「いつでも我々を使い潰し、最大の戦果をあげるべきです。大尉」
「ありがとう先任軍曹。その時が来れば必ずそうしよう。ただ今はその時ではない。それだけだよ」
戦乱の中ルース王国に生まれた英雄、マクアディ。
彼は炎魔導士としてわずか10歳で従軍した。平均寿命が2週間を切るという危険な任務であったが、彼は戦い生き抜いた。
マクアディの居る局所的な戦闘では勝利を修めることも出来ていたようですが、敵の数や味方の士気なども影響し、全体の流れとしては負け続け。滅亡一歩手前で踏みとどまっているような状況だったようです。
サブタイトルでは「逃げ出したい」と書いてありますし、本心でそう思っている部分はあるんでしょう。
それでも彼は、自ら志願して選んだ軍人としての責務を全うする覚悟を持っていた。
このままいけば死んでしまうとかつての学友に止められても、死ぬのもまた軍人の仕事だって返しますし。友人の汚点にならないように、追い返そうとさえしますので、割と人間味ありますよね。
一方で、必要な攻撃は躊躇いなく行い敵を殲滅する事も辞さない苛烈さもあるので、敵対してる陣営から虎や悪魔と恐れられたり、武功目当てに狙われたりするのは分かる。
長く戦争を続けた結果、両国は犠牲を重ね過ぎたのもあって退けない段階になってしまってるようで、泥沼ですよね……。
死を前提としていたマクアディが、先の事を考え始めるようになるので、中盤に色々と託してくれたのはありがたくもあり、逃れられない呪いのようで頭痛の種でもあるよなぁ。
一つ障害を乗り越えても、次の問題が待っているんだからマクアディがどこまで足掻けるかが注目ですね。