気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

インフィニット・デンドログラム

インフィニット・デンドログラムSP2 南海編〈下〉

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『俺の仕事は、リエラの護衛でもお守りでもない』

リエラを一瞥してから、シュウは理由を述べる。

『リエラの仇討ちを助ける。それが俺とリエラの契約だ』

 

醤油抗菌、デンドロ黎明期に初めて「どうせ変わらないだろ……」って適当ネーミングにしたけど、この世界の人々と交流する中で色んなものを背負い込んでしまった重い男なんですよねぇ……。

カラーイラストのキルゾーン、格好良かったですけど名前がギャグなのが温度差激しくしてる。

 

アビスシェルダーに挑んで散っていったサトミ。

それでも腐っても超級、戦いの中で得た情報をサトミは自分のクラン「GFRS」のホームページにアップロードしていて。

シュウがリアルでそれを確認した上で、リエラたちと方針について相談することに。

レイにも宣言した、極小だろうと諦めなければ『可能性はいつだって俺達の意思と共に在る』というのを貫くために、足掻き続けているの良いですね。

 

死骸を真珠化させて、それを捕食することで吸収する。UBMをデザインしたジャバウォック的にも予期せぬ出来事が積み重なった結果生まれたイレギュラーらしいですが。

耐性が強いメタルスライム系統のモンスターを喰らい続けて、外殻が完全耐性レベルになっていること。補色を続けたことで素のステータスが極大化していること。

それがアビスシェルダーの「無敵」のタネだと暴くことには成功したわけですが……基礎スペックが高い方とかは、単純だからこそ対処が難しい類ですよね……。

そりゃ破壊王か獣王レベル引っ張ってこないと対処できないとかいうわけだ、と納得しました。

ただまぁ、シュウのバルドルはあくまで水陸両用の戦艦形態もあるけれどあくまで陸戦主体であって。水棲のアビスシェルダーと戦うには相性が悪い。

その為には他のマスターの手助けがいるけれど……その手札を持つ人物は、リエラの帰還を望んでいる。そんな綱渡りを渡り切って、決戦にまで持ち込んだのはお見事。

 

抗ったのはシュウやリエラだけではなく。グランバロア七大エンブリオと称される、7人の超級もそれぞれ活躍していたのが良かったですね。もちろん、現地住人も可能な範囲で戦い抜いてましたし。

サトミ、醤油抗菌、最も若く先達から教導を受けているミロスラーヴァ。

比翼連理の二つ名を持つ、機動力に長けたリアル夫婦エドワーズ夫妻。

エドワーズ夫妻、個人で参加しているけど合衆国の諜報員としての顔もあり、あとがきで書かれていましたが、本編キャラであるルークの両親に「ゲームの謎を解き明かして」という依頼を出した人物と書かれていて、予期せぬところで繋がりがあるな……。

エドワーズ夫妻の部分と、各船団の後継者部分とかの描写は特典版から加筆された要素だったみたいです。

 

そして隠されていた残りの超級2人ともシュウは出会うことになっていましたけど……つくづく超級との縁があるな……。

シュウはいつでもどこでも彼らしさを貫いている男なわけですが。

……かつて自国の戦争に参加しなかった一件があり、「母国の戦争には不参加だったのに、なんで今回は手を貸してくれるんだ」と思われているの、犯罪王ゼタとの一件が表に出ていないから仕方ないけれど、若干モヤモヤしましたねぇ。

とは言え周囲がどう評価しようと、自分を貫くのがシュウという男で……必殺スキルの時間制限内に、しっかり仕事を果たしてくれたのが格好良かったですね。

インフィニット・デンドログラムSP1 南海編〈上〉

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『こんなミリオタ野郎を相手にするのは、やらなきゃいけないことじゃない。ただの雑事で、邪魔なだけで、何の意味もない。あのクジラやモドキも同じことだ』

相手が〈超級〉だろうと同じこと。

ただの邪魔者に過ぎないと、シュウは言う。

『だから、ここは俺でいい。邪魔者の相手は……俺の仕事だ』

 

