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「無責任じゃねえよ。お前は、守る大変さと責任の重さを知ってるんだ。安心しろ」
神と人が共存していた時代、世界は邪悪な大蛇によって滅びかけた……神は人に魔と対峙するための力を与えた。
男には影から魔祓いの武器を呼ぶ力を。女には、癒しの花を身体から咲かせる力を。それぞれに与えた。
そしてそれから千年の時が流れて……。
女性が咲かせる癒花は、すべて神から与えられたものでどれもが平等。神の慈悲であるために、人が無作為に採ることは憚られ、その花を整える資格をもった者を「花結師」と呼ぶそうです。
……癒花は平等というのが理想ではあるんですが、皇帝の住まう国の中心部・女たちの戦場である後宮においては、そうもいかず。
先だって邪悪な試みに染まった先帝が大蛇を復活させたこともあり、癒花の美しさこそが追及されるようになったようです。
そんな中で主人公である後宮の女官である草苺は、花も咲くが名前通り苺のような実の方が目立つ癒花を咲かせること。平民であり後ろ盾がないこと。普段から雑草とりと言った雑務を振られていること。
そうした事情が重なって「雑草娘娘」といった蔑称を付けられている少女ではあったんですが。
草苺に後宮の仕事を紹介してくれた人物が、花結師としての知識がありそれらを教わっていたことで、草苺は資格こそないものの花結師のように癒花を整えることができた。
資格がないので剪定こそできなかったけど、後宮の女性の数に対して花結師の数が足りず、皇帝の妃たちが当然優先されるので、下級女官はなかなか見てもらえない状況だとかで、草苺も頼られていた模様。
噂を聞きつけて花結師には頼りたくない紫陽花の妃妾すらやってくるほどで……ただ、剪定ができない自分では力になれないと草苺は断ったわけです。
そうしたら紫陽花の妃妾は急変し……襲われ逃げ続けた先で、ひとまず魔祓いの武器を振るう青年・角星に助けてもらうことが出来て。
しかし、紫陽花の妃の容態はわるく……止む無く草苺が花結を行うことになって。
そしてその技術は古いながらも正確なものだったことや、草苺の癒花が特別かもしれないという可能性が見出されて。
草苺は上層部にその存在を把握され、現状後宮……というか国が抱えている問題の解決に通じるかもしれないと、期待されることになるわけです。
花結師を束ねる長官・金紗は花結に真摯でしたが、花結師の中には思い違いをしている輩もいたりして、草苺へちょっかい出されることもありましたが。
実力で黙らせていくの良かったですね。草苺の行動を見届けた上で金紗が庇護してくれてましたし。草苺の助力のもと、問題解決に至ったのは何よりでした。