気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

アース・スタールナ

転生しました、サラナ・キンジェです。ごきげんよう。3 ~婚約破棄されたので田舎で気ままに暮らしたいと思います~

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「……ありえませんよ。貴女を嫌うなんて、絶対に」

 

王都から戻ってきたサラナ。

孤児院の斜向かいに見慣れぬ建物が出来ていることに、当たり前のように気付いたわけですが……それを誰に聞こうと思っても口を閉ざされてしまう。

サラナもハッキリと自覚こそしてないものの、アルト商会長頼りにして惹かれて行ってるの、微笑ましいですよね……。お礼の意味を込めて刺繍をしたハンカチ送ろうとした時、色とか図案とかアレコレ悩んでるのを見ると普通に恋する少女感。

 

孫バカのバッシュが、本好きで孤児院の子達の為に物語を書いたりしているサラナを見て、そんなサラナに教えられ楽しそうに本を読む孤児院の子供たちをみて、子供たちの選択肢を増やすために図書館を作りたいと言い出して、それを形にしてしまったのは腐っても先代領主か。

最初の提案時はサラナの母親を筆頭に、孫バカもほどほどにしろ(意訳)と止められてたみたいですけど。未来への投資、教育の為って理由までつけられたらそれは領主家として止められないか。

……始まりとなったサラナの名前を冠する図書館になっていたのは、まぁ、孫バカ暴走の影響がありそうですが。最終的には喜んでたからヨシ。

 

王都に行った際、謁見周りでは厄介事が起きてましたが。

空いた時間にアルト商会長とサラナがデートする時間があったりもしたんですよね。アルトが世話になっていた料理屋に行ったら、絶品だったけど潰れかけていて……サラナがコンサルタントに全力投球した結果、デートもどっか行っちゃったんですけど。

そんな魔改造された「こもれび停」ですが、幕間「ギャレットの報告書」などで、異世界にはなかった新形態が受け入れられてると分かったのはホッとしましたね。

 

サラナの手に痣を残す強さで握りしめた王弟殿下へ、サラナを溺愛しているドヤール家の人々が何も報復しないはずもなく。

サラナの生み出す新商品を王都から広げるのではなく、王妃と同年代で妃候補とてライバル関係だったカルドン侯爵夫人のいる西方領地から広げていく形にしたりして、王弟だけではなく王家そのものへの牽制が飛んでいく形になりましたが。まぁ監督責任とかあるでしょってことで……。

 

サラナ、兄の婚約者たちにも「可愛い妹」枠として受け入れられていて、その婚約者たちもドヤール家に受け入れられている強さを持っているの良かったですね。

王弟殿下の不甲斐なさを見ていると、なんというか次代安定してそうで安心する。

そんな婚約者たちが参加したお茶会で、サラナを思い出すかわいらしさの後輩令嬢を助けてあげようと接触。見た目が黒すぎて嫌厭されているミンティ芋と言うのを見せてもらうことになったわけですが。

ジャガイモのような使い勝手の良い芋だったので、サラナがまーた周囲を騒がせていましたけど。まぁいつも通りか。

転生しました、サラナ・キンジェです。ごきげんよう。2 ~婚約破棄されたので田舎で気ままに暮らしたいと思います~

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「サラナはワシなんぞより活発だぞ? お前も覚悟しておくんだな?」

お祖父様の言葉に、ドレリック様は首を傾げてしまった。失礼ですわよ、お祖父様。

 

サラナの活動で様々な成果を上げたドヤール領。

そのことで王家にも目を付けられて王弟殿下が視察にやってくることになったり。それまで女性に興味なかった殿下がサラナに惹かれて執着するようになったり、面倒臭い状況にはなっていました。

誕生日の際にちょっと心細い思いをしたサラナは塞ぎ込みがちで……それを心配した祖父が彼女を領内にある港街シャンジャに連れて行ってくれることになって。

 

新鮮な魚介を食べられる環境ということで、前世持ちとしてはやっぱりテンションあがりますよねぇ。……まぁ魚じゃなかろうと、サラナは美食家でこだわりが強い性格なので、何かしらのアレンジレシピで周囲を驚かせたでしょうけど。

