気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

すみ兵

東京レイヴンズ16 [RE]incarnation

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「……いかがお呼びすれば?」

 

過去編の続き。

陰陽塾を築いたのちの、戦争が激化していく時代。

「神」を降ろし帝都を守る結界を築くという作戦を立てていましたが。

破滅が迫る中で、正しいと思う決断をしてもなお、正しい結末に至れるとは限らない辺り、世知辛い話です。

 

描かれたのは過ぎ去ってしまった過去の話。

掌からすくった水がこぼれるように、命がこぼれていく時代の話。

けれど、全てが失われたわけではなく。未来に繋がっていく話でもありました。

 

春虎が夜光の魂の果てであるように、夏目が辿った魂の旅の終わり。

途中で彼らがこれまで辿ってきた道程も挿入されていて。昔の巻読み返したくなりましたねぇ。

実際いくつかの巻は読み返したりして、懐かしさに浸ったりしたんですが。完結の暁には頭から通して読みたい。

当代の相馬たちが引き起こした騒動は落ち着いておらず、決して安泰ではありませんが。最後、二人が対面できただけでもう何とかなりそうな気分になります。いやぁ、良い展開でした。



東京レイヴンズ15 ShamaniC Dawn

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「(前略)……ったく、おれがこれまでやって来た中で、文句なく一番の荒技になりそうだぞ。やるだけやって、そのあとはもう、神頼みだ」

 

相当な難産だったようで、後書きによればほぼ二年ぶりの新刊。

しかも、過去編。次の巻では春虎たちと出会える…かも……? 一応現代に戻る予定ではあるみたいですが。

現代の方でもかなり差し迫った状況ですし、あそこからどう立て直すのかが気になって仕方がないので、早く出てくれれば嬉しいですが……ま、気長に待ちます。

 

時は遡り……ついに語られる夜行たちの時代。

土御門や相馬、大連寺など今に続く因縁の始まりに何があったのか。

夜光と飛車丸のやり取りが楽しかったなぁ。

思った以上に愉快な人ですよね、夜行。自由気ままな感じで、振り回される人々は大変そうですけど。

 

土御門の当主に就任しながら、呪の世界そのものの前途は暗いと達観していた面もあったようですけど。

陰陽寮を再建するから、陰陽頭を任せたい、という軍人からの依頼をすげなく断ってましたし。

それで引かずに、何度もアプローチを駆ける相馬も根性あるなぁ。いや、軍人として職務に忠実にふるまっていた、という面も多分にあるとは思いますが。

                                                                                             

結果として創設された陰陽寮のハチャメチャっぷりも好きですよ。

戦乱の気配が近づいてきている中でも、呪の世界という闇に近い場所でも、笑いあえる居場所を作る事が出来たのは良かった。

……様々な思惑が入り混じり、危うい気配がどんどんと差し迫ってくるあたりは恐ろしかったですけどね。


東京レイヴンズEX4 twelve shamans

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そして大友は、ゼンタローを目にした瞬間、脳に稲妻が走るように、これしかないという起死回生の策が閃いた。

運頼りの策だ。そして、非常の策でもあった。だが、真の呪術者とは、自分自身を含めた万物に対し、情を捨てて接する者なのだ。

 

レイヴンズの世界でも、トップクラスの重要人物たち『十二神将』。

新旧含む14名に焦点を当てた短編集です。

最もメインは『黒子』時代の大友の活躍と、『神童』鈴鹿の話でこの二つが中編、残り12編は掌編という形で本当に断片みたいなエピソードなんですよね。

『黒子』と『神童』の中編アニメDVDの特典として書かれていたものが再録された形になるようで。

特典分を追い切れていなかった身としてはありがたい一冊です。

 

鈴鹿のエピソードは、彼女が十二神将になった当時のエピソード。

広告塔になるまでの流れとかは天海さんさすがと笑った。

大連寺の娘として、嫌でも注目を集める彼女を引っ張り出して、外だけではなく内向きに彼女がどういう人間か知らせるという目的もあるとか。

一手にいろんな意味を持たせるあたり、油断ならない手合いですよねホント。

 

大友のエピソードは、『黒子』時代に法師と接触したときの話。

彼がいかにして足を失ったのかという話でもありましたが。

……ホント窮地であっても冷静ですね。冷静すぎるくらいに。

『黒子』と呼ばれ恐れられたというのもなるほどと納得できるほど。

 

