気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

アース・スタールナ

追放された公爵令嬢、ヴィルヘルミーナが幸せになるまで。下

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「変わったのではなく、変わらせられたのですわ。婚約者に公の場で婚約を破棄され、その地位も名誉も褫奪されたのです、かつての父も、将来父になるはずだった人もわたくしを救ってはくれず」

ここで笑みを浮かべてレクシーを見上げます。

「彼のみがわたくしを救ってくれたのですから」

 

人工的に魔石を創り出す、というアレクシの研究。

パトロンを見つけてある程度形にした上でA&V社という会社を設立し、順調に成長していったわけですが。

そんな中で、氷炎の大魔術師と呼ばれるオリヴェルからクレームが入り、ヴィルヘルミーナが対応に苦慮することに。上手く言いくるめて、何度かその成果を確認させたうえで自陣営に引き込んだ手腕はお見事。

 

アレクシも、ヴィルヘルミーナについてきた使用人たちから助言を貰いつつ、彼女に贈り物をしたりと少しずつ周囲を見られるようになってきたというか。

支えてくれている彼女の事を当然と思わず、しっかり応えようとしているのが良いですね。

……そんな彼にヴィルヘルミーナが惚れ込んでいって、「こんなにちょろくなるとは」とか言われてましたけど。

そうやって最初は政争の煽りで結婚することになった2人でしたが、良い感じの暮らしを送っていたわけですが。

 

政務をサポートしてくれていたヴィルヘルミーナがいなくなったことで、王太子は困窮して。帰還した国王から、次代として相応しい振る舞いが出来なければ……と釘を刺されていましたけども。

 

追い込まれる中で、一度はおいやったヴィルヘルミーナを公妾として迎え入れようとしたりとか、何考えてるんだか。エリアス、本当に考えが浅いというか青いというか。

それに比べると一年教育を受け続けて、ヴィルヘルミーナが積み重ねて来た苦労の一端を知ることになったイーナの方がよほど見込みがある。……まぁ、かつて指摘された愚かさを自覚してなお、愛ゆえにエリアスの傍にいることを選んだわけですけど。

 

味方を増やしていって、王権にもなり得る魔石作成の技術を用いて、かつての実家であるペリクネン公爵家を追い込む策略を進めて。

その裏で、異端として迫害されるようなことが無いよう、教会のトップである教皇とのパイプも繋いでいく。

入念に準備を整えた上でヴィルヘルミーナ達はその技術を発表したわけですが……案の定、国が取り上げようと介入してきて。備えていたからこそ対処できましたけど、王家のあがきはみっともなく映ってしまったな……。

 

国王がヴィルヘルミーナの正しさを認めつつ、正しさで国は動かぬと、王太子を切り捨てられない代わりにヴィルヘルミーナを切り捨てる決断を下したことは、王の判断として分からないでもないですけど。

利益を享受できないとなったら異端審問に賭けようとしたり、王家の傲慢もまた見えたよなぁ、という感じ。いろいろ足掻こうとしたうえではあれど、国王が最後にヴィルヘルミーナに謝罪してくれたのは、まぁ良かったのでは。

追放された公爵令嬢、ヴィルヘルミーナが幸せになるまで。上

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「過去に囚われていても仕方ありませんわ。未来に向けて慣れていくのです。とりあえず、今日は手を繋いで寝てみるのはいかがでしょうか?」

 

王太子エリアスの婚約者であった公爵令嬢ヴィルヘルミーナ。

彼女は、婚約者がいる身でありながらエリアスが男爵令嬢イーナに入れ込んでいることに苦言を呈していて。口頭でも文書でも注意したが収まらず……暗殺を試みたものの失敗。

王太子から婚約を破棄されて、平民とでも結婚しろと命じられ、早々に抱き込まれていた枢機卿を交えて契約を交わさせられることに。

 

公爵家の父からヴィルヘルミーナは彼女の行いを非難されてましたが「対立派閥の暗殺なんて、お父様もしていたじゃないですか。その組織に依頼しましたが?」と返答してるの、強すぎて笑っちゃった。

王太子と令嬢のほかにも、国王や父なんかにも問題の報告はしていたものの改善の素振りが無かったため、暗殺を決行しようとしたとかで。

王の外遊中にヴィルヘルミーナを追放してのけたのはお見事で、ヴィルヘルミーナも政争に負けた身ながら矜持を持って、その平民との結婚も受け入れる構えではありました。

 

