気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

カクヨム

母をたずねて、異世界に。~実はこっちが故郷らしいので、再会した家族と幸せになります~

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「だから、大丈夫。僕はここで生きていく。ぼっくの生まれた世界であるここで。家族であるみんなと一緒に、生きていくよ」

 

父と愛犬のショコラと2人と1匹で暮らしていた主人公の翠。

彼は父が事故で亡くなった後、遺品整理をしていたら山奥にある土地の権利書を発見して。

父が定期的に掃除をしていた場所らしいし、予定では今月行くつもりだったようだから、やり残したことを引き継ごうとして、その家に足を延ばすことに。

そして家についたタイミングで……翠とショコラは異世界へと飛ばされることになるわけです。

 

まぁあらすじでバレてるので言ってしまうと、実は翠はそもそも魔法のある異世界の生まれであったとか。

違う世界から人や物がやってきたりする「境界融蝕現象」というものが、翠の故郷にはあって。それによって翠たちは異世界から地球に行ってしまったようです。

翠の父は、地球から異世界に行ってそこで結婚して翠を授かり、そして再び地球に戻って亡くなったらしいですが。翠の生まれ故郷はあくまで異世界側であった。

……そして「境界融蝕現象」で別れ別れになってしまった幼なじみや翠の母が、異世界には健在で。再び現象が起きた時に再会しやすいように、翠の母たちが備えていたのが良かったですね。

 

実際、翠が転移したのは異世界側で危険地帯とされている『虚の森』の深奥部で。

翠の母と幼なじみは上澄みの実力を持っているから、距離や支援物資を運んでいる関係とかで多少の時間こそかかったものの、問題なく到達できてましたが。

変異種と呼ばれる危険な魔物が跋扈する、一般人からすれば危険地帯のど真ん中で。

翠自身も実力者の子供としてその才能の片鱗を見せてくれましたし、実はショコラも異世界由来の種族で頼もしい力を発揮してくれたし。何より、亡くなった翠の父も色々と備えをしてくれていたのが良くて、家族の絆を感じる物語でしたね。

アラサーがVTuberになった話。5

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「ははっ、やっぱ俺はお前らが――あんだーらいぶが世界一好きだぜ」

「もちろん僕も」

「私もですよ」

 

妹の雫ちゃんの友人、十六夜真嬢の家族不仲騒動。

畳……じゃなくて柊先輩の行動と、その影響力も上手く作用していい感じにまとまったみたいですが。

燃えそうな話題に燃料投下したい人々は、いつもの祭り会場として神坂怜を延焼させたりしてたりしたそうで。なーぜか登録者数が減っていく始末。

 

所属企業もさすがに問題視して、偽情報の流布に対して対策をとっていくよ、って声明が出されたりもして、同情票で逆に人数が増えたり、相変わらず変な動き方してるな彼のチャンネルは。

声という自分の強みを生かす一環としてASMR配信なんかにも挑戦してましたが……。なんか間違った方向に学習して、氷カットしたりとかし始めてるの、迷走……というほどでもないけど、やっぱりなんかズレてますよねぇ。

狙ってないところで質の良い台詞提供してて、訓練された視聴者には刺さってたみたいですけどね。

 

今回も書下ろしのエピソードが充実。

初回は負傷により万全な状態で提供できなかった、柊の3Dお披露目配信。

その直前に、休業中だった他箱のVTuberが、V名義のアカウントで休業中に遊んでいたという話を、リーク系配信者などに取りざたされて。そこから同じように「配信外で遊んでいた」という悪印象を植え付けようと、あんだーらいぶの他のメンバーのプレイ履歴まで発掘してきたりして。よくもまぁ人の粗探しにそこまで熱意注げるもんだ、と呆れるばかりですが。

火種を提供することになるから、と参加自粛を表明しようか、なんて話も出てきてしまって。神坂怜が、放ってはおけぬと動いたのは熱かった。

 

これまでだったら彼が別のネタで炎上して、話題逸らしを図ろうとするムーブしたりしてましたが。今回それを察した人々に釘を刺されて。

その上で彼が見出した解決方法が、これまで縁のあった人々に助けてもらうって形で実現していたのは良かったですね。

……新キャラ、犬神狂衣という例の蠱毒箱からデビューした狂犬を手懐けてたりしてたり。たまたま葵さんと会った場面を月・太陽コンビに目撃されたり。女性関係も相変わらずだったりして、本当にもう……って感じでしたが。

