「僕はグループに縛られず自由だけど、友達がいないから修学旅行やイベントの時にボッチだ。でも上原さんは友達が多いからイベントでも一人になる心配もなく楽しめるけど、グループに縛られて不自由だ。そんな感じかな?」
ボッチ気質の主人公、遠山祐希。
彼は、図書委員の業務で同じクラスにいるが存在感の薄い少女・高井柚実と知り合い、趣味の読書を介した交流をしていたが……ある時、一線を越えた。
恋人になるでもなく、体を重ねるだけの関係――いわゆるセフレというやつで、物語最初の一文がゴムがないと零す言葉から始まるんだから、大分常態化してる感はありますね。
主人公とヒロインの肉体関係はあるけど、ノクターンからの書籍化というわけでもないので、そのあたりの描写は思ったよりはあっさりしてましたね。
高井さんとの関係があるからか元からの気質か、遠山は大人しい性格で彼なりに学校生活……というか、縛られない日々を楽しんでいたみたいですけど。
そんな遠山が大人びているように見えて、自分にアプローチしてくる男子たちとは違うと感じたクラスカースト上位のギャル、上原さんがちょっかいを出してくることになって。
……学校でも接触してくるようになったのは、ゴム買いに出てた場面に出くわして、少し気になっていたのもあってモヤっとした気持ちになった部分もあるでしょうけど。
以前からの距離でいえば高井さんの方が近いんでしょうけど、今回は上原さん関連のエピソードが多かったですね。
表紙やタイトルが高井さんとの関係を描いてるので、そこを深掘りしていくのかと思っていたのでそこはびっくり。
突然上原さんが冴えない男子に接するようになったことで、彼女が気になっている男子とか気に食わないと思う人も出てくるし。あらぬ噂まで流されるし。
それで距離を取るのではなく、出来る範囲で対策をしつつ友人関係を続けていく、といのは良かったですね。
変にブレることのない遠山くんに上原さんも本気になっちゃって、今後はこの三角関係がどうなるのか描かれていくことになりそう。高井さん応援したいけどなぁ。