「セラ、またやり直そう、ここから」
命と引き換えに、狂神を討伐した勇者セラフィルナ。
その知らせは、片田舎で後悔に苛まれながら日々を過ごしていた青年ジャンの下にも届いた。
かつて剣神と呼ばれ、彼女の旅に同行していたものの、片腕を失い挫折し田舎に戻った。
そんな彼の下に「実は勇者は生きている」。「彼女を救いたければともに来てほしい」と王都から使者がやって来て。
一度、間違えて、後悔していた彼は。今度こそ、間違えないと協力する事を決めた。
死ぬかもしれない術式に身を預け、失った腕の代わりを得て、少女の下へと急いだ。
彼女を目覚めさせることは出来たが、不完全な状態で。
取り戻す為に、賢者の助けを得てまた新しい無茶をする。
その果てに、彼は愛しい彼女を取り戻した。
かつての自分が届かなかった敵にすら、刃を届かせた。意地を見せた。
王道の展開ですが、それだけに引き込まれました。
いやまぁ、過去のジャンの強さを失ってしまった場面の、捨て鉢な言動にはちょい思う所ありますけどね。それによって、少女の弱さを捨てさせてしまったわけですし。
とは言っても、セラフィルナは彼の不器用な気遣いに気づいて、彼の事を思い続けていたわけで。
セラの幸せのためには、ジャンが必要。
自分の行いの結果を知った彼は、今度は間違えないと信じたいところです。