それでも、楽しそうに活動続けているのがなによりですね。挿絵だと、黒子やってる朝比奈先輩が逆立ち支えるときに目が「><」ってなってる絵が可愛くて好きでした。



おおかみひめものがたり

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「大人が勝手に機体をかけているだけだからね、未来でお歴々の投資がどうなるかなんて君が責任を持つことではないよ。それよりもたくさん迷って、たくさん遊んで、たくさん学びなさい。今から大層なものじゃないなんて決めつけてはいけない」

だって、とフィリップ錬師は言葉を区切って口を開く。

「君達の人生はこれからだろう?」

 

著者がイラストも兼任しているシリーズ。WEB既読。

主人公のアリスは、銀灰色の毛を持つ獣人の女の子。双子の姉であるスフィと一緒に、故あって旅をしていたところ、体調を崩して寝込んでしまって……その時に、前世の記憶を取り戻した。

前世は男子だったと言いつつ、アリスとして育った記憶もしっかりあるので、何だかんだ少女として普通に生きて行ってるのは偉い。いやまぁ、生来病弱で、一歩間違えたら死んでたみたいですが。

割と早い段階で前世の記憶を取り戻したことを打ち明けて、スフィも受け入れてくれてるのが良いですね。

 

そもそも彼女達がなぜ旅をしているのかと言ったら、庇護者であったおじいちゃんが死んだから。

彼女達がいるゼルギア大陸の西方にあるラウド王国では、アリス達みたいな獣人は差別の対象となっていて。

オマケに彼女達はなぜか森に落ちていたところを、錬金術師のおじいちゃんに保護されて。いろいろな教えを受けたり、彼が代わりの居ない錬金術師だったこともあって村での盾になってくれてたらしいですが。

 

双子を保護した時点で死病に蝕まれていたこともあって、亡くなってしまった。彼は双子の故郷が「大陸東部にあるアルヴェリアという国だろう」という所までは分かっていたようですけど、そこまで送り届ける事すらできなかった。

自分が死ぬ前に荷物を纏めて旅に出ろ、と双子には言っていたようですけど。最後まで一緒にいることを彼女達は選んで。そのせいで遺産狙いの村人に集られて、旅の為の備えもむしられたようですけど。アリスの病弱さも併せてみると、まぁ生きて出られただけでラッキーだったとみるべきかなぁ。

 

旅の途中に立ち寄った街で、同じような獣人の孤児の少女2人と出会って。

最初は警戒しあってましたが、なんだかんだ仲良くなっていき旅路を共にするようになったのは微笑ましくて良かったですね。

スフィは身体能力に秀でている一方、アリスは病弱ながらおじいちゃんからしっかりと錬金術師としての教えを受けていて。ちゃんと位階を貰えるくらい知識を修めていて、そのあたりを知っている人物と出会ってサポートを受けられる街フォーリンゲンまでたどり着けたのは良かったですね。

 

WEBだとフォーリンゲンの錬金術師ギルド到着時に受付でひと揉めしたりしてましたが、書籍版はそのあたりサクッとカットされて、良識的な受付になってましたねぇ。

フィリップ錬師も「もうちょっと獣人に優しい街だったら成人するまで」保護するのも吝かではなかったようですけど。環境が整ったことで旅の資金を稼げるようになったりして。……まぁそこでも騒動に遭遇したりして、平穏は遠くても協力して乗り切っていってるのが良いですね。WEBの更新も結構良いところまで進んでいて、好きなシリーズです。



極振り拒否して手探りスタート! 特化しないヒーラー、仲間と別れて旅に出る6

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「しかし奴らは我が領民に手を出した! それは絶対に! 絶対に許しはしない!」

 

ダンジョンを攻略しアルッポを去ったルークは、国境を越えて鉱業が盛んな国ザンツへと足を延ばして。

しかし時期が悪く、季節は冬。

これまではアルッポのダンジョンまで足を延ばせば、そこは切り離された環境であるため、冒険者にとって冬場の良い稼ぎ場所になっていたようですけど。

そこが攻略されたことで計画が破綻した若手冒険者なんかも散見されて。ルークにとっても想定外の状況ではありましたが。

 

