気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

さんば挿

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン13

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「……後悔なら、遅すぎるだろう……」

 

今回は、終始穏やかな雰囲気でしたね。不穏なところもありましたが。

ただまぁ……帯にも書かれていましたが、この平穏はあくまで、嵐の前の静けさでしかなく。

着々と戦争に向けた準備は進んでいるんですよねぇ。

 

爆砲の整備が帝国側でも進められて、それの脅威を実感するための演習が行われるようになったりしていました。

精霊にまつわる驚愕の真実が明らかになり、それに伴って精霊たちの機能の一部が解放されてましたし。

限定的とはいえ通信機能が解放されたのは、軍にとって大きいでしょう。

 

マシュ―とポルミが結婚する事となって。それ自体は目出度いことですが。

陸軍と海軍と畑が違うわけで。おまけに名家の娘と出世頭の息子だから、家の問題なんかも出てきて、ちょっとギスギスしてましたね。

その空気の中で平然と食事を楽しめるイクタは相変わらずだなぁ。

 

ハロが怪我から無事に復帰したり、良いイベントもありましたが。

サザルーフが過去の因縁とまさかの再会をする羽目になったりと驚きの展開もありました。いやまったく、帝国は本当にズタボロですね……シャミーユとイクタがそろって存在しなければ、形が壊れていたんじゃないかなぁ。

 

とはいえ、共和国側が安泰かといえばそうでもなく。眠れないジャンなんかは、あの時精霊から彼の長期的な不眠がもたらす悪影響について教えられたみたいですし。

捕虜の身を脱し、共和国に戻ったエルルファイはイクタとの約束を律儀に守ってくれて……その中で迷いを抱いているようですが。

さてはて、こんな状況でも共和国の宰相と帝国の佞臣は動いているようですし。

次で最終巻と予告を打っていましたが、ここからどうやって幕を引くのか、今からちょっと楽しみです。


ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅩⅠ

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「うん、いや、言ってることはよくわかるよ。どういうやり取りがあったかまで八割がたまで想像がつく。あなたの怒りはもっともだ。だから遠慮なく存分に、あんな危険物を官職にねじ込んだ僕の歴史的迷人事を罵ってほしい」


今回はイクタが復活した事によって、何とかバランスを取り直した帝国の内政編。

狐が相変わらず好き勝手していたり、以前から言われていたように傾きかけの帝国の延命措置な感じで、盛り上がりには欠けましたな。

……イクタが投与した劇薬、文官ヴァッキェが本当に劇薬だなぁ、と。見ていて怖い。

 

凝り固まった空気を壊したり、苛烈な女帝シャミーユと距離を縮めたりして、決して無能ではないんですけどね。

初対面の狐にも物おじせず絡んでいって、イクタが「あの狐から常識を疑われるという未曽有の経験」をする羽目になっていました。

いや凄い。こっちの寿命の方が縮みそうだ。ヨルガも大変だろうなぁ。

 

シャミーユとイクタは出来るだけ一緒にいるように行動していましたが。

流石に四六時中行動を同じくするわけにもいかず。別行動中に、中々厄介な状況が発生していましたが。

狐が跋扈している以外にも、ああいうのを見ると帝国崖っぷちだなぁ、と思います。

最もアルデラ教団の方やキオカの方に運営ぶん投げられるほど安心できるかっていうと、あっちはあっちで不穏というか火種に事欠かないからなぁ……

 

アルデラ教団との交流が途絶した隙を縫って、帝国でも爆砲を採用したり、キオカと水をあけられた技術格差の穴埋めにイクタが励んでますが。

そんな折、教団とキオカと帝国の代表による三国会談が持ち掛けられて。

様々な思惑からそれを飲み、イクタとシャミーユが赴いてましたが……そこにアナライ博士まで紛れ込んでいて。

え、この御仁ヴァッキェとは別方向で引っ掻き回すことしかしなそうなんですが、何で連れてきた共和国宰相……!


ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅨ

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それは永遠に尽きない悔恨で。彼がついに辿り着けなかった眩い夢の形で。

でも、喪われなかったものがここにある。彼女が彼女としての残した想いがここにある。

彼が何よりも守りたかったもの。ヤトリシノの心は、確かに生きてここにいる。

だから、もう――死んだふりはやめて、歩き出さなければ。

 

キオカによって目覚めたパトレンシーナによって、いいように引っ掻き回されるマシュー達。

いやはや、本当幽霊としては優秀すぎるというか、厄介にすぎるよなぁ。

普段は善性が表に出ているから、疑う事も出来ない。で、いざ蓋を開けて見れば容赦ない手を影から売ってくるというんだから。

 

……エルルファイの背景を知ったときにイクタは激昂してましたが。

今のハロの姿を見ても同じように怒るのではないだろうか。

帝国の腐敗具合も相当で、狐を上司として仰ぎたくないという気持ちは痛いほど分かる。

けれど、キオカがアルデラ教の総本山が帝国と比較してどれだけマシか、と言うとね。

彼らは彼らで闇が深そうですからね……特にハロ達を拾い育てた人物なんかはかなり真っ黒な気が。

 

今回は目覚めた幽霊と輝将、そしてアルデラ総本山の策略に帝国側が振り回されるばかりでしたね。

訓練を重ねていたトルウェイが合流して、何とか持ち直してましたがマシューも結構危地にいますし。

その状況で、イグゼムとシバが動いて。後宮にいた「彼」を引きずり出し、たたき起こして。ここからひっくり返す手を打てるのかどうか。

彼の復活を告げる戦いとして、舞台は整っている感じはありますし、次回が楽しみです。



天鏡のアルデラミン ねじ巻き精霊戦記 Ⅲ

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「ようこそ! 科学の世界へ!」

 

電撃文庫のコミカライズ。

丁寧にコミカライズされている印象ですね。まだ微妙に原作1巻終わってませんし。

ここで話が切れるっていう事は、少なくとも原作2巻まではコミック化されるんでしょう。アニメ化も決定していますし、できればそのまま続いていってほしいところ。

 

今回は丸々、模擬戦について描かれています。

1話目で小隊を預かり、準備して本番という流れ。

トルウェイの兄貴たちに目をつけられたイクタたち騎士団は、現役士官+ヤトリという厄介な相手との演習をすることにさせられて。

……レミオンの兄貴たちは陰険な手を打ってくるなぁ。ヤトリだけ敢えて引き抜いているあたり特に。

 

イクタは過去の経験と、これまでの行いもあって、最初は隊に受け入れられませんが。

演習を上手い事利用して、とりあえず仕事を得ていました。

怠けきれないあたり、彼の性根の真面目さがうかがえるというか。

最もそれも彼流にいうなれば、正しく怠ける為に働くべき時には働く、といった感じですかね。

それにしても騎士団がそろっているこの時が、如何に貴重な時間だったか。最新刊は積読の山に埋もれたので早く読みたい。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃コミックスNEXT)
川上泰樹
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-10-09


ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン2

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「だから その考え方が非科学的だって言うんだッ!!」

敵国に流れ着いてしまったイクタたち。
どうにかして帝国へ帰ろうと策を練り、行動に移します。
国境警備の少尉とか、ここで退場するには惜しい名将ハザーフ中将とか。
絵が付くとまたいい味出してますなー。
ネジフ少尉がイクタと話している時の、頭抱えている様子とか、中々。

原作を読み進めて、イクタの過去を知ると、この時、らしくなかろうとも、中将に食って掛からずにはいられなかったのかな、と。
皇帝陛下も描かれていましたが、なるほど、迫力がない。
イクタの評価である巨大な枯れ木というのがよくわかる。

