気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

カクヨム

男女の力と貞操が逆転した異世界で、誰もが俺を求めてくる件

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「ソーマ様のお噂を聞いた時はそんな聖人のような御方が存在するなんて、とてもではありませんが信じられませんでした! ですが、ソーマ様はお話通りの……いえ、それ以上に素晴らしいお方でした!」

 

トラックに轢かれて死んでしまった主人公のソーマ。

記憶と肉体をそのままに、彼は異世界に迷い込んでしまって……森で目覚めたと思ったら、スライムに襲われ服を溶かされる羽目になって。

そこに女性冒険者3人組パーティ「蒼き久遠」に助けられることになるわけです。

 

しかしそこで判明したのは、タイトル通り「男女の力と貞操が逆転した異世界」であること。

日本語的な表現をすると、女性は力強く雄々しく。男は弱く女々しい。

創作ではよくありますが回復役って巫女とか聖女として女性が担うことが多いですけど。この世界では男性の方がそれを行っている。

ソーマは異世界に来た際に、異世界版聖女こと「聖男」というジョブについていることに気付いて。一段階低い男巫というジョブだと申告しても、祭り上げられるくらい貴重だとかなんとか。

 

前世の記憶がある彼からすると、この世界の女性は無防備に過ぎるというか。

ソーマが服を溶かされたときとか、エルミーが自分の服を脱いで「早く何か着てください!」とかやってますし。

そういう「貞操逆転もの」の御約束を詰め込んだ読みやすい作品でしたね。

隣の席の王女様、俺の前だけ甘々カノジョ

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「私も……ハイムくんの、特別が、いい!」

 

貴族ばかりが通う魔導学園に、平民ながら特待生として入学した少年ハイム。

彼の存在を面白く思わないバカ貴族に絡まれたりするのもしょっちゅうだったみたいですけど、魔導を極めることに夢中な彼は適当にあしらっていた。

バカ貴族が魔術の腕を自慢してきても、自分の力は「わかる人にはわかる」程度に抑えて乗り切っていた。

そんな彼を平民と侮ることなく、懐いてくるフィーアという貴族少女もいて。朗らかで明るい人気者なので、彼女がハイムを気に掛けることが気に食わなくてバカ貴族ことグオリエ君がヒートアップしていた部分もあるみたいですけど。

 

それくらいフィーア、ハイムの事気にしてますし。

フィーアは貴族ではあれどそこまで家格は高くない、という設定になっていたみたいですが……タイトルとあらすじで明かされている通り、それはあくまで擬態。

しかして実態は、その美貌から広く名の知られた第三王女ステラフィア・マギパステルが魔術で変装した姿であった、と。

その事実に気付いてしまったハイムは、王族の秘匿魔術でその記憶を消してもらおうとしたわけですが……魔法修練に励みすぎた結果、「自分の実力以下の魔術師の魔法を無意識にレジストしてしまう」レベルにまで至っていたハイムには記憶消去魔術が効かなかった。

そして2人は秘密を知る共犯者として、より仲良くなっていくわけです。

 

一応フィーアは「正体バレちゃいました」って自分の父である国王に報告に行ってましたが。国王は、フィーアがハイムを慕っていることも知っていたし、ハイムなら秘密を打ち明けていいとも思っていたと明かされることに。

そこには庶子であるフィーアが、歴史を変える可能性を持つ相手にしか与えられない特待生としての資格を得たハイムを射止められるなら、国の利益になるって言う王としての厳格な判断もあったみたいですし。

2人の恋が進展した場合、障害も多くあるぞと釘をさすこともしっかりしていましたけど。娘の恋路を応援する野次馬な父としての顔も確かに見えましたよね……。

 

国王が特待生であるハイムの事を、娘の相手にしても良いと思う位認めているって言うのが早い段階で描かれると、「平民だから」と排除しようとしてるグオリエ君の滑稽さが際立つと言いますか。

貴族の意見の一つではあるし、ハイムとフィーネが超えるべき壁の一つではあると思うんですが。最初の壁にしても小物だったなぁ……という印象。

まぁグオリエ君が暴れまわった結果、ハイムたちの想いが固まったのでそういう役回りでは100点だよ! やったね!



