気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

ふしみさいか

失格から始める成り上がり魔導師道! THE COMIC1

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「いいぜアークス 俺がお前を一人前の魔導師にしてやる」

 

コミカライズ作品。

魔導師の家系であるレイセフト家に生まれたアークス。

しかし彼は、その家系に求められる魔力量に満たず……両親から迫害されていた。

妹だけは唯一味方してくれていたが……彼女がアークスに近寄ることを両親は認めず、近づくとアークスが叩かれる始末。

 

当主夫妻がそんな態度だから使用人からの扱いも悪く……。

そんなある日、アークスは別の世界で生きた男の記憶を垣間見る。あくまで夢を通して異世界での暮らし・常識を垣間見ただけで、人格はアークスのまま。

彼は、そこで得た知識も活用しつつ、魔導師として大成した伯父を頼ることで成長を図ることにして。

 

必要な知識は与えてもらえることになったものの、やはり魔力量というのはネックで。

アークスは最適な魔力運用を知るために、魔力量を図るアイテムを求めたが未だ実現されていない代物だった。

けれど、彼は運命のめぐりあわせもあってそのひな形を作ることに成功して。

その過程で、お忍びっぽいお嬢様と交友を結んだりとかもしてますが、まぁテンポよくサクサク進んで行ってましたね。

失格から始める成り上がり魔導師道~呪文開発ときどき戦記~6

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「スウシーア様。どうしてクローディア様に抗議を入れなかったのですか?」

「入れなくてもいいかなって。アークスが負けるとは思わないし」

 

ポルク・ナダールの反乱は無事に終えたものの、帝国の介入があったとはいえ内乱なわけえで。

その騒動を「魔力計の発表」という一大ニュースで上書きする、という方策がとられることに。セイランは、魔力計が広まり多くの人が恩恵を十分に受け取ってから、製作者の名前を発表することで、未来のアークスが得る名声を高めようとも考えているみたいです。

 

他国上層部の中にもアークスが製作者だろうと目星をつけている人は居て、引き抜きを掛けようとしてきたり、政治的なやりとりも増えていくんでしょうねぇ。

魔力計発表パーティーで、ジョシュアは懲りずにアークスに圧かけにきてたけど、盲目になりすぎてて、いつか足元すくわれそう。アークスから叩かれることは確定してますけど、ジョシュアなんか勝手に自爆するのでは感が強い。

あとは、リーシャに取りついた何某か。魔力計がなぜ魔力を測れるか、という仕組みについては詳しかったですが……彼の知識、どこが由来なんでしょうねぇ。

ガウンも存在を知ってるっぽかったですし、精霊の仲間というか……紀元書に存在を記されている何かな気はしますが。

 

アークスを導士と呼ぶヒオウガ族からの接触があったりしてますし、少しずつアークスの関わる世界が広がっていきそうですね。

その象徴の一つが、魔法院への入学でしょう。

危なげなく首席入学を果たしていましたけど、廃嫡された無能という噂が知れ渡っていたり、魔力量が少ないのは事実なのでそれを絶対視する人もいたりして、どうしたって彼に向けられる視線は厳しい。

 

国定魔導師のメルクーリアがいて、注意をしてくれたりもしてましたけど。

新たに魔力量に恵まれた魔導師をみることで、改めて魔力量の少なさというハンデを実感することにはなっていましたね。

学院を管理している公爵家のクローディア。直前で、代々伝わる秘匿事項について教えられたこともあって、無駄に気負い過ぎている時期にアークスが出くわしてしまったのが運が悪かったというべきか。

 

魔力量の低いアークスを魔法院から追い出そうと決闘まで申し込んでくるのは、正直やりすぎだと思いますけどねぇ。

同じ公爵家のスウシーアから、アークスが勲章をもらっていることとか示されてなお止まらないし。最終的に実力を認めてからも、決闘何度も申し込んできてるとかそこまで諦め悪いのはちょっと……。