シャンジャ、ユルク王国の玄関と言われて色々入ってくる港町ではあるみたいなんですが……他国で大型船が開発されて、これまでの港では大型帆船が入稿できず沖に停泊して小型船舶で運搬する手間が発生してしまうという問題が発生しているとかで。

 

そんな中、イルカに似たルイカーという群れで行動するが大人しくて害がなく、なんなら人に懐く素振りのある魔物を目撃して。

大人しくても魔物なので威圧して力を見せつければ従順に従うし、それでも魔物なので力強い。そんなルイカーに船を曳かせる案を出して、頼れる職人を招いて速攻で試作品を作って見せるのは迅速すぎて毎度驚かされます。

 

そうやって開発をウキウキやってるサラナ、実に楽しそうで良いんですけど。

……立て続けに開発を行ったことで、流石に国王から「話をしてみたい」と呼び出されることに。

国王陛下、年の離れた弟に甘い部分はあれどサラナの優秀さは「王家に嫁ぐに値する逸材」と認めていましたが、その娘の為に爵位も国も捨てた両親が要るため無理強い出来ないことも把握していて。

望まぬ縁談を命じるつもりは無いし、押し付けられそうなら相談すれば力になると、どちらかと言えば援助してくれるスタンスだったのはありがたかったですが。

……ただ、繰り返しますけど弟には甘いのがな……。縁談を押し付けるつもりはないと言いつつ、弟とその側近を交えた場所で会話できる状況を作ってるのはなぁ。直接協力はしてないにせよ、一番「押し付けられそうで、サラナが望まない相手」である弟の行動を抑え込んでないし、アルト会長がフォローに来る前に自分の手の者に止めさせたり出来ないのは減点対象でしょ。

 

サラナの開発品や無茶ぶりを捌きまくって信頼を勝ち取っているアルト商会長が、助けに入ってくれたのは何よりでしたねぇ。

彼自身もサラナと年齢差とかがあるからと足踏みしてますけど、好意は確かにあるし。

王弟殿下の無茶な行いにサラナが思わず涙してしまったけど、それでも「最悪」にならなかったのは彼のお陰なので、もう本当に早くくっつけ……。

転生しました、サラナ・キンジェです。ごきげんよう。1 ~婚約破棄されたので田舎で気ままに暮らしたいと思います~

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「人材がなければ育てれば良いのです。実際の仕事をしながら、それに必要な技術を習う。学問と仕事が成り立てばよろしいのですわ。孤児院を、そういう場所にしてしまえば良いのです」

 

ゴルダ王国の第2王子の婚約者であった転生者の少女、サラナ・キンジェ。

キンジェ伯爵家はめぼしい産物が領地になく食うには困らないけれど発展性が薄く貧乏貴族ではあった。ただ家柄は良かったので、婚約者探しが難航していた第2王子の相手として王家の方から持ってこられた話だったみたいですが。

ある日王子が平民の聖女にほれ込んでしまい、王家も聖女の希少な光魔法の血を王家に取り入れる事を優先して、サラナに汚名を着せる形で婚約を破棄。

王子妃としての厳しい教育を受けて色々とフォローもしていたようですが……当人を前に国王夫妻も「これで我慢しなさい」とか言ってくるような駄目っぷりみたいでしたねぇ。

 

これまでの振る舞いにぶちぎれたサラナの父は、キンジェ伯爵家を親戚に譲った上で、隣国であるユルク王国から嫁いできた妻の実家であるドヤール家を頼ることに。

ドヤール家は、魔獣討伐が必要なため脳筋な男たちが多く……可愛く聡明な少女サラナは大歓迎されることに。

転生者で精神年齢が高く、当人の趣味もあってイケオジにとても良く懐いてて英雄と呼ばれている祖父とか骨抜きになってましたからねぇ……。

 

元々王子妃教育のために色々と教育されてきたサラナは、家庭教師が教える事がないというほど聡明で。

これまでがいろいろため込みすぎだったんだから、と父はサラナに自由時間を与えてくれたわけです。サラナは活字好きだったものの屋敷にある本は少なく直ぐに読み切ってしまい……領主館のあるモリーグ村の村長家に入り浸って、何代か前からつけているという村長の日記を見せてもらって無聊を慰めていたわけですが。