ナンパモブがお仕事です。~フラれに行ったらヒロインとの恋が始まった~

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「モブが物語に奉仕するんだ、その逆はない。物語に奉仕させようとしたら、モブは終わりだ」

 

この作中における「現実世界」は多くの「物語世界」と繋がっている。エタった作品のキャラが能力を失った状態とは言え「現実世界」に現れる、なんてこともあるみたいです。

そんな中で主人公のB介(びーすけ)が務めているのは、モブ派遣会社。

 

登場人物の行動に驚きを示すモブ観衆だったり、ちょっとした解説を挟む名前を付けるほどでもない知識キャラだったり。ゾンビとかのパニックものやミステリーで、無謀な行動をとって最初の犠牲者になる名も無き人物とか。

異世界モノだったら、メイン級のキャラに絡んで蹴散らされるモブ戦士とか、能力覚醒シーンに巻き込まれるキャラだとか。

一つの物語がある時、主人公たちの周囲に居る名前のあるキャラ以外にも、多くのモブが居るんですよね。スポーツ漫画とかでトーナメントがあったら、主人公たちのチームが戦わず視界に入ることもなく負けているチームとかだってあるわけですし。

 

そんな中でB介が主に担っていたのは、ヒロインをナンパしてすげなくあしらわれて、主人公との出会いに貢献した後その後物語に登場することはないチャラ男だった。

A太という同じモブ派遣会社の同僚と2人でナンパに繰り出して、撤退していく。それだけのキャラだったはずが、とある物語のヒロインをナンパして振られた後、モブ派遣会社のシフトに穴が開いて……同じキャラをナンパしに行く羽目になって。

不思議と縁が出来て、本来のストーリーからは少し違うルートを進むことにはなったものの、ヒロインの背中を押す選択をB介はしたわけです。

 

あそこで「ここで弱ってるヒロインに付け込めば自分が恋人になれるのでは」と行動に移さなかったのは偉い。

実際「モブの闇落ち」として、そういう事例は描かれましたしね。物語で想定された以上に介入して、「モブ」の役割を果たせなくなった輩の末路が。

異世界で消滅させられても復活出来たり、そもそも物語世界に現実世界のB介たちが入り込めたり、トンデモ要素がある中でもモブにはモブなりの流儀があったのは良かったですね。

 

……ただ「モブの闇落ち」が起きる余白があるのはなぁ……とも思いましたが。

創作で「キャラが勝手に動く」とか言うのは、よく聞く話です。ただ、それはあくまで生みの親である作者の中から出てくるべきだと思うんですよねぇ。

映画やドラマでも俳優さんがアドリブ入れた、とかは聞きますけど。それもあくまで、演技という武器を磨いてる人だからこそ出来る事でしょうし。

闇堕ちするような相手はプロ意識が足りなかった。まぁ、派遣だからそれはそうなんですけど……他人様の世界に乗り込んで、好き勝手振舞おうとする「闇落ち」現象があまりにも肌に合わなかったな……。

派遣とは言え報酬貰ってるんだったら、要求以外のことして状況壊すなよ……ってなった。

人気配信者たちのマネージャーになったら、全員元カノだった2

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「また、あなたのこと独占したくなっちゃった。私に依存させて、狂ったように求めてほしくなった」

(略)

「今回の旅行のゴールも、本当はそうだったの」

 

新人マネージャーの橘恵。

元カノタレント3人を担当に持ちつつ、そのうちの一人であるメイとは肉体関係を持ったりする爛れた生活を送っている彼ですが。一応、マネージャーとしての仕事はちゃんとやってはいるんですよね。

 

彩奈がフォロワーとの距離が近すぎると感じた時に、身バレに通じかねない情報は多少伏せた方が良いと進言してるし。……ファンを信じてる彩奈の方針転換までは繋がりませんでしたが。「ファンはいい子」って言ってますけど、貴女一部の粘着DMフォロワーの相手に憑かれてませんでしたっけ……? 

