気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

かわく

不遇皇子は天才錬金術師~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~

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「感情を知らない相手に共感はできないし、共感が無ければ信頼もない。感情に振り回されるのもダメだけど、他人の感情を無視するようなことも、してはいけないんだ」

 

封印図書館を見つけ、ルキウサリア王国とのパイプが出来たことで、第一皇子は入学せず留学する体裁で話を進めているアーシャ。

その実、偽装工作をしてしれっと入学もしようとしてるわけですが。

皇子として留学するという形式は整える必要があり……であれば、護衛も必要。しかし、近衛はこれまでの実績からして信頼できたものではない。

しかし、イクトはあくまで宮殿での帯剣を許された「宮中警護」という役職持ちであり、他国に帯同していたのは特例でしかなくて。

 

そのあたりの交渉を、宮中警護長官であるストラテーグ侯爵とするところから始まっていたのがちょっと面白かった。探り合いの会話をしつつ、なんだかんだ直截にやり取りも出来るの、ストラテーグ侯爵的には面倒事と胃痛のネタが増えるので勘弁してほしい部分はあるでしょうが。

……ルキウサリアで交渉に割り込んできたりもしてるし、ある程度は自業自得でしょ。

ストラテーグ侯爵がアーシャの偽らぬ性格知ってて、なんだかんだ長い付き合いになってるのもあって、他の家族や付き合いの浅い人々相手に見せるのとは違う顔見せてくれてる感じがして好きなんですよね。

 

高名な学者であるテスラが帝都にやってきたけれど、対外的には皇帝の、実質的にはアーシャという目的とした人物の招待を受ける前に話は聞けないと断る一手で。屋敷に滞在させているストラテーグ侯爵が苦悩していたのは……機材トラブルもあって異臭騒ぎにも発展したとか聞くと、流石にちょっといたわるべきかな……みたいな気も沸きましたが。

立場が弱かったこともあってこれまで開いていなかった皇帝主導のサロン。

社交の場としての役割を果たすそこに、テスラを招けたのは大きい。他の貴族に真似できないように、平民を多く招いたというのも独自色出てて良かったのでは。

ディンク酒製造の件でモリーたちが招待状貰って悲鳴上げてたりしたのは、大変そうだと思いつつ笑っちゃいましたが。

皇帝に優先権を献上した時の周囲の反応をみるに、私もアーシャと同じくディンク酒の価値を見誤っていた感はあるなぁ……。怖い怖い。

 

加筆パートでテスラの働きかけもあって、アーシャが弟たちを連れて視察に行くという体裁で薬師ギルドの視察を整えていたのも良かったですね。

弟たちがアーシャの教えを素直に受け取って、聡明に育っているのも良かったですし。その機会にもいろいろと教えているアーシャは良い兄してると思います。

サロンの時とかも、妹のライアによくなつかれてましたし。時間つぶしに色々と手を尽くしてたのも微笑ましかったですね。

 

あらためてルキウサリアに訪問して、封印図書館に赴いた際にテスタとナイラが結託して、アーシャの手札を暴きに来たのは、なにやってるんだかとは思いましたが。

その後、しっかり脅しかけたのは、舐めたことしてきた相手に必要な薬だったことでしょう。アーシャの想定以上に効いてましたが、効きすぎて困ることはない案件だと思うのでヨシ!

