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「いやいや。久々に笑ったな。世の中にそんなことをする奴がいるとは思わなかった」
(略)
「……でもよ。これってじつはすごくねえか?」
父の指導を受けながらカーター魔道具店で働いていたオリビア。
デザインにこだわりがある彼女の作品にはファンもいて、若手への期待を示す賞を受賞したこともあるとか。
しかし一年半前に両親が亡くなり……失意の中に居た彼女の弱みに付け込んだ叔父夫婦が、彼女の持っていた資産等を少しずつ奪っていって。おかしいと声を上げた従業員をクビにしたり本当に好き勝手していたみたいですが。
最後には、叔父夫婦の娘カトリーヌが「オリビアに今までデザインを奪われていた」と虚偽の報告をしたことで婚約破棄され、店を追い出されてしまうことに。
オリビアの部屋にあったものは叔父夫婦に奪われてしまいましたが、銀行の貸金庫に預けていたものの中に、父が遺した手紙があって。
父の兄弟弟子であるゴードンを頼れ、と言うメッセージを見たオリビアは故郷を離れ、王都にまで足を運ぶことに。
まだ若く、地方にある小さい店で働いていたオリビアは知識や経験が不足している部分もありましたが……王都で店を構えているゴードンを納得させるだけの腕は持っていて。
これまで触ったことのない大型魔石の加工とか、先輩職員が失敗前提でやらせたものを、粗こそ多くても一回目から形にしてましたし。
最初から全て上手くいくような天才ではないけれど、根気強く積み上げるのを惜しまない職人らしさがあって良いですね。
カトリーヌに実績を奪われた形になったオリビアは、ゴードンの薦めもあって新しいコンテストに挑戦することになったり。
機能性ばかり重視されてデザインが無視されている中で、デザインを主眼に「どうやったら実現できるか」を考えているのは良かった。……擦れてなかったからか、トンデモない力業で解決してたのには笑いましたが。
王都という人が多く集まる発展した場所で、オリビアの前には度々選択肢が現れて。彼女はその度に迷うことになっていましたが……良い縁に恵まれて、少しずつ前に進めるようになっていったのは良かったですね。
……それはさておき、サブタイトルで触れられている「元婚約者と義妹の結婚式」云々の下りは今回登場しなかったので、2巻のネタになるんでしょうけど。正直いやな予感しかしないんだよなぁ……。