気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

さんど

砂漠の国の雨降らし姫2~前世で処刑された魔法使いは農家の娘になりました~

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「どんな経験もあなたを作るあなたの一部だわ。それを受け入れて生きるのが貴方に与えられた大切な課題なのよ」

 

アレシアから託された、癒しの絹。

それによってマークスは王妃ベルナを助けることに成功して。

食べると吐いてしまうことが増えたという彼女に、せめて果物だけでも食べて欲しかった思いが、予想以上の結果で帰ってきたのは喜ばしいと言ってよいでしょう。

隠していた力が表に出る懸念はあっても、それでも絹を託したアレシアの想いに応えるべく、王妃にも口止めしてちゃんと秘匿を徹底したマークスは偉い。

 

マークス達、ラミンブ王室の人々は善良な人が多くはあるんですが。

砂漠にある貧しい国であるために、出来ることに制限もあるんですよねぇ。

北にはファリル王国という、豊かな資源を背景に軍の増強に力を入れ、周辺国を征服してるそうですが、そんなファリルの侵攻からも結果的に見逃されてるみたいですし。

過去には不利益を押し付けられることもあったとか。

それに絹布の検証を行っていたイゼベルの家族が巻き込まれていたり、さらに深掘りすると魔法使いの立場が弱いことに繋がって……魔女として処刑されたアウラを前世に持つアレシアが責任を感じてしまう場面なんかもありましたが。

アレシアは、なんというか背負いこみすぎなんですよねぇ……。前世のアウラからして、冤罪で処刑されているわけですし。

 

癒しの力こそまだ秘匿できていますが、明らかに広範囲に影響のでる「雨」の存在は隠しきることはできず。

ファリルの王がその雨に目を付けて、第四王子へルードに「連れて帰ってこれそうなら連れてこい」と命じて、遊説の名目で送り込んでくることになって。

 

へルードが探りを入れたり、農園にまで踏み込んできたことで、アレシアはこれまでのように逃げ隠れして隠し続けるのは難しいと判断。マークス達を信じる決断を下したわけです。

そうして王族との交流が増える中で……アレシアはかつてアウラだった自分が信じていた人に裏切られていたことを知って。絶望しかけた中で、ヤエル先生と会話したことで前向きになることが出来て。

これまで無意識に雨を降らせることしかできなかったアレシアは、魔法使いとして能力を自由に扱えるように才能を開花させたわけです。……まぁ、開花してからも、寝てるときは無意識に雨を降らせてしまうのは変わらなかったみたいですが。

アウラの処罰が誤りだと周知されたこと。アレシアが新たに生まれた魔法使いとして国に登録し、大切にされている姿を見せることで少しずつ国に良い影響が与えられていったのは良かったですね。

 

それはそれとして相変わらずの改行の多さでそこはちょっとうーん、ってなりましたが。


砂漠の国の雨降らし姫~前世で処刑された魔法使いは農家の娘になりました~

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「人との関わり方を知らないまま大人になって、恋もせずひたすら隠れて生きろと? それ、幸せな人生かしら。偉い人に閉じ込められて利用されるのと、たいして変わらないわ」

「そうだな……そうだった。お前の言う通りだなイルダ。自分を守るために誰とも関わらずに生きろと言うのは、残酷だな」

「ねえ、あなた。これからはもっと先を見てアレシアを育てましょうよ」

 

砂漠の国において最強の水魔法使いとして畏怖されたアウーラ。

しかし彼女は隣国との内通の疑いをかけられて処刑されてしまった。

……そんなアウーラの生まれ変わりである少女、アレシアが主人公の物語。

彼女は生まれた時から特殊な力を持っていた。それが「自分が寝ている間、一定範囲に雨を降らせる」能力。

 

砂漠において水はあまりにも貴重なため、その力が権力者に知られたらどうなるかわからない。

そう考えた両親がアレシアを守ろうと工夫を凝らしてくれたのが、本当に良かった。前世で大変な目にあった彼女ですから、良い両親のもとに生まれたのは救いですよ。

 