アーシャが馬の要らない馬車の構想や、天の道について話す部分が、ディオラやテリーとの会話に変わっていたのも書籍版の味わいが出てて良かった。……ディオラの傍にいる使用人たちにもアーシャとテリーの聡明さが伝わっていったの、良い方向に作用するといいんですが。ディオラがアーシャに許可とった上で書記官読んで記録残してましたし、ズブズブの関係になっていきそう。……封印図書館の存在を明かした時点で割と今更か。その上で、立場があるから線を引こうとしてるだけで……。

不遇皇子は天才錬金術師5~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~

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「始まってもいないのに、終わらせないで…………」

 

初の王女ということもあって、これまで役割の無かった女性騎士が奮起して、ライアに付いている騎士がいつも違う、なんて状況になったりもしてるとか。

相変わらず兄弟仲が良くて見ていて和みますねー。WEB版で読んでいた時から加筆もされていて、音の仕組みについて話したり、静電気実験を見たライアの意識を逸らすために風の魔法の変わった使い方を教えたり。

遊びを通じて魔法を学ぶ体験として、シャボン玉をつくれる道具を整えたり。相変わらず色々やっていますなー。

 

表向きは鈍いフリをしているアーシャですが、立場故に侮られているし、ルキウサリアにある学園に通うにも妨害はあるだろうと目されていて。

さらには直前のハドリアーヌ王国の歓待で、鈍い演技をしながら大きな問題が起きないように無難にこなしたことで、これまでの悪評でマイナス査定だったのもあってギャップで離宮の人から評価する声が出たりもしている模様。

そんな中でルキウサリア王女のディオラとの交流は相変わらず続いていて。2人ともお互いを得難い友人と思っているし、ディオラの方は恋の萌芽が見えるような気もしますが。

アーシャはまだまだそこまではハッキリしていない模様。

 

入学体験を出来ることになって赴いてみれば、因縁のある人物と対峙する羽目になったり。

そこから国王と対面することになったかと思えば、ルキウサリア出身のストラテーグ伯爵まで乗り込んできたりと大騒ぎでしたけど。

……入学するかどうか、という問題をぶち壊すような、とんでもない物を発見してしまったのが良かったのかどうか。

それはルキウサリアに伝わる伝承、「封印図書館」。800年前に培われた高度な知識を、悪用を避けるために封じた場所。

アーシャの聡明さと、透過して情報を見られるセフィラが居て、その隣に自国の文化をしっかり押さえたディオラが居たことで、鮮やかに封印を解いてみせたのはお見事。

 

……しかし、前世の知識を持つアーシャからしても、信じられないような技術が封印図書館には眠っていて。

予想以上の爆弾が眠っていたと危機感を抱くことになって、そのためにルキウサリア国王なんかも交えて、今後の為の準備を進めていくことになったわけです。

アーシャほどの危機感を、現地の人々が持てていないのが不安材料ではありますが。ルキウサリア側にもブレーキ役になってくれる人が欲しいところ。

それはそれとして、秀でた知識があるのは間違いがなくて。ディンク酒の生産能力向上につなげたいな、と自分の利益の事も考えているアーシャが楽しそうなのは良かったですね。

……同じくらい頭痛そうでもありましたけど。

アーシャが作った不完全エリクサーの可能性について、ルキウサリアの薬学の権威が熱を挙げていたり、彼の優秀さを知る人が増えて行ってくれてるのは嬉しいですけどね。来年にはなってしまうみたいですけど、6巻の発売も決定したみたいですからこれからも続きを楽しみにしたいですね。

不遇皇子は天才錬金術師4~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~

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「じゃあ、兄上は? 何を目指しているの? 錬金術で何をしたい?」

(略)

「僕はね、自分の力で、過去の帝国を造った錬金術師を超える、すごい発明をするつもりだよ」

 

無事に皇子としての仕事を終え、大切な家族の下に帰還を果たしたアーシャ。

弟たちとの楽しい交流をして。内心ウキウキしてましたが……。一年離れている間に、彼らの周囲でも変化があって。

双子のワーネルとフェルはヤンチャな部分があって逃げ隠れする癖があるから、複数人が礼儀作法の家庭教師を兼ねて追いかける要員を兼ねている、というのはちょっと笑っちゃった。

 

……アーシャが弟を招いたときに勝手についてきて、第一皇子相手に意見を出したりしてきて、舐められてるなぁというか。本当に礼儀作法教えられんのか、って感じはしましたが。

