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「改めて約束する。セルヴィアの事は、何があっても絶対に俺が守る。俺はセルヴィアを幸せにしたいんだ」
とあるゲームにおいて、幼馴染で婚約者だったカインの歪んだ愛情によって苦しめられていたセルヴィア。彼女は勇者によって救われ、幸せになるはずだった。
しかし、勇者はセルヴィア以外にも多くのヒロインを助け、ハーレムを築くことになり……ヒロインごとの扱いにも差が生じて行った。
セルヴィアが最推しである主人公からすると、死んでからもカインの墓参りをしたりするくらい心が捕らわれている彼女は、まったく幸せになれてない。ハッピーエンドが用意されていない。
周回要素で隠しシナリオとかもなく……アプデに合わせてやった10周目のプレイで、いい加減このゲームから離れようかと思っていた。
しかし、主人公は気が付いたらセルヴィアの幼馴染であるカインに転生していた。
元々この2人は婚約者だったものの、セルヴィアが「世界樹の聖女」と呼ばれる神託が下り婚約が破談。セルヴィアが王子に取られてしまったものの、セルヴィアは聖女として期待される能力を発揮できず、王子に捨てられてカインの下に出戻ることに。
王子、世界樹の聖女だと偽ったセルヴィアを苛め抜け! とカインに命令するのは……まぁ小物過ぎるけど良しとするにしても。王家の封蝋を押した書状とか言う、弱みになり得る証拠品を残しているのはやり口が雑なのでは……?
ゲーム本編ではカインもその父もこの指示に従ってセルヴィアを苛め抜いたみたいですけど。
世界樹の聖女の力を戦争に生かして他国を蹂躙しようとか、平民は虫のように湧いて出る存在だから数千程度死んでも問題ないとか言っちゃう暗愚に従ったら、そりゃ破滅するよ。
カインの父、帝国との国境を任された辺境伯みたいですが……王家に絶対的な忠誠を誓ってなくて、帝国側の貴族とも交流を持ち危険がせまったら願ることも視野に入れたコウモリみたいですけど、どうして素直に従ったのやら。
さて。転生したカインは、セルヴィアを大事にしつつ、表向きはカイン王子の支持に従っているようなそぶりを見せて。
セルヴィアを鎖に繋いで「それっぽい写真」を取って誤魔化してましたが……なんかセルヴィア、兄が大好きすぎてそういうプレイとして受け入れ始めてるの、業が深い……。
自分達の関係を認めさせるために、カインは自らを鍛えることにして。ゲーム知識を生かしてスキルを獲得したりしてますが……現実となったことで上手くいかないこともありつつ、それでも前に進んでいるのはまぁ良し。
主人公がゲームを10周した上で転生したからか、ゲーム主人公である勇者くんが周回特典としてステータスを引き継ぎ状態でスタートして、いきなりトンデモない力を得たことで傲慢になりまくっている風なのがなぁ……悪い方向に転がりそうな予感しかしなくて不穏。