……冬で往来にも制限が出るし、食材にだって制限が出てくるから、冬支度って言うのは本当に大切なものだそうですが。ルークは本当にそのあたりさっぱりで。

情報収集をした結果、王都に足を延ばすことを決めたわけですが。

そこで以前アルノルンで冒険者登録した時に話したニックと再会。登録を止められそうだった時に、受付のエリンを説得した人と言われてそう言えばいたなぁと思うなどしましたが。

彼の紹介で宿を見つけることが出来たりして、手探りで旅をしまくっているし、婚約破棄された少女の前で「あの騒動の!」的なコトを口走ったり失言もそこそこあるわりには、何だかんだ強かに生き延びてますよねぇ、ルーク。

 

ザンツは国や教会の上層部が腐敗していて。

真っ当な人も当然多くいるんですが……それでも権力者ほど腐敗が進んでいて、暗躍してる輩も居て。

そんな中でルークは多少怪しい人物を目撃したり、巻き込まれた孤児の子を助けたり。婚約破棄された令嬢に回復魔法を教える役を任されたりと、騒動の端っこの問題に関わっていくわけですが。

……最終的には、彼の与り知らぬところですべての問題が解決していたのは、ちょっと笑った。一応ルークが目撃した情報で、真面な司祭が動いてくれていたり、彼が魔法を教えた令嬢が「聖女」と神聖化され、この地に残っていた聖女伝承もあって民心を引き付けたことなんかもあって、ルークのしたことは結果として良い未来を導いてるんですがね……。

 


彼女は窓からやってくる。 異世界の終わりは、初恋の続き。

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「友達になろうぜ、咲耶。俺は、『文月』でも『魔女』でもない、ただの咲耶とそうなりたい」

 

主人公の陽南飛鳥は、異世界に「勇者」として召喚され、「魔王を倒してくれ」と依頼された。

その隣人である少女・文月咲耶は逆に魔王に呼び出され、「勇者を倒してくれ」と依頼されて「魔女」となった。

敵対陣営だった二人は、戦いの中で再会しなんだかんだあった末、なんとか現代地球に帰ってくることに成功したわけですが。その時には既に二年の時間が経過していた。

地球に帰還しても異世界での技能は仕えたので、魔女の魔法でそのあたりの認識はある程度誤魔化してもらったみたいですけども。

 

年齢経過による成長まで誤魔化せるわけでもなく。……要するに高校を留年している事実までは確定していて。

異世界の常識に影響を受けたこともあって、特に飛鳥の方は学校でも浮いている状態だった。……まぁ彼はクラスに馴染む以前に、金銭的な事情にも恵まれておらず、生活もなかなか厳しい水準になったりしてて、ベースが過酷なんですが……。

 

そんな飛鳥の隣人でもある咲耶は、魔女としての様式美にこだわってなぜか窓からやってくることがあって。

深夜におろしたての服着てめかしこんで訪問してるの、可愛いですよね。タグきり忘れている抜けている部分もあるのも、微笑ましいし。

飛鳥のいう所の「異世界ボケ」に悩まされている二人は、元々クラスメイトで委員会が一緒だったりして顔と名前は知っている間柄だし多少の付き合いはあったようですが、「相手を良く知っている」と言えるほど親しくしているわけでもなかった。

 

そんな2人が改めて友人関係になって、不器用なりに交流していってるのは良かったですね。咲耶も一応お嬢様ってこともあって、他人と距離を置きがちだったみたいですし、相手が飛鳥であることもあってわりかしポンコツになってる時もあるんですけど。

異世界で大変な思いをした2人が、現代で平和な日常を送ってくれれば……良かったんですけどね。

「魔女」が地球で魔法を使えたように。「勇者」も聖剣を携えたままだったりと、それぞれが隠していたこと、秘めていた想いがあって。近づいたからこそ見えてしまった「隠し事」が明らかになって、派手にぶつかる羽目になったりもしてましたが。