恵が判断したように彩奈の演出してる「近さ」は武器になるけど、危ういと思うんだよなぁ……と思ってたら最後にアレが来たので、なんというか納得。

 

ちょっと脱線しちゃいましたが、今回は表紙にもいるASMRメインの配信者、加賀燈子の深掘りエピソード。

外出中、ストーカーに付きまとわれているかもという連絡を受けて駆けつけて、彼女をいったんホテルに送り届けようとしたものの……一人は怖いと宣う燈子を自室に連れ込むことになって。

自宅がバレると厄介だから、と言って。敢えてここで23日の旅行に行こうとか燈子が言い始めて。ストーカーを建前に恵の動向まで会社に認めさせたっていうんだから、強かというか。個人的に鈍い疑惑のある相良さんにすら疑われたというんだから、強引な手だったのは間違いないですけども。旅行それ自体は楽しんでいましたよね。

 

ただ、メイの問題を解決するときに調査を頼んだ悪友に燈子が隠し事をしてる、とかも指摘されてましたし。実際彼女なりの思惑があっての小旅行だったみたいですけど。

彼女がどうして恵の前から姿を消したのか、とかの事情が分かったのは……良かったですかね。再開以来肉体関係を持っていなかった燈子とも関係を持つようになってますし、どんどん恵の周囲は爛れて来てますねぇ。

……と思ったらアレですよ。3巻、彩奈編になってもっとドロドロするんでしょ……こわ……。

人気配信者たちのマネージャーになったら、全員元カノだった

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「ファンはいつかメイを捨てる。だけど先輩は、離れてもこうして戻ってきてくれた。頑張らないと。頑張って魅力的なメイで居続けないと」

(略)

「だから頑張らないと、あの女に取られちゃうもんね」

 

大学を卒業し配信者のサポートする事務所に就職した主人公の橘恵。

就職直前に所属するタレントが未成年に手を出して契約解除、担当していた女性マネージャーの加藤も研修を受け直すことになって、他に担当していたタレントもいったん他のマネージャーに委ねる、なんて話も出ているとかで。

それを受けて恵のコンプライアンス研修もかなり厳重に行われたようです。

最初は1人タレントを担当して、別のマネージャー相良と件の加藤さんがフォローをしつつ恵に仕事を教える予定だったようですが……。

加藤さんの研修入りで想定外の状態になってしまって、加藤の受けもちから2人回されて急に3人受け持つことになって。要所でもブラック企業の片鱗見えてますね。

 

幼馴染の少女・早瀬彩奈。当初、恵が受け持つ予定だった1人。中学時代に付き合っていたけれど、夢を追うために上京するために別れることになった少女。

恵が再会した時予想外でちょっと固まってましたけど、相良さん「もし知り合いで、気になるなら引き継ぎ予定を変えます」と言った後に彩奈に「違いますよ」と言われて騙されてましたけど、そんなんで問題起こさせないように気を配った方が良いって仕事を全う出来てるのだろうか。

 

さて「第1章 元カノとの再会」で恵は自分の事を「ごく普通の人生を送ってきた」と称してましたけど。

配信者として人気を獲得してる美人さんたちが「元カノ」だったり、今回焦点の当たっている3人の元カノのうちの一人、VTuberをやっている少女・奈子メイとはかなり深い関係にあったというか……プレイが過激で、お互いに歪んでるというか。

歪んだ結果変な形で噛み合ってるというか。メンヘラというほど病んではないけど、重さはあるというか。ドロドロしてるな……。

 

大学時代に付き合って関係を持ち……そして音信不通になった、今はBAN4回経験もあるASMR配信者となった加賀燈子まで担当になっていますし、そういう女性集める引力とか発生させてそう。

それで言うと彩奈は夢の為に別れてそれっきり、という関係で恵を「真面目で優しい」人物だと思っているのが異質か。彩奈は恋人を捨ててまで追った夢を掴めなかったりで負い目があったり、粘着DMが来てたりでなんというか深掘りすると闇が吹き出そうな気配はしますけど。

 

今回もメイと恵の関係を知っている大学時代の先輩が、暴露系配信者になって2人の関係をネタにされたくなければ俺の女になれ、とかメイを脅迫してきたりしてますし。

女性陣それぞれに爆弾を抱えてそうだよなぁ……というかなんというか。

隣国から来た嫁が可愛すぎてどうしよう。 冬熊と呼ばれる俺が相手で本当にいいのか!?