テリーの周囲にも人が増えていたり、さらにはアーシャが双子を助けた時と同じ年齢になろうとしている時期ということに、テリー自身が焦燥感に駆られて勉強に没頭して……アーシャの招きを断ったり、微妙に距離を感じる場面もありましたが。

アーシャの事を慕っているからこそ、兄の偉大な影に追いつこうと必死になってただけなので、今回家族旅行とかを通じて交流の時間が増えて。ちょっと落ち着くことが出来たなら良いんですが。

 

アーシャ相手に微妙に距離があったといえば、妹のライアで。幼すぎたのもあってか、アーシャの記憶が薄れていて、ちょっと不満げな視線を向けられることもあったりしましたが。

魔法で花をゲーミングカラーに光らせてみたり、それを見て「キラキラを私もしたい」と言い出したライアに錬金術で工夫した遊びをさせてあげたりして、兄と認められて懐かれていたのは良かったですね。

今回はトライアン王国の王太子が来訪する運びになり、公爵達の思惑を受けてアーシャが饗応役を任されることになったりして。ユーラシオン公爵家令息のソティリオスが、補佐役のように傍についていましたが。

アーシャの演技には相変わらず騙されているし、補佐役ぶるくせにアーシャの動向把握していなかったりで、まだまだ青いなぁって感じではありましたね。アーシャと比べるのが間違いではありますけども。

 

WEBではもっと後の登場になるニヴェール・ウィーギントが加筆で早期登場。あとがきに寄ればWEBでは登場人物が多かったりしたので出番が削られ、アーシャの視界に入ることが無かったと語られていましたが。なんか挿絵もらって、無駄にカッコつけてるのに脅しに屈する様が、実に二ヴェールという端役らしくてわかりやすくて良かった。

不遇皇子は天才錬金術師3~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~

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「防げるなら防ぐ、講じる手があるなら講じる。そうして初めて相手も思い止まるんだ。いいか、争いを起こさせるのは欲とか名誉だ。だが争いを呼ぶのは、あからさまな好きや弱者への優位だ」

(略)

「これからだと思うんだけど、そんなの待ってはくれない、か」

 

不遇が父と継母に知られたことで、家族との関係が改善したアーシャ。

しかしそれは彼の存在を疎ましく思っている公爵家からすると、面白くない状況で。状況によって政敵になるはずの2家が手を組んで、アーシャを外に追い出す策略を練ってきて。

 

……問題の解決のために軍を率いる必要があり、つまりは皇子としての実績を積むことができる。公爵家の思惑としては、簡単に解決できない問題をぶつけて追い払おうってつもりみたいでしたけど。

アーシャはその類まれな才覚を活かして、早期問題解決を目指すつもりで。実際に現地に赴いて道筋作ってのけたんだからお見事でした。

 

まぁそこに至るまでの過程が問題山積でしたけどね。

皇子の悪評を吹き込まれた上、アーシャを追いやるための策略に巻き込まれて逃げられないくらいの将軍が派遣される軍のトップについたことで衝突絶えないし。

皇子が動くことで近衛もつけられたけど、中にはアーシャへの態度の悪さから罰を与えられた人材がいたり、不満を持った近衛が反乱を画策したりしてましたし。

さらには予想外の人物から刺客の差し入れが送られてくるなど、よくもまぁこれだけ別の問題置きながら現地の問題解決してみせたな、と感心すらしてしまった。

 

アーシャはこれまで隔離された状況を良しとして、悪評もそのままにしてきた。

それは政治的に望まれぬ長子である彼が排除されないために必要な、政治的な配慮でありましたが……。今回縁を得た軍の代表ワゲリス将軍は、その姿勢に反発。

政治的な目線を全く持たず、行動的すぎる人物であり、アーシャの立ち位置も理解せずに文句ばっかり言ってくるところは、正直苦手なキャラではありましたが。舐められすぎてるからこそ、敵も行動を起こしてくるんだぞという視点を与えてくれたのはありがたかったか。