他の十二神将も魅力的なキャラ多いので掌編だけでなく短編くらいのボリュームで何かエピソード読んでみたいなぁ、と思う感じでした。

そんなの書いてたらいつまでたっても本編に収拾付かなくなってしまいそうですけどねー。

本来なら15巻を先に出す予定だったようですが、諸々の兼ね合いからコチラが先に出たとのこと。もう少し時間がかかりそうとのことでしたが、今から楽しみですねぇ。



東京レイヴンズ14 EMPEROR.ADVENT

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「人をたらし込む才能は、血だな」

(略)

「要するに、お前の宿命なんだ。諦めろ、土御門。行って……飛車丸(このバカ)を起こして来い。俺はまだ、お前らをみていたい」

 

ついに決戦の日を迎えて。

春虎はいよいよ手段を択ばず、支局の襲撃とかを始め。

夏目たちは、天海の知名度やらそれぞれの伝手を使い、陰陽庁の真実を告発する。

その動きの中で、『十二神将』たちもそれぞれ決断を迫られて。

クライマックスに向けて加速していく描写は、さすがの一言。やっぱりこの作者さんは、物語の佳境を描くのが上手いよなぁ。

他の作品でもそうでしたが、伏線を見事に回収してくれると言いますか、キャラを大事にして、展開に生かしている感じがします。

 

いやぁ、キャラクターが多い中で、うまくそれぞれの葛藤を描いている。

『結び姫』弓削と宮地のやり取りなんかも、いい感じでしたね。一線級の陰陽師でも、迷い行動しなくてはならない。

弓削の迷いも、分からないではないです。自分の信じていたものが揺らいで、信じたいものがあって、信じきれなくて。だから、「誰か」にすがった。

宮地がもうちょっと底意地悪かったら、長官側になっていたかもしれません。けど、彼はそれを良しとしなかった。叱咤して部下を、先に進めた。

……三善に言われていましたが、彼は彼で甘いですよね。天海を捕えた時も、彼が手を回していたから、天海は生き延びたわけですし。

 

そして、春虎が夜光ではなく、春虎と名乗るわけ。

大義名分の為ではない。たった一つ譲れない、シンプルな覚悟。

彼は結局夏目の為に動いていて。

その夏目の不安定さの秘密なんかも今回明らかになってましたけど、いや、見事に騙されてた。

 

長官達優位はそうたやすく動かないだろうと思っていましたが。

意外な形で、庁舎を捨てる形にはなり。春虎や大友の行動によって、あと一歩のところまでは近づいたものの、届かず。

けれど最後に、一か八か賭ける目を春虎が見つけているので、どうか勝ちの目を拾ってほしいものですが。
まぁ、この緊迫した状況で次回はまた違う場面に行きそうなので、それが楽しみでもありますし、少しもどかしくもあります。


東京レイヴンズEX3 

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「よく言うよ。自分でもみすぼらしいって言ったじゃないか。だいたい、昔置き忘れてきたものなんて、忘れず取っておいた記憶や思い出に比べれば、大抵みすぼらしいものなんじゃないか」

 

短編集です。

今となっては遠い昔に思える、陰陽塾でワイワイやっていた頃のエピソードがあってもうそれだけでなんかこみあげてくるものがありました。

懐かしいなぁ。神童に絡まれてパニックになり、必死に逃げる夏目と春虎の話とか。

こんな風に馬鹿やっていた頃が懐かしいです、本当に。

 

短編のほかに、描き下ろしの中編が一つ。

遥か過去、夜光と角行鬼の出会いの話。

夜光、こういう人だったのか。復活した後は春虎としての意識が強く印象に残っているので、ちょっと新鮮でした。

飛車丸は……昔から変わってないなぁ、とは思いましたけど。

夜光の妹が初登場したりと、初出の情報もありましたが。うん、これはこれで楽しかった。

 

春虎も夏目も、大友も。

あちこちで爆弾抱えているような状態ですし、陰陽庁の方の動きも活発化していよいよ決戦の時が近づいているわけで。

本編があれだけピリピリしているので、こういう回で息抜きできたのはよかったです。早く彼らがこの日常に戻れればいいなぁ、と願わずにはいられない。

……陰陽庁側の思惑をうまくくじけたとしても、後始末大変そうですけどね……まぁ、その辺は活躍の機会が少ない土御門の大人たちに頑張ってもらいたいところです。

後始末押し付けるためにも、若者たちには意地を見せてほしいですが。

さてはて敵は巨大で、反抗勢力はバラバラなまま。これ打つ手あるのかなぁ……本編14巻が待ち遠しい。


東京レイヴンズ13 COUNT>DOWN

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「ああ、いるぜ。頼れる協力者がな」


前回は、ようやく夏目たちが合流出来て、一安心していたものですが。
決して、状況は良くなっていないんですよね。
それを突きつけられるエピソードだったと思います。
派手さはないですけど、じわじわと真綿で首を締めるかのように、悪くなっていく状況。
敵が強大で、権力を持っているという事はこういう事なのかと。
北辰王を敬いながらも、その目的のために他を切り捨てながらも、長官たちはこれ以上ないほど冷静なんですよね。
本当に怖くて仕方がない。ここから打つ手なんてあるのか、と。

