「……いかがお呼びすれば?」
過去編の続き。
陰陽塾を築いたのちの、戦争が激化していく時代。
「神」を降ろし帝都を守る結界を築くという作戦を立てていましたが。
破滅が迫る中で、正しいと思う決断をしてもなお、正しい結末に至れるとは限らない辺り、世知辛い話です。
描かれたのは過ぎ去ってしまった過去の話。
掌からすくった水がこぼれるように、命がこぼれていく時代の話。
けれど、全てが失われたわけではなく。未来に繋がっていく話でもありました。
春虎が夜光の魂の果てであるように、夏目が辿った魂の旅の終わり。
途中で彼らがこれまで辿ってきた道程も挿入されていて。昔の巻読み返したくなりましたねぇ。
実際いくつかの巻は読み返したりして、懐かしさに浸ったりしたんですが。完結の暁には頭から通して読みたい。
当代の相馬たちが引き起こした騒動は落ち着いておらず、決して安泰ではありませんが。最後、二人が対面できただけでもう何とかなりそうな気分になります。いやぁ、良い展開でした。