気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14

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「君の気持ちは、言葉一つで済むようなものか?」

「……まさあ。たった一言で、済まされちゃたまんないですよ。だいたい言葉なんかじゃ、うまく伝わらない」

 

ついに完結。

12巻からやってたことって結局、謝恩会にプロムをやろうぜって、単純な話だったはずなのに、よくもここまで拗らせたと言いますか。

かなりの回り道をしているように見えますが、それこそが彼らには必要な冒険で、その果てに得た青春なのでしょう。

 

平塚先生が、八幡に色々言った後、それでも最高の生徒だと言ってくれるのが良いですね。

そう言ってくれる貴女が、彼らにとって最高の先生であったと思います。

13巻で八幡が言っていた「簡単なことが一番難しい」。

いやはや全くその通り。もっと容易い方法があったかもしれないけれど、もがいて足掻いた。

 

小町が入学して、いろはと交流していた場面とかが好きですねー。

割と相性良いような、悪いような。上手くハマれば結構面白くなりそうなコンビですけど。

いろはの「長続きするわけない」評とか笑っちゃったな。

女三人集まって姦しい会話を繰り広げていましたが。うん、「諦めないでいいのは女の子の特権です!」。可愛くあざとく笑うと同時にかっこいいと、思われてるのも納得の強さだ。

 

面倒な彼らが辿った、最高に面倒くさくて、眩しい青春ものでした。

甘さよりは苦味が強めな感じですが、八幡のひねくれた思考とか、結構好きでしたよ。

本編は完結したものの、短編集の予定などがあるそうで。

これからの彼らの姿がどう描かれるのか、楽しみに待つとします。

 


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。13

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「まぁ、君らしいやり方だな。勝算はあるのか?」

「なくてもいいです。どの道、他に方法がないので」

 

保護者からの意見があり、学校側ではプロムの自粛を求める方向になりそうだ、という話。

一度は内諾した以上、簡単に掌を返せないので、中止ではなく運営の自主判断に任せる方向だとか。

まぁ、頭ごなしに中止にしてこない分、柔軟なんじゃないですかね。平塚先生も、八幡にひっそりと状況を教えてくれてますし。

とは言っても、個人の裁量で出来る事など限られているわけで。

 

そんな状況で、一体八幡が何をするのかと思ったら……まぁ、いつもの彼らしい、卑屈なやり方でした。

彼は彼でスペックそこそこ高いし、行動力もあるんですよね。条件が整わないと、本気にならないだけで。

「ヒッキーにたまにすごく頭悪い……」とか。「君のやり方はまちがっている」とか「もっと簡単な方法あったんじゃない?」とか方々で言われてますが。

 

「簡単なものが一番難しい。俺にはこれが一番簡単だっただけだ」

と言うのが、結局は彼の軸というか。どこまで行っても不器用な彼らしい関わり方なんですよねぇ。

あぁもうまったく面倒くさい人だな。その面倒くささが、彼の魅力で、それまでの積み重ねもあって協力してくれる人々が居るわけですけどね。

葉山と八幡の、真逆だから少し通じる部分があるのが傍から見てると楽しいですね。そう言われた八幡の方が特に、すげー嫌そうな顔するでしょうけど。

 

しかし、もっと面倒な案を出して、元の案を通させようとか相変わらず癖のある手使いますね。本当に高校生かよ。

そしてその一手を活かす為に、過去の出来事すら利用するんだから、もう……。

 


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12

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『……比企谷、ごめんね。それでも私はずっと待つよ。……だから、言葉にしてくれ』

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「……いつか、助けるって約束したから」

 

バレンタインデー、水族館。

いつもよりぎこちなさの増した、どこまで踏み込んでいいのか探るような会話。

話題を振れば反応するけれど、それは決して今本当に話したい事ではない。

三人が、それぞれ理解しているから、最後には沈黙が下りた。

これまで避けていた事。この先の話。あるいは、これまでの話。

言葉少なに語られた雪乃の、今まで誰にも打ち明けなかった事情。

 

それを二人に話、雪乃は一歩踏み出した。姉と、家族と向き合おうとした。

その少しあと、一色いろはがまたしても奉仕部に依頼を持ってきて。

彼女、行動力に溢れてるなぁ。奉仕部に頼りすぎともいえますが。いろはの持ってきた依頼でもなければ、奉仕部、不器用だから動き出さないしなぁ。

起爆剤として中々に有用。あ、こんな事言ってますが、一色いろはってキャラクターは結構好きです。

何のために、誰のためにするのか、という問いに「もちろん、わたしためです!」と宣言できる彼女は強い。

 