アニメブルーレイの特典として書き下ろされた南海編。

それに挿絵と加筆修正を加えて出版されることになったSP編。イラストレーターを本編とは異なる黒田ヱリ先生にすることで、本編と同時発売していたり海道先生大変だったろうな……。南海編はまぁ元からあったものの加筆だったり、諸般の事情で時間が空いたというタイミングでやっていたんでしょうけど、それにしたって。

さすがに本編23巻とSP1下巻の発売タイミングはわかれるみたいですけど、本編あとがきに寄ればEXの続編にも着手していく予定とのことで、楽しみにしたいですね。

 

さて、南海編本編ですが。

私はブルーレイまで手を伸ばせなかった組なので、こうして加筆修正しての刊行をしてくれたのは大変ありがたい話です。

海とあるとおり、今回の舞台となるのは大陸南方にある海。そして、海に生きる国グランバロアに属する船団の一つです。

今回焦点があたるのは冒険船団、あるいは開拓船団と呼ばれる船団。彼等はグランバロアの国土となり得る土地を探して未知の領域を探索していく、グランバロアでも花形というべき存在だったそうですが……。

 

海に危険なUBMが発生したことを受け、冒険船団の長は彼にできる準備を全て整え戦いに挑み……敗北。

それはUBMがただのUBMではなく、イレギュラー化した存在だったからで。

父の復讐を果たそうと、国の方針に抗って出航した少女が冒険船団の暫定トップであるリエラ・グラフロント。

彼女の前に現れたのが、故あって海上を漂っていたクマニーサンこと【破壊王】シュウ・スターリングだった、と。

その出会いにはイレギュラーに対抗できる超級であり、近くにいたこともあって管理AIが介入した結果だったようですけど。

 

イレギュラー対策に乗り出す前に、なんかグランバロアの超級と戦う羽目になったりしているの、笑っちゃった。多分こんな感じであちこちで超級とバトルしてるんだろうなぁ……。そりゃあハンプティも脳焼かれて、彼の冒険を観察するなんて私情に則った行動に出るよ。面白観察対象過ぎるもの。

グランバロアのミリオタもまぁさすが超級って癖の強さでしたが。自分のやりたい事を優先しつつ、最後は少し格好いい姿見せてくれたりもして、良かったですね。

インフィニット・デンドログラム22 星辰揃いしとき

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「次のゲームを始める前に、前のゲームを終わらせなければならない。そして終わるときは、互いの健闘を称えるものさ。ゆえに、そのための言葉を教えよう」

(略)

「――Good Game。人と遊ぶなら、この言葉は覚えておきなさい」

 

WEBより早く【光王】エフが登場した影響で、エフの妹であるジーの登場も早まった、とあとがきに書かれていましたが。

戦争に向けたトーナメントに、カルディナの超級であったはずのアルベルトが乗り込んでくるなど、予想外の事態が引き起こされる中で、レイは来訪が早まったジーと対決する羽目になっているの、相変わらずの運だなぁと思いました。

 

カルディナの議長ラ・プラス、本当に未来が見えている……と見紛う位の演算で予測を立てているみたいですけど。一つの行動にいくつもの意味を持たせているのがおっかなすぎますね。

超級として貴重な戦力であるアルベルトを外国に送り出したのは、今後制御できなくなる可能性が高いから。そして、決闘に参加させることで彼の手札は晒されるので、アルベルトの価値を多少とは言え下げることもしたし……王国がやりたかった、他国に移っても良い準超級をスカウトして、王国の戦力を増やさず自国の利益を作ったりとか。トンデモない。

 

しかし彼女が計算した時点で存在しなかった、まだこの世界に参加していなかった新人プレイヤーは彼女の計算を狂わせるみたいで。レイがこれまで経験してきた事件のいくつかの裏にラ・プラスが居たと明示されたのは、その手の届く範囲に驚かされましたけど。

ラ・プラス、管理AIを「異邦の無限」と称し、夫と2人ならそれにも勝てると豪語したりそこが知れない。レイが王国所属なので、王国の戦力削りに来てる彼女達の事、どうにも好きにはなれませんが。

