気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

アリソン

アリソンⅢ〈下〉 陰謀という名の列車

ico_grade6_3h

「ここにいるんだ。頭を出すなよ。――後はヴィル君を信じるしかない」

(略)

「余計なお世話よ。――わたしはいつだって信じているわよ」

 

『アリソン』完結巻。

戦争でのし上がった鉄鋼会社の社長であり、多くの恨みを買っているテロル氏。

命を狙われているらしい彼とその護衛、協力関係にあるストーク少佐の思惑によってアリソン達4人は他の乗客とは別行動をとることになったわけですが。

 

敵は、かなり大がかりな装備で追いかけてきて……。

アリソン達も車両一つを燃やした上で切り離して、後続の追手との距離を取ったり、テロル氏の「荷物」を使って蹴散らしたりとしていくわけです。

嫌なキャラとしてふるまい続けたテロルが、報いを受けたのは良かったですけれど。

戦時下ゆえに見逃されていた問題が浮上した結果の騒動に巻きこまれたアリソン達は、本当にお疲れ様でした、というか。

終戦した直後であることや、やっと安定に向けて動き出した時代のスキャンダルを嫌ったからと言って、随分な作戦を考えたものだなぁとは思ったり。

 

当初の目的地とは違うけれど、スー・ベー・イルにたどり着いたアリソン達。

ベネディクトがフィオナを射止めたのはお見事というか。たびたび問題が起きて先送りになっていたアリソン達に比べて、あっちの2人はもとから順調だったからな……。

そして鈍いヴィルに勢いよくぶつかっていくアリソンなのでした。まぁ、この2人はあれでいいコンビだからな……。

 

ヴィルが危険と知りつつ同行することを選び、解き明かした真実によってストーク少佐の苦労が発覚するわけですが。

決着をつけに来たら、過去の亡霊がやってきたわけですから、そりゃ大変だったことでしょう。非常な行いをしようとしていた彼にも、切り捨てられないものがあったわけで、人間らしくて嫌いじゃないです。



アリソンⅢ〈上〉 ルトニを車窓から

ico_grade6_3h

「“本当の英雄達”」か……。あなた達は、本当はとてもすごいのよ。たくさんの人を救ったの」

 

再読。ついに2つの連邦をつなぐ大陸横断鉄道が開通することになって。

ベネディクトがアリソンにヴィル、フィオナへと招待状を送り、豪華な鉄道旅行を楽しんでもらおうとしたわけですが。

 

実際途中までは旅を満喫してたんですよ。一日先に乗れたアリソンとフィオナが、その日は一緒の部屋で過ごして、秘密を語らったりしてたようですし。

ヴィルが列車に乗ろうとしたら、警官に止められたりして彼の平凡さが伺われる。まぁ、実際のところ、ベネディクトの英雄的行いの裏に居て偉業を為してる2人のうちの1人なんですけどね。

 

しかし、この列車もまた陰謀の材料として使われてしまったというか。

次々と乗務員が殺される事件が発生し、巻き込まれてしまうことになります。

列車に同乗し暗躍しているスー・ベー・イル側のストーク少佐ですが、彼はアリソンの父「オスカー・ウィッティングトン」に思う所があるようで……。

 

巻頭の「序章の前に・a」が未来の時系列で、アリソン達の娘であるリリアの視点から語られるエピソードであり……列車で事故にあいヴィルが死んだらしい、と彼女は言うのですが。

再読でバイアスかかってるの差し引いても、あからさまではあるから何かしらの裏事情があるんだろうなぁ、とかつい穿ってみてしまうな……。

上巻なのもあって、伏線を巻いてる感じで平穏な時間の方が多め。


アリソンⅡ 真昼の夜の夢

ico_grade6_3h

『アリソン。もし失敗したら、やり直す時間は?』

『ないわ。一発勝負よ。後二十五』

『分かった』

 

戦争の発端となった問題に決着をつけた「壁画発見」騒動。

それによってカー・ベネディクトは英雄となり、ロクシェとスー・ベー・イル間の戦争は正式に終結することに。

軍人であるアリソン達は、終戦からの軍縮は避けられず今後どうなるかという問題を抱えているようですが、その中で出来ることをしていってるようです。

例えば2国共同で航空救難訓練を行って、航空機の価値をアピールすることだとか。

 

その訓練が、ヴィルの学校の研修旅行と同じ地域で行われることにアリソンは気が付いて。

金銭的な問題から不参加のつもりだったヴィルに支援する形で、デートを取り付けてるんだから相変わらず行動的です。

彼女の行動に協力してくれる同じ部隊の軍人だったり、ヴィルの友人だったりなかなか愉快なキャラが多いですよね、この作品。

 

上手いこと2人でデートして、「卒業後、一緒に住まないか」と提案しようとしたわけですが……その時立ち寄った村が秘密を抱えていて、睡眠薬を盛られたせいでタイミングを逃す羽目になって。

 

ただ、あの日アリソン達が村に足を運び、彼女たちを探してベネディクトがやってきたことで、フィオナという女性と出会い……10年前に起きた事件の真相が明らかになるわけですから、運命的ではありますね。

誰か一つ、何か一つ欠けただけでもあの真相解明のシーンにはならなかったわけですし。

アリソンとヴィルの関係はうまくいかない中で、ベネディクトがなんだかんだ上手いことやってるのがちょっと笑える。



アリソン

ico_grade6_3h

「ああ……、君達は、とても楽しい人達だ。そしてまだ和解。これからどこへ行くのか分からないだろうが、年寄りから、一つだけ助言を言わせてほしい。――君達は、君達が行きたいところへ行ってほしい。幸運の神様が、飽きもせず君達を見守っていることを祈るよ」

 

巨大な大陸が一つだけある世界。

大陸中央部はルトニ川と中央山脈によって分けられ、東西それぞれに連邦が成立し長い争いの歴史を紡いでいた。

ヴィルは東側のロクシェ連邦で学生をしている17歳。そんな彼のところへ幼馴染のアリソンが訪れたことで、話が動き出します。

 

アリソンはヴィルと同い年ながら空軍に所属していて……久しぶりの訪問の仕方が、練習用の機体を運搬する任務に同乗させてもらって、学校に直接乗りつけておろしてもらうって言う荒業ではありましたが。

そうやって物おじせず行動するアリソンと、冷静な判断をするヴィルはなんだかんだでいいコンビですよね。

 

そうして2人が過ごしていたら、街で有名なほら吹き爺さんと遭遇。

彼は戦争を終わらせるだけの価値がある宝の場所を知っている、と言って……その話を面白がったアリソンが、探しに行こうと提案をしたのですが。

タイミングが悪かった、というべきか。その話に興味を持った西側の工作員によってお爺さんが攫われてしまう事態に発展。

 

他国にわたられたらどうしようもない、と止まらずに領空侵犯できるアリソンの肝の据わり方は凄まじいですよね……。

とは言え、さすがに若い2人だけではどうしようもない状況が発生したりもするわけですが。その時々で良い縁に恵まれて先に進むことができるんだから、アリソン達が「宝」について話を聞いたタイミングを含めて、運命的だったとも言えますね。

再読だったんですけど、そうそうこういう感じだったよなぁと懐かしさも味わえました。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

メールアドレス
kimama.tyaka@ジーメール なにかご依頼等、特別連絡したい事柄はこちらにお願いします。
メッセージ
アーカイブ
カテゴリー
記事検索
最新コメント
  • ライブドアブログ