過去に小麦栽培のトラブルがなかったかとか探す資料としては有用だけど、日記なので完全私生活も交じっていて玉石混交だから、有用なデータを抜き出してまとめましょうとかやり始めちゃうし。

その結果今年は大雪が降る可能性が高いから備えた方が良いとか言いはじめて周囲を驚かせたりしてました。

 

そうやってサラナにとっては暇つぶしなんですけど、スペック高い前世持ち少女が領主家のバックアップもある状態で自由に『暇つぶし』してるとこんなことになるんだなぁ……と言いますか。

サラナが暇つぶしに何かを始める。それが利益を生み出すことが分かり事業化し、サラナの手から離れる。サラナが暇になってしまうので、次の暇つぶしを探す。そんなサイクルで次々新しいことをはじめてますけど、利益が多いのもありますけど生き生きしてる彼女の顔が曇らないように周囲が支えてくれてるの良かったですねぇ。

 

ドヤール辺境伯家は、英雄と呼ばれる前領主である祖父が健在で周囲ににらみを利かせられるし、地盤が安定しているのもあるし。身内で可愛いサラナを庇護してくれて良い領地でしたけど。

ユルク王国も王都では、文官になれるくらい有能だけど平民だからと下に見られてクビを切られた人員がいたりするし。ここの王弟殿下も、言い寄ってくる女性に辟易してキツく当たるガキだしで、理想郷とまでは行かないんですが。

王都の歪みを見るに、ドヤール家が穏やかな場所で良かったなぁ……と本当に想いましたね。いや、頻繁に魔獣討伐必要な危険な領地っぽいですけど、その分戦力あるし……サラナが暇つぶしと称して生活面の底上げも測ってるので、かなり住みよい場所でしょあそこ。

 

サラナの両親、娘を守るために爵位も国も捨てて他国(母親のカーナの故郷ではありますが)に行くことを決めた時に「娘の幸せを今度は絶対にあきらめない」と誓ってそのために力を尽くしてくれてるのが良いですねぇ。

王弟殿下、元婚約者殿よりはマシでも「マシだから」と「あんなので妥協してはいけない」と、夫婦だけの会話とは言え王弟相手に散々な言いようだったの笑った。実際、彼の振る舞いは「あんなの」呼ばわりされても無理はない……。



流刑地公爵妻の魔法改革~ハズレ光属性だけど前世知識でお役立ち~

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「無理しちゃだめ。絶対に無理をしてはだめだからね」

 

魔物が多く生息し、それによって領地の開拓も進まず……流刑地とすら呼ばれているアシュラーン公爵領。

主人公のリリアリスは、ハズレ属性と呼ばれる光属性に覚醒してしまったことで家族からも迫害されて……誰も手を挙げなかった「流刑地」への縁談の相手として送り込まれることに。

向かう途中で事故があり馬車が崖から転落……したのは、王都周辺に魔獣が無いので起き得る事故でしたけど、「御者が馬をなだめる声がないまま」転落し「周辺に御者の死体もない」って状況からすると、普通に殺すつもりの仕掛けだったんだろうなー、と言う感じ。

 

その時の衝撃でリリアリスは前世の知識を取り戻して、それで異世界の常識にはない光魔法の使い方をして、周囲を驚かせていくことになるわけです。

光を空に打ち出して目印とすることで、公爵領の人に保護してもらうことは出来た。

しかし、公爵自身は魔獣討伐の現場に自身も乗り込んでいくタイプの人で、リリアリスが送り込まれた屋敷にはおらず。

仕事の合間を縫ってリリアリスに会いには来ていたみたいですが……色々と至らない人だなぁというか。

顔合わせすることもなくリリアリスが寝ている間に式と制約を終えて、彼女を公爵夫人にしてしまってるし。

一般的な貴族令嬢に流刑地呼ばわりされているこの地での生活は辛かろう、と三年間関係を持たない「白い結婚」をすることで離縁して王都に帰れるようにと考えているみたいですけど。

その割にリリアリスの生活が良いものになるようにしてないというか。使用人たちの中にすら「ハズレ令嬢の世話なんて」とか言ってる馬鹿いるし。

魔獣被害が大変だという事情があるにせよ屋敷の統制取れてないのは減点では……。

 