……まぁ、彼女のキャラは好きですが、この時期から唐突にこれまでやったこともないプロムを謝恩会に組み込むってのは、結構な無理難題の類なんだよなぁ……

その辺りを分かっていて、雪乃が手を貸すというのがちょっと新鮮。

スペックが高いものだから、着々と準備が進行していましたが。情報発信にSNSを活用した影響で、保護者から意見具申が出る辺り、リアルでうげぇってなりました。

代表としてやってくるのが雪乃母な辺り、容赦ないわぁ……



やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11

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 こんなの正しくないってわかってる。楽しいと、そう言えるならそれでよかったのかもしれない。ありえた未来や綺麗な可能性を想って過ごせたなら、誰も苦しくなんかならないだろう。
 それでも、俺は理想を押しつけたい。微睡みの中で生きていけるほどに強くはないから。自分を疑った末に、大切に思う誰かに嘘を吐きたくはないから。
 だから、ちゃんとした答えを。ごまかしのない、俺の望む答えを、手にしたいのだ。


今回のイベントは、バレンタインデー。
一色いろはが話を持ってきたことで、生徒会主導のイベントになるあたりはさすがの行動力。
しかし、生徒会こうホイホイ身内感溢れるイベント実施していていいんだろうか。
後は予算の関係とかもあるだろうに、突発でやってること多くて、少し不安になります。
しかし一色は毎回のように八幡を振っていますが、「よく考えて出直してください」とか万一出直して来たらどうするんだ、とか思ったりします。
彼女は彼女で、八幡に影響を受けているから、悪い気しないのかもしれませんが。
八幡と葉山が、お互い嫌いだと明言しているのに、逢ったら会話しているあたりは中々好きです。
あの二人の独特な距離感とかがいい味出してると思うんですがね。

雪乃にお菓子の相談に来る女子が多かったですけど、なんでまた。
いや、雪乃が美味いのは、奉仕部で何度かふるまっていたりするから、知っていますが。
彼女たちがどうしてそれを知って、相談までしに来るのか。
三浦とかが、葉山と付き合っているという噂が流れたこともある、昔から知っている相手に聞くって言うのは冒険なんじゃないかと思うんですが。

例によって陽乃さんが登場して、いい感じにひっかき増してくれてますが。
何なの、あの人妹大好きすぎるし、時間持て余しすぎでしょう。
母親も干渉してきて、雪乃が割とボロボロになっていました。
そんな中でも、由比ヶ浜が変わらずにいたのは、ちょっとした驚きがありました。
雪乃も八幡も、ずっと一人でいたから、大体の事は一人でできてしまうし、鋭いけど、同時に脆いんですよね。
八幡の方は、クリスマスイベントの時に、求めるモノを打ち明けたから、まだマシになってきていますが。

雪乃の抱えている問題は、ほとんど解決していませんからねぇ。
由比ヶ浜は、八幡の視点で見る以上に強い女の子で。
だから彼女は、今が大事だから、例の勝負の約束まで引っ張ってきて守ろうとしてましたが。
八幡が相談に来た時、雪乃が言ったこと。自分の問題なら自分で解決するべきだ。
それを、意趣返しという訳ではなく、言い返す展開。
本当に八幡は、理想が高くて、自分に厳しすぎる。
雪乃の問題に踏み込んでいくことで、これが「最後の依頼」になってしまうんでしょうか。
どちらにせよ、終わりが見えてきてる感じがしますねぇ。次はいつ出るだろうか……


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5

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「めんどくさくない女の子なんていませんよ」
ああ、その答えはびっくりするほど腑に落ちる。軽く肩を竦めると、俺もまた、歩調を早め一色においついた。
「……そうだろうな、めんどくさくない人間がそもそもいないし」


今回は全体的にいろはが持って行った感じがします。
いろはす、あざと可愛い。
冒頭に材木座がいたような気がしましたがきっと気のせいでしょう……
就活サイトを見たり、またしても締切に追われたり、八幡はいったい何をしているのかと。
途中で後輩と一緒にお出かけしているのは、1巻の時からは想像もできませんでしたね。

