(……でも)
確かに、救われたのだ。
先月引退した陸上部の先輩・七尾から相談を持ち掛けられた拓海。
付き合いが悪いくのりが周囲とぶつかった時にフォローしてくれたりしていた、良い先輩のようです。
七尾からの相談は、幼馴染であった稲荷集という人物が死亡し……近ごろ、その幽霊の目撃情報が出始めている、というものだった。
事後現場でのいつものやりとりをした際、陸上に打ち込んでいた人物にしては違和感のある言葉をくのりが口にして。
謎の多い状況ではあるけれど、くのりはあくまで死を食べるだけであり探偵ではない、と言ってそこまで積極的に調査しようとはせず。
それでもまぁ、独自の視点から回答に辿り着いているのは流石ですよねぇ。興味はないけれど、拓海の声が聞けるから、と状況説明を楽しんでいるのは2人の独特の距離感があって味わい深い。
調査するために被害者の家を直接訪ねることになって、隠された真相を暴くことになっていましたが。陸上に打ち込んだ学生たちの証明方法、というか。走って事情を打ち明けるかどうか決める勝負してるの良かったな。
第二話のエピソードは、学園という閉ざされた場所で死んだ、天才と噂されていた少女の死の真相について。
地元の名士である檻杖の家の人なら、ということで介入が認められてくのりと拓海が入り込むことになって。
死の真相、なんともまぁ……って感じの事件ではありましたが。想定外の爆弾も出てきたのにはビビった。なんだあの黒幕、というか。露見して逃走したならそのまま立ち去ってくれたまえよ。
拓海とは違う選択をしようとしているあの人物は今後も縁が出来そうですが……厄介なことにしかならなそうなんだよなぁ。2人の関係に独特の味わい感じてて好きなので、あまり引っ掻き回してほしくはないのですが、さてどうなるやら。