公爵自身も側室出身の子であり厄介者扱いされていて、流刑地と呼ばれている地域に送り込まれた、と自覚してるのもあって認知歪んでるというか。

領地自体が「流刑地」呼ばわりされてるだけあって、色々とボロボロというか。公爵家が抱えている騎士だけでは魔獣に対処できる、冒険者ギルドとの協力は必須。13歳の頃から送り込まれた公爵様は、頭ごなしの命令では上手く回らず……彼は一冒険者としてギルドに所属し、鍛えてもらうことになって。

公爵アルフレッドと、冒険者レッドと言う二重生活を送っていたら、冒険者ギルドの長にまでなってしまったのは……お疲れ様ですって感じではありますけど。

 

使用人たちに「アルフレッド=レッド」という二重生活を伝えないようにしてるわりに、リリアリスの有能さに他の男が粉かけようとしたら「俺の嫁だ」とか言うし。

そもそもギルド長としての活動中に、冒険者になろうと乗り込んできたリリアリスをみて「文句を言いに来たのか」とか口走ってるし。

リリアリスが光属性の子を集めて、新しい光魔法を開発したり、その有用さを示していったら現場に取り入れていく柔軟さはあるんですが……。

リリアリスと交流したいのか距離を取りたいのか、どっちにしても中途半端すぎるんですよねぇ……。

 

太陽を模した「陽光」、月を模した「月光」といった光しか存在しなかった世界で、炎の光を模した「火光」だったり現代知識をもとにした「LED」という新しい魔法を作ったりもして。戦闘時に「閃光弾」として目つぶししたり、「照明弾」を空に打ち上げたり「LED」で空に光で絵を描いたりして情報伝達に使ったり。

実際有用ではありますけど……「LED」はまだしも他の使い方は生み出されなかったのか……と言う感があるというか。

成り上がりを演出するためだとしても、光属性の扱いの悪さとかには引っ掛かりを覚えましたが。リリアリス自身はめげずに改革に励んでいて、成果も出ているので応援はしたいところ。

ちっちゃな私の二度目の人生、今度こそは幸せに

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「お前が何を考えているか、分かるよ。お前は自分のことより他人のことを優先させてしまう、そういう人間だからな。きっと、自分にできることがあるんじゃないかとか、そういうことを考えてるんだろう」

(略)

「今はただ、遊べ。手にした幸せを、思う存分満喫するんだ。力だ責任だと面倒なことで悩むのは、もっとずっと後でいいさ」

 

主人公の少女ジゼルは、前世の記憶を持った少女。

前世の彼女は、湖月の国と呼ばれる小国の女王であったが……先王である父が、周辺国が攻めてくるという妄執に囚われ、それに備えるために重税を課しまくった末に病死。

その後を継いだ彼女は、傾いた国で悪事を働いていた者を法に則って処刑し、父の作った悪法を改定し、苦しい国政の中でそれでも重すぎる税を少しでも下げて、何とか国を回そうとしていたが……民にその誠心は届かず、反乱を起こされた末に処刑されることになってしまった。

 

そんな凄絶な過去を持つ彼女が、今世では湖月の国の隣国でもあった帝国にあるフィリス伯爵家の令嬢ジゼルとして生きることになったわけです。

湖月の国は小国だったこともあり女王であったジゼルでも、あまり他国の事は知らなった。それでも、帝国に魔導士と呼ばれる魔法を扱う存在がいる事はしっていて……。

密かに魔法に憧れていたジゼルは、前世の記憶があることでずっと寝台に居るのも退屈だからと、少しずつ勉強を初めて……召喚魔法を使えるようになったわけです。

魔法を使う時には陣を描く必要があり、ジゼルは技術以前に体格の問題なんかもあってそんな大きな陣を描けなかったりと課題も多いみたいですけど。

 

帝国で教えられる形式で言えば、召喚魔法の使用にあたっては召喚した相手が逆らわないように魔法で縛るのが前提とのことですが。

ジゼルはそうやって無理やりいう事を聞かせることに思う所があって、基本的に制約の陣を組み込まずに召喚魔法を扱っていた。

 

それでうまく召喚した相手と交流できているのは何よりです。両親が親バカで娘が天才だと騒いだ結果皇帝の目に留まったり、側近の魔導士ゾルダーから助言を貰えるようになったのも、独学でやってたジゼルにはありがたいことではありましたけど。

