こういう私にしたのは、あなたのくせに。
アニメ化もした「やがて君になる」外伝ノベライズ。
佐伯沙弥香の幼少期から高校進学まで。
昔から達観していた彼女が、今に至るまでどんなことを感じてきたのか。
習い事をいくつもやっていても苦にはならず。
その多くで褒められるだけの、努力に見合った成果を得てきた。
けれど、水泳教室だけは少し違った。不真面目なのに、敵わない相手。
彼女は沙弥香を意識していて。幼いがゆえに、その感情に明確な形を与えることはなく、先に気付いた沙弥香の方が距離を取って終わってしまった。
中学では合唱部に入り、一目置かれる立ち位置で。
先輩方の引退に合わせ部長に推薦されたりしてました。
それ以外にも、なにくれとなく周囲に来ていた先輩に、告白されて。
揺れて、迷って。心が定まったと思ったら、相手の方が遠ざかってしまった。
あぁ、うん。彼女の青春、生き様がしっかりと描かれていた。甘く優しいものではなく、痛みを伴うようなものでしたが。
その果てに、納得を得たなら。それまでの積み重ねは無駄ではなかったのでしょう。そう、思いたい。
けど、そうして出会った七海は後輩に近づいていくわけで、あぁぁって悶えそうになりますな。