気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

アーススター・ルナ

お局令嬢と朱夏の季節~冷徹宰相様との事務的な婚姻契約に、不満はございません~

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「――――生涯、共に在ることを約束しよう。愛しいアレリラ」

(略)

「はい。イースティリア様。わたくしも貴方を幸せに出来るよう、生涯をかけて努力いたします」

 

ダエラール子爵家令嬢アレリラは、幼少期から表情を上手く作れない少女であった。

貴族の通う学院を首席で卒業した優秀な人物ではあったんですが……だからこそ、婚約者に婚約破棄されてしまうことになって。

弟の学費の関係もあるから仕事に打ち込むようになって、彼女は『お局令嬢』なんて呼ばれるようになったりして、結婚とは程遠い人間になってしまったんですが。

彼女は宰相の秘書に抜擢される位優秀で、その宰相であるイースティリアもアレリラと似たタイプであり、冷静かつ優秀で……だからこそ惹かれて、婚約を申し込まれることに。

 

アレリラは思考が早い分、先んじて自分の中で「納得できる答え」を作ってしまう部分があって。

婚約破棄をされたときも相手の言葉に存在しない裏を読んで、別の意図を受け取ってしまっていたし。イースティリアを慕っている人物の噂を知っていたので、自分との婚約関係はそれを隠すための側面があるのだろうと思ったりしてましたし。

実際は元婚約者ボンボリーノは彼自身と比べてアレリラが秀でているから「釣り合わない」と考えて、婚約破棄をしたがっていたそうですし。イースティリアも普通にアレリラ自身を好きで、妻に迎え入れたいと思っていたという誤解が発覚するんですが。

 

そういう自分の至らぬ部分を自覚した時、苦手分野も向上させていこうと思えるアレリラ嬢のこと好きですねぇ。

イースティリア相手にしているときは、鉄面皮がちな彼女が照れたりしているのも、実に微笑ましくて良いですし。2人とも優秀だから、会話が流れるように進んで行くのも快適で良い。

反面、ボンボリーノはちょっと苦手でしたねぇ。ちょっと考えの足りない行動を起こすことは有れど、人当たりの良さと、何だかんだ最終的には上手く話がまとまるところから、認めている人が多いようですけれども。

 

アレリラとの婚約破棄も自身と釣り合わないから、破談にしたいと両親に伝えたもののアレリラの優秀さを知る両親は破談にしたくなかった。だから、浮気して公の場で今夜期は気に踏み出した、と。

その後、娘を溺愛している父が暴走したこともあって、縁談がアレリラのところまで届かず……彼女は「お局令嬢」になってしまったわけですよ。最終的にイースティリアと出会えててお似合いですけども。

 

他にも、機密性の高い話を漏らしてしまったりとか。そっちも周囲がフォローに動いて、何だかんだ上手くまとまってましたし、フォローしてもらえるだけボンボリーノが慕われている証拠でもあるとは思うんですけど。

婚約破棄されたアレリラ本人の認識として、自分が勝手に裏読みした部分もあるし勝手な噂を広めた夜会の参加者だっている。「後先考えなかった婚約破棄宣言」だけがボンボリーノの責任であると言ってますが、一部とはいえ問題はあって、そのことに対して彼は「親と相手方からしこたま怒られた」くらいで、早い段階で幸せ満喫してるのなんだかなぁ……みたいな気分になった。「まぁ、ゴメンな!」じゃないんだよなぁ……。

でも彼が婚約破棄したから、イースティリアとアレリラが結婚まで行ったので、これが「最終的には上手くいくから許されている」空気か……。

女伯爵アンバーには商才がある! やっと自由になれたので、再婚なんてお断り

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『あなたが自分の人生を守らなかったら、誰が守ってくれるというの?』

『あなたに働く意欲があるなら仕事を紹介するわ。住む場所も提供する。闘うべき時は戦いなさい。自分を救い出すのよ』

 

オルブライト伯爵家の令嬢アンバー。

彼女は父が推し進めた縁談に従って、家格が上の侯爵家から婿を取ることに。

侯爵家側がつけた唯一の条件が「財産管理を、息子に行わせること」。しかし……その息子ブランドンにはそういった経営の才能がなかった。

どんどん伯爵家の財政が傾いていく中、アンバーはブランドンに助言をしたりもしたが受け入れられず……密かに自分の資金を使って、いくつかの商売を開始。

それらは順調に利益を上げ、使用人たちの賃金を賄うことも出来るようになっていたようですが。

 

ブランドンはなんとメイドの一人と駆け落ち。

それを受けてアンバーは、速攻で離縁の手続きを進めて。相手側に非がありつつも、侯爵家の経済状況を知っているから、慰謝料の請求を行わなかった。

……そんな思いやりを、下の家からの借りと取られた侯爵家は親戚筋という伝手を使ってアンバーを国王付きの侍女……ようするに愛人として迎え入れるなんてトンデモ提案をしてきて。

 

素直に受け入れられる話ではなくて。ブランドンを追い払った後、家の前で倒れていた自称平民の絵描きクリスティアンと婚約することで、その慈悲を拒むことに。

この婚約にはもう一つ目的があって、それがアンバーが別名義で行っていた各種経営の手続きをクリスティアンに移してから、アンバーに戻すことでオルブライト伯爵家の財務状況を回復させることで。

そんな面倒な手続きを挟むのは、アンバーの努力の成果である店舗経営は、「財産管理をブランドンに任せる」という結婚時の約束に反していると文句を付けられる懸念があったためだった。

 

そうやって仮初の婚約者となった2人だったわけですが。

アンバーは自分が夫に虐げられていた経験もあって、同じように認められていない女性たちに仕事を与える活動を始めて。途中、過労で倒れてしまう場面もありましたが。道を切り開いて、多くの女性たちを救っていったのはお見事。

クリスティアンは自称平民と言いつつも、節々に教育を受けた痕跡があって。

実家との確執がありつつ、絵描きとしても認められていくことになって。

各々の道で成果を上げた2人が、お互いを大事にして仮初の関係が本当になったのも良かったですね。



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ちゃか

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