彼女も、八幡に影響されて中々変わってきたといいますか。
八幡が後輩の少女と一緒に出掛けるのも想像しにくいものですが。
出会った当初であれば、いろはも彼と二人で出かけようとはしなかったはずですし。
葉山がかつて評価した通り、周囲の人を変えていっているんですよね
ぼっちであったはずの彼が。

最後は、一色いろはが奉仕部に依頼を持ってくる話……
って、それでいいのか生徒会長。準レギュラーになっているじゃないですか。
割と奉仕部に出没していますよね、彼女。
サッカー部のマネージャーだったり、生徒会長だったりしたような気がするんですが。
八幡、わりとあちこちで締め切りに追われていて、いつも通りな感じと思ってしまった時点で色々と間違っている。
普通高校生は締切にそうそう追われないと思うんですが……
本編では、シリアス要素が入ってきたりするので、こういう日常のエピソードはいいですねー、安心して読めます。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10

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「それしか選びようがなかったものを選んでも、それを自分の選択とは言わないだろ」


冬休み。
合格祈願の初詣に出かけて、小町の策略で雪ノ下たちと出会ったり。
由比ヶ浜と雪ノ下の誕生日プレゼントを買いに行ったりしています。
いやぁ、ギスギスしていたのもあって、まだ微妙にぎこちなさが残っているようですが。
こうやって、そろって出かけているのを見るのは和みます。

ま、相変わらず陽乃さんと遭遇した時には、引っ掻き回されているんですが。
この人は本当にぶれないなぁ。
平塚先生の結婚したい願望ぐらい、完璧な外面が崩れてないんじゃないだろうか。
雪ノ下の母親と接触があったりして、何とも面倒な様子が透けて見えましたが。
葉山と雪ノ下姉妹の関係というか距離感というのも独特なものがあるような。
雪乃と葉山の過去にあった何かがいつか語られたりはするんだろうか。

今回の学校ネタは、進路選択……の前の文理選択。
結構悩んでいるようですけれど、ここまで悩むようなことなのかなぁ。
葉山が言っていましたが、それぐらいでリセットされるものでもないと思いますが。
まぁ、リセットするとか距離を作るのではなく、近づこうとするんだったら、少しでも共通項を増やしておきたいという心理は分からないでもないですが。

やっぱり葉山と比企谷の、仲良くは出来ないけれど、微妙に噛み合っている感じが好きです。
比企谷の数少ない男子の会話相手だからかなぁ。
戸塚は…戸塚だし。材木座はネタ要因過ぎて、真面目な会話している場面少ないし。
ちゃんと会話してる相手となると、中々少ないですしねー。

2期でアニメ化もされていましたが、かなりまとめられちゃっているので、そこは少し残念ですね。
葉山というキャラクターに踏み込んでいった感じの展開は好みではありました。
八幡が本物を求めていることに対し、陽乃さんは「本物なんてあるのかな」と零していましたが。
いつか、それを八幡が得ることはできるんですかね。今はまだ、八幡自身わかっていない理想ではありますが。
そうなったときがエンディングになると綺麗なような気がしていますが、さて。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6.5

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「おお、先回りしてちゃんと考えてる……。由比ヶ浜の成長が見られるな」
「というより、比企谷くんの成長が見られないのだけれど……。どの道行くことになるのだから、諦めたら? 学習しない人ね」


時期的には、6巻の文化祭の後がメインです。
1期のアニメで作者が脚本を書いた番外編「だから彼らの祭りは終わらない。」を元にした体育祭のエピソード。
……しかしまぁ、この学校あちこちに反抗勢力ありすぎじゃないだろうか。
というよりは、順調に進んで大過なく終わったイベントが今のところ見当たらないんですが。
あー、修学旅行は八幡たちの関係が壊れただけで、学校的には問題は起きてないか。

生徒会長から体育祭を盛り上げたい、という依頼を受けたものの、体育祭実行委員も決まっていないとか。
目玉になる競技もこれから考えよう、とか。
問題を起こした文化祭実行委員長、相模を担ぎ上げて委員長に据えて。
奉仕部が協力しながら話し合いが行われていました。

色々と行き当たりばったりな感じがありますが、高校の体育祭の準備なんてこんなもんだろうか。
まぁ、でも地域のイベントみたいなものの準備を手伝ったことならありますが、アレもかなりグダグダだったからなぁ……大人が参加してアレだと思うと、彼らのトラブルは微笑ましく見えます。
当事者からすればたまったものではないでしょうけど。