寝るときに雨を降らせる、という魔法としか思えない力。

けれど、魔法使いとしての記憶を取り戻しても制御することはできず……アレシアが成長するにつれて雨の降る範囲も拡大していった。

初期は街から離れた場所に隠れ住み、成長してからは街に拠点を設けて人に紛れることにした。アレシアの世界が少しずつ広がっていくのが良かったですね。

 

アウーラを処刑した王家は後にクーデター起こされた、今は新しい王家が立っているみたいだし。アウーラが起こしたとされる大洪水はあくまで自然災害に過ぎないと隣国では伝えられてるみたいですけど。

アレシアの転生までまだ三十年程度しか過ぎておらず、実際に大洪水の被害を受けた人が生き残っているのもあって、この国ではアウーラを責める声がまだ多いみたいで……図書室で怪しい集いが催されたりして、心配材料は多いなぁ……。

 

あと地味に改行が多いレイアウトなのが気になったなぁ……。地の文が短いシーンとかだと特に空白が目についたというか。

穏やか貴族の休暇のすすめ。2

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「お前は身内に手ぇ出されると本当容赦しねぇな」

「因果応報、悪い事はしちゃいけませんよって事です」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで630日まで。

貴族にしか見えない冒険者ということで、絡まれる事も出て来てますが。ジルが傍にいるのもあるし、リゼル自身も食わせ者なので安心して見てられるのは良いですね。

1巻後半から赴いていた商業国で過ごす日々も終わり、帰還する途中で賊の襲撃を受けたりしてましたけど危な気なく撃退。

 

それ以降、監視がついたり街中でも襲撃されたりするようになって。

時を同じくして、リゼル達のパーティーに加入したいというソロCの冒険者が接触してきたりもして。あからさま過ぎて笑いましたが、初対面の時から必要な情報をしっかりと獲得しているリゼルはお見事です。

その人たらし技能で、襲ってきた盗賊の頭をたらしこんで味方に引き込んでるんだからお見事言うほかない。

 

商人ジャッジ君が留守にしている間、店を任せていた相手が商品を盗むなんてトラブルも起きて。

事情を知ってしまったリゼル達が裏側から手を回して解決してしまったのは、リゼル主人公の物語としては良かった。

……ジャッジ君には、自力で解決への道筋を作ってほしかった気もするけど、即座に解決できるであろうリゼルを頼らなかった部分は評価したいんだよなぁ……。

 

巻末の「街角の細工師は語る」で、リゼルと細工トークで盛り上がってる職人さんが中々愉快で良かったし、電子特典SSの「興味の尽きない今日この頃」で、言われた通りの反応を示すリゼルも面白かったです。

穏やか貴族の休暇のすすめ。

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「アホだと思った」

「初めて言われました」

 

WEB版タイトルは「休暇だと思って楽しみます。」で書籍化に当たって変更されたようです。WEB未読で、BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで630日まで。

後書きによれば「主人公総構われ(愛され)」「恋愛より友愛」などの作者の性癖を詰め込みまくった作品になっているようです。

 

なので、そこの部分の感性がハマった人はとことん楽しめる作品になっているのではないでしょうか。

キャラとかストーリーは好ましい要素が多いのですが、文体が微妙に好みから外れてる感じでもどかしくはあった。作者さんの好きを詰め込んだ作品だというのは良く伝わってくる作品ですよ。

 

ある国で、国王陛下の教師を務め今では宰相にまでなった青年貴族リゼル。

執務室で書類整理中だったはずなのに、気がつけば見覚えのない異国の街中にいて……。言葉は通じるが、貨幣は違う。地図を見ても見知った名前は見当たらない。そんな状態でも慌てず情報収集して、優秀な冒険者と顔を繋いでるリゼルは本当に強かです。

 

で、彼には人たらしの側面があって。ギルドの受付や、知り合った商人などに懐かれているのは……友愛と言うには思い入れが強くなりすぎてる気がして重いとは感じました。

リゼルが銃を主な武器としていて、本来は使い切りの魔力を裏技的に補充してる部分とかの設定は好みでしたねー。

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