大賢者、ハイエンド、ラ・プラス、管理AI。この世界、暗躍してる勢力が多すぎて、いろんな思惑入り乱れてるから、今更と言えば今更という説もある。

 

 

書き下ろしパートであるジー関連のエピソードですが、表紙にもいるようにジュリエットが結構絡んでくれたのは嬉しかったですねー。

ジュリエットが登場する影響で、チェルシーやマックスといった決闘組との絡みも発生してましたし。

……ジーが変態の巣窟であるレジェンダリア出身なので、ランカーのイメージが汚染されているのはちょっと笑った。

いつも通り格上との戦闘ではありましたが、諦めず足掻いたレイが変わらず主人公していて良かったですね。

インフィニット・デンドログラム21 神殺し

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『――でしたら、【疫病王】が人の手で倒せると証明してみせましょうか?』

 

王国で開催されているトーナメント、レイ自身は敗退してるからクランメンバーの応援だったり、ギャンブルで儲けたり相変わらずの小王道をしてました。

2日目でビースリーが勝利して、あまり注目されてなかったルークが超級職すら下して3日目の優勝を掴んだり。デス・ピリオドは好調ですねー。

 

4日目は決闘ランカーのジュリエットが、5日目は女狐こと月夜が獲得。

そして6日目は、独特の嗅覚で強者のにおいをかぎ取ったカシミヤが乗り込んでいて優勝したわけですが

カシミヤが戦うことになったUBMは、異質な存在感を纏っており……戦闘ではなく逃走を選んでいたのが、厄介でしたねぇ。

その逃走先で、超級エンブリオ持ちのとあるマスターと遭遇したり、裏側で暗躍しているクリス・フラグメントがそのマスターに興味を示したりと、後々に響いてきそうな要素が多いですねぇ。

 

超級殺しと呼ばれるマリーも別日のトーナメントには参加していましたが……。

彼女は、隠密・暗殺特化なわけでヨーイドン形式のトーナメントは相性が悪く敗退。そんな彼女がどうして「超級殺し」と呼ばれるに至ったか、という話が出てくるわけですが。

それがサブタイトルにもなっている『神殺し』という事件で。

この「インフィニット・デンドログラム」というゲーム、管理AIとかフラグマンとか、この世界のハイエンドが関わっているゲーム世界の問題だとかもあるわけですが。

そういう存在を察知しつつ、「別グループの同類が作った箱庭なら」という仮定の話を始める【疫病王】キャンディ、ゲームの強さとは別方向の怖さがあるな……。

 

経験値効率でいえばティアンを消しまくるのが効率が良い、と疫病を蔓延させて国一つを落とした怪物。

周囲に細菌をばらまくことでマスターですら容易く近付けない死地を作っていた人物。それが王国に近づきそうだったところを、マリーが排除した、と。

なるほどこれは確かに、注目を集めるわけだ。この1件でティアンの特殊超級職「勇者」が死亡す事態になったり、事件に巻き込まれた少年が天竜王に見出されていたりするので、後々に影響が大きそうではありますね。

キャンディ、近ごろ脱獄かましてますし。この敗北を得た相手が、次に暴れたとして同排除すればいいのかは頭が痛い問題ですが。

そういう情報開示されつつ、戦争に向けて秒読みといった感じで、さてどういう展開になっていくんでしょうか。

インフィニット・デンドログラム20 砂上の狂騒曲

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「ここまでついてきてくれたあいつの、ささやかな願いすら叶えてやれなかった。そんな俺自身と【殺人姫】への憤懣は……ここで晴らす」

『エルドリッジさん』

「何より……二人が俺の勝利を信じているならば、それに応えるだけだ」

 

カルディナに滞在中のユーゴーでしたが、最近一緒に行動していた師匠が別件で同行できなくなったため、セフィロトの仲間の仕事に同行してみてはどうか、と提案されて。

デンドロ内でアルバイトをすることになったわけですが……〈超級〉は本当に誰も彼も個性が強いなぁ! と改めて思わされるエピソードでしたねぇ。

 