馬車で、シャミーユが得意げにイクタの過去を暴露していく場面とかもよく描かれてました。
良い気になって話す王女と、いらだつイクタ。
帰還したと思ったら速攻で、学院にぶち込まれるところまで行っていました。
学院でイクタへのちょっかい出されている場面とかが少しあっさりしていたかなぁ、という感じ。
オマケがちょっと乗っていたり、作品の雰囲気壊さないコミカライズ。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (2) (電撃コミックスNEXT)
川上泰樹
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-03-07

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン1

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――あらゆる英雄は 過労で死ぬ


表紙がちょっとイメージと違うかなぁ、と思いながら手に取ったんですが。
読み進めている間は案外気にならなかったですね。
というか、結構あっているとすら感じました。
原作の方も絵師が変更になっていましたが、そちらの画よりはあっている感じがします。

最近はまっているシリーズの一つ、「天鏡のアルデラミン」のコミカライズ。
イクタとヤトリの卒業式の様子から、漂流してしまったそのあとの出来事が少し。

そういえば、高等士官の試験で「思うところを自由に述べよ」って随分毛色の違う問題が紛れてましたけど。
あれ結局誰が作っているんですかねー。微妙に気になる。
イクタは、実力がありながらも、それを進んで振るおうとはしていなかった。
ヤトリのコネを使って、首都の国立図書館司書のポストに収まろうとしていたくらいですし。
国が滅びる寸前まで怠けていたかったから。

結局その願いはかなわず、騒乱の中に巻き込まれていくわけですけど。
「あらゆる英雄は過労で死ぬ」。
そう記した彼は、引き戻せない一歩を踏み出した時、いったいどんな気持ちだったんだろう。
ここまでの関係を築くに至った理由とか、過去に何があったのかとかすごく気になります。
まぁ、原作の方で狐と対面したところだし、色々とあきらかになってくるのだろうか。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (1) (電撃コミックスNEXT)
川上 泰樹
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-10-09
 

ねじまき精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅥ

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だからこそ、トルウェイは固く心に決めた。――自分は覚えていよう。そして、いつか人々に思い出させよう。人間は誰もが、死に怯える弱い生き物であることを。そんな臆病者たちが勇者を演じて殺し合う、それが戦争の正体だったという事を。その上で――
「ぼくが、その在り方を過去にする」


絵師交代でイメージと違ってしまったのは残念。
あとがきで理由がしっかり描かれていたのは好印象ではありましたけど。
体調がすぐれないとかで。お大事になさってほしいものです。

さておき帝国内乱編。
イグゼムの一族が厄介すぎてもう。
元帥は堅物だし、名誉大賞は戦狂いだし、ヤトリはヤトリで、若いながらもかなりの実力を見せますし。
こいつら本当に人間かよって思う部分が無きにしも非ず。
一方で、クーデター起こしたトルウェイ父の方は思考的にもわかりやすいといったらアレですが。
憂国の士としてのパーソナリティはしっかりあるようで。
イクタに言わせれば、失敗する未来しか見えないけど、交渉の余地あり。

騎士団組は、ヤトリがいない状況で、少しでもよりよい未来のためを求めて行動。
いろいろ手を尽くしているわけですが、状況は予想よりも厄介な状況。
狐が上手というか、火に油そそぐ真似しかしないからなぁ、アイツ。
皇帝を抑えられなかったのは痛い。ずるずると長引けば長引くほど、問題根深くなって、遺恨とかも生じそうですけど。
そもそも、長引きすぎれば、国を憂いてクーデター起こしたはずなのに、それによって不安定になったところをキオカに攻め込まれるという未来が待っているわけで。

今回は、トルウェイ回でしたね。
やはりクーデターを起こしたのが、父親の派閥ということもありますし、もともとの性格もあって、結構悩んでいましたからね。
これまでイクタがトルウェイに課してきたもの。イクタの期待。そして、それを受けてのトルウェイの決断。
誰よりも臆病であるからこそ。戦争という場で、自分ができること、するべきことを見極めたトルウェイは、重要な一歩を踏み出したんじゃないでしょうか。