そして、後半はボーナストラック。
9巻の後のエピソード「そのクリスマスキャンドルの灯が揺れる時……。」が収録されています。
由比ヶ浜がイベント好きですから、奉仕部の二人が連れまわされることに。
八幡は相変わらずひねくれていて、回避できないかとしてますが、雪ノ下の方はすっかりあきらめの境地。……学習って言うよりは調教されているだけとか言われてましたが。
久しぶりに材木座見た気がします。彼、真面目なエピソードの時にはとんと登場しないからなぁ……
戸塚や材木座、小町とかも交えたいつものメンバーで楽しく過ごしてましたね。
ちょっと前までの奉仕部の冷め切った状況を想えば、快挙と呼べるような、充実した時間で。
ギスギスして、気落ちする展開が多かったので、こういう穏やかなエピソードは落ち着きますねー。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9

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「だが、考えるべきはそこじゃない。この場合、なぜ傷つけたくないかこそを考えるべきなんだ。そして、その答えはすぐに出る。――大切なものだから、傷つけたくない」
(略)
「けれど、どうでもいい相手なら傷つけたことにすら気づかない。必要なのは自覚だ。大切に思うからこそ、傷つけてしまったと感じるんだ」
(略)
「誰かを大切に思うということは、その人を傷つける覚悟をすることだよ」


確かにあったはずのものは失われ、奉仕部の関係は冷め切ってしまった。
全員集まっていても、これまでとは違っていて。
八幡も由比ヶ浜も、表面を撫でるような、取り繕った会話ばかりをしている。
そんなところに、八幡の策略で生徒会長に就任した一色が依頼を持ってきて。

他校との合同イベントについての協力を要請された八幡は、一人でそれを手伝うことに。
小町との交流で鍛えられた対妹スキルが発動したりしてましたが、しかしまぁ、会議は踊り遅々として進まず。
八幡が先送りにしてきていたツケが一気にやってきたような状況に。
小町にも気分転換が必要じゃないかなんて言われてましたね。
戸塚はやたらと八幡と距離が近いですけど「辛くても大変でも、泣き言いわないで一人で頑張ってる。そういうの、かっこいいって思う…」と彼の心境が少し明かされてもいました。

でも、結局葛藤する八幡を焚き付けたのは、例によって平塚先生で。
……この人、本当いい先生だと思うんですが、なんで結婚できないんでしょうかね。
地道に八幡攻略してきそうなんですが。もしもっと早く生まれていたら、なんて仮定を彼が考える程度には。
人の心理を読むのに長けているが、感情は理解していない。
平塚先生は八幡をそう評して、それは、修学旅行のあの時由比ヶ浜に言われたのと同じことで。

ヒントをもらい、八幡は思考を巡らせてました。
本物を欲したはずなのに、それを失ってしまった。間違えてしまった原因は何だったのか。
自分に甘えを許さず、遡って、原因を考えられる彼は、なるほど理性、あるいは自意識の化け物と称されるのも納得できるような。
そうして、間違えたから、問い直して、自分の心と向き合って。

踏み出して、失敗しそうになって、お互いに解りあったわけではなくて。
けれど、間違いではないものを一つ得たから。
一度壊れてしまって、それでも対峙したから。
まだぎこちなさは残っていますが、守ろうとした場所にしっかり中身が入ったようで、安心できました。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8

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俺は気づくべきだったのだ。
俺が欲したのは、慣れ合いなんかじゃない。
きっと本物が欲しくて、それ以外はいらなかった。
何も言わなくても通じて、何もしなくても理解できて、何があっても壊れない。
そんな現実とかけ離れた、愚かしくも綺麗な幻想を。
そんな本物を、俺も彼女も求めていた。


修学旅行を終えて、その後。
八幡の解決方法に納得できない二人と、微妙にすれ違っていますね。
そんな状態でも、依頼は持ち込まれるわけで。
事情により後回しにされていたという、生徒会の選挙の話。

立候補者が一人だけいるが、彼女は自分で名乗り出たのではなく、いつの間にか立候補させられていた。
一色いろは。サッカー部のマネージャーをしている一年生。
柔道部でイベントやった時に少しだけ登場はしていた少女。
悪ノリで持ち上げられてしまったから、どうにか会長職を辞退したいという依頼。
これまでは三人で協力していましたが、方針の違いで八幡は別行動をとることに。