砂上を行く豪華客船で、黄河より盗まれたUBMの珠を回収する交渉を行うことになっていて。また【殺人姫】が現れた時の対応をユーゴーは求められたわけですが。

その船に乗り込んだのは、ユーゴ―のバイト先でもある珠の交渉に来たカルディナ陣営。複数の思惑を持って裏で動いていた〈IF〉陣営。

さらには、ドライフ皇国の政争で敗れた上で彼らの信じる正義を掲げてテロに手を染める決意をした集団や、王国で有数のPKギルドだったものの、〈超級〉に敗れ続けて凋落したゴブリン・ストリートのメンバーも出てきますし。そのどの勢力にも属さない、歴史の裏で動いていただろう存在もいるしで、混沌と呼ぶのにふさわしい。

 

IF側もエミリーに対して効果を発揮したユーゴーのスキルに対策を取って来るし、ユーゴ―が自覚していなかった地獄門の欠点なんかも今回の件で露呈。

それでも諦めず足掻き続けていたのは良かったですね。

あと、ゴブリン・ストリートのエルドリッジが思ったよりいい味出してくれてたと言いますか、準〈超級〉ではあるけれど〈超級〉に敗れ続けていた彼が、それでもついてきてくれた仲間に背中を押されて、カルディナ最強のPKに挑む展開は熱かった。

 

政争に敗れドライフ正統政府を名乗っていた集団は、どこまでも道化として蹴散らされていきましたが。

叡智の三角が作り上げた、マスター達のロマンを盛り込んだ強力な機体に搭載された「技名を音声認識にするシステム」に、ティアンの〈超級〉職が苦言を呈していたのが正直笑えた。個人戦力としては本当に突き抜けていたからこそ、ロマン機能に文句を言うのは分かる。

……でも叡智の三角ロマンを追求するマッドな集団だから、多分機能をオフにできる設定ないよ……合掌。

インフィニット・デンドログラム クロウ・レコード4

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「もう! 考えてもわからないものはわかりませんわ!

 何かしてくる前にブッ倒せばよろしいのですわ!」

 

シリーズ完結巻。というか打ち切りっぽいですが。

やってきました水着回、ということでジュリエットたちの水着カラーが収録されたたのはうれしい。可愛い。

密度濃かったガイリュウ事件の翌日、ジュリエット達は疲れが残っている中で、紫音だけピンピンしてるのは笑った。日中寝てたからね……。

 

ここで紫音のクランが、リアル使用人を巻き込んだある種の家族経営なことが発覚。

「屋敷の中同様お嬢様を支える分、給料も出ている」とのことで。紫音の実家がちゃんと通常業務外のゲームにおいてもリテラシー発揮してくれてるのはいいんですが。

それリアルマネーでクラン構成員買ってることにならんの? デンドロの規約とかしらんけど大丈夫……? みたいな気持ちにはなった。

……あの管理AI達なら、エンブリオ進化させてくれればどうでもいいというかもしれませんが。

 

ギデオンに闘技場が多いからこそ、それを生かしたイベントを見せてくれるのはうれしい。

水上戦イベントだからってゲームなんだから別に水着にならなくてもよいのに、水着必須とつけた運営は偉い。

突発イベントのわりに観客も多い当たり、この町の人々ノリがいいなぁ。今回ジュリエット達は女性限定水上戦でしたが、この分なら翌日の男子限定もそこそこ来たのかもしれない。

紫音が報酬の卵につられた結果ではありましたけど、参加グッジョブ。

 

巻末のSSは『リアル・ガールズ』。

紫音、マックス、チェルシー、ジュリエット達のリアル風景を切り取った微笑ましい日常のエピソードでした。


インフィニット・デンドログラム19 幻夢境の王

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「この戦いが絶対に勝たなければならない戦いではないとしても……そんな戦いは必ず来る。遠からず来る。絶対に勝たなければならない戦いは……くるんだ」