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「もし、わたしの知識で救える人がいるのなら、わたしはわたしの知識を提供すべきでしょう」

 

その性格と体格の良さ、敵を蹴散らす強靭な姿から「ティドロスの冬熊」という異名を持つサリュ。

ティドロス王国の三男でもある彼は、辺境での野党狩りに赴いて身だしなみを後回しにしがちで……25になっても未婚で婚約者もなし。

もう結婚は諦めているつもりだったが……そんな彼が王妃である母と一緒に、隣国ルミナス王国の王太子の婚約式に参列。サリュたちのように各国の要人が集まる場で、王妃はサリュのお相手探しをしようと考えていたわけです。

 

しかし、ルミナス王国の王太子アリオスは、婚約者であったタリア王国の令嬢シトエンを婚約式の場所で糾弾し、婚約破棄を宣言。

彼女の悪行をあげつらっていきましたが、その中で彼女の容姿すらもけなし始めて。さすがにそれは許せないとサリュは彼を

そしてサリュの相手について全権を委任されたサリュ母が、「婚約破棄になるなら、ウチに来ませんか」と声をかけることになって。

 

シトエンの父親は、サリュの母を知っていたこともありその提案を飲むことに。

あくまでタリア王国の臣下であるため、一度国許に帰って許可を得てからという話にはなりましたが、提案は受け入れられてシトエンはサリュの婚約者となったわけです。

女性の扱いに不慣れだとは言いますけど、シトエンを守ろうと立ち上がれる善性はあるし、不慣れなりに彼女を大切にしようとしてるのは好感が持てます。

だからこそシトエンもサリュに惹かれて行ったんでしょうしね。サリュとシトエンには幸せになって欲しいものです。

 

実はシトエン、別の世界で生きた記憶を持つ転生者で。前世では医師として働いていた。

それは会話の中で「ビタミンCやクエン酸を取ると良い」とか零した時点で分かってた話ですけど。

前世の記憶に引きずられることなく、王太子妃となるための貴族教育を完璧にこなし、ティドロス王国の言葉も習得している。スペック高い良い子ですよね、シトエン。

作中の世界よりも深い医療知識はあるけれど、医師ではない。そんな彼女だからこそ頼りたい、とサリュの友人からも頼りにされたりもしてたの良かったですね。

始まりこそ婚約破棄された悲劇ですけど、そこから良縁に恵まれているわけですから。

 

ルミナス王国王太子は大魚を逃した。それは、シトエンが竜紋と呼ばれる、鱗状の紋を宿していることを忌避したため、みたいですけど。

尊いものだからこそ隠され、それゆえに誤解した部分はあるみたいですけど。誤解を原動力に婚約破棄に踏み切ったのは自分なのに、その過ちを飲み込めてないのが愚かすぎる。

……国王はシトエンの父に対して頭を下げられる人でしたけど、息子は止められなかったし。宰相も馬鹿げた行動に踏み切っていたし、ルミナス王国終わってますね……。

毒の王5 最強の力に覚醒した俺は美姫たちを従え、発情ハーレムの主となる

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「俺にできることと言えば敵を叩き潰すことくらいだな。慰めてはやれないが、代わりに」

 

暗殺者ロズベットを味方に引き入れたカイム達。

彼女がミリーシアの暗殺に失敗したことで、高額報酬狙いの暗殺者が群れを成してやってくることに。

千とも二千とも言われるメンバーを抱えた組織力が売りの『カンパニー』。

「暗殺」と聞いてイメージする闇に紛れる静かな振る舞いではなく……無数のスケルトンを使役して群れで潰しに来る『骨喰い将軍』。

 

