『大丈夫なのです。ルルナ・プラウドは己の“誇り”に懸けて、バルド様に完全勝利を捧げるのです!』
(略)
「分かった。信じるとしよう」
とある神によって創り出された世界。
そこでは人族と魔族が長きにわたり戦いを繰り広げていた。しかし、魔族は「強大な力で人類に立ちはだかる舞台装置」としての役割しか望まれておらず。
魔族側が勝利を遂げたとしても、自分たちすら滅ぼして無に帰した世界に神は同じような環境を創り出す。
そんな中で生まれ落ちた歴代最強の魔王バルド。人類を滅ぼし、共に戦った魔族も滅び失せ、最後に創造神を脅しつけて世界の在り方を変えた上で、自分自身も滅ぼした最強最悪の存在。
バルドは、自分に付き従った六魔臣たちに、次の世界で新たなる人生を与えるのであれば自ら死んでも良いと言って、それを実行したわけですが。
……予期せず、遠い未来にバルド本人も女神によって蘇生させられることに。
バルドの要求を呑んで神が世界を作り直したとき、これまでの在り方から大きく変わったことで、世界の壁が薄くなったとでもいうか。
隙を突かれて異世界からの侵攻を受けることになり、今を生きる人類は抗って戦い続けているとか。つまりはかつての部下が渦中にいるということで、バルドは今の世界に存在を示すことに。
バルドは世界を滅ぼしつくした魔王としての能力は健在なものの、先述の通り異世界から侵略がされているほど、あやふやな状態になっていて。
彼が本気で能力を使うと、女神が悲鳴を上げるくらい危うい状況になっていたりもして。
懸念事項は尽きませんが……かなりテンポよく、かつての仲間である六魔臣の生まれ変わりたちと再会は出来て、人間になったことで以前と変わった部分はありつつ、変わらない部分もありつつで良い交流が出来ていたのは良かった。