(略)

「だから、敗北は選ばない」

 

王国で開催される、UBMへの挑戦権を賭けたトーナメント。

レイも当然参加して、名が売れているせいで注目を集めたりもしていましたが。

ライザーの知人であるラングと戦い、決闘に寄せた強者である彼に翻弄されつつも勝利した後、より強者に叩き潰されることに。

レイだって着実に強くなってはいるんですけど、彼は困難に挑み続ける≒圧倒的強者との戦いが多いということで、いっつも苦戦してる感はありますよね。

 

修行の必要を感じ、兄から聞いたレベリングに適したエリアへと赴くことを決意するわけですが……。

なんの因果か、そこで特殊な出会いをすることになるわけです。

脱獄を企て、成功させた<IF>のゼクスとガーベラにGODとか、絶対会いたくないじゃないですか……。

レイ自身はこの3人の顔を見ても素性が分からないですけど、相手側からするとシュウのようにゼクス達と因縁のある相手に情報が伝わってしまう、という点で厄介な相手。

しかもレイ〈死兵〉持ちだから、死んでも動けますからね……。それだでも厄介なのに、実はそのエリア付近に未知の〈超級〉が居たせいで、さらに状況が混沌と化すことになるわけです。

 

夢の世界へといざなう、怠惰魔王。

中々に厄介な手合いではありましたが……またリアル側の闇が深そうなキャラが出てきましたね。BOOKWALKERの特典SSは、怠惰魔王が<超級>になる前に冥王と出会った時のエピソードで、価値観が違うけど対立するわけじゃない2人のやり取りは中々愉快でしたのでオススメ。

 

この怠惰魔王に絡んだ戦闘で、先日レイが報酬として受け取った怨念まみれの斧の来歴が明らかになりますが……腕が弾け飛んだりするの、呪いのせいじゃなくて本来の機能に基づく反動なので対処が難しく、それに加えて怨念のせいで機能制限されてるっていうんだからそりゃ扱いにくいですよね。

そんな斧に暫定の持ち主として認められたレイは流石ですが……意外と多機能な彼から、<超級>関連の情報もっと引き出してほしい気持ちがある。まぁ、制限かかってるのもあって難易度高いし、レイはあまりそういう手段取らなそうですけど。


インフィニット・デンドログラム18.King of Crime

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「仮初の命ですが、殺し合いましょう。――最後まで」

(中略)

「――殺し合った程度で俺を理解できると思うなよ?」

 

『犯罪王』のサブタイトル通り、レイの兄であるシュウと因縁のあるゼクスのエピソードが多く盛り込まれた巻でした。

神話級に近い古代伝説級のUBMを撃退したことなんかもあったようですし。そんな2人が特に激しくぶつかった過去の一幕は、熱かった。

お互い妥協せず代償を支払いつつ切り札を切って。でも、その為にできなくなってしまった事もある、と。中々重い。

 

現在、監獄に居るゼクスは脱獄を企てているし。

王国もまたしても戦争が近い中で、シュウは弟の設立したクランに所属するなど、これまでと違った環境が作られつつある状況。

もし2人がまたぶつかり合うとしても、その決着は違う形になりそうだなぁとは思いました。

 

レイは自身の装備を更新しつつ、クエストで得た報酬の枠をクランメンバーに還元して底上げを図るなどして、着実にクランの地力を伸ばしてる感じはします。

今回得たアクセサリで、代償を軽くしながらガルドランダを呼べるようになったりだとか、秘密が多そうな斧をゲットしたり、結構いい運を引き当ててる感じがしますね。

自分が『悪運寄り』という自覚があるレイがちょっと戸惑ってましたが、ネメシスがこれらの幸運は今までの積み重ねがあってこそだ、と励ましてたのは理想的なマスターとメイデンの関係のように思えて良かったですね。

インフィニット・デンドログラム17 白猫クレイドル

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「アイツは俺のファンで、俺と一対一で戦いたいと言ってくれている」

(略)

「その気持ちに応えなきゃ後味が悪いさ」

 