多様な暗殺者に狙われつつ、それらを撃退していたわけですが……。

彼等もさるもの、というか。人質を取ってミリーシアが手出ししにくい、民をカイム達にぶつけてくるなんて搦め手を使ってきたりもして。

ミリーシアを確実に殺すために、街一つに壊滅的な被害を出す派手な行動をとったりもして……生き残った人に責め立てられる、精神的な方向での攻撃もしてくるんだからたまりませんね。

 

ミリーシアはしっかりと皇族としての覚悟があって、自分を狙って敵が動いた結果、街一つが滅びたという事実から目を逸らすわけにはいかないというあたり真面目ですよねぇ。

カイムにも律儀というか難儀とまで言われてましたが。

敵が自分を狙ってくるというのなら、敢えて自分の所在を明らかにすることで、敵をコントロールしようとしたのはお見事。

明らかに罠だけれど、一人だけが得られる報酬のために暗殺者同士でのレースになっていることから誰も引くことはなかった。

仮に報酬がしょっぱくても、ミリーシアがギルドを通して自分の位置を知らしめた以上、彼女が無事で過ごしていることが示されたら「あれだけ挑発されても、殺せなかった臆病者」というレッテル張られて今後の活動に響きそうですけどね。

 

だいたいは蹴散らすことに成功していましたが、暗殺者界隈でも最古参の『不死蝶』と呼ばれる人物・アゲハまで出張ってきて。

彼女の狙いは、人でありながら魔物に育てられた『人魔』と呼ばれる……同胞であるリコスだった。しかし、リコスはリコスで既に自分の主をカイムと定めていたので、アゲハの誘いには肯かなかった。

 

その在り方を認めて引いてくれたのは良かったですね。『人魔』の寿命は定命の人とは違う、という情報も明かされてましたが。……『毒の女王』と同化したカイムはどうなんでしょうね。アゲハが興味示してなかったから『人魔』ではない扱いなんでしょうけど。リコスを一人にしないで上げて欲しいものですが、どーなるかなぁ。

口絵にも描かれてましたが、巻末の番外編「番う狼」で成長したリコスとのシーンが……夢という形ではあれど描かれたのは、リコスだけ仲間外れにならずに良かったというべきか。アゲハと出会ったことで、『人魔』ならではの技術を学んでますしいつか夢じゃ亡くなればリコス的にも本望でしょう。

本編は暗殺者という脅威を退けランスと合流を果たすところまでたどり着いてましたが……決戦まで1週間とかいう最後の一文が不穏ではありますね。戦力、足りるのだろうか。

毒の王4 最強の力に覚醒した俺は美姫たちを従え、発情ハーレムの主となる

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(改めて……俺はどんな星の下に生まれたんだろうな。故郷を飛び出してから一年も経っていないっていうのに、一生分の災難とぶつかった気分だぜ)

 

第一皇子との交渉は、予想できたことではありますが決裂。

暗殺者登場によって混乱した場で。カイムが出した毒ガスを爆発させることで隙を作り脱出には成功……したものの、仲間と分断されてしまうことに。

困ったカイムの元に真っ先に駆けつけたのが、孤児院に預けたはずの少女リコスで。狼に育てられたからかまさかの匂いで追跡してきたようで、彼女の力でミリーシアたちとも合流できたのは何より。

リコス、孤児院に置いていかれた事を怒っていて今度は置いてかれないようにカイムにしがみついているの、絵面は微笑ましいですね。

……リコス、院長の回想からするとなんか厄介な経歴の生まれっぽいですけど。まぁ魔狼に育てられている時点で今更か……。

 

兵士に追われながらも、何とか脱出したカイム達はミリーシアの提案で第二皇子ランスと合流しようと動き始めることに。

ランスの元へ向かう道中でカイムを阻止した、第一皇子の『双璧』についての話を聞いていましたが。帝国最強の騎士だとか、未来予知の力を持っている魔法使いが居るっていう話は共有しておくべきだったのでは……? まぁ教えられたからって、カイムが彼らに勝てるほどスペック向上させられる術があったわけじゃないので、結果は変わらなかったと思いますが。

 