……上手くヴィルヘルミーナを追放したとはいえ、王太子エリアスがその仕事のほとんどをヴィルヘルミーナに頼っていたり、密かにフォローされていたのにも気付いていなかった愚鈍なのも事実だし、イーナが男爵令嬢故に王太子妃として求められる水準の教育を受けられてないのも事実だしで、むしろよくヴィルヘルミーナを出し抜けましたね、というか。

傀儡に出来そうな状況だからこそ、誰かの入れ知恵があったのかもなぁ……って感じではある。

 

公爵令嬢を平民にした上で娶らせるとは言え、なんの成果も無い人間では外聞も悪いので、勲章を授与された平民の研究者アレクシが相手になったわけです。

研究一筋で身だしなみにも気を使わないような男ではありましたが……ヴィルヘルミーナの指導を受けてそのあたりも少しずつ改善していって。そして彼自身も平民故に冷遇され、なかなか研究結果が日の目をみなかったようですが……実際にはかなり価値のある研究をしていて。

 

ヴィルヘルミーナがテキパキ差配して、停滞していた研究が形になる手助けをしていたのはお見事でした。

まぁヴィルヘルミーナ、貴族令嬢としてのたしなみと王太子妃向けの教育を完璧にこなしてきたものの、平民の生活には当然疎く。にんじんの単価を聞かれて、政務で知った「畑一面あたりの平均単価」を答えたことで「値段を覚えるまで一人で買い物は禁止します」とか言われているの、ちょっと可愛くて笑った。



『聖女様のオマケ』と呼ばれたけど、わたしはオマケではないようです。

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恋愛感情での“好き”はまだ芽吹いてないけれど、もう少しでそれが芽吹く予感はある。

「この世界に来てからわたしに『大丈夫か』って訊いてくれたのは、ディザーク殿下だけだったから」

 

主人公の少女、篠山沙耶は普通の女子高生……だった。

しかし、クラスメイトの少女・香月優菜と一緒に日直の仕事をしていたところ、異世界に召喚されてしまって。

優菜の方は、異世界の人々が召喚術を使ってでも異世界から招き入れたかった人材「聖女」として祭り上げられたものの……魔力を感じられなかった沙耶は、あまりにも適当な扱いを受けることになって。

侍女は新人が一人、監視役の護衛に就いた騎士もやる気はなく、食事もロクなものを与えられない。

 

そんな折、他国の要人がやって来るという噂を沙耶は聞いて。

王国ではこれからもロクな扱いは受けないだろうから、どうにか接触して連れ出してもらおうと画策。

彼女の想定とは違う形にはなったものの、接触には成功。

帝国の皇弟ディザークは、元より巻き込まれた少女の事も聞きつけており、さらに彼の国で「黒髪であること」は重要視される要素だったので、状況によっては保護することも考えていたこともあって、亡命は成功するわけです。

 

まぁただ連れ出すのは王国側との交渉が難航する可能性もあったため、ディザークの婚約者として迎え入れることになって。

さらに、実は沙耶にも魔力はあった……どころか、優菜以上の才能が秘められていたことが帝国に移ってから判明。彼女もまた聖女としての素質があるとされて、教育を受けることになって。

帝国ではディザークの婚約者候補たちからの嫌がらせがあったり。逃した聖女を惜しんだ王子がちょっかいを出してきたり。トラブルもまぁまぁありましたが。

沙耶を大事にしてくれるディザークと良い関係を気付いていけたのは良かったですね。



ライブラリアン 本が読めるだけのスキルは無能ですか!?

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「本とはすなわち英知の結晶。役立て方は無数にもございましょう。貴方が貴方のできることをするように、私は私のライブラリアンの私にできることをするのみですわ」

 

スキル至上主義の国に生まれた令嬢テルミス。

彼女は、自分にだけ読める本を出す「ライブラリアン」というスキルを発現して。家族はそれでも彼女を愛してくれていましたが……。

貴族社会において、ライブラリアンは不遇扱いを受けていて就学も出来ないだろうし、仕事するにも結婚するにも、良い縁には恵まれないだろうと言われてしまうようなものだった。

 