ゾルダー、ジゼルの天才性を認めつつも「こんな小さな獣たちにも、情けをかけている」とか言うんですよね。「優しさが命取りになる」という忠告を含んではいますけど。

……それとは別に、制約で縛りまくっている方式しか知らない魔導士らしいというか、「小さな獣」とか言ってる当たりに召喚対象を当然のように下に見てる感性が透けて見える場面があって、言ってることは正しい部分もあるけれど、なーんか好きになれない御仁だなぁ、とは思いました。

 

両親が年齢に見合わぬ素振りを見せることもあるジゼルを、そんなことは気にせず愛情を注ぐ親バカっぷりを見せてくれたり。

最初に召喚したウサギみたいに長い耳を持つネズミ(ジゼル命名:ウサネズミ)のルルが、彼女を慕って、色々と助けてくれたり。

学園に通うことになってから、友人が出来たりして、前世は壮絶でしたが今は幸せそうで良かったですね。……まぁ、なんかトラブルに巻き込まれたりもしてるし、最後になんか不穏な人物を目撃したりしてますし、もう一波乱ありそうですけども。

 


追放された公爵令嬢、ヴィルヘルミーナが幸せになるまで。下

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「変わったのではなく、変わらせられたのですわ。婚約者に公の場で婚約を破棄され、その地位も名誉も褫奪されたのです、かつての父も、将来父になるはずだった人もわたくしを救ってはくれず」

ここで笑みを浮かべてレクシーを見上げます。

「彼のみがわたくしを救ってくれたのですから」

 

人工的に魔石を創り出す、というアレクシの研究。

パトロンを見つけてある程度形にした上でA&V社という会社を設立し、順調に成長していったわけですが。

そんな中で、氷炎の大魔術師と呼ばれるオリヴェルからクレームが入り、ヴィルヘルミーナが対応に苦慮することに。上手く言いくるめて、何度かその成果を確認させたうえで自陣営に引き込んだ手腕はお見事。

 

アレクシも、ヴィルヘルミーナについてきた使用人たちから助言を貰いつつ、彼女に贈り物をしたりと少しずつ周囲を見られるようになってきたというか。

支えてくれている彼女の事を当然と思わず、しっかり応えようとしているのが良いですね。

……そんな彼にヴィルヘルミーナが惚れ込んでいって、「こんなにちょろくなるとは」とか言われてましたけど。

そうやって最初は政争の煽りで結婚することになった2人でしたが、良い感じの暮らしを送っていたわけですが。

 

政務をサポートしてくれていたヴィルヘルミーナがいなくなったことで、王太子は困窮して。帰還した国王から、次代として相応しい振る舞いが出来なければ……と釘を刺されていましたけども。

 

追い込まれる中で、一度はおいやったヴィルヘルミーナを公妾として迎え入れようとしたりとか、何考えてるんだか。エリアス、本当に考えが浅いというか青いというか。

それに比べると一年教育を受け続けて、ヴィルヘルミーナが積み重ねて来た苦労の一端を知ることになったイーナの方がよほど見込みがある。……まぁ、かつて指摘された愚かさを自覚してなお、愛ゆえにエリアスの傍にいることを選んだわけですけど。

 

味方を増やしていって、王権にもなり得る魔石作成の技術を用いて、かつての実家であるペリクネン公爵家を追い込む策略を進めて。

その裏で、異端として迫害されるようなことが無いよう、教会のトップである教皇とのパイプも繋いでいく。

入念に準備を整えた上でヴィルヘルミーナ達はその技術を発表したわけですが……案の定、国が取り上げようと介入してきて。備えていたからこそ対処できましたけど、王家のあがきはみっともなく映ってしまったな……。

 

国王がヴィルヘルミーナの正しさを認めつつ、正しさで国は動かぬと、王太子を切り捨てられない代わりにヴィルヘルミーナを切り捨てる決断を下したことは、王の判断として分からないでもないですけど。

利益を享受できないとなったら異端審問に賭けようとしたり、王家の傲慢もまた見えたよなぁ、という感じ。いろいろ足掻こうとしたうえではあれど、国王が最後にヴィルヘルミーナに謝罪してくれたのは、まぁ良かったのでは。