さらに向かう途中でワイバーンに襲われている馬車を発見。

事情を聞くと、近ごろ周辺の村や町がワイバーンに襲われていて大変だという事で……ミリーシアが困る民を放っておけず、協力を申し出ることに。

アーサーとの交渉が決裂した上でも兵士に無駄な損害を出したくないと考えていたあたり、甘いですけど……そんな彼女だからこそ、味方につけられる人もいると示されたのは良かったですね。

 

他の冒険者チームが夜の見張りを引き受けてくれて……声を抑えるように努めたとは言え、その傍のテントでおっぱじめてるの、強すぎるな……。

彼等のイチャイチャっぷりに充てられて停滞していた、その見張りたちの関係も進展したのは良かったですけど、見張りはちゃんとしなー?

ワイバーン単体だったらカイムにとっては容易い敵みたいですけど。飛んでいること、かなりの数が居て広範囲に被害が出ていることから、カイム一人が戦ってどうにかなる状況でもなくて。

 

対処方法として、ワイバーンに特化した毒を生み出して、兵士でも対処できるようにするって言うのは効果的で良かったと思います。カイムが苦手な魔力操作を工夫する良い理由にもなりましたしね。

……そうやって生み出したカイム謹製の毒にも、ミリーシア達みたいな一部の女性陣に刺さる「媚薬」としての性質が残っていて。

ミリーシアを殺しに来た「首狩り」と呼ばれる暗殺者ロズベットに効果抜群。拷問には耐性があっただろう彼女を、カイムが快楽によって陥落させて味方に引き込むことに成功したのは……戦力向上って意味ではありがたいか。

 

暗殺者の世界でもある程度のルールはあって、仲介人が依頼を持ってきて誰かが狙っている獲物には手を出さない。……けれど、最初に挑んだ相手が失敗したのなら、その後は早い者勝ちになっているとかで。

ロズベットを屈服させたことで、他の暗殺者たちが動き出すだろうって情報も得られたのはありがたかったか。……暗殺者に狙われまくるの厄介ですねぇ。そうでなくても、第一皇子とそれに与する勢力を敵に回してる中で、敵対者増やしたくないっていうのに。

……そもそも、アーサー、ランス、ミリーシア3人のうち2人を殺せとか言う依頼出してるの誰なんだって話ですし、暗殺者を撃退したとて尾を引きそうな気配がある。

毒の王3 最強の力に覚醒した俺は美姫たちを従え、発情ハーレムの主となる

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「一度は他国に逃げた私ですが……今度こそ、帝国を救うために命を賭けたいと思います。大丈夫です、私には支えてくれる仲間がいますから」

 

カイム、やる事やった後のピロートークで「旅の途中、特に活躍してなかったけど何ができるんだ」とか直球で聞いちゃうのは流石にどうなの。

ちなみにそこで明かされた情報だとミリーシア、実は神聖術の才能があるらしいですね。

怪我の治療とか道具を揃えれば結界を張れるし、アンデッドとかに聞く浄化も使えるそうですが……そりゃこれまでの道中では使いどころないですね。

そして役立たずですみませんと自虐して、カイムに慰めてもらおうとしてるので……まぁそれ以外にも女の武器も磨けてるんじゃないですかね、知らんけど。

 

兄弟の争いを止めようと帝都を目指すミリーシアに同行するカイム達。

しかし街道の封鎖によって足止めされてしまって。ミリーシアの神聖術を使ってアンデッド討伐をしたりしてましたが、状況は改善せず……危険地帯である迷いの森を突破するルートを選択することに。

魔境に詳しいサポーターを紹介してもらって、カイム達なら対処できる程度の障害を蹴散らしつつ進んで行ったところ……奥地で本来会うはずじゃない魔王級に次ぐ公爵級の魔物、狼の魔物リュカオンの群れの長にケンカを吹っ掛けられることに。

 

流石に「公爵級」となると厳しい戦いでしたが、辛くも勝利。相手にも思惑があっての戦いで手加減されていなければ危なかった、とカイムは感じていましたが。

力を示したことで長からカイムは、狼たちに育てられていた人間の少女を託されることになるわけです。

リコス、デザイン可愛くて良いですよね。魔境の奥地で魔物に育てられた、というだけあってただの少女ではなさそうな気配プンプンしますけど。

 

