「行ってらっしゃい。楽しい異世界旅を」
神様の力によって、異世界に転移することになった、というなろうのテンプレですね。
例によって、転移の時に神様から能力をもらったりしているんですが。
それが物品の情報が見られる「鑑定」能力で。
本人の希望でもらった能力とはいえ、なろうの異世界モノとしてはかなり弱いスキルですね。
人の鑑定もできるけど、主観が入るから信用できるものじゃない。
この世界の住人が知らない情報が出てくることもあるけど、本人がそれを把握していないから火種になりかねない危うさがあるし。
鑑定能力を活かして素材集めして、調合を楽しんでいるので、主人公のツカサ自身は文句ないんでしょうが。
途中からは安定して作れるものが増えて、余裕が出てきてはいましたけど……今後もこの調子でいくとなると、どっかしらでつまずきそうですけどね、ツカサ。
本人のスペックも低いし、能力もピーキーすぎるし、活用の幅が割と狭い。
すぐさま危険視される存在ではないですけど、権力者に嫌われた瞬間に詰むような気が。無双するでもなく、主人公が試行錯誤して、失敗も交えながら調合を行っている描写が続くのは読んでいて疲れる。
もうちょっと山と谷があるといいかなぁ、という感じがします。平坦過ぎるとさすがに物足りない。
次の巻は、多分買わない。