気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

おかしな転生

おかしな転生23 ふわふわお菓子は二度美味しい

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「分かりました。ご期待には、必ず応えてみせましょう。父様も驚くような成果を出して見せます!!」

勢いよく請け負うペイス。

「いや……普通で良いぞ、普通で。くれぐれも、驚くような結果にはするなよ。いいな、くれぐれもだぞ」

 

第三十四章「ふわふわお菓子は二度美味しい」と書下ろし三十四.五章『コローナ奮闘記』を収録。

ボンビーノ家の子どもに目を付けたやり取りを収めるため、ペイスが提案した領地替え。複数の家が納得していることもあって、国王も認める方向で話が進んで。

 

それによって安定が齎されるならば、モルテールン家としては内政に力を入れていくべきだ、とカセロールは提案。

ペイスもそれには賛同するところであり、将来を見越した活動を行うことを決めて。

魔の森の開拓を進める一方で、新人も採用してオリエンテーションを行う。ペイスの影響で、女性の産休制度とかを取り入れている革新的な場所でもあるから、そういう催しは必要ですよね……。

 

魔の森に作った開拓村の長を、女性騎士のコローナに任せることをペイスは考えていて。

実際『コローナ奮闘記』は任された後の彼女が描かれていますが。……注目を集めている以上、他所からの間諜も紛れ込んでいるわけで。苦心しつつもまとめ上げていたのはお見事でした。最初の、同期と食事を共にしてお祝いしてるシーンとかも良かった。

他領にもいくラミトからすると、出汁の旨味が効いた卵焼きは他所では食べられないものだ、と太鼓判を押してたのが地味に好き。

他のメンバーも各々好きな料理があるみたいですし、美食の都と呼ばれる日も近いなんて噂もあるみたいだし。製菓メインだけど食事にも手を抜かないペイスの成果が分かるエピソード、好きなんですよね。

 

開拓は魔法部隊だったり、ピーちゃんの力を借りられることもあったりして、トラブルがありつつもおおむね順調。

……むしろ順調すぎて、募集枠30に対して400を超える応募が来たりしていたので、ペイスは大変そうでしたけど。

準備を進めるために物資を運ぼうとしていたら、魔物の襲撃があり……街道に被害が出たことで、対策が必要となって。

この世界からすると常識外れな「道を空に飛ばす」……高架道路を提案し、いつもどおりおかしなものを見る目で見られてましたが。まぁいつも踊りだからな……。

おかしな転生22 蜜蝋は未来を照らす

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「そう、仲間です。頼れる戦友です。皆、我々は一人で敵と戦うのではありません。戦友と共に戦うのです。みんなの力を一つに合わせれば、どんな敵でも倒せます。たとえ大龍であろうと恐るるに足らず!!」

(略)

「ましてや、大龍が味方にいる今、如何なる敵でも相手になりません。ここには最強の守護者がいるのです!!」

 

「龍の守り人」という称号を得たペイスの影響によって、領地の発展は著しいがその分の忙しさもついてきて。

そんな中で当主のカセロールは、子爵位になったこともあるしこれまでの様に足を運ぶのではなく、モルテールン家が人を招く社交会を開くことを決めて。

国軍の大隊長やっていることもあって、実務はペイスに降りてくることになってましたが……その仕事を引き受けた上で、一つの「お願い」をしていくんだから、いつまでもモルテールン家が忙しいわけです。

 

ペイスのお願いは、魔の森の開拓に伴って国軍の力を借りられないか、というもので。

周辺の軍事的脅威が落ち着いている中であれば、一軍くらいは動かせるという国の事情。魔の森で、実戦に近い訓練ができるのは損よりも得の方が多いという軍の事情。

政治的な事情で与えられた称号の価値を測る、ペイスからの謎かけ的な側面もあったようですけど。

 

いろんな思惑が絡んだ結果として、その願いは聞き届けられることになって。

……「魔法が使える飴」について公表はしていないものの、魔法を使える部隊で開拓をしましょう! とかやってるの、神経何で出来てるんだって位の図太さで笑った。

緊急事態に治療魔法をかけてもらえるというアメを与えることで、口を噤んでもらったりもしてましたけどね。騒動の種になるだろうことを察して、心にしまい込む賢明さをバッツィエン子爵が持っていてくれたのは幸いでした。

 

