気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

アラサーがVTuberになった話。

アラサーがVTuberになった話。サブチャンネル

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『もう頑張っている人にもっと頑張れって言うの酷じゃないですか。それに、過去があるから今があるって言うのであれば、それも無駄じゃなかったとは思えるくらいにはなりましたからね。皆様には本当に感謝してもしきれませんよ。皆さんや、事務所の人たち、私に関わったすべての人に対してまだ何ひとつお返しできていないそうですし』

 

本編5巻と同時に発売された、13巻までの特典系と書下ろしエピソードをまとめた短編集。

神坂怜が前職ブラックでぶっ倒れた時からVになるまでの妹ちゃん目線「こうして兄はVになった」とか、「十六夜真のクラスメイト観察日記」とかで、やっぱり雫ちゃんもなかなかのブラコンだよなぁ……というのが分かって良いですね。

兄お手製の弁当やデザートをウキウキ食べてる雫ちゃん可愛くて良い。お菓子交換会が開かれると、怜お手製のお菓子は取り合いに発展するそうで、やっぱり彼スペック高いけど使い方がどこかズレてるよな……。面白い配信以外はなんでもできると言われるだけの事はある。

 

特典系ってこともあって、他視点のエピソードが多め。

怜に助けられて慕っている後輩、灯やルナの目線での話も合って……お互いに「あぁ、怜先輩の事好きなんだなぁ」と思って、親友の変化には気付きつつも自分の行動がどう見られているかについて無自覚なのはあざといな……。

灯、お母さんにすら「あの先輩の事好きなのねぇ」と思われてて、お母さんが怜のSNSフォローして、レシピ参考にして美味しいと言わせてるの良い性格してるなぁって思いました。

ルナの方は友人でもあるクラスメイトの委員長が……なんか怜のお悩み相談コーナーにハマって沼に沈んでいってるの、面白かったですな。

 

あとはとあるリスナーについての話。

ガチ恋ネキと……駄馬が登場していましたが。どっちもキャラが濃いなぁ!! 特に駄馬!! お前!! イベントで執事連れたお嬢様が居たって話はありましたが。予想していなかったです。

リスナー側の濃い2人が交友あるの、良いですねぇ。怜の影響を受けてちょっと前向きになったガチ恋ネキ、重いもの抱えてそうですけど。そんな彼女のことをしっかり見て、支えてくれる人もいるのが良い塩梅でした。

アラサーがVTuberになった話。5

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「ははっ、やっぱ俺はお前らが――あんだーらいぶが世界一好きだぜ」

「もちろん僕も」

「私もですよ」

 

妹の雫ちゃんの友人、十六夜真嬢の家族不仲騒動。

畳……じゃなくて柊先輩の行動と、その影響力も上手く作用していい感じにまとまったみたいですが。

燃えそうな話題に燃料投下したい人々は、いつもの祭り会場として神坂怜を延焼させたりしてたりしたそうで。なーぜか登録者数が減っていく始末。

 

所属企業もさすがに問題視して、偽情報の流布に対して対策をとっていくよ、って声明が出されたりもして、同情票で逆に人数が増えたり、相変わらず変な動き方してるな彼のチャンネルは。

声という自分の強みを生かす一環としてASMR配信なんかにも挑戦してましたが……。なんか間違った方向に学習して、氷カットしたりとかし始めてるの、迷走……というほどでもないけど、やっぱりなんかズレてますよねぇ。

狙ってないところで質の良い台詞提供してて、訓練された視聴者には刺さってたみたいですけどね。

 

今回も書下ろしのエピソードが充実。

初回は負傷により万全な状態で提供できなかった、柊の3Dお披露目配信。

その直前に、休業中だった他箱のVTuberが、V名義のアカウントで休業中に遊んでいたという話を、リーク系配信者などに取りざたされて。そこから同じように「配信外で遊んでいた」という悪印象を植え付けようと、あんだーらいぶの他のメンバーのプレイ履歴まで発掘してきたりして。よくもまぁ人の粗探しにそこまで熱意注げるもんだ、と呆れるばかりですが。