 

それはそれとして、決闘そのものは面白かったですけどね。

アークスがクローディアの術式先読みして、少ない魔力で対抗魔法を編むことで無効化していく様は見事でした。

戦場で活躍できるくらいにアークスは威力の高いオリジナル呪文を作ってますけど、逆に威力が高すぎて使いにくいのは、厄介でしたけど。それでも工夫によって勝利をつかんだのは良かった。

あとは、クローディアが使う秘伝の術式『抑圧』の仕組みは気になりますね。アークスはゲーム的な思考が必要とか言ってたし、相手のレベルを下げることで結果的に魔法の威力を下げる、っていう魔法なんですかねぇ。

失格から始める成り上がり魔導師道~呪文開発ときどき戦記~5

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「……俺は、失格なんかじゃないさ」

それを示すためには、まだまだ進み続けねばならないだろう。

 

戦場で意識を失ったアークスが気付いたときには、1週間の時が過ぎさすがに決着がついていた。

功績をあげたこともあって王太子から丁重に扱うように命じられているとかなんとか。寝ている間に出来範囲の治療も行ってくれてたみたいですしね。

それでも左腕に不調がのこった辺りは、無茶しすぎではありますけど。

 

全ての功績を取り上げれば、王太子セイランの活躍すら食うかもしれない、と一部は秘匿されることになりましたが。それを割り引いた上で、第三勲として勲章をもらうことになったのは良かったですね。

ノアやカズィ、グレイブといった近しい人だけではなく王家直々に評価してくれている、と内外に示されるのは大きい。

 

……まぁ、そうやって目立ってしまった以上、アークスは指針を定めて必要であれば謀も駆使しなければならない状況になっていくわけですが。

実際第一章は「王たちの視線」として、北部連合の盟主メイファや海洋国家グランシェルの王バルバロスみたいに、アークスの存在をトップが認識して興味を持っている国も出て来てる描写がありましたしね……。

 

あと、今回手勢とやりあったギリス帝国の皇帝の描写もありましたが、「からくり仕掛けで出来ている」と称されるのも納得の情のなさ。あれ見ると、アークスはシルンやセイランのいる国に生まれてよかったな、って思います。

未だ認められずにいる父ジョシュアはともかく、パースみたいに助言をくれる人もいるわけですしね。

 

国王シルンたちと過去に縁があり、すれ違いから道を分かったエイドウでしたが。

わだかまりが溶けたのは何よりでした。王国の戦力が向上した、という意味でも助かりますしね。今回の件でレイセフト家を出て自分の屋敷を構えたアークスの家で、料理人することになっていたのには驚きましたが。彼は彼で多才だな……。

そしてアークスの家で行われることになったパーティーに加筆キャラのガウンまでやってきてたのは、個人的に嬉しかったポイント。加筆要素が1エピソードだけの使いきりじゃなくて、しっかり生きてるってことですし。ソーマ酒についての精霊の認識とかも教えてもらえましたしね。


失格から始める成り上がり魔導師道~呪文開発ときどき戦記~4

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「あれだ、一番いい作戦は敵を撃破するでも、城を攻めるのでもなくて、敵の謀略を読んで、それを無力化するっての。俺はそれに従っただけだって」

 

帝国に与した裏切り者、ポルク・ナダール。

西部の大領主ルイーズ・ラスティネルが駆けたことで、王太子セイランを保護することには成功。

初手で王太子を落とされることは回避できましたが……当然、そのまま黙っていられるはずもなく。即座にセイランは周辺諸侯にポルク・ナダール討伐を呼びかけて。

 

アークスはラスティネル領で活動していた工作員を発見した、という功績もあってセイランの前に参じることに。

そしてそのことを評価したセイランが、彼を傍に置くという決定をして。反対意見を述べた貴族相手に、セイランが「余の眼力を疑うか?」と逆に圧を掛けてくれたのは痛快だった。