そうやって一度ぶつかったことで、より親しくなれたのは良かったですねぇ。これからにはまだまだ課題が多そうというか、困難が待ち受けてそうですけど。2人で乗り越えてほしいものです。



黄金の経験値4 特定災害生物「魔王」配下融合アルケミー

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「――ライラ。物の価値って言うのはね、その時、その場所によって流動的に変化していくものなんだよ。この世に普遍的な価値のある物なんて存在しないんだ。であるならば、そう、今この瞬間にライラ自身が必要としているかどうかこそが何よりも雄弁にそのものの価値を語っているんだよ」

「え、今私けっこう高いって言ったよね?」

「その前に余ってるって言ったじゃない。ならおくれよ」

 

レアやブランはなんだかんだ魔物陣営で有りつつ、成功していったパターンではありますけど。

一般魔物プレイヤーはその過酷さにどんどんプレイ人口が減っていって。それでも続けている人もそれなりに居て、ゴブリン・グレートウィザードに転生して使役をアンロックしたというプレイヤーが魔物プレイヤーの交流スレに登場していたり、一般プレイヤーも侮れませんなー。

 

ブランから得た情報で、複数のキャラクターを集めることでより強力な個体に転生できる、という話があって。

レアの支配地の一つ、トレの森で実験を行うことに。スケルトンナイトを上位存在にアップグレードしたり、ニュート系の魔物を集めてドラゴンを生み出したり。

レア自身も当然新しいスキルを取っていってますし、ライラもまた経験値を集めて邪王への進化を遂げたりして。

ようやく魔物一般プレイヤーの間で使役の存在が出始めた、ってタイミングでそこまで踏み込んでいるのは相変わらずゲームが上手い、というか。新しい要素見つけていくのが上手い。ライラも試行錯誤の末に『鑑定』スキル見つけてましたしねー。

 

滅亡したヒルス王国をレアは庭のようにしていて。一方で隣国オーラルを押さえているライラも割と好き勝手している。

そんな中で不幸な行き違いが起きて……エルフの国ポートリ―が、ライラが野盗を動かしていた工作をヒルス滅亡に結び付けて、侵攻してくることになって。

運営主催の「天使が襲撃してくる」イベントの前に、その問題を片付けようとするあたりレアも相変わらずです。面子を大事にしているから、舐められているなら反撃しなくてはならない、と思いっきり叩きに行っていていっそ清々しかったな……。

ブランを介して伯爵と対面して、絶対もっと後に出てくるはずだっただろう情報とかゲットして。目標が定まったのは、まぁ良いことですかね……。

眷属になったNPCのマーレが、聖人ルートの進化を選択してレアの配下としてまたぞろ独自のイベント発生させていってるのも笑えましたが。本当に自由にやってるな。



黄金の経験値3 特定災害生物「魔王」迷宮魔改造アップデート

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Q:スケルトンってなんの骨ですか?

A:「スケルトン」は生まれながらのスケルトンであり、元の骨の種族は設定されておりません。スケルトンのために作られた骨です。なお「〇〇スケルトン」と名のつく種族に関してはもとになった骨が設定されております。

 

5巻の感想書き上げた後、よくよく調べてみたらなんか3巻から感想書いてないのに気が付きました。なにしてるんだ。という事で感想を書いていこうと思います。

魔王として覚醒したレアによって滅ぼされたヒルス王国。

厳密には、「国土の半分以上の喪失」・「国民の半数以上の喪失」・「王家の断絶」と言った要素の1つ以上を満たすと滅亡判定が下されて、公式HPから消されたりするようですけど。

王家を断絶させたのは隣国で好き放題していたレアの姉であるところのライラなので、厳密にはレアが滅ぼしたわけではない……か? 滅びへ向かう道を舗装したのは間違いないでしょうけど。

 

大規模イベントが終わり、ブランやレア達は街を勢力下におくことになって。

ヒルス王国壊滅の影響は大きく、新規プレイヤーへの影響も大きい。そこで運営は、プレイヤーの勢力下となっているエリアも含めていくつかの場所を「ダンジョン」認定して、そこへ転移できるサービスを運用することで、新規へのフォローとしていくことにしたようです。