 

アーシャ、不可視の知性体であるセフィラという強力な手札も持ってますし、彼が攻撃的な対抗手段を獲得することで問題が大きくなりかねない可能性もはらんではいますけど。

これまでの積み重ねからして、周囲の家庭教師も良い人材揃ってますしアーシャがそこまで判断を誤ることはないんじゃないかなぁ……とは思ってます。

WEBの更新も定期的に続いていますし、4巻の刊行も決定しているしで引き続き楽しみなシリーズです。


不遇皇子は天才錬金術師2~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~

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「アーシャさまが我々の想像の上を行くのはいつものことですから。慣れないといつまでも疲労するばかりですよ」

(略)

「慣れて……この状況であることに疑問をもたなくなるほうが、恐ろしくはありませんか…………?」

 

あとがきに書かれてるんですが、WEB掲載分からすると加筆されて流れ変わってる部分が多かったですね。

なんでもWEBの該当部分を連載していた時期に、このあたりで完結させようと思ってプロットを変更し、出す予定だったキャラの顔見せだけ済ませるつもりだったそうで。

そのタイミングでレビューを貰ったり読者が増えたことで、継続に舵を切ってくれたそうなので、当時レビューを書いた人グッジョブ。

私は今年の4月だか5月だかに見つけて読み始めたので、最悪出会えてなかった可能性あった訳ですからね……。

 

閑話休題。

皇妃との関係が緩和したこともあって、新たに侍女をつけてもらえることになったアーシャ。財務官も派遣されて、皇子なのにもらえていなかった歳費も与えられることになって……環境的には改善してるとも言えます。

ただ、どちらも仕事はしっかりとこなしてくれるけど、侍女のノマリオラはルカイオス公爵にアーシャの情報を流しているようだし。第一皇子付きとなった財務官ウォルドは実質左遷だからと宮殿での繋がりが途切れたようですし、問題も付随してきたんですよね。

 

アーシャは仕事ぶりや2人のおかれた状況をセフィラも使った上で把握して。その上で、相手に利益を見せつつ引き込もうとしているのが強かで良かったですねぇ。

……そういう考えに至れるからこそ、皇帝の側近のおかっぱとかストラテーグ侯爵とか、優秀さを知ってる人から警戒されるんだろうなぁ、というのも分かる。

自分の錬金術の成果物のチェックをしたい、という建前でノマリオラの急所をついて、見事忠誠をゲットしていたのはお見事でした。

 

加筆パートで言うと、ディンク酒関連で打ち合わせに帝都に出たら、モリーに絡んでいる悪名高い商人と犯罪者ギルド所属のごろつきが居て……。

その現場を見たことで、関係者から犯罪者ギルドについてアーシャは情報を集めはじめて。下っ端をいくら捕まえても意味が無いから、とそこまで積極的に対処する気はなく、『いつか潰す時のため』くらいのスタンスだったんですが。

 

帝国を再訪したディオラに絡む、公爵家と敵対する派閥の貴族関係者がいたり。

兄を慕ってくれる弟たちに、錬金術の実演をしたりと兄弟仲は良好ながら……距離が近づいたことで、テリーは兄の不遇に気付いてしまって……。

アーシャが入ったことない場所に招こうとしたら、それを察知した勢力からの襲撃を受けたり。

 

見事にアーシャの地雷を踏んで、犯罪者ギルドやそれに与した貴族の排除にアーシャが動くことになったんだから、エデンバル家はバカなことやりましたね……。

まぁ当代のルカイオス公爵との関係も悪く、追い込まれている派閥でもあったからこそ無茶をした、という面もあるみたいで。アーシャの弟にちょっかい出さなくても、追々公爵達に潰されていたとは思いますが。

セフィラの補助もあるアーシャだから、色々と無茶できちゃうんだよなぁ……というか。より容赦なく潰されたな、という印象。

 