イベントを順調に超えて、距離が縮まったかと思ったとたんにこれですよ……
陽乃さんが登場していつも通り引っ掻きまわしたり、小町が八幡を焚き付けたりと、変わっていない部分もありますけど。
まぁ、小町は一回八幡の駄目っぷりに怒って、その後甘やかしているんですが。
兄に比べてできた妹や……まぁ、家族としての慣れとかもあるんでしょうね。

自己犠牲だなんて呼ばせない。
数少ない手札を切り、効率化を極め、最善を尽くした人間を犠牲だなんて呼ばせない。それは何物にも勝るほどの屈辱だ。必死で生きた人間への冒涜だ。


作中で八幡は、心の中で叫んでいますが。
これまでに平塚先生が言っていたように、彼は潔癖で、誰かを救う時に傷ついている。
ぼっちな八幡は、自分の事を考えているんですよね。「俺の目の前で起こることは俺の出来事だ」と世界は俺の主観だ、と自分自身を肯定している。
だからこそ、ボロボロで、それでも高潔なんですよね、彼。

八幡がとった解決策には正直、そこまでの力はあるものかと疑問符が残りますが。
その辺差っ引いても、八幡の行動や思考って言うのは中々興味深く、大した事件が起きているわけじゃないのに、読んでいて引き込まれる。
そして、彼は間違えた。形にこだわりすぎたんじゃないかと思いますが。
どうにか形を整えることはできた。けれど、そこに入れるはずの中身が零れ落ちてしまった、そんな印象。
まさか修学旅行後からさらに落とす余地があったとは、驚くばかりで続きが気になりますなー。

最後に、特典のイラスト集について。
最初の描き下ろしイラストギャラリーが結構いい感じですねー。
あとは、単行本未収録のあちこちの特典とかのイラストも収録。
こういう風にまとめてくれると、シリーズ後追いしている身としては嬉しい限り。
キャラクターギャラリーは、川なんとかさんと陽乃さん。そして戸部。川なんとかさんと戸部の座右の銘はそれでいいのか、本当に……




やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7.5

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ふと、俺にもいつか。
戻りたいと、そう思う場所ができるのだろうかと。
そんなことを想った。

短編集。
「こちらとしても彼ら彼女らの行く末に幸多からんことを願わざるを得ない。」
えーっと……誰か平塚先生貰ってやれよ、ホント……
この人結婚願望強すぎて怖いよ……
平塚先生が寝かせてしまっていた、タウン誌の企画に巻き込まれることになった奉仕部。
文化祭の後、八幡にお説教をしていたりと、格好いい先生だとは思いますが、こういう所はダメだよなぁ……

「ぼーなすとらっく 比企谷小町の計略」
イベント限定のスペシャルドラマCDの内容だとか。
3巻本編&ぼーなすとらっく「たとえばこんなバースデーソング」の後の話。
この作品でも、強かさでいえば小町はかなり上位に入ると思うんですが。
兄がぼっちを極めているのを反面教師に、随分と器用に生きている気がします。

「未だ、彼らは帰るべき場所を知らない。」
柔道部から持ち掛けられた依頼の話。
卒業した先輩が頻繁に顔を出して、活動に参加していく。その厳しさに部員が減っているので、どうにかしたい……という依頼なんですが。
現状の解決ではなくて、対症療法を求めているあたり救いがないといいますか。

先輩が来てから部員が離れているなら、その先輩をどうにかするべきじゃないのか。
部員が減っているから、新しい部員を招きたいとか、今更集められる程度の部員にどれだけの価値があると思っているんだろうか……
だって、7月中旬とかもう部活入る意欲のある人材はもうどこかしらに属しているし、属していないのは何かしらの理由があるか、部活に入るほどの意欲がないだけでしょう。
そんな部員を集めたところで、破綻するだけだと思いますがね。
まぁ、八幡がいつも通りのやり口で、その先輩に言いたい事言ってくれたので、そこでスカッとしましたけど。

メールで持ち掛けられる簡単な相談とかも挟まってましたが。
……どこまでも材木座が材木座でしかなかったといいますか。
彼は本当シリアスシーンで出れないからって、ネタの時は出張ってくるなぁ……


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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