開拓も社交も、おおむね順調に進んでいましたが……。モルテールン家の価値が上がるなかで、その家に連なる次代の子どもたちもまた当然興味の対象となって。

他家からの婚約交渉が持ち込まれてきて、なかなか厄介な状況になりそうでしたけど。

ペイスがトンデモ解決方法を提案したりしてましたが、関連する貴族それぞれに利益があるものだったので通ったのには笑った。

 

書き下ろしは『第三十三.五章 ジョゼフィーネ奮闘記』。

ウランタと結婚したペイスの姉ジョゼの周辺について描くエピソード。

ペイスが弟として「身だしなみには気を遣う方」だとかウランタが情報を得ている微笑ましい場面もありましたが。

仲良くしつつも他家の人間だから、と姉に交渉カードを与えないような行動をとっているのも地味ながら好き。……まぁ姉弟関係は基本良好なので、社交会では姉の好物準備したりしてるんですけどね。

でもペイスが姉に慣れているように、ジョゼもまたペイスを理解していて。騒動の決着でモルテールン家が得た利益について、しっかり連想できているのは偉かったですねぇ。ウランタの行動を決める指針になってましたし、ここも良い夫婦関係築いてますよね。

おかしな転生21 スイーツと冷たい関係

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「お前は菓子作りを好むと聞く。そして、今までも多くの歌詞を作り出してきたと調べもついている。ならば、ルニキスの為に、その知恵と腕を振るってもらいたい。国威の為だ。この際、常識の範囲内であれば制限なしで良い。求めるものは“外国の大使たちを唸らせる菓子”だ。できるか?」

「陛下の勅命とあれば謹んで拝命いたします!!」

 

32章「スイーツと冷たい関係」、32.5章「嬉しい報告」を収録。

ヴォルトゥザラ王国での任務を終えて無事に帰国したペイス。

王子の外征が無事に成功したことを祝した帰国パレードが開催される運びとなり、ペイスも同行者としてそこに参加する必要に駆られて。

政治も軍事も出来るけど、一番肝心なのはお菓子作りという優先順位のペイスにとってみればありがたくないイベントでしたが、まさか逃げるわけにもいかず。

スクヮーレになだめられてるのちょっと面白かったし、地の文でスクヮーレが「ペイストリー取り扱い検定三級保持者」って語られてるのには笑った。

 

ソラミ王国からの全権大使としてやってきたアモロウスも無事に国王からの身分保障を受けられることになったわけですが。

外国からの要人を招いたことで、神王国でも社交の場を持つことになって。今回の外征で異国で菓子作りをしたペイスに、故郷でも同じことできるよな? と国王から勅命が下されることに。

王の命令で菓子作りできる機会をペイスが逃すはずもなく、詳細聞く前から承諾してたのはあまりにもペイス過ぎて愉快だった。

内々に打診されたときに同行していた父が焦って止めていたのは笑えます。お疲れさまでした……。

 

勅命を盾にお菓子作りに打ち込んで、仕事が溜まってシイツは大変な思いをしてそうでしたけど。

せっかくだから最上のものを作ろうと視察に出かけた先で、不審な動物の死体を発見して。お菓子絡みだと暴走しがちですが、外敵の可能性を考慮してしっかりと兵を動かして対応に動けるあたり、やっぱりペイス優秀なんですよね……。

肝心の脅威と遭遇したとき、初手逃走を選んでましたけど被害も出してませんし。

さてどうなるものかと思ったら、ここでピーちゃんが活躍してくれて。ペイスは素直に喜んでますが、さすが大龍の子供というほかない戦闘力でしたね……。

 

32.5章は、無事に新たなお菓子を作ったペイスが国王から称号を授与されて、いろんな家から交流を持ちたいと手紙をもらう羽目になって。

妻リコリスと良い関係を気付いているからこそ、婚姻関係を望むような家だったり、何してくるか読めない聖国からの招待なんかは断ってましたが。

それでも断れない付き合いっていうのは存在するわけで。今回は中でもレーテシュ伯爵家とボンビーノ子爵家との社交について描かれていました。ウランタがかなり頼もしく成長していて良かったですね。

おかしな転生20 スイーツは春を告げる

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「僕に言い考えがあります。全員で決闘させましょう」

なんでそうなるのか。

皆の心が一つになった瞬間である。

 

外交使節団としてヴォルトゥザラ王国に派遣されたペイス。

モルテールン領の方もペイスが確立したシステムが上手く回っており、アニエスの慣れもあってトラブル対応は迅速にできるようになってきたようです。

カセロールが近くにいるけど、軍務を帯びている状態でフォローできる範囲にも限界があって。

 