狐が、最後に出てきて相対していましたが、この期に及んでも何かろくでもないことしそうで嫌な感じ。
不眠の輝将をどう超えていくのかと思っていたイクタたちがあっさり内乱の方に絡んできたのは少し意外。
そして、内乱とはいえ戦争。死者が出たりしていますけど……
これ、ずいぶん難しい状況になっているんじゃないか。
続きはよ。


ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン5

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「聞いてくれ、三人とも。――僕の中ではもう、考えたり悩んだりする段階は終わってる」
混迷の泥沼の中で、イクタの声だけがはっきりと揺るぎない。藁にもすがる思いで、三人の視線が彼に集中する。
 「手段を選んでいる余裕は完全になくなった。希望とは別に覚悟も決めている。だから僕は、これから――かつて沈んだ太陽を、もう一度空に引っ張り上げることにする」


 さて、前回痛い目を見た海賊軍の反撃のエピソードですね。
陸軍である以上、イクタたちに出来ることはほとんどない……なんてはずもなく。
イクタたち騎士団の策略をもって、マシューが会議へと参加する。

合間に、イクタの持っている英雄観みたいなものが更に深く触れられていましたけど。
なるほど、だからこそマシューを推しだしているのか、という感じで。
別のラノベで「英雄というのは逃れられない呪いだ」みたいなことが言われてましたけど、そういう感じ。
英雄は全体の理想でなくてはならず、個人が押し流されてしまう。
そんな流れには乗りたくないし、誰も載せたくない。
だからこそ、マシューを推す。責任感と同時に、頼りなさをもっているから。
好意を持たれても、英雄を生み出す流れには乗らない。そんな彼の資質を、生き方を貴く思っているから。
イクタは本当に、怖いくらい色々とモノを考えてますよね。
追い込まれた状況の中でも、それでも諦めずに模索する。
それは彼に言わせれば「正しく怠けるため」の行動なんですが、その行動は、英雄に近いそれだと思いますけどね。少なくとも、父親の名将の血は間違いなく継がれている。

海戦の方は、結構あっさり終わったかなぁ、という感じ。
色々戦場のなかで動きはありましたし、痛手受けたりもしていますが、それでも勝ちを掴み取ったのはさすが。
マシューも、今回は活躍していましたねー。
しかしポルミは再登場の目があったりするんだろうか。海軍と陸軍だと畑違うからなー、今回みたいな作戦がないと会えなかったりするのだろうか。

で、海戦を終えたと思ったら、今度は鉱山へ。
そこにいたのは、北域で相対した、不眠の輝将。
またここでイクタとのチェスじみたやりとりが発生するのかと思いきや、事態は急転直下で動き出す。 
怪しさは感じていましたけど、このタイミングで動き出すのか、といったとこですね。
帝国内で起きた火種の影響で、騎士団と別れて行動することにあったヤトリ。
そしてイクタは、引き戻せない一手を打つ。
怠け者なところも、策士なところも含めてイクタというキャラが結構好きでしたけど、今回は本当に格好良かった。最後にオチをつけてましたけど、それでこそ、って部分もありますし。

あとは、イクタとヤトリの絆の強さが揺るぎないっていうのが、これでもかってほど描かれていましたね。
もう、あのふたりのコンビが大好きです。
それみて、歪な心に振り回されている姫さまもいましたけど。イクタが、姫さまの企画にのったようでいて、へらへらやっていたことについても、色々と考えがあったんだなぁ、と触れられていて個人的には満足。
ヤトリをうまく引き込めれば、あの陣営最強じゃないだろうか。

あとは、癒し系で、結構気に入っていたハロですが、今回なんか怪しい事情が明らかに……。
騎士団の中では確かに、見せ場が少ないというか、濃さが足りない部分ありましたけど、ここでそうくるのか、という感じで。うわー、どうするんだろう。これは予想外。
あっちにもこっちにも問題がありますが、その中でイクタがどうやって収拾をつけるのかが今から楽しみです。

……なんか鉱山で反撃しようとしている不眠さんとどうやって決着をつけるのか、というかどんな作考えているのかも気になりますが。


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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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