第一回イベントの時からそうですけど、レアみたいに想定外の行動しているプレイヤーも居るだろうに、排除するのではなく一報入れて配慮しつつ、上手く取り込んでいこうとしてるのは面白い。

 

まぁ、想定外なのはレア達の侵攻ペースであって、デスペナルティが別効果に置き換わるというゲーム的な効果を、次のアプデで適用してきたりしてるのである程度考慮していた部分はあるんでしょうけど。

ゲーム的に言うと、ライラは国家経営シミュレーションモードが、レア達にはダンジョン経営シミュレーションモードがアンロックされた感じか、と作中でライラが行っていましたが、まさにそんな感じで。他のプレイヤーがまだRPGしてるなかで、別ゲーやってるんだよなこの魔王軍……。軍じゃないけど。

 

ブランが過去の歴史を知る伯爵と、なんだかんだグッドコミュニケーション取ってるの面白すぎるんだよな……。召喚魔法を応用した転移については伯爵も知らず、ブランから教わるなんて状況にもなってましたし。

事情を知っている三人娘が集まってワチャワチャしてるところとか、楽しくて好きですね。まだレアとライラがぎこちないところを、ブランがいい感じになごませてくれるのが楽しい。あと地味に「スケルトンってなんの骨?」って質問がツボなんですよね。なぜ運営もその質問拾ったんだ、という所も笑えるポイント。

レアも大分好き勝手やってますけど、ダンジョンが実装された後ひたすらダンジョンに挑み続けているプレイヤーも生まれたりしているし、割と他のプレイヤーも進行度に差こそあれど好き放題楽しんでますよね。

異世界のすみっこで快適ものづくり生活3

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「ソウジロウは『料理も広めれば、真似をする人がいる。けれど、そうして真似をする人の中から、才能のある人が見つかるものだし』って、言っていたわ」

「ほっといても、やる奴はやるって考えか。そりゃわかるけど、そこで喜べるのは、大した自信さね」

 

ほぼ村と呼べるだけの規模感が出て来た、ソウジロウたちの森の拠点。

これまでソウジロウのやりたいようにしてきた結果、施設は潤沢になってきたけれど肝心のモノがなかった。

それは、拠点の名前。ミスティアは「ソウジロウがその気になるまで待った方がいい」と思ってくれていたようです。彼がそうしたいと思ったときの方が真剣に考えるから、と付き合いが短いながらも、結構見透かされていて短いながらも濃度のこい付き合いしてきたことが伺える。

 

一度は外に出した妻や息子を、ソウジロウとの付き合いの関係で呼び戻すことになったドラロ。手痛いビンタを喰らったりもしたようですけど。頼れる職人との伝手も得られたのは良かったですね。

何だかんだドラロの事大事にはしているようで、いったいどんな手口で元夫に近づいたんだ? と言ってきたりする一幕もありましたが。

まぁ職人との初対面で、「まず刃物類作って欲しいですね(包丁とか欲しいんだよな)」というすれ違いが生じていたからな……。その後手製のクッキーで誤解解けたのは笑っちゃった。

ソウジロウ作の木造を見て職人としても認めてもらったりもしてましたけどね。……神木を偏執的なまでにこだわって彫り込んでいるのを、変態だのなんだの意気投合して評価しているあたり、似た者同士だなぁ……と思いました。

 

あとは、釣り竿のリールを作って量産体制を持ち込もうとしたり、影響が及ぶところはどんどん広がっていきそうですねぇ。

そんな中で、ソウジロウはちょっと疲れたというか、ゆっくり時間を使いたいという事でマツカゼを伴ってではありますがソロキャンプを堪能することにして。

トラブルがありつつも良い時間を過ごしたりして。心機一転した結果、冒頭でも触れた拠点の名前問題に向き合うことになったわけですけど。彼らしい名付け方をされていて、良かったと思います。

異世界のすみっこで快適ものづくり生活2

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「価値があるものを価値の分かる者に届けねばならん。それは儂が商人を目指したときの、最初の誓いだったゆえにな。男として恥をかくからと、商人としての誓いを曲げては、儂の魂にはなにも残らんではないか」

 