その上で、国の上層部は取れるならもっと利益を取ろうとしてるわけですから、中々の政治屋だよなぁ、といいますか。

国王たちは王子からの報告を受けて、成長に喜びつつ新たな試練を与えてくるんだから狸でもある。

ヴォルトゥザラよりさらに遠方にあるソラミ共和国からの使節団がくると聞き、様々な事情から神王国はソラミ共和国と親しくしたいと考えていた。

その交渉を現地に居るメンバーがまか冴えれることになったわけですが。

 

いかにしてヴォルトゥザラ王国に滞在し続ける許可をもぎ取るのか、といった方面でペイスがしっかり活躍してるのが面白かった。

自分の調理技術を一部とはいえ提供したというのを建前に、技術交流を提案してくるのがいいですよね。学生たちを連れてきた事も上手く搦めてましたし。

 

ソラミ共和国側も、活用できそうな収納の魔法使いという有用な人材を派遣してきてたり、本気なのは確かみたいですけど。

道中で女遊びをしまくる軽さも持ってて。そんな彼がルミを運命の人と見染めてアプローチしてきたのには困りましたね……。

神王国視点で言えば外交的にアリだけど、モルテールン家としては頷けない部分があって。だから話を預かって決闘で片付けてしまおうっていうのは、ペイスらしい解決方法だよなぁとは思いました。

 

書き下ろしの「第三十一.五章 占いは結婚式の後で」で、ソラミ共和国のアモロウスが聞いた「予言」について語られていました。正しくは「人生を変える運命の出会いがある」というもので、女好きな彼は運命の女性と解釈したみたいですが。

……実際この後そうなっていってもおかしくはないですけど、彼も今後ペイスの起こす騒動に巻き込まれていくってことなのでは? と勘ぐってしまうなぁ。

おかしな転生19 暗闘のフィナンシェ

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「……当家に喧嘩を売ろうとしている人間がいるらしいのです」

(略)

「当家としては、眼には目を持って償い、歯には歯でもって償っていただこうと思っております」

 

ペイスが山を消し飛ばした影響で、モルテールン領は連日雨が続く春となったようで。シイツなんかは高い気温と湿気に文句を言ってましたが、砂糖などの育成にプラスだからと喜んでる辺りペイスはぶれませんね。

龍の素材を抱え込み、さらにはオークションで儲けたモルテールン家は敵も多いけれど、だからこそ人が集まっていて、トラブルも起きているとか。

 

そんな中王都に要る父親から呼び出されて、仕事を振られることになります。厳密にはカセロールの上役にあたるスクヮーレからペイスの力を借りたいから貸してほしいと頼まれたみたいですけど。

なんでも隣国の王子生誕を祝う会が盛大に行われることになったそうで、近隣諸国からかなり格の高い使節が訪問する運びとなったため、神王国としても侮られないために王子を派遣する事になったとか。

 

とは言え神王国の周囲はどこも過去争った事のある仮想敵国であり、王子を気軽に送れる場所ではなく護衛として大隊をつけることになって。ペイスもスクヮーレの要請の元、同行する事に。

その間領地が手薄になるため、カセロールが大隊長として派遣されることになったり、国内でも色々人が動かされて。

 

モルテールンの両親が故郷に居て、フォローができるタイミングでリコリスが完全に身内になったと示すために、彼女の名義で社交の主宰を務めてもらうことになったりもしてます。今回の描き下ろし「第三十.五章 リコリス奮闘記」はまさしくその社交について描いた話になっています。

 

仕事ではあるけれど、隣国への派遣に戸もあってみたことのないフルーツなんかを見て、楽しみを見いだしているようですけど。

厄介なペイスが領地を離れたタイミングで、ちょっかいを出してくる連中が居るんだから懲りないなぁと言いますか。モルテールン家なんて、絶対敵に回したくないですけどねぇ。

国内のパワーバランスだったり、諸外国としてはモルテールンの勢いを放置できないってのがあって、何がしかの策略を練らないといけないのも分かりますが。

謀略の気配を察知してからの行動が早すぎるんですよねぇ。読者目線ではある程度予想できた結末でありました。合掌。

おかしな転生18 イチゴタルトは涙味

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「ま、元気になったなら良しとしますかい」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1231日まで。

