気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

しめさば

本屋の店員がダンジョンになんて入るもんじゃない!

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読まなければいけない、と、そう言った。

「僕が読めば、その著者の書いた本に“意味”が生まれる。あなたの書いた本は、ちゃんと、後世の誰かに届いたよと。僕が受け取ったよと。僕が証明する」

 

ダンジョンがあって、それを探索する冒険者がいる世界。

アシタ・ユーリアスは田舎のダンジョン片隅にある書店で働いているもやしっ子。

本を読んでいられれば、それでいいというような青年だった。

けれど、生きていくためにはどうにか金銭を得る必要があって……彼は、本を読んで得た知識を提供することにして。

 

実際、名前が知れる程度には需要があり、成果を上げていた様です。

本来なら外から情報だけ出すはずが、現場に行かないと分からない物もあり……彼の求めるものを良く知る幼馴染にダンジョンに引き込まれる羽目に。

貴重な本を持ってきて、これ読みたいでしょ? とか悪魔か。

 

冒頭のゴブリンの一件は、ちょいとアレでしたが。

ひ弱な人間を引っ張り出しておいて、見失うのはまだしも、その後追われてる彼の様子を、しばらく見てたっていうあたり。オマケにその後笑ってましたからね……

アシタの弱さを見せて、エルシィとの気安さを演出する格好のエピソードで、読みやすくはありました。それに、そこで引っかかっても、続きが気になる魅力があって、全体的には楽しめました。

 

アシタ、情報を売っていたように、ただ本を読んで知識を蓄えるだけじゃなくて、それを活用できる人材なんですよね。

それで窮地を脱した場面もあるわけで、中々に得難い人材だと思われます。

今回得たものや、アルマの示唆した情報の事もありますし、またダンジョンに引っ張りだされるんだろうなぁ。流石に体力のなさを痛感して、少し鍛えるようにはなったようですが、元が元なので、あまり無理をしないで、生き延びて欲しい。


失恋文庫 書き下ろし失恋小説アンソロジー

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サークル「ビッグ・ラグーン」よりC96で頒布された『失恋文庫』。

好評につき完売したため、重版&電子化が予定されているそうです。

会場で無事購入し、読了したんですが……タイトルに在る通り「失恋」がテーマのアンソロジーなんですよ。

(19/9/19追記)bookwalkerにて電子版配信が始まったようです。コチラ

で、ラノベ作家としてお名前を聞いたことのある方々が、本気で「失恋」を書いているわけで。ゴリゴリとメンタルが削られていきます。

全編、それぞれに面白いです。良質なアンソロジーで、テーマに誠実なのは間違いないです。ですが読んでいる最中「誰がここまでやれと言った」みたいな気持ちも沸きましたし、リアルに胃が痛かった。濃度が濃い。用法用量を守ってお読みください。

読むだけでここまで体力使う作品も中々ない。編集の御二方は本当にお疲れ様でした。

 

一番好きなのは子子子子子子子先生の『シラノが想いを告げる時』、次点でしめさば先生の『独り占め。』。失恋パワーがあったのは北山結莉先生の『ずっと一緒な君と僕』と涼暮皐先生の『虚無・A』ですかね……

以下、作品ごとの感想を書きます。ネタバレあるのでご注意を。タイトルは掲載順・敬称略です。


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