いろんな騒動がありつつも、弟たちは兄をしっかり慕っているのが良かったですねぇ。

表紙絵のような、弟たちが兄を招いてのお茶会を開いてくれたエピローグは、アーシャの奮闘が活きてて好きです。

電子版の書下ろしは『皇妃のサプライズ』で、そのお茶会の準備について相談された皇妃の話。いやぁ、良い人ですね本当に。父は政治的な思惑からアーシャを排除しようとしているけれど、彼女は連れ子であるアーシャの事情を知ってから、心配りしてくれてますしね……。

TOブックス公式SNSの発信によると、4巻までの刊行が決定しているそうなので、楽しみに待ちたいですね。

不遇皇子は天才錬金術師~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~

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「こちらの殿下が今まで耐えたことを、陛下が否定してはなりません」

 

魔法がある異世界に存在するとある帝国。

その国の当代皇帝は、先代皇帝の隠し子として生まれ伯爵家に預けられた状態で、普通に結婚し主人公のアッシュを長男として授かった。奥さんは早くに無くしてしまったようですけど、何もなければ伯爵家の関係者として生涯を過ごしたはずです。

しかし継承権を持つ者の多くが亡くなってしまって、父が皇帝として担ぎ上げられることになってしまって。

 

宮廷を知らずに伯爵家の三男として育ったことなどがあり、父の皇帝としての立場は弱かった。

更には後妻として迎えた妃の間に次男が誕生し、周囲は継承権争いを警戒し、アッシュを遠ざける選択を取った。

そんな環境なので普通ならアッシュも荒んでいったのかもしれませんが。彼には前世の記憶があり……前世でも不遇だったけれど、家庭教師など数が少なくとも頼れる味方が居て、獣人や魔法に錬金術など前世にはなかったものに興味津々で。

庶民だった前世の意識もあって、皇帝なんて荷が重いから趣味に生きようとしてるんですよね。

 

実際、今では廃れてしまった錬金術の知識を習得したことで、役立つ発見を色々したりしてますし。

……下手に目立つと、アッシュを敵視する派閥が隔離ではなく排除に動くかもしれないのもあって、成果を秘匿する方針なので彼のあげた実績を知る人は少ないんですが。宮廷を出てもなんだかんだ強かに生きていけそうではあります。

 

アッシュの存在を面白く思わない輩は多く、彼の行動には多くの制限がかかっています。

第一皇子でありながら権力も何も与えられてない彼は、多くの困難に見舞われますが、どうにか対処していって。1巻の範囲で、後妻との間にあった誤解が解消されて弟妹と交流できるようになったのは良かったですね。

WEB既読なんですが、これからもアッシュの先には困難が多く立ちはだかるのですが、折れずに進んでいってほしいと願っています。

書籍加筆で、父親がWEBよりも有能にみえたりもしましたねぇ。厳しい立場ではあるでしょうが、励んでもらいたいところ。

 

ちなみにWEBだとストラテーグ侯爵視点の閑話などが途中に挟まっていて、他キャラの解像度があがりますよ。……アッシュの存在に対して興味を示してないのがより強く描かれている形にはなりますが。

元々物を揃えられずほとんどなにもない部屋で暮らしているアッシュに「あからさまに物減らして、なにか隠してるでしょう」とか痛くもない腹探りに来たりしてるし。その事実に気付きつつ、深入りするつもりないから流してるんですが。

このあたりもアッシュが不遇なのを強調する描写ではありますね。

 

アッシュ自身は皇帝になる気もないし、自分の弱みを相談して父親としての態度を出してしまうと、皇帝としての父の立場が弱くなるから、あえて口を噤んだりしてて、アッシュが敢えてそうしてる面とかもありますが。

これからどうなっていくんでしょうかねぇ。アッシュの錬金術の進展とか結構好きなので、続きを楽しみにしてます。

グリモアコートの乙女たち

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「……なにを選んだって、後悔が残るときってあるんだなぁ」