二十九章「イチゴタルトは涙味」、書き下ろし二十九.五章「日常の裏側」。コミカライズ31話、電子SS「部下たちの夏休み」を収録。

 

表紙・口絵にも登場してますが、龍の卵が孵化して……生まれた龍の子はなぜかペイスに懐いた。

しかし龍が育成できるとなれば、成長の際に鱗などを採取できる可能性があって。つまりは生きた鉱山みたいな存在なんですよね。

 

癒しの力があるという建前の竜の肉、龍金の材料になる各種素材をオークションにかけてモルテールン家と、オークションを仕切ったカドレチェク家の2家は特に儲けたようですし。

貴重だから確保はしたい。けれど、ドラゴンのことなんて伝承に残るばかりで生態が分かっている筈もなく。

一月ほどはモルテールン家預かりにして、調査を行うことになって。

 

デココの弟子が持ち込んだ珍しいベリーが、王都の研究所にまで波及してそこから更に必要だった情報に繋がるとか、何が幸いするか分かりませんなー。

寄付の為の視察で目的のもの以外にも副産物を得てましたし、ペイスも損はしてない。

龍の生態研究と躾も、ペイスがいたからこそかなり順調に進み……一か月の猶予は瞬く間に過ぎていった。

 

そしてある程度育成方法が確立できたとなれば、他所の家も利権を求めて手を挙げていくわけですよね。……とは言え、ペイスの魔力量は1巻で覚醒したときに語られていた時に飛び抜けていて。そんな彼ですら倒れるレベルとなれば、賄える家がどれほどあるか。

最終的に、元鞘になったのもむべなるかな。

 

二十九.五章「日常の裏側」は裏側とある通り、暗躍してる人物の話です。

龍の素材を集めた後に、龍の子供を排除すれば価値は上がるだろうと目論んであちこちに根回ししてる商人がいて……実際他国を巻き込んだ商談を実行段階まで持って行ったあたり有能なんでしょうが。

わざわざモルテールン家に危害を加えようとするとか、死にたがりなのかな……。

 

電子SS「部下たちの夏休み」。休日に街を歩いていた三馬鹿2人。もう一人を見つけた逃げ出したので追ってみたら、試食としてペイスのお菓子を貰っていたことが発覚して。……タイミング悪かったね……。

おかしな転生17 復活の卵~イースター・エッグ~

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「なるほど。そのような経緯があったのか」

「ええ。息子が張り切った……張り切りすぎたようです」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1231日まで。

二十八章「復活の卵~イースター・エッグ~」、書き下ろし二十八.五章「再誕の卵」。コミカライズ29話、電子SS「卵探し」を収録。

 

様々な功績を重ねて子爵にまでなっちゃったんですって、モルテールン家。ドラゴン討伐まで乗っかったからなぁ……。

ちょうど新年ということもあってカセロールは今年は平穏であって欲しいと願ってましたが。次の見出しが「不穏な啓示」でもう一瞬で不可能になってたのには思わず天を仰いでしまった。

 

教会が軽金を秘匿し続けた中で、龍の素材を集めようとしたこと。それは龍金の登場などで、一度は失敗したようなものですが。それで聖国が諦めるかと言ったら、そんなはずもなく。

さらにモルテールン家で遺された資源を調査していたら、龍の卵らしきものを発見してしまったというんだから大変です。

繁殖期の獣と同じと考えれば、龍が暴走していたのも納得は行く。けれど、卵があるってことは、番の龍が居ることになる。つまりあの森に少なくともあと一匹ドラゴン居るってわけで……。頭痛の種は増えるばかりですね。

 

モルテールン家は注目を集めすぎていて、スパイの博覧会になっている。だから、龍の卵についても隠し続けられると考えるのは楽観的に過ぎる、と王家への献上を決めましたが。

当然敵だって黙ってみている筈もなくて。諜報合戦みたいな感じで、直接戦闘はほぼありませんでしたね。こういう部分もしっかり描いてくれるので、読みごたえがあります。

一時は盗まれて捜索する事態になってましたが、概ね一件落着と言えるのでは。領地に戻った後、イースター・エッグ探しの名目でイベント開催して、色々利益得てる辺りも流石。

 