しかしテルミスは、前世の記憶を取り戻したことや、自分の成長に合わせて読める本の増えていくライブラリアンというスキルとしっかり向き合っていって。

女性だから正式な料理人としては働けないけど、夢を諦められずにいたサリーを専属に迎えてプリンを作成してみたり、色々と新しいことに打ち込んでいったわけです。

貴族として良い縁組に期待できない、いつか貴族籍を外れて平民になるかもしれない、ということで自分である程度の事が出来るように奮闘もして。

その一方で孤児院への訪問なんかもして、出来ることはしっかりしてるんですよね。子供たちにも慕われていましたし。

 

しかし、そうやってテルミスが奮闘して少しずつ立場を確かなものにしてくのかと思いきや。

誘拐犯に拉致されかけたり、辛くも生還はできたものの危機が完全に去ったわけではないので、隣国へ逃げ延びることになってしまったり。

後半はかなり激動でしたねぇ。テルミス一人での逃避行ではなく、頼れる先達がいるのは良かったですけど。道中で、また別のトラブルと遭遇してたのには笑ってしまった。引きが強い。



モブ令嬢テサシア・ノーザランは理想の恋を追い求めない

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「アーべライン家に相応しい、素晴らしい才能のある令嬢と紹介しましたよ。ただ、少し自信が無いのが難点とも伝えました」

「あらゆるものがルートヴィッヒ様に釣り合っていないとは感じています。ですが、それでも彼の隣に立てるならと思うようになりました」

 

主人公のテサシア・ノーザランは、北方の辺境に位置する田舎男爵領の娘。

王都にある学園に通っていた彼女は、とある夜会で起きた婚約破棄騒動を目撃することになります。

それが王太子シャーロウが、ナゲイトア大公家の令嬢クレイ―ザに対して行ったものだったわけですが。婚約破棄モノで多いのは無能な王子の暴走劇なんですけど、本作においてはわりと順当なんですよねぇ。

 

クレイ―ザ嬢、異世界から召喚されて疫病を癒した実績のある聖女ミズキを暗殺しようと計画したらしいし。

それを察知した王子側が裏を取った上で公に糾弾する、という形を取ったみたいです。

大公家の権力によってクレイ―ザに協力した令嬢たちもまた責められることとなり、いくつもの婚約が破談となったそうです。

 

テサシアは婚約も決まってなかったし、自身の立ち位置も把握していて、聖女からも大公家からも距離をとって「モブ令嬢」らしい振る舞いをしていた模様。

田舎出身ということもあってか、彼女は妙に自分に自信がなかったんですが……。

そんな彼女が、憧れている侯爵家の男性がいた。恋でも愛でもなく、推している、という気持ちだったようですが。

 

そのルートヴィッヒもまた、婚約破棄することとなった一人であり……それ以降、不思議とテサシアと交流が生じるようになって。少しずつ距離が近づいていくことになる物語ですね。

婚約破棄の流れに作中で筋通ってるし、踊らされているものばかりではなく、テサシアみたいにしっかり対処してる人物もいるので、キャラに信頼がおけるのが良かった。

悪役令嬢、拾いました!1 しかも可愛いので妹として大事にしたいと思います

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「イザベラちゃんをエスコートするのは私。どんな時だって守ってあげるからね。約束!」

「ふふ、はい。これ以上ない信頼のお約束ですもの、信じております」

 

冒険者として活動している転生者のアルマ。

彼女はある日、あらぬ罪によって追放された聖女を務めていた少女イザベラ=ルティエを保護した。

その瞬間に居合わせた事で、アルマはこの世界が前世で読んだことのある漫画の舞台だったことに気が付きます。メインキャラが合わなくて途中で読むのをやめて結末も知らないって話ですし、具体的なイベントに遭遇しないと分からないのは理解できる。

 

辺境に追放される事になった令嬢を護衛していったわけですが。

冒険者として名のしれたアルマは、辺境伯にアポを取れるくらい高位の存在で……令嬢を送るためについて来ていたバカ貴族はその辺りを理解できずに最初は噛みついてましたが、こんなのが次代の王太子の近くに居たならそりゃこんな騒動も起きるかな……って思ってしまった。

一応、この結末になるように誘導した黒幕が居たりはするんですけど、それでも付け込まれる余地がなければ、ここまでひどくはなってなかったでしょうし。

 

イザベラは王子とガチガチの政略結婚する予定だったみたいですけど。王子の方がバカやってご破算。バランスをとるために新しい貴族との婚約話が進む事となって。予想通りにいかずいらだつ様はあまりにも幼い。

