「私達はもうとっくに取り返しがつかないところまで来てるのかもしれない。抜け出す方法とか終わらせる方法とか、そんなものそもそも存在しないのかもしれない」
死ぬまでゲームをやらされるのかもしれない。考えないようにしていた可能性だ。
「それでも、なにもしないわけにはいかない。少なくとも敵を倒し続けていれば生き残れるわけだし、ね」
割と嫌いじゃないです。るろおさんの絵かわいいし。
毎週水曜日、唐突に始まるゲーム。
それは、天使と戦う危険なサバイバルゲームで。
普通に学校に通っている主人公たちは、どうしてそんなゲームに巻き込まれているのかも分からずに、生き残るために戦ったり、情報共有したりしていくわけです。
ただ、一丸になれているわけでもなくて。
学校内でも、差別のようなものもある状況で。
何とも、歪な環境に置かれていると思ったものです。
ゲーム内ではクラス委員長がコマンダーとして、それ以外の生徒であるソルジャーに指示を出したり、コマンダーが敵にとどめを刺すことで得られるポイントで武装強化したりしてます。
じゃあ、現実においてコマンダーは優遇されているかというとそうでもなくて。
誰もやりたがらなかったクラス委員の仕事を、押し付けられた人も入っている状態。
更には、コマンダーは現実でもゲームのことを覚えているものの、ソルジャーである一般生徒たちは、普段はその記憶を失っている。
だから、現実においてコマンダーがいじめの対象となっていて、ゲームになってからやり返される、と団結力の欠片もない。
最後にどんでん返しがあるのは中々よかった。
けど、ゲームがああいった目的であるのなら、もうちょっと優しくてもよかったんじゃ、と思うんですが。
作りこまれているゲームではあるのだから、そこで起きている問題は結局人と人のものだってことでしょうか。
他の杉井作品に出てくるようなキャラクター像でしたが、世界観が大分違うので、多少は新鮮だったかも。
ただ、いい加減違う性格のキャラとかも見たいから、その辺には期待したいんですがねー。
主人公の抱えている謎っていうのは増していくばかりだったので、続きで解決されることを祈りますが。