書き下ろし二十八.五章「再誕の卵」。

盗難事件に際してカセロールは何をしていたのか、に主眼を置いたエピソード。

ボヤ騒ぎの現場を確かめ、検問の要請をして。おとぼけ息子の後始末もやって来て。

龍の卵は無事に神王国に残った。けれど探索に当たっては、他所の協力を得た部分もあって、その事後処理で大変そうでした。お疲れ様です……。

今度こそ取られないように厳重な管理下に置いていたところ、最後に新たな騒動が芽吹くんだから落ち着ける日は遠い。

 

電子SS「卵探し」これはタイトルから分かる通り、作中では終わった後どんな目的があったのかと話されていた「イースター・エッグ探し大会」の様子を描いたSSですね。子供たちが楽しそうで何より。

おかしな転生16 陰謀は黒くてほろ苦く

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「教会を敵に回す可能性を思えば、頼れるのは一つですね」

「ほう」

「無理やりにでも、王家を巻き込んでしまいましょうか」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1231日まで。

二十七章「陰謀は黒くてほろ苦く」、書き下ろし二十七.五章「領主代行のお仕事」。巻末おまけコミカライズ最新話(26話)、電子SS「ボンビーノ家の名物料理」を収録。

 

竜の撃退に成功したペイス。それはつまり、巨大な竜という「資源」を獲得したという意味でもあって。竜の血には治癒の効果があると、ペイスが持ち上げた関係もあって注目を集めていましたが……。

 

なぜか教会関係者が接触してきて、素材を寄越せと主張。余りに不審だったのでそれを突っぱねた上で検討した結果、予想以上に貴重である可能性が出て来て。

つくづくトラブルに出くわす性質だよなぁ、ペイス。巻き込まれたとなれば、振り回されるのではなく可能な範囲で利益を得ようとするのも彼ですけど。

一度の接触から仮設をたてて、実践し新しいものを作り出してしまったのは凄まじい。とは言えこれも、今のモルテールン家だからこそできた事で、人員や資材が不足していたら届かなかったわけですから運命のようなものを感じますな。

 

素材を求めて義兄がやって来たり、色々と慌ただしいから王家巻き込んじゃおうと考えるのが彼らしいと思いました。

竜の素材をオークションに駆けるペイスもペイスですが、その噂を聞きつけた有力な貴族に金貸しして儲けようとするレーテシュ伯もレーテシュ伯ですよ。貴族怖い。

 

書き下ろし二十七.五章「領主代行のお仕事」はタイトル通り、モルテールン領で仕事するペイスの話。馬を得る為にちょっと工作を済ませた所に、行商人として外に出ていたラミトが帰還して。

彼にとって重要な情報があったのもあって焦ってましたが……まぁ落ち着くべきところにようやく落ち着いた感じでしょうか。

 

電子SS「ボンビーノ家の名物料理」は弟から聞いたフィッシュアンドチップスという料理を堪能するジョゼの話。……どこぞでダイエットしようとしたご婦人と同じ匂いを感じました。えぇ。血だねぇ……。


おかしな転生15 ドラゴンはフルーツがお好き

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「我に秘策あり。皆には、僕を信じてもらいたい」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1231日まで。

二十六章「ドラゴンはフルーツがお好き」、書き下ろし二十六.五章「チョコレートはほろ苦く」。巻末おまけコミカライズ最新話(23話前編)、電子SS「新婚ジョゼの社交」を収録。

 

もう今回のメインは章題にも表紙にも進出してきたドラゴンでしょう。

魔法があるけどかなり属人的な部分があり(近頃汎用化を成功させたどこぞの領主代行が居ましたが)ファンタジー要素は抑えめなのかと思っていた所に、バーンと登場するんだから驚きましたね。

……鱗も固いし、巨大だし。竜が動いたことで他の獣まで異常行動を起こして、各地に被害をもたらしたので、驚いたなんて一言で済ませていい騒動ではないんですが。

 

モルテールン領は山を削った影響で雨が増え、領民の生活に洗濯物が乾かないって悩みが増えて。でも、昔より良くなってるのは確かなので、人々の顔は明るい模様。

雨が増えたなんて隠せないから、他所の貴族は当然探りに来るわけですが。地の文で「今だけ限定の、スパイ特盛り諜報員マシマシ情報員付きセットである」って表現してる部分がツボでした。

 

外交方針を時代に合わせて変更する事になって。

規模の割に軍事力が足りないって事情もあったため傭兵団を雇ったら、従士と折り合いがつかずバチバチやり合う羽目に。

その為、山を削って繋がった魔の森で合同演習を行う、って所まではまだわかるんですよね。でも、そこで異常に遭遇したと思ったら、それが竜によって起こされていたって言うのは予想外に過ぎるでしょう。