火種を提供することになるから、と参加自粛を表明しようか、なんて話も出てきてしまって。神坂怜が、放ってはおけぬと動いたのは熱かった。

 

これまでだったら彼が別のネタで炎上して、話題逸らしを図ろうとするムーブしたりしてましたが。今回それを察した人々に釘を刺されて。

その上で彼が見出した解決方法が、これまで縁のあった人々に助けてもらうって形で実現していたのは良かったですね。

……新キャラ、犬神狂衣という例の蠱毒箱からデビューした狂犬を手懐けてたりしてたり。たまたま葵さんと会った場面を月・太陽コンビに目撃されたり。女性関係も相変わらずだったりして、本当にもう……って感じでしたが。

それでも、楽しそうに活動続けているのがなによりですね。挿絵だと、黒子やってる朝比奈先輩が逆立ち支えるときに目が「><」ってなってる絵が可愛くて好きでした。



アラサーがVTuberになった話。4

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「私には同期がもういませんが……同僚には恵まれたなって思っています。特にこのメンバーは本当の同期みたいにって言うと失礼かもしれないですけれども――」

「馬鹿野郎。失礼もクソもあるかよ。そこは『俺たちを同期みたいに思ってる』、それで充分だろうが」

 

相変わらずなかなか登録者数は伸びない者の、彼自身はのびのびと活動しているVTuber神坂怜。

同僚には恵まれていて、後輩に御影くんが来たことであんだーらいぶ男子組も4人になり、モンスターを狩るゲームだったりを4人プレーで楽しめるようになったのは良いですね。繋がりが広がっていってる感じが実に良い。

 

同業他社で働くかつての後輩と食事に出かけた際、お土産の為にカップル偽装をしたことで妹ちゃんに問い詰められる一幕が発生したり。

エロゲ案件からのつながりで、ラジオ収録に参加することになって。お互い察しはついていたけれど、声優・葵陽葵とVTuber・神坂怜の中の人が「初対面」をすることになったり。

続編が出ることになったので再び体験版配信案件をすることになったり、というのはちょっと笑える良い繋がりですけど。

 

同期デビューするはずだったが、トラブルで即消えていったハセガワ氏が別の箱の企画でVTuberとして復活しそうな気配があり……さらにはそれを面白がった勢力によって投票工作まで始まる騒動に発展したり。

妹ちゃんの友人でもあり、VTuber十六夜真として活動している少女の周囲でちょっとごたついてる話があったりするのは、良くない流れではありましたねぇ……。

 

でも、そういったときに頼れる先輩がいるのは本当にありがたい。

真嬢の問題解決について、WEBだと怜がベストだと思った方法が割とサクッと採用されていたと思いますが、書籍化にあたってそこが掘り下げられていましたね。

一度却下されてしまうけれど、柊先輩の行動が一大ムーブメントとなって、最終的に問題解決に寄与してくれる、という。

あとがきにもありましたが、柊先輩が業界トップの男性VTuberであるというのが良く伝わってくるエピソードでした。普段ガチャ爆死してるシスコン面白魔界人なのに、締めるところでは締めてくれる格好良さもあるのは、そりゃファンも増えるわ。

 

怜、妹の雫ちゃんに対して愛が大きすぎるのは……まぁ彼の個性として置くとして。実際、お菓子作りだとかアレコレでスペック高いし、声も良いっていう武器になりそうなものそこそこあるのになんであんなに伸びないんですかねぇ。

……定期的に虚無配信してるのと、飛び火しての炎上で固定アンチがいるからかな……。



アラサーがVTuberになった話。3

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「あなたが『救い』といってくれているように、その言葉が、あなたが、いえ……視聴者の皆さんが私にとっての『救い』なんですよ」

(略)

「無理に変わる必要なんてないですけど、新しく何かを始めると――意外と意識も変わってくるものですよ。私はVTuber始めてからは毎日が凄く楽しいですし、こうして皆さんとやり取り出来てるのが本当に嬉しいです」

 