その後の軍議でもアークスの気付きが方針に影響してましたし、アークスの得た異世界知識は本当に便利ですね……。適したタイミングで引き出せる、アークスの素質あってこそではありますが。

 

セイランがアークスを傍に置くと言ったのは、彼を認めていることや魔力計の功績を王家が知っているからこそ、比較的安全な場所にいるようにしたという部分もあったみたいですけど。

予想通りにいくばかりではないのが戦場のならいとでもいうべきか。結局は荒事にかかわることになったものの、アークスの奮闘があってこと守れたものもあるわけで。

大分無茶してたけど、一概に責められるものでもないなぁ。むしろよくやった、と言うべきなんでしょう。

 

セイランの傍にあの人物がいることで、これまでもあからさまに匂わせていた人物の正体について、ほぼほぼ確定したと言っていいでしょうけど。いつ明らかになるんでしょうねぇ。WEBでもまだなエピソードになるので、正直楽しみです。

 

クレイブの使う『溶鉄』やローハイムの使う『水車』以外に、ガスタークスの使う『城塞』も十の言象という「天地を形作った巨大な現象」をモチーフにした魔法だそうで。アークスが『無限光』を自在に操れたら、ココに名を連ねることになるんだろうか。他の例にあがっていたもので詳細不明な『冷たい炎』・『瀝青の巨人レガイア』がどんな言象なのか気になるので、いつか関連魔法出てくれると嬉しいですけど。アークスの活躍に期待、かなぁ。

失格から始める成り上がり魔導師道~呪文開発ときどき戦記~3

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「廃嫡は無能がされるものだ。見たこともない強力な魔法を操り、ガウンから力を預けられるような人間にはふさわしくない称号だ。君を見ていると、まるで英雄譚の主人公でも見ているような気分にさせられる」

「そいつはどうも。でもそのセリフはうちのクソ親父から聞きたかったよ」

「だろうな。そう、運命と言うのは誰にとっても過酷なものだ」

 

魔力計の開発者であり、生産にも関わっているアークスは材料として魔法銀を必要としていたわけですが。

仕入れが滞っておりどこの商家からも買い求めることができない状態になっていた。

銀を必要としているのは国としての方針ですが、まだ存在の公表などはしていない秘匿情報でもあって。

ここで王家が表立って権力で銀を集めると、他国から疑われることになる。そのため、アークスが個人的な事業のために銀を求めている、という体裁を整えて生産地まで旅をすることに。

 

王都近隣は穏やかなモノでしたが、地方に足を延ばすと山賊なども出る世界でもあるとかで……。

実際に立ち寄った村で襲撃を受けることになるんだから、アークスの引きが強すぎるよなぁ。

ここでちょっかいを掛けてくる戦力が、加筆されていてアークスやノア、カズィが協力してなおしのげる実力者が出てきたのには驚きました。

 

WEBにはなかった魔法戦やオリジナル魔法が出てくるの、実に面白かったですね。巻末の設定開設のコーナーで、今回出てきた呪文についても触れられていたのも嬉しかった。

アークスもその知識で今までにない魔法を作ったりしてますが。『がらくた武装』の呪文を聞いてから、助性魔法を改良して対処してくるとか。なんでこんな腕利きが野にいるんだ……と思ったら、新キャラと思えない設定しょってきたなエイドウ。

 

WEBからうさんくさい商人してるギルズが「不次」と呼ばれていたのとかも気になるんですよねぇ。

アークス達の目的は西部で不穏な動きがありはしても、あくまで銀を仕入れるだけのはずでしたが。

辺境領主が他国に寝返りを働いている、とかいう予想以上の爆弾発見してしまったり、エイドウが予想以上の手札を持ってたりしたのもあって、どんどん逃れられなくなってましたねぇ……。

 