 

魔法やそれを扱う魔女がいる世界。

日本で誕生したのはグリモアコートという道具を扱う、大和魔女という在り方で。

女性のみにしか使えないけれど、魔法の道具としての完成度が高いグリモアコートの秘密を欲しがる外の組織なんていうのもいるようで。

 

主人公の織音は、ある目的の為に大和魔女を育成する学校に潜入した男子で。

生来の容姿もあって、女装して潜入した彼を疑う者は全くいない状況。

なぜ男子なのにグリモアコートを使えるのか等の疑問を彼も抱いているようですが……それは二の次。

この学院に潜入した理由は、彼にとって敵である人物を探すことで。

 

学院は特殊な空間におかれていて、色々と制限はありますが。

学生の中にも外の様子を知る人はいて。学長にしても一筋縄ではいかない感じがしますが。

学長は、組織の長として覚悟決めてる感じしますけどね。

下手に外の魔女に指示を出して方針を固めてしまうと、戦争の発端になるかもしれないわけですし。大の為に小を諦めている感じ。

 

最もそれで切り捨てられた小の側からするとたまったものではないんでしょうけど。

織音の目的を果たすことは出来るのか。最も彼は彼で復讐にとらわれ過ぎているきらいがありますので、もうちょっと学友たちにほだされてくれればいいんですが。


新ソード・ワールドRPGリプレイ集NEXT0 ギャンブル・ランブル

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GM その名も、にゅるるんちゃんⅢ号! ばっちり理性をなくした魔法生物です!
一同 ってゆーか、なんだその名前―!!
GM 可愛いじゃないですかー。リリアパパが開発した生物で、鋭意城内放浪中です。

 
第4.3話 ブライト・ブライダル
第4.7話 スウィート・フォレスト
第21.5話 ギャンブル・ランブル
第0話 ナイト・ビビッド・キューピッド

番外編と、幻の第0話が収録された一冊ですねー。
刊行した順番でいえば、8と9の間ですか。
ま、番外編なんで一つ一つは小さな事件だったりしますけど。
幻の第0話は、あーこれは、なるほど幻になるのもわかるような。
本編でも同じような事件がちらほら起きて、耐性がついているからなんか判断がおかしくなっている気がしますが。

「ブライト・ブライダル」
ベルカナと師を同じくする青年が、調査に行ったきり帰ってこない。
それを探しに、後を追ってみたら、そこは幽霊がいる城だった、と。
ホラーハウス演出しようとして、なぜか笑いがこぼれるあたり、さすがとしか言えない。

「スウィート・フォレスト」
遺跡大好きシャイアラさんのためのシナリオ。
地下に潜る遺跡ではなく、青空の見える遺跡を。
ま、途中で空見えなくなる場面もありましたが。

「ギャンブル・ランブル」
リアルでもポーカーをやって、シナリオの要素としていましたが、GMがうっかり引きがよくて……
ちょっとお遊びが過ぎたというか、あれ、なんのために勝負始めたんでしたっけ、みたいな感じに。
まーいつもの調子で笑えましたけどね。

「ナイト・ビビッド・キューピッド」
幻の第0話。
最初からこれを書いてくるとか、本当に新人かと。
変わった恋愛要素というか、びっくりネタとしてそっち方面を盛り込むのはこのころからの癖なんですね……
あくの強いNPCがいったいどれだけ出てきたことか。
第一回ということで、キャラクターの性格とか設定にも若干の違いがあります。
でも、何となくぺらぺらーずっぽさはあったかなー。


新ソード・ワールドRPGリプレイ集NEXT9 クリティカル・クライマックス

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ブック け、結果論ですよ、結果論。大体、クレスポさんも後方に退避するって宣言してたじゃないですかっ!
クレスポ (しれっと)あ、俺は行動キャンセルッス。
GM じゃあ、その場に残ることになりますね。
ブック ずるいですよ、貧弱盗賊! ベルカナさんより先に処理してたら逃げてるところだったじゃないですかー!!