VTuber神坂怜の配信は、相変わらず。

爆発的に登録者数が伸びるではなく、サジェストに『炎上』と残り続けるなどマイナスイメージも払拭できていないのが常態化してるのは、まぁ良くはないんですが。一度ついたイメージカエルのってなかなか難しいですからねぇ……。

ある意味安定はしてるし、怜自身もVTuberとしてはブレないのでそこは安心してみてられますねぇ。怜の中の人はいろいろと闇深そうなので、活動を通して救われて行って欲しいものですが……。

良い仲間には恵まれているものの、そのあたりはじっくり進行だからなぁ。

 

さて今回は、急遽代役としてFPS大会に参加することになった朝比奈先輩に声を掛けられ、男子VTuber三人チームで挑む事に。

緊急参加なのもあってポイント扱いされたりする状況もありましたが、エンターテイナーとしてやり切ったのはお見事。

……途中、ランドマークとか各チーム情報のせたMAP情報とか作って公開してる当たり、相変わらず凝り性ですねぇ怜。

今回の彼のパワポ芸で面白かったのは、柊先輩と一緒に担当したソシャゲ案件で専用のアカウントもらったから全キャラ使って使用感を反映したダメージ計算機とかまで作り出しているところ。もう君が攻略サイト運営しなよ……。

 

あと大きいのは別のサイトで動画配信者として活動していた人物が、後輩VTuberとして加入――いわゆる『転生』をすることになって。

男女ペアでの開始でしたが、前世のリスナーのこともあってまた怜の登録者数抜かされれちゃった……。でも、裏で怜に相談してくれたり、ちゃんと先輩としてみてくれてるのあったかくて良いですね。

後輩のミスがあった時もフォローに動いてましたし、本当にそういうところだぞ、怜。

 

最後の章が『閑話 とあるリスナーの話』で、怜リスナーのエピソードだったんですが……。掲示板で色付き固定ハンドルになってる人物でびっくり。あれ、「ガチ恋ネキ」だったのか。他はモブスレッドとか、FPSのソロマスターとか、シスターとかで分かりやすかったんですが、なるほどなぁ。

1巻でのリアルイベントで人生相談の様相を呈していた時から思っていましたけど、なんで脱サラのリスナーはこんなに濃いのだろうか……。面白いですけどね。

アラサーがVTuberになった話。2

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「ここ、場所空いてる」

「うん……?」

「もうひとりサイン欲しい人がいるの」

 

デビューから3か月が経過した怜。

相変わらず当人に非がないけれど、飛び火してきたりしてるのついてないなぁ……。

今回は他所の事務所から新人女性2人がデビューすることになってましたが。

片や、妹の雫ちゃんと親友である学生少女で……配信きり忘れの一件で、雫との繋がりが露呈してしまった子。

片や、かつての同僚でありストーカー対策だったとはいえ、一時的に同棲していたこともある女性。

リアルでどちらとも距離が近かったり、SNSで他所の男性Vのフォローが早かったこととかで、目をつけられたりしてましたからね。どうして毎度火種が飛んでくるんですか……。

 

前者に関しては雫ちゃんがVとしてのガワを作って、SNSや配信で情報発信することで鎮火してましたが。

後者は前世バレからの妙な邪推が、今回は正解だったっていうのがややこしいんだよなぁ……。

まぁ念のため準備していたのが上手く作用して、ストーカー被害受けてた女性を狙ったってことで、炎上報道するVの方が叩かれる結果になってたのはホッとした。ああいうの嫌いだからもっとやれ……っていう黒い感情が沸いた。

 

今回良かったのは、以前妹に言われていた先輩のサイン色紙を本当に用意してきたことと……そこに妹が兄のサインを欲しがったところ。可愛いかった。

BOOKWALKERで購入して、限定書下ろしSSのタイトルが「十六夜真のクラスメイト観察日記」という真ちゃん視点での雫のエピソードを見られたんですけど、割と彼女もブラコンですよね、本当。妹ちゃん、不定期に掲示板に登場してるし。

 

