成果を出して見せます!!」
勢いよく請け負うペイス。
「いや……普通で良いぞ、普通で。くれぐれも、驚くような結果にはするなよ。いいな、くれぐれもだぞ」
第三十四章「ふわふわお菓子は二度美味しい」と書下ろし三十四.五章『コローナ奮闘記』を収録。
ボンビーノ家の子どもに目を付けたやり取りを収めるため、ペイスが提案した領地替え。複数の家が納得していることもあって、国王も認める方向で話が進んで。
それによって安定が齎されるならば、モルテールン家としては内政に力を入れていくべきだ、とカセロールは提案。
ペイスもそれには賛同するところであり、将来を見越した活動を行うことを決めて。
魔の森の開拓を進める一方で、新人も採用してオリエンテーションを行う。ペイスの影響で、女性の産休制度とかを取り入れている革新的な場所でもあるから、そういう催しは必要ですよね……。
魔の森に作った開拓村の長を、女性騎士のコローナに任せることをペイスは考えていて。
実際『コローナ奮闘記』は任された後の彼女が描かれていますが。……注目を集めている以上、他所からの間諜も紛れ込んでいるわけで。苦心しつつもまとめ上げていたのはお見事でした。最初の、同期と食事を共にしてお祝いしてるシーンとかも良かった。
他領にもいくラミトからすると、出汁の旨味が効いた卵焼きは他所では食べられないものだ、と太鼓判を押してたのが地味に好き。
他のメンバーも各々好きな料理があるみたいですし、美食の都と呼ばれる日も近いなんて噂もあるみたいだし。製菓メインだけど食事にも手を抜かないペイスの成果が分かるエピソード、好きなんですよね。
開拓は魔法部隊だったり、ピーちゃんの力を借りられることもあったりして、トラブルがありつつもおおむね順調。
……むしろ順調すぎて、募集枠30に対して400を超える応募が来たりしていたので、ペイスは大変そうでしたけど。
準備を進めるために物資を運ぼうとしていたら、魔物の襲撃があり……街道に被害が出たことで、対策が必要となって。
この世界からすると常識外れな「道を空に飛ばす」……高架道路を提案し、いつもどおりおかしなものを見る目で見られてましたが。まぁいつも踊りだからな……。