追放された公爵令嬢、ヴィルヘルミーナが幸せになるまで。上

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「過去に囚われていても仕方ありませんわ。未来に向けて慣れていくのです。とりあえず、今日は手を繋いで寝てみるのはいかがでしょうか?」

 

王太子エリアスの婚約者であった公爵令嬢ヴィルヘルミーナ。

彼女は、婚約者がいる身でありながらエリアスが男爵令嬢イーナに入れ込んでいることに苦言を呈していて。口頭でも文書でも注意したが収まらず……暗殺を試みたものの失敗。

王太子から婚約を破棄されて、平民とでも結婚しろと命じられ、早々に抱き込まれていた枢機卿を交えて契約を交わさせられることに。

 

公爵家の父からヴィルヘルミーナは彼女の行いを非難されてましたが「対立派閥の暗殺なんて、お父様もしていたじゃないですか。その組織に依頼しましたが?」と返答してるの、強すぎて笑っちゃった。

王太子と令嬢のほかにも、国王や父なんかにも問題の報告はしていたものの改善の素振りが無かったため、暗殺を決行しようとしたとかで。

王の外遊中にヴィルヘルミーナを追放してのけたのはお見事で、ヴィルヘルミーナも政争に負けた身ながら矜持を持って、その平民との結婚も受け入れる構えではありました。

 

……上手くヴィルヘルミーナを追放したとはいえ、王太子エリアスがその仕事のほとんどをヴィルヘルミーナに頼っていたり、密かにフォローされていたのにも気付いていなかった愚鈍なのも事実だし、イーナが男爵令嬢故に王太子妃として求められる水準の教育を受けられてないのも事実だしで、むしろよくヴィルヘルミーナを出し抜けましたね、というか。

傀儡に出来そうな状況だからこそ、誰かの入れ知恵があったのかもなぁ……って感じではある。

 

公爵令嬢を平民にした上で娶らせるとは言え、なんの成果も無い人間では外聞も悪いので、勲章を授与された平民の研究者アレクシが相手になったわけです。

研究一筋で身だしなみにも気を使わないような男ではありましたが……ヴィルヘルミーナの指導を受けてそのあたりも少しずつ改善していって。そして彼自身も平民故に冷遇され、なかなか研究結果が日の目をみなかったようですが……実際にはかなり価値のある研究をしていて。

 

ヴィルヘルミーナがテキパキ差配して、停滞していた研究が形になる手助けをしていたのはお見事でした。

まぁヴィルヘルミーナ、貴族令嬢としてのたしなみと王太子妃向けの教育を完璧にこなしてきたものの、平民の生活には当然疎く。にんじんの単価を聞かれて、政務で知った「畑一面あたりの平均単価」を答えたことで「値段を覚えるまで一人で買い物は禁止します」とか言われているの、ちょっと可愛くて笑った。



『聖女様のオマケ』と呼ばれたけど、わたしはオマケではないようです。

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恋愛感情での“好き”はまだ芽吹いてないけれど、もう少しでそれが芽吹く予感はある。

「この世界に来てからわたしに『大丈夫か』って訊いてくれたのは、ディザーク殿下だけだったから」

 

主人公の少女、篠山沙耶は普通の女子高生……だった。

しかし、クラスメイトの少女・香月優菜と一緒に日直の仕事をしていたところ、異世界に召喚されてしまって。

優菜の方は、異世界の人々が召喚術を使ってでも異世界から招き入れたかった人材「聖女」として祭り上げられたものの……魔力を感じられなかった沙耶は、あまりにも適当な扱いを受けることになって。

侍女は新人が一人、監視役の護衛に就いた騎士もやる気はなく、食事もロクなものを与えられない。

 

そんな折、他国の要人がやって来るという噂を沙耶は聞いて。

王国ではこれからもロクな扱いは受けないだろうから、どうにか接触して連れ出してもらおうと画策。

彼女の想定とは違う形にはなったものの、接触には成功。

帝国の皇弟ディザークは、元より巻き込まれた少女の事も聞きつけており、さらに彼の国で「黒髪であること」は重要視される要素だったので、状況によっては保護することも考えていたこともあって、亡命は成功するわけです。

 

まぁただ連れ出すのは王国側との交渉が難航する可能性もあったため、ディザークの婚約者として迎え入れることになって。

さらに、実は沙耶にも魔力はあった……どころか、優菜以上の才能が秘められていたことが帝国に移ってから判明。彼女もまた聖女としての素質があるとされて、教育を受けることになって。

帝国ではディザークの婚約者候補たちからの嫌がらせがあったり。逃した聖女を惜しんだ王子がちょっかいを出してきたり。トラブルもまぁまぁありましたが。

沙耶を大事にしてくれるディザークと良い関係を気付いていけたのは良かったですね。



ライブラリアン 本が読めるだけのスキルは無能ですか!?