 

ペイス達にとって幸いだったのは、ドラゴンがモルテールン家側に現れなかったことでしょうかね。他領は被害甚大なところ多いですが……。

竜に義兄の領地にある果樹園荒らされたから、ペイスの怒りは増して。秘策を手にツッコんでいくんだから、凄まじい。

 

二十六.五章「チョコレートはほろ苦く」。

竜の行動によって魔の森から、通常よりも大きい獣の群れが放出されて……近隣貴族家の兵力が蹴散らされたため、カセロールを通じで国軍の出動を要請。

その対処に追われるカセロールやスクヮーレのエピソードになってます。国軍所属の魔法使いと言うのも登場しましたが、カセロールやペイスみたいな応用の効くタイプではなく広域殲滅火力型だとああいうことも出来るんだ……ってちょっと震えた。

 

電子SS「新婚ジョゼの社交」はタイトル通り。ペイス直伝のレシピが上手く効いたみたいで、アニエスが気に掛けたのも、ジョゼが目を付けた対象も間違いが無かったんだなぁとほっとしましたね。

おかしな転生14 空飛ぶチョコレート・パイ~Pie in the sky~

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「そんな馬鹿な話……」

「あり得ない話をあり得るようにしてきたのが坊だ。山を削るくらいはまだ常識的な方だろうが。慣れろ」

「はあ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1231日まで。

二十五章「空飛ぶチョコレート・パイ」、書き下ろし二十五.五章「燻る火種」。巻末おまけコミカライズ最新話(20話後編)と電子SS「アニエスのダイエット奮闘記」を収録

教導員だから直接指導は中々出来ない。だけど、罰則として監督をするならいいだろうと言い訳を見いだす辺りはあまりにもペイス……。

 

指導中の挿絵もありましたが、服装もあってかかなり成長した感じがしましたねー。ペイス1人で身長を比べる相手が居ないからだろうか。

エピローグだとまだ子供だなぁって思うので、その可能性は濃厚かもしれない。教師やってるときと、趣味でハッ茶けようとしてる時のテンションの差もあるでしょうが。

 

研究成果を徹底的に秘匿したこともあって、汎用魔法研究室は取りつぶしの噂まで聞こえてくるようになって。

貴重な人員が浮くなら確保したいと手を回して。高級保証などで保護して見事連れ帰って。

突然研究者を確保したことで他所から怪しまれないように、カバーストーリーも作り上げている辺りは強かです。

 

それでも嗅ぎつけてくるレーテシュ伯爵が凄まじいんですよねぇ。でも、彼女は優秀な政治家で、懐を探る一方でしっかり利益になりそうなネタも持ってきてくれるから、信頼できる相手ではあります。

油断すると出し抜かれかねないので、気が抜けない相手ではありますが。今回はペイスに刺さりすぎる手土産があったことで、しっかり協力者になれたのは良かったのでは。

どっちがより利益を掴むかで交渉の綱引きがありますが、不慣れな場所に呼び寄せて封じ込めようって策略よりは健全だと思う。

 

諜報に優れた協力者が出来たからって、はっちゃけて山一つ消しちゃったのには驚かされましたが。

魔法、怖いわぁ……後、山消したことで生態系絶対狂うよなぁ。でもそんな知識この世界にないんだよなぁとかまで考えてしまった。

山を削ったことで気象条件が変わることが予期されて、それに対しての欺瞞情報も用意してて抜かりないわペイス。

 

書き下ろし二十五.五章「燻る火種」は、山を消して雨乞いの祭りをすることになったモルテールン領の話。準備をプロホールが任されることになって、動き回ったりしてます。

姉が嫁いだ家も招待して賑やかに楽しんでるのが主ではあるんですが。三馬鹿トリオは本当に反省しろ。酔ってたって言うのを言い訳にするな。そして末文がまた不穏なんですよねぇ。章題通り、厄介事が燻ってそうな終わり方でかなり気になります。

 

電子SS「アニエスのダイエット奮闘記」は王都に移ったペイスの母。生活環境が昔より良くなったことや、複数の子供をもうけた事。さらには、加齢など。それらが合わさるとどうしてもお腹回りとかは気になる物で……でも、ペイスのスイーツは食べちゃう。美味しいからね。仕方ないね。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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