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「ですから――おかえりなさいませ、お嬢様。また一緒に頑張りましょうね」
帝国にある公爵家の令嬢だったアーデルハイト。
彼女は幼少期に『剣聖』と呼ばれる人物に才能を見出され、次代の剣聖となった。
人類と魔族との間では争いがあり……魔王に対抗できる聖剣を振るえる勇者が誕生し、まだ発展途上な勇者のお守り役をアーデルハイトは任じられることに。
しかし、勇者はパーティーメンバーの聖女や魔法使いに手を出す女好きで。オマケに聖女も勇者寄り……どころか、積極的に邪魔な存在を排除にかかるタイプで。
魔王討伐に至る道の半ばも半ばで、アーデルハイトという戦力を切り捨てるあたり目先の利益しか見えてない感じがプンプンするというか。
こんな勇者パーティーに願いを託すしかない異世界の方々には同情するわ……。
聖女のたくらみによって死に瀕したアーデルハイドでしたが……彼女は気が付いたら、ダンジョンの存在する地球世界に迷い込んでいた。
武装した状態だったために警官から事情聴取を受けることになって、アーデルハイドは異世界なんてわかるはずもなく、曖昧な返答をする警官に対して貴族らしい反応を返したことで、「捜査に非協力的」と思われてしまうことに。
そんな彼女を助けたのが2年ほど前、自分と同じように聖女のたくらみによって殺されたと思っていた侍女クリスティーナだった。
クリスティーナのまたアーデルハイドみたいに異世界から迷い込んでいて。
彼女達にとっての異世界で生活の拠点を得るため……つまりは、各種身分証の発行だったり、拠点の契約などをするための戸籍のために魔法を使って偽造工作とかはしてましたけど。
そうやって足場を作ったあとは、ちゃんと働いて賃金得ているの偉い。
クリスティーナは、異世界から迷い込んだ際の恩恵かなぜか「全ての言語が理解できる」状態だったそうで、それを活かして通訳のアルバイトと……「薄い本」を書くクリエイターとして生活してたみたいです。
食い扶持が倍になっても一時的ならしのげる程度の貯蓄を2年で作ってるの有能ですよね。
アーデルハイドはクリスティーナの協力が得られるとは言え……元々公爵家の令嬢だし、剣聖としての振る舞いが板につきすぎていて……。
現代で普通に働こうとしたらアーデルハイドに向いている仕事は少ない。ただ、作中の世界には運よくダンジョンと言うものがあって、アーデルハイドは配信を行う探索者として活動を開始。
ダンジョン内の敵は、アーデルハイドが知っているものが多く。そもそも戦いの中で生きて来た人物なこともあってか、素手でも時間をかければオーガを倒せるというアーデルハイドの強さは多くのリスナーを引き付けるものだったわけです。
これまで努力を続けて来たけど、聖女の謀略で全てを失ったアーデルハイドの目的、稼いだあとは隠居生活を送るになってしまっていたので、もうそれが叶って欲しいと願うばかりなんですが。
……なーんかダンジョン奥で、アーデルハイドが聖女の魔力を感じ取ったりしてましたし。そもそもアーデルハイドとクリスティーナが異世界を渡っていることを考えると、まだ聖女に悩まされそうなのは……お疲れ様です。