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「本とはすなわち英知の結晶。役立て方は無数にもございましょう。貴方が貴方のできることをするように、私は私のライブラリアンの私にできることをするのみですわ」

 

スキル至上主義の国に生まれた令嬢テルミス。

彼女は、自分にだけ読める本を出す「ライブラリアン」というスキルを発現して。家族はそれでも彼女を愛してくれていましたが……。

貴族社会において、ライブラリアンは不遇扱いを受けていて就学も出来ないだろうし、仕事するにも結婚するにも、良い縁には恵まれないだろうと言われてしまうようなものだった。

 

しかしテルミスは、前世の記憶を取り戻したことや、自分の成長に合わせて読める本の増えていくライブラリアンというスキルとしっかり向き合っていって。

女性だから正式な料理人としては働けないけど、夢を諦められずにいたサリーを専属に迎えてプリンを作成してみたり、色々と新しいことに打ち込んでいったわけです。

貴族として良い縁組に期待できない、いつか貴族籍を外れて平民になるかもしれない、ということで自分である程度の事が出来るように奮闘もして。

その一方で孤児院への訪問なんかもして、出来ることはしっかりしてるんですよね。子供たちにも慕われていましたし。

 

しかし、そうやってテルミスが奮闘して少しずつ立場を確かなものにしてくのかと思いきや。

誘拐犯に拉致されかけたり、辛くも生還はできたものの危機が完全に去ったわけではないので、隣国へ逃げ延びることになってしまったり。

後半はかなり激動でしたねぇ。テルミス一人での逃避行ではなく、頼れる先達がいるのは良かったですけど。道中で、また別のトラブルと遭遇してたのには笑ってしまった。引きが強い。



モブ令嬢テサシア・ノーザランは理想の恋を追い求めない

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「アーべライン家に相応しい、素晴らしい才能のある令嬢と紹介しましたよ。ただ、少し自信が無いのが難点とも伝えました」

「あらゆるものがルートヴィッヒ様に釣り合っていないとは感じています。ですが、それでも彼の隣に立てるならと思うようになりました」

 

主人公のテサシア・ノーザランは、北方の辺境に位置する田舎男爵領の娘。

王都にある学園に通っていた彼女は、とある夜会で起きた婚約破棄騒動を目撃することになります。

それが王太子シャーロウが、ナゲイトア大公家の令嬢クレイ―ザに対して行ったものだったわけですが。婚約破棄モノで多いのは無能な王子の暴走劇なんですけど、本作においてはわりと順当なんですよねぇ。

 

クレイ―ザ嬢、異世界から召喚されて疫病を癒した実績のある聖女ミズキを暗殺しようと計画したらしいし。

それを察知した王子側が裏を取った上で公に糾弾する、という形を取ったみたいです。

大公家の権力によってクレイ―ザに協力した令嬢たちもまた責められることとなり、いくつもの婚約が破談となったそうです。

 

テサシアは婚約も決まってなかったし、自身の立ち位置も把握していて、聖女からも大公家からも距離をとって「モブ令嬢」らしい振る舞いをしていた模様。

田舎出身ということもあってか、彼女は妙に自分に自信がなかったんですが……。

そんな彼女が、憧れている侯爵家の男性がいた。恋でも愛でもなく、推している、という気持ちだったようですが。

 

そのルートヴィッヒもまた、婚約破棄することとなった一人であり……それ以降、不思議とテサシアと交流が生じるようになって。少しずつ距離が近づいていくことになる物語ですね。

婚約破棄の流れに作中で筋通ってるし、踊らされているものばかりではなく、テサシアみたいにしっかり対処してる人物もいるので、キャラに信頼がおけるのが良かった。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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