怜、色々と多芸ではあるものの、なかなか伸びませんねぇ。

柊先輩の3D振り返りの時とかも「スタッフに人気だったけど、どうしてそれを表でだせないのか。コレガワカラナイ」とか言われてたっぽいし。

読者目線で見ている分には、リアル側のエピソード見れるのもありますが、なかなか愉快な人だとは思うんですけども。他所からの火種に事欠かないのは、そうなんですが……。

事務所の先輩男子とのコラボをしたり、グッズを作ったら作成数の問題か速攻で完売したり、地道ながらしかっり歩んでるし、数字に悩んで折れたりはしないだろう信頼があるのでこれからも頑張ってほしいところ。



アラサーがVTuberになった話。

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「あんだーらいふのファン舐めんなよ? こんだけ燃えてる私にだってファンいるんだからさ」

 

ハーメルン、小説家になろう、カクヨムでマルチ投稿されてる作品。

ブラック企業で働いていたら過労で倒れ、このままの生活を続けていたら危ないと医者に言われ退職した主人公。

貯金はあるのでしばらくは生活できるけど、これからどうしたものかとなっていた彼に妹が「VTuberになってみたら」と言ってきて。

試しに応募してみたら採用されて、トントン拍子でデビューすることになります。

 

しかし、ほとんどが女性の事務所からのデビューだったために、良い印象を持たれていなかったところに、同期デビューの男VTuberが「前世」問題で炎上しデビュー翌日にクビ。

行き場のなくなった怒りが同期というだけで主人公に向けられることになります。

それ以降も、直後にデビューすることになった後輩女性VTuberSNSで反応しただけで小火騒ぎ起こされたり、当人に非のないところで炎上しまくってるのはお辛い。

 

とは言え主人公はあくまでVのガワの着てるし、ブラック企業勤めの社畜だった経験もあってかそんなに気にしてないんですよね。

アンチに張り付かれて低評価爆撃くらっても、そのこと自体はダメージになってないし。

企業所属VTuberとして結果が出せておらず、配信でも面白さを発揮できずに虚無長時間配信とかになりがちだとか、そういう方面の心配はしてるんですけど。

 

彼の視点だとそこまで重くなさそうでしたが、妹目線だと放っておけない状態だったってのも描かれてますし、彼の心境描写どこまで信じたものやら。

あとがきに曰く『主人公が救われる話』らしいですし。救われないといけない何かを抱えてるってことじゃないですか……。1巻で漏れ聞こえてる範囲でも、結構爆弾抱えてそうではありましたけどね。

それでも自分のことで手一杯なのではなく、周囲の人を気に掛けることができる主人公が本当にいい人だったので、いつか救われるまで見届けたいって思いましたね。

 

主に主人公の視点で進行しつつ、彼の妹だったり、事務所の後輩たちだったりの視点が入って、心情を補足していく形式。

各章の終わりに掲示板回があるんじゃないかってくらい多いのも特徴ですね。掲示板回、好きなので結構うれしかったです。まぁ炎上しがちなのでアンチもいるんですが、ファンもいるし、なんなら妹ちゃんも出てくるし。

いくつかのスレでは「今日の妹ちゃん」のコメントまでついてるのが面白かった。

 

ただ最初のほうはレイアウトにちょっと慣れなかったですね……横書きの文章みると視線が左上に行っちゃうんですけど、横書き2列構成の右側の列先に読まないといけないのでついつい行きすぎちゃうことがあった。

でも掲示板回が多い分、横書き1列とかにするとどうしたってページ数嵩むので、納めるために考えられたレイアウトだとも思うので、これはこれで良いと思います。

途中から慣れてきたし。でも、真ん中に縦線でも入ってたら違ったかも……? そんな変わらないか?

電子で読んでたからってのもあるだろうか。BOOKWALKERの電子版、カバー裏も読めたんですがあちらはメガイラスト仕様で右側から読めたしな……。

 

あと面白いと思ったのは、イラストがV側しかないんですよね。オフコラボやリアルイベントもやってるんですけど、いわゆる「中の人」が描かれてるべきところVの絵で通してる。

そもそも地の文からして「中の人」の名前が基本出てこないので、作品として一貫してる部分ではありますけど。中の人も出すと、キャラの名前っていう情報量が増え続けていくことになるので、こういう形もアリかと思いました。

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