あれを見ると、アルマが可愛いから妹として保護すると言って迎え入れて、実際猫かわいがりされてるイザベラは幸せだなぁ。

大騒動の解決に寄与した功績を持ってイザベラと一緒にいる権利を勝ちとったアルマはお見事でした。そんな強かな彼女も、自分の恋路には臆病だったりして、人間味があるのはいいですね。

無自覚な天才少女は気付かない1~あらゆる分野で努力しても家族が全く褒めてくれないので、家出して冒険者になりました~

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「お嬢様は、それだけじゃなくて色々な分野で成果を出しているじゃないですか! 私は……お嬢様はすでに十分に頑張ってらっしゃるし、実際成果も出してると思います……!」

「うん、ありがとうアンナ……」

 

アジェット公爵家の末娘として育てられたリリアーヌ。

彼女の両親や兄弟姉妹はとても厳しい人達で、彼女がなにかしらの成果を挙げても、重箱の隅をつつくように「こうした方が良かった」「もっといい選択肢があった」と指摘するばかりで、褒めたり讃えたりする言葉をかけた事がなかった。

 

家族の本心としては優秀な娘、妹であるリリアーヌの才能は認めていて外部には「自慢の娘」だとアピールしていたようですけど。

その才能に増長してはならないと、自分だけは厳しい言葉をかけて諫めないといけないと全員が思ってしまったため、リリアーヌを誰も褒めないという最悪の状況が出来上がったそうで。

 

そんな状態で突如として光魔法の才能に目覚めた他家の娘が養女として迎えられる事が決まり……アジェット公爵家の人々は、その義妹であるニナの事は簡単に褒めていた。

それでも義務感からニナの面倒を見ていたリリア―ヌでしたが、ニナと一緒にトラブルに遭遇して、しばらく昏睡。目覚めた直後に、ニナの言い分ばかりを信じる様子を見せられて心が折れてしまった、と。

 

家出してリアナという冒険者として振る舞うことになったリリアーヌですが。

彼女は、一芸特化の家族に認められるだけの才能を、それぞれの分野で発揮していた万能型の天才だった。しかし、一度も家族に褒めてもらえなかった彼女の自己肯定感はマイナスに振り切っていて「私なんてまだまだです」と言うばかり。

読者目線で毒家族見せられるし、自身の功績を正しく見れない主人公を見続けることになるので、中々負荷かかる作品ではありますね。

どうかリアナとして振る舞うようになった彼女に幸せが訪れて欲しいと、願うばかりです。
公爵家の人やニナみたいな、リアナを傷つけた人々に報いがあって欲しいとも思ってしまいますが、まずはリアナの幸せだよ……。


異世界転移して教師になったが、魔女と恐れられている件1~王族も貴族も関係ないから真面目に授業を聞け~

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「国を背負って私と戦うというなら相手になりましょう」

(略)

「滅ぶ覚悟でかかってきなさい」


BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで6月30日まで。

父の願いによって、日本一になるべく剣道に打ち込んでいた少女、神湊葵。

しかしそれは叶わず……ならば、教師として生徒を教え導くことで果たそうとしたが、結果は出なかった。失意の中で彼女は、若返った状態で異世界転移する経験をして。

世捨て人の魔術師に拾われて、色々と教わる事が出来て……異世界由来の彼女の知識を活用する事で、師匠の魔術研究も進んで行ったようです。

 

そして師から教えることがなくなったから、知人の魔術学院を紹介するから教師として働いてこいと送り出されることに。

師匠とは違う魔術の知識や考え方を修めることで、魔導の深淵に至れるかもしれないという期待もあったようですけど。それとは別に彼女と育んだ絆は確かで、娘のように思ってるから何かあったら帰ってこいと言ってくれたのは良かった。

 

そうして意気揚々と学院に行ったら……六大国の出資によってつくられた背景から、出資者である王侯貴族への対応に苦慮し、高位の貴族家出身の学生が大きな顔をすることも多々。

そうした偏見や差別は学院には不要だと考える葵は、度が過ぎる生徒は王子であっても叩きのめし、家族面談だと王と王妃を呼び出すなんて真似もします。

自分の要求を認めさせるだけの力と理想を持っているので、彼女が好きになれれば楽しめると思います。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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