少女託された後、無事に帝都に到着できたのはなにより。ただミリーシアが信用している人物が管理しているとはいえ、施設にそのまま預けようとしていたのは、警戒心が薄いというか。

ミリーシア後継者争いで内紛間近なのを止めようとしているわけで、彼女の立場って結構皇女でありつつ危ういんですよね。

帝都についてすぐ預ければ良いか、と考えてましたが……それは相手を侮りすぎでは……? 感もある。とはいえ、じゃあ素直に連れて行って良いかと言われると悩ましい話なんですけども。

 

第一皇子との対面は無事に叶ったものの、内紛を止める事は叶わず。

側近によって排除されそうになったカイムたち。『毒の女王』を取り込んだカイムでも、一国のトップクラス相手となるとさすがに厳しく……ピンチになったところで、暗殺者とか言う予想外の乱入者によって、逃げ延びることが出来たわけですが。カイムのレベリングは急務ですねぇ。

 

あとこれらのイベントの合間に相変わらずなアレコレもやってるんですが。

レンカが首輪持参で「お散歩」プレイに興じてたり、巻末の番外編「囚われのレンカ」では黒歴史を綴っていたり、もうダメだよこの女騎士。性癖に正直すぎる……。

ギルドマスターのシャロンとワンナイト堪能してましたが、三人の恋人ほどの高ぶりは感じなかったとかで、旅の仲間が特別であることを実感したりもしてましたが。

魔境のテントの中とか、兄と対話するために来た城では「妹でも予定の横入は許さん」と後回しにされて……その結果、城のミリーシアの私室で盛ったりしてるので、カイム色事方面では無敵か……? 女性陣の方がカイムを誘惑しまくっての結果ですが、それを受け入れてるわけだからな……。

放課後の教室に、恋はつもる。

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「先生。あたし……誰かを本気で好きになるのが、怖い」

 

カーストトップの生徒、上原メイサ。

彼女は「地味で堅物」という評判の国語教師、筧莉緒にほれ込んでいて。

放課後の金曜日に行われる勉強会。それにわざわざ参加するような生徒はメイサしかおらず……2人の密会を行う時間となっていた。

最も筧はメイサの気持ちに応えるつもりがなく、「堅物」という評判通りしっかりと「勉強会」を行った上で、メイサからの求愛をすげなく断るという不思議な距離感での交流になってはいましたが。

 

メイサが家庭の事情で進学が難しいかも、となった時は「教師として」と建前を使いつつもかなり彼女に踏み込んだ対応をしたなぁというか。

家に乗り込んで母親との面談をしていたのは、必要だったけど強引で、そこまでやった自分の心が筧もまだ測りかねているような状況で。

 

メイサが筧にほれ込んだのは高二の時、国語で赤点を取って補習を受けるようになってから。はじめは気乗りしなかったけれど、11で行う補習の中で多少は私的な会話をする時間もあって。

「好き」という気持ちを見つけられなかったメイサは、筧に少しずつ惹かれて行った。

一方の筧先生。教師と生徒、という事で自分の気持ちに線を引いていますが……。

実は彼女も、学生時代に恩師であった女性に恋をしたことがあって。けれど、その想いは伝えられず……筧が教師になったこともあってか卒業後も関係は続いていたけれど、恩師は近く結婚して子供ももう宿っている、というような状態で。

 

メイサからの告白は断った。自分の初恋は遠い昔に終わった。

筧、ある意味では恋を知らないんですよね。胸に抱いたことはあっても、その熱に溺れたことがないというか。真面目だから自分を律して、抑制してしまってる。そういう意味ではグイグイくるメイサとの相性は結構良いと思います。

実際、「振りはしたけど、どうしても目に入る」と筧自身も述べていたわけですし。

筧、線を引いていようとはしていますが。それでもメイサ相手には境界が揺らぐこともあって。メイサが「私の事すきになって」と思うのも分かる、まだ花こそ咲いてないけど恋の芽は出てそうな気配あるものな……。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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