前回、大友先生の危うさは春虎が指摘していましたけど、その春虎自身にしたって夏目という弱みがあって大分歪な状況になっている木がします。
土御門の大人たちの庇護を失い追い込まれていると思ったのに、さらに攻撃してくるとか容赦ないわ……
敵は万全に近く、反抗勢力の春虎、大友、夏目たちは連携も取れず。
これ本当何かやりようがあるの……?
というぐらいに追いやられています。

さて。今回は、ようやっと合流できた夏目たちの交流にちょっと心が和みました。
とはいえ、新参の秋乃が少し疎外感を感じてしまって、ちぐはぐになってしまった部分はあります。
もうちょっとコミュニケーション獲れていたら、あるいは別の可能性がと思わなくはない。
大友先生が夏目たちに接触してきてましたが、いやぁ、あの様子をみて神扇さんの下した評価が……大友が、熱血教師とか何の冗談ですか。
でも、やってることは意外と大差ないというか、確かに言われてみればそういう面があるんですよね……

そして今回。表紙にはいませんが、メインをはっていたのは木暮さんでした。
あの事件以来変わってしまったように見える彼。
けど、その内心が語られるにつれ、安心しました。
彼が陰陽庁に残った三つの理由。
陰謀渦巻こうと、霊災が多発している今、職務を離れられないというもののほかの二つ。
己が信念のために剣を持つ、彼の姿は本当に格好良かった。
それだけにあの結末になってしまったのは残念。挽回の機会があるといいんですけど。
というか是非とも三羽烏が集って共闘する場面とか見てみたいんですけど。

最後、春虎は万策尽きて覚悟決めてましたけど……大丈夫だろうか。
作者曰く今回は「嵐の前の雌伏」とのことでしたけど、バランスが大分傾いてしまっている人が多いように思います。
あぁ、今から次の巻が待ち遠しくて仕方ないですねー。


東京レイヴンズ12 Junction of STARs

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「角行鬼とは話していたが……おれはいま、私情で動いてる。誰にも褒められないし、誰からも感謝されない。逆はあってもな。だから――」
春虎は続ける。真っ直ぐに式神たちを見据え、
「お前たちも、最後の最後は、自分で決めろ。お前たちの選択を、おれは歓迎する」


返事を求めていなかった夏目からの手紙。
それに、天馬は機転を利かせて、見事な返答をしたわけですが。
敵地である、東京で潜伏をしている以上、危険と隣り合わせです。
土御門勢は、秋乃の隠形の練習も含めて、街を歩いたりしていましたな。

霊障により現場を離れていた、十二神将。「大佐」。
独立祓魔官のエリート。祓魔官の完成系と評される、エリートの一角。
霊力に優れるものの、生来病弱で、霊的抵抗力も強くない。
ガラスの剣と揶揄されることもあった。けれど、研鑽を重ねて、努力と執念の果てに、陰陽Ⅰ種を取得した傑物。
敵に、それも強敵になるかもしれない相手だから、と鷹寛は言っていましたが。
初登場の割に、なんか今回凄い活躍されてたんですけど。
勉強がてら覗いたそれが、命とりだったわけですけど。

夏目が今、北斗を宿してるから、かなり霊的に目立つ存在年ですよね。
あそこで霊視官が通らなければ、もうちょっと隠れていられただろうに。
夜叉丸や蜘蛛丸の行動によって、土御門の大人たちは捕まってしまって。
それによって、一気に状況が動いていくんですよね。
やはり主人公たちは、春虎や、夏目達の若い世代ということなんでしょうか。
土御門の大人たち、好きなんですけどね。長期にわたって潜伏を続けられるだけの力はあるわけですし。
状況からして、その力を存分に発揮できてないといいますか。
炎魔の宮地から逃げ延びたり、すごいと思うんですがねー。名誉挽回の機会があるといいんですが。