妖精サイネリアが勝手に米とビールを持ち出してきた相手に、しっかりと贈り物を返すあたりソウジロウも真面目だ……。

そうやって贈られたおにぎりが、ソウジロウ作で神気がこもっていたこと。サイネリアが伝えた神器持ちや飛竜が滞在しているという話が興味深かったために、天龍と呼ばれる崇められている種族の若者がやってきたりして、さらに森がにぎやかになることに。

最初の挿絵でウカタマとコタマが持ってきた植物を植えたところで片方がばんざーいって感じで手? 足? を挙げているのが可愛かったですね。

 

一方、ソウジロウからもたらされた神樹の森の素材を受け取った領主のセデク子爵。

彼が王家に献上した蛇の肝を用いた薬で、臥せっていた王子が回復されたとかで、数年のうちに領地に足を運びたい、なんて話も出て来たとか。

狭く貧しい領地で、中央からは落ちぶれ貴族として見られているような場所だそうで。

近くにある神樹の森が豊か過ぎるがゆえに、切り落とすにも一苦労な樹木や倒すのも大変な魔物に溢れていて、人が踏み込めずにいることが原因の一つではあったようです。

貧しい領地でどうやって持て成すつもりだ、と商会長にツッコまれたりもしてましたが。

 

結果的にソウジロウが神樹の森の素材を持ってきてくれたことで、素材の処理に商人ドラロが苦慮することになったりもしてましたが。その分の恩恵も受けられてるので差し引きではプラスの方が多そう。

ソウジロウ側も理解ある領主と商人との伝手が出来たり、森の拠点でも大浴場作ったりしてるし、森の住人も増えたりして充実してますね。

ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~10

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「いいゼフィルス? 私がいなくてもあまりはしゃぎすぎないでね?」

「そんなに念を押さなくても大丈夫だシエラ!」

「大丈夫じゃないから言っているのよ?」

 

夏季休暇を堪能する第10巻。表紙で浴衣着ていたり、水着を着ている挿絵が多かったのはかわいらしくて実によかったですね。

ニーコが仲良し3人娘に連行されていくところの挿絵とかも可愛くて良かった。

帰省するメンバーも居る中で、イベントを存分に堪能するためにしっかり全員居る間にスケジュール相談したり、シエラやセレスタンのフォローもありますけど、ゼフィルスなんだかんだちゃんとギルドマスターやってるんですよね。

本人がダン活の世界を堪能するために最前線を突っ走る暴走機関車すぎるのでアレですけど。学年1位を取ったりしているし、しっかりやることはやってる。

 

下部ギルド〈アークアルカディア〉から〈エデン〉への昇格試験を実施したり。

ボス周回で溜まりに溜まっていってる素材管理が、さすがに追いつかなくなってきたので、正式メンバーではないけれど、サポートしてくれる「助っ人」制度で人を入れようという提案がされたり。

アークアルカディアから昇格した後、下部ギルドに取り込む人員についてメルトやミサトと相談したり。今はまだDランクだけれど、もっと上を目指していくつもりしかないゼフィルスは今のうちから手を打ってるんですよねぇ。

それは今更言うまでもなく、高位職の条件に付いて学園に情報を流したり、有望そうな相手に声掛けしたり、特別授業で教鞭取ったりしてることからも分かっていた話ではありますが。アークアルカディアの面々もゼフィルスの戦法を学んで実践しようとしていたり、彼の齎した変化で成長している面々が多いのを実感する。

 

今回巻末の番外編で、帰省したラナとシエラのエピソードと、助っ人として採用された掲示板の商人1年生ちゃんことマリアちゃんと勇者ファンの会話が入っていたのは良かったですね。

学園に行くまでは行きたがってなかったラナが、そこで楽しさに目覚めて逆に王城での生活でストレスを感じるようになっていたり。しれっと幸猫様が王家の宝物庫にも無い希少ドロップだと明らかになったり。

あとは、シエラが実家で盾姫就任を祝われつつもゼフィルスとの関係についてつつかれたりしたのを、勇者ヤバいトークで乗り切ったのはちょっと笑っちゃった。

そうやって苦労して戻ってきたシエラ達も交えて、ギルドで実施したエクストラダンジョンでの合宿を満喫できていたのは、良かったですね。実に楽しそうだ。



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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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