巻末にはWEBで「リーシャの冒険」という題名だったエピソードが、加筆されて「外伝 リーシャの試練」となって掲載されていました。

レイセフトの家に伝わる、次期当主が超えるべき試練をリーシャが受けることになって。そこにはジョシュアの焦りがあったわけですが……WEBとは収録タイミングが異なったり、書籍版の加筆エピソードについての言及があったりと、細部が結構変わってましたね。

アークスが再現した光魔法、十の言象の一つを参考にしていたものらしくて、思った以上に引用元ヤバかったな……。

 

「配下それぞれの望みを汲んで、仕事がしやすい環境を与えられるようにするのも上に立つ者の度量」といった趣旨の事をジョシュアが言うんですが、アークスが絡まないと割とまともな武門の人間らしいこと言ってるんだよなぁ……。ただアークス関連のことを、徹底的に認められないだけで。

失格から始める成り上がり魔導師道~呪文開発ときどき戦記~2

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「アークスくんはこれまで一生懸命勉強してきたんだ。それは決して君を裏切ることはない。君の識格は、それを使うに足りているよ」

「ガウン、それは――」

「さ、やろう。困難を止めるときはなんでも、一発勝負だ。いままでだってそうだったんだ。これからだってきっとそうだよ、ね?」

 

前半分が、アークスの画期的な発明「魔力計」の発表について。

アークスの叔父クレイブ以外の国定魔導師や、軍関係者からも高く評価されるアイテムで……需要が高いことが分かっていたからこそ、しっかりと数を揃えてから発表した。

そも測定器である以上、画一的な機能を発揮する必要があるからその分の調整にも苦慮した、と。

 

そうした準備があったので、その後もしっかりと動くことができたわけですが……。その分、開発責任者であるアークスに多くの書類が来ることになったのはちょっと笑っちゃった。表紙イラストがまさにその状況ですけど、大変そうだぁ……。

書類仕事に追われているアークスがコピー魔法を披露する加筆エピソードが地味ながら好き。作るだけ作って、ノア達にも教えてなかったそうですけど。まぁそれも含めてアークスらしいエピソードだと思いました。

 

国王とクレイブが話していた、レイセフト家現当主であるアークスの父ジョシュアが「『当たる』かも」という話が、どうにも気になりますが。

アークスの廃嫡を急いだことも、クレイヴ目線だと納得しがたい部分があったようですし。魔力計を見た時、妹のリーシャは気付いたのにジョシュアは気付くそぶりもなかったり、と。一度自分の中で評価を定めてしまった手前、それを覆すことのできない頭の固さが困りもの。

 

そして後半第三章「妖精のお願い」は完全書下ろしのエピソードですね。

魔力計の発表から二年がたち、魔導師の実力が向上したことで他国にもなにかが起きていると疑われることに。

情報は洩れるものと考えて防諜対策を徹底していましたが。それでもなお探ろうと、禁忌とされる手段に手を出す輩まで出てきたのは面倒ですねぇ。

相手が禁忌に手を出したため、死者の精霊と呼ばれるガウンが動いていたわけですが。名が知れている以上、対策も知られていて。

 

困った状況になってしまったガウンはアークスに助けを求めてきて。

精霊や妖精が主だって困難を解決する時代は終わって、時代は人間に譲り渡しているから、あくまで出来るのは手助けだけ、という精霊としてのスタンスも影響していたでしょうけど。

 

WEBで見たことのないアークスのオリジナル魔法が見れたのも良かったですね。制限付きのため今回だけ使えたものではあるようですが

彼の識格――言葉で成り立つ作中世界において、どれだけ言葉に関する知識があるかを指す言葉――について精霊ガウンからお墨付き得られたのは、正直感動した。本当にアークスに不足しているの経験と魔力量くらいで、それが埋まるとああいう魔法も使えるんだなぁ……。

魔力計の作成で、少ない魔力を効率的に使う方法については確立しましたが。始まりの願いとして言えば、魔力量を増やす手段も探していたわけで。アークスの不足が、一度きりの手段ではなく埋まる時を、心待ちにしたいものですね。

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ちゃか

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