バラバラになった、仲間たちが、窮状を見逃せるはずがなく。
夏目の元へ駆けつけようと力を尽くし、合流していくまでは、圧巻です。
土御門の元へ、八瀬童子が向かっていたからこそ、鈴鹿が脱出する機会を得られて。
肝心の春虎がまだ合流で来てませんが。
彼の目的にしても、少し語られていましたね。夏目の現状に関することで調べたいことがあった。
だから、その判別がつく夜光の式神を探していた。
それがまさかアレだとか。千翁が言っていたのは、コレの事だったのか。

夏目達生徒だけではなく、大友も動いていましたが。
春虎の前に立った大友は「春虎はどこまで以前のままなのか。あるいは夜光になっているのか」といった風な疑惑を抱いていたようで。
対面した後、格や力には変化があったが、大友の知る素顔を見せる場面もあって。
謎は残るものの、自身の教え子に力を貸そうとしている大友を、春虎は信用できない、と言っていました。
法師を式神にしている影響もあって、陰陽のバランスを欠いている、きわめて危険な状態だと。
あっちにもこっちにも不安の種が残っていて、どう転がっていくのか、読めませんなー。

けど、夏目達が合流できただけでも本当によかった。
「今自分たちは無敵だ」と、そう思えるほどの絆。
離れていても喪われず、むしろ離れていたからこそ強まった感すらある、彼らの関係が見ていて心地よい。
敵は強大ですが、やられっぱなしで終わっては欲しくないですねー。


東京レイヴンズ11 change:unchange

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『これから俺たちは、ろくに連絡も取れなくなるんだぜ? だったらどうする? テメエで判断して好きなように動くしかねえだろ? 状況っていうのはあっという間に変わるもんだ。そのとき、頼れるのは自分しかいねえ。テメエで考えて、考えて、よく考えて、決めろ。「一人前になる」ってもは、そういうことだ』


ついに、あの日別れた友人たちの足跡が描かれることに。
サブタイトル通り、「変わるもの、変わらぬもの」についての物語。
ハッキリ言えば今回は地味です。
敵が強大だってことを再実感したり、春虎と別れた後彼らに何があったのが明かされるだけの、溜めの巻。
でも、それでも面白いんですよね。
戦闘だけじゃなくて、こういう日常のパートというか溜めの演出を効果的に使っているのはさすがと思います。
前の巻で夏目、今回友人たちが描かれたわけですから、そろそろ春虎の状況も知りたいものですねー。次が待ち遠しい。

潜伏を続けている夏目達。
泰純の星読みに従って何かが起こるらしい東京に拠点を移します。
夏目を預けられた土御門家も、春虎の動向についてはよく分からない部分が多いようで。
そして夏目の出自についてなどの謎についても触れられ、話が進んでいる部分もありますね。
土御門家は、あの春虎が夏目をよみがえらせた日の騒動で何が起きたかがわからない。
情報を集めても、様々な思惑や状況が入り乱れていているせいで、はっきりとしない。
下手に接触すれば、敵に察知される可能性も出てくる。
だから、一方的な連絡を。手紙を送ることにした。返事は期待しないものを。

少しずつ触れられていく、春虎の友人たちの状況。
塾長は、退陣させられた後、実質軟禁状態。京子も塾には通っているものの、連絡手段は取り上げられ、箱入り状態に。ただ、この二人は家で接触できるので、星読みの力を伸ばす特訓をしている。
冬児が天海と行動しているらしいってのは触れられてましたが、あぁいう事情で同行していたのか。
そして、これから始まるだろう騒動に備えて特訓してるわけですが……まさか相手にあいつを選ぼうとは。
天海さんも、呪力封印されているはずなのに、何かしてくれそうな、油断ならない感じがして頼りになりそう。

鈴鹿は、陰陽庁に出戻り。敵の内情を探るため、それがばれていようと、裏をかき返してやると奮闘中。相馬が接触してきますが……誰かあの天然純粋姫様どうにかしろよ。
状況を引っ掻き回すことについては天性の才能を持っているんじゃないだろうか。
大友先生は、白の八咫烏という裏での通り名までできて、本格的にテロリストじみてきてますね。『D』の式神である鬼を連れていて、相変わらず達者なようです。
木暮は大分様子が変わっていましたね。本気で大友を追っているようですけど、一方で情報を握りつぶしているようでもある。果たして彼はいったいどちらに立っているのだろうか。
前回いいところなかった山城も少し活躍していましたね。十二神将の面目躍如といったところでしょうか。大友と相対して、時間を稼げていたあたりはすごいんじゃないかと。