全編書き下ろしとなるエピソード。

運営主催のマスターのみが参加する、特別なフィールドでのイベントが行われることに。それの参加チケットをゲットしたレイは、ジュリエットやチェルシー、マックスなんかと共にイベントに参戦。

レイのリアルフレンドでメインの活動国が天地だったため、ゲーム内で接点が無かった夏目もチケットを入手していたとかで、協力してイベントに参加してました。

 

こういうのを見ると、デンドロがゲーム的にちゃんと運用されてるんだなぁと思います。

世界派と遊戯派とかのスタンスが分かれるくらいにはリアル……というか。運営AIたちの行動とかを見るに、絶対ただのゲームじゃないんですが。

国を移動するには自分で動くしかないデンドロ世界で、こうやって一同に介して遊んでるのは中々新鮮でしたねぇ。

 

……まぁ肝心のイベントがモンスターか他の参加プレイヤーからアイテムを奪って、パスワードを入力するって言うPvP要素も盛り込んだやつで。

エンブリオの進化を促したい運営側が、起爆剤として超級も紛れ込ませてたりしてはいましたが。ティアンの命が掛かってないので、こちらとしてもある程度安心して読めましたねぇ。

 

デンドロが相性ゲー極まってるな……という想いも強くしましたが。HPお化けのジャミ―をどうやって倒すのか、とか。夏目――キャラクターネーム:アルト――の切り札の入手方法だとか。

これまでのレイの戦闘に感銘を受けた天地の修羅勢とバトる羽目になってたのは、安心安定の主人公って感じでしたけど。

 

本当に彼の戦いを知っていたから、的確に地雷踏み抜いて来たのは凄い。嫌われるかもと思いつつも、理想の戦いのために願掛けをしてくる辺り、修羅だったなぁ……。

実際に勝利してたら有言実行してただろうとも思いますが、重兵衛のこと嫌いに慣れませんな。むしろ割と好き。

インフィニット・デンドログラム16 黄泉返る可能性

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「その不自由を選んだのは……私の自由だ。

そして、その選択を捨てる自由があっても……私はまだそれを選ばない」

 

WEBだと蒼白詩篇として紡がれている、ユーゴーのカルディナ珍道中。

……と言うのには、ちょっと今回は死が多すぎるというか、殺伐とし過ぎる展開になっていましたけどね。

暗殺者として送り込まれてきたメイドを食べて、情報源にしちゃってる辺りA.RI.CAは本当にもう……。

 

カルディナの首都は、初心者のスポーン地点に不向きだとして、第二の都市であるコルタナが初期地点に設定されてるそうです。

そしてそんな街の市長が珠を所持しているという情報があって……。回収任務に従事しているユーゴー達や、情報や珠を求めて〈IF〉のサポートメンバーになった張だとか、在野の〈超級〉が集結するんだからおっかない。

 

新たなメイデンのマスターにして〈超級〉の【冥王】も登場。

後書きでも語られていますが、レイと対になるようなデザインらしいですね。いずれ相対する事になったりするんだろうか。

流石にその時にはレイも〈超級〉になってないとキツそう、というか。ペルセポネの必殺スキルが、特典武具をリソースにしてるとはいえ厄介な性能してるんだもんなぁ。

ただ契約があるっぽいので例えば今回使ってた切り札は、レイと個人戦する状況に陥ったとしても切れないと思いますが。……〈超級〉の切り札が一枚だけの筈ないんだよなぁ。

 

あまりにもリアルすぎるこの世界に縛られてしまった【冥王】の在り方は、痛々しくて仕方がないので、適度な付き合い方を出来るようになってもらいたいところですけど。

割り切れるんだったらメイデンのマスターになんかなってないんですよねぇ。

今回ユーゴーが出会ったエミリーなんかもそうですけど、抱えているものが重いキャラが多すぎる。叶う範囲で救いがあって欲しいとは思います。

そして、17巻はついに完全書き下ろしのエピソードになるそうですし、レイとジュリエットの絡みがありそうなのは楽しみです。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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