リプレイ完結。
幹部になったこともそうですが、もうすっかり盗賊に馴染んでますねー。
GMが盗賊ギルドに引きずり込んだはずなのに、冒険者と盗賊の立ち位置を読み違える事件もありましたが。
ま、PCが何を基準にするのかがわからないからこそ、TRPGってのは面白いですよね。
こういうすれ違いが楽しめる環境だったら、という前提ですが。 
 
第25話 学者と絵画の幻
第26話 赤き谷の竜
第27話 母の野望と封印

コモドアの民を魅了し、支配する「魔の母」エキドナ。
その思惑を打ち砕くべく、ぺらぺらーずが派遣される。
盗賊ギルドには盗賊ギルドなりの苦労があるようで。
以前スパイを暗躍させてしまった経緯とかもあって、国からの依頼を断れなかった面も。

クレスポたちは、エキドナについて調べ、対策を取ります。
念入りに準備しないと、 うっかり死にかねないですしね。
今回は最終回ということで気負っていたGMが誘導をミスることが多かったですかね。
というか読み間違えていた部分顎奥手、シナリオの穴を突かれていたといいますか。

途中シャイアラさんの衝撃の告白とかもあったりしましたが。
相手の嫌がることならなんでもやります、みたいな感じで、いろいろ手を打っていましたけど。
まーラスボスが困るなら万々歳ですけどね。
本当に、英雄では決してなく、盗賊であり通しましたね。
最後までぺらぺらーずらしさを通した、いいリプレイだったんじゃないでしょうか。

巻末に各プレイヤーからのコメントといいますか、セッションの感想とか、キャラクターについてとかあったのもなかなか良かったですねー。
それなりに楽しみました。

新ソード・ワールドRPGリプレイ集NEXT8 スカイ・ステージ

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ベルカナ で、気づけば魔晶石はなくなってしまった、と。きっと「そのうち魔力の塔も復活するさ、蛮族なんかに負けるもんか」と言いながら……
ブック バカですか、カストゥール人は!!(笑)
クレスポ 生き残った人が昔を懐かしんで使いまくったから、現実にはあんまり残ってないんスね、魔晶石(笑)。


プレイ中によくある与太話の類ですが。
なんとなく笑ってしまったので。
監修者も、これはこれで説得力あるんじゃ、みたいなこと巻末で言ってましたしね。
ゲーム的にそうそう出せるものではないっていう事情もあるようですけど。

第22話 知られざる空の楽園
第23話 闇にのまれた安らぎ
第24話 懐かしき友の行方

22話にある通り、空に浮かぶ謎の遺跡の調査に赴く一行。
かつての魔法文明の名残ともいえる存在で、貴重だが、ガードモンスターもいたりします。
そんな遺跡の調査をしていたら、なんか厄介な情報を拾ってしまったぞ、という展開。

22話で、浮島の上層部分。
23話で、浮島の中心部分を調査します。
中心のほうにとんでもないトラップというか、厄介な存在がいたりするわけですけど。
ろくなことしない研究者が多い気がしますねー。研究者というか魔術師?
魔獣操る道具あったり、巨人呼んだり、キメラ作ってたりと盛りだくさん。
思うような魔獣を作り出せない……って失敗の段階でやめとけばよかったのに。
案の定報復を受けたようですしね。

24話。
ライオー、随分と重要なキャラになってというか。
結構頻繁に出てきてますよね。最初の一回だけのキャラかと思っていたのに、ズルズルと。
エキドナという厄介な敵の存在だけが示されて、詳しい情報が出てこないっていうのはなかなかアレですね。
実際やっているともどかしくて仕方がないんじゃないかなぁ。
情報を得られる段階まで到達して、次回への引きに使ってるしなぁ。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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