そして手紙を受け取った天馬。
冬児や京子、鈴鹿のように、特別な力を持たない、普通の学生。
以前の騒動で、唯一裏をかいた存在。
普通の学生過ぎて、一応監視はついているものの、以前のように塾に通っているとは。
環境が変わって、一人待機することになっても、その中でできることをしてきた。
天馬、格好いいじゃないですか。あの返事の仕方も失敗が挟まっているあたり天馬らしいというか。
面白かったですよ。
鈴鹿が最後手がかりをつかんだというか、情報を提供されたりしてますが。
敵が想定している『本番』。いったい何をする気なのか、今から気になって仕方ない。


東京レイヴンズEX2 seasons in nest

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「……そうやな。環境が変わっても学べることはあるし、学ぶことは無駄にはならん。その先で、どんな道を選ぶとしても」


バラバラの場所に行ってしまい、原作ではしばらく見られないだろう、日常の風景。
いやぁ、いいですね。
夏目がテンパっている部分とか、春虎がポカやってる風景とか。
そういった、本編との温度差に癒される。

塾長が本気になってクリスマスを楽しむ、『聖夜ランデブー』。
冬児が鬼役となって陰陽塾で豆まきをする、『バトル・オブ・ビーン』。
鈴鹿の視点で描かれる虎たちとの交流、「新入生『十二神将』」。
コミック版のキャラクターとの交流を描いた『銀色の髪の後輩』。
塾長の無茶ぶりで三者面談をすることになった大友先生の話、『ティーチャーズ・ミッション』。
大友と小暮が飲んでいるインターミッションを挟んで、三六の三羽烏の出会いを描いた過去編『エンカウンター・トライアングル』。

以上の作品が収録。

やっぱり、冬児の豆まきの話が笑えました。
あのネタの数々はアリなのか。
そういう呪符を作るのはよしとしても、あそこまでネタを持ってきていいのか・・・
雑誌で一回読んでいたので、耐性できてましたけど、まさかちゃんと収録されるとは。

あとは、鈴鹿が式神つかって髪を整えている挿絵がかわいかったなーと。
いつものロールの姿よりあっちのが個人的には好きですけど。

大友先生がやっぱり格好いいですよねー。
塾長に振り回されているのもありですけど、過去篇のエピソードがまた中々。
木暮がまさかの不良じみた学生だったとは……
早乙女は……昔からあんな感じだったんですね……
今回は三人の出会いが描かれましたけど、今後、三人の別れについても触れられる予定だそうで。
いや本編が待ち遠しいですね……。

最後、方針変わった後の学生と大友が会話している幕間の短い話もまたよかったですね。


殺戮のマトリクスエッジ

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「質問か。確かに、それも言葉だ」
「なら、お前は人間だ」


電脳都市、トーキョー・ルルイエ。
ここは人体と電脳を融合させ、いつでもどこでもパソコンを使用できるようにした世界。
人体に対する機械との融合 
都市型の設備と合わせて使うことで、常時使用することが可能になり、日常生活の行動も「コマンド」 と呼ばれる選択肢によって、選ぶことができる。

どの国家にも属することのない、電脳都市。
電脳を取り入れる手術を受け入れれば、だれでも市民になることができ、様々な恩恵を受けることができる。
ただし、この年には一つの噂がある。
人が持つ電脳を狙って喰らう化け物が居る、と。
ホラーと呼ばれる存在が公にはなっていないものの存在し、それを退治する掃除屋も存在する。

クトゥルフとパラノイアを混ぜたような世界と言いますか。
 埋め込まれた電脳が「幸福ですか?」と聞いてきても俺は驚かないぞ、と思いましたけど。
どっちの色が強いのかといえば、電脳で管理されただけに、パラノイア的な世界だったりするのかなぁ、と思ったり。
まぁ、クトゥルフもパラノイアも、何となくしか知らないので、印象でしかないんですけど。

掃除屋としてホラーと対峙している主人公は、世にも珍しいソロの掃除屋。
危険性やら対策の手間の問題から、通常はチームを作って行動するものだというのに。
そして、ある日、ホラーを倒した現場で、銀髪の少女を拾う。
そこから運命は回りだし、都市の真実を突きつけられることに。

まぁ、はたから見ていると、大体わかるよなぁ、という感じでしたけど。
ソロで活動している主人公には隠し事があるんですが、それも結構早い段階で分かるものですし、最後のシーンまで明らかにしないからといって特に驚きはない。
都市の事情としても、これは裏にこういう側面有りそうだよなぁ、とか思っていたら、実際ありましたし。

ネタもキャラもストーリもそこまで悪くはないと思います。
ただ、見せ方がちょっと微妙で、全体失速させている感じ。
楽しくは